第三話 「緑の地球は誰の物」

       って入力しちゃいましょうか?

 



注:この話のジュンの説得からはほとんど原作からの引用ですので読む価値はありません。これを飛ばして4話に行っても支障ありませんので、あらかじめご了承ください。

 



 ナデシコは今から連合宇宙軍の地球防衛ラインの突破をしようと言う所まで来ました。


「ねぇ、ルリルリ、その顔の傷どうしたの?」


 ミナトさんが話し掛けてきました。

 それにしても、もうルリルリと呼んでくれるんですね、なんだか嬉しいです。


「ちょっと今朝寝ぼけていて、ベットから落ちてしまったんですよ。」


 勿論嘘です、これはアキトさんとの戦闘訓練で付いた物の一つです。


「そうなの?ルリルリって朝弱いの?」


「はい、結構弱いんです。」


 これは嘘ではありません。


「姉さん、本当に大丈夫ですか?」


 アキラが心配そうに私を見ています。


「このくらい大丈夫ですよ。」


 実は身体中に痣があって、今こうしているのも辛い、なんて言えないですよね。


「姉さん、あまり無理はしないでくださいね。」


 アキラは気付いているのでしょうか?私がアキトさんと戦闘訓練をしているのを。


「ミサイル接近。」


 カイトは淡々と自分の作業をしています。

 カイトは私以上のダメージを受けたのですが、

カイトの能力の一つに異常自己治癒力と言うのがあります。

 それは普通の人の数倍の速さで傷が治ってしまうという羨ましい能力なんですが、

その代わり、傷の量に比例して体力をかなり消費してしまいます。


 あっ、少し眠そうですね、あれだけの傷を受ければ当然ですね。



ドゴォォォォォォ・・・

 

 ナデシコのディストーション・フィールドに、ミサイルの着弾する音が聞こえる。

 

「第4防衛ラインを突破・・・」

 

 残りは第3、第2、第1ですね。

 でも確か第3防衛ラインには・・・

 

「絶対に来ますよ兄さん。」

 

「ああ、来るだろうな・・・出来れば穏便に、ナデシコに同乗して欲しいんだが。」

 

「・・・だいたい、ユリカさんに置き去りにされた時点で諦めませんか、普通?」


 貴方に言えるんですか?アキラ、まあ私もですが。


 ユリカさんの場合本当に忘れていただけだと思いますが。

 悪気は無かったのでしょう・・・そっちの方が酷いですね。



「そう言えば・・・プロスさんから、火星に行く説明を聞いた訳だが。

 今考えると、無謀な事を考えたもんだよな。

 過去では単純に火星に行ける、と喜んだものだが。」

 

 敵の占領下の星に、たった一隻の戦艦で乗り込む。

 確かに軍人が聞いたら、呆れるような話ですね。

 
 ・・・普通の人が聞いても呆れますね。
 

「それでも・・・今回もアキトさんは、ナデシコに乗って火星に行くのでしょう?」

 
 解りきったことだが、一応聞いてみる。


「当たり前だろルリ、 火星にはアイちゃんが待ってるんだから。」

 

「・・・やっぱりアキトさんは変わってませんよ。」

 
「そうですね、やっぱり兄さんはあの頃のままです。」


「・・・そうか、な。」

 
 そこで私達の会話は乱入者のお陰で途絶えました。
 

「ア〜キ〜ト〜!!

 もう!! 幾ら知り合いだからって、ルリちゃんとアキラちゃんとばっかりお話しして!!

 私もアキトとお話しがしたい、したい、したい!!!」

 

 ・・・まあ天真爛漫と言えば聞こえはいいでしょうが。

 見かけは11才の私とアキラに、本気で嫉妬してるんですかユリカさん・・・

 でも、でも理由は解ります、アキトさんはユリカさんを避けています。

 アキトさんの気持ちも解ります・・・ユリカさんの最期を思えば。
 

「何を話すんだよ・・・昔の事も今までの事も、全部話して聞かせただろ?」

 
 それを押さえるためか、アキトさんはユリカさんに冷たく当っているように見えます。


「う〜〜〜!!

 じゃ、ルリちゃんとアキラちゃんと何を話してたか教えてよ!!」

 
「プライバシーの侵害です。」


「家族の会話に口出ししないでください。」


 それでも私達は冷たい言葉を返します。
 

「う!! ルリちゃんもアキラちゃんも恐い。

 でもでも!! そう!! 艦長命令ですよ!!」
 

 それは、本当に職権乱用ですよユリカさん。
 

「「黙秘権を行使します。」」

 
 私達の冷静な反撃に対しユリカさんは・・・


「え〜〜〜ん!!

 ル、ルリちゃんとアキラちゃんが私を苛めるの、アキト〜〜〜〜!!」

 
 ・・・そこでアキトさんを頼りますか、いいでしょう。

 私はつい先ほど完成したばかりのある物をアキトさんに渡します。


 アキトさんは無言でそれを持ってユリカさんに近づき・・・


スパァァァァン  


 ユリカさんを叩き倒しました

「いったぁぁぁい!!

 え〜〜〜ん!!アキトまで私を苛めるよ〜〜ミナトさ〜〜〜ん!!」 


 今度はミナトさんに助けを求めています。


「私に振らないでよ艦長。

 ところでアキト君、その「ルリルリ特製」って書いてあるハリセンは何?」


「説明しましょう。」


「えっ!!えっ!!まだイネスさんは・・・って、ね、姉さん?!」


 アキトさんとアキラがやたらと驚いています。


「この特製ハリセンは当たる瞬間にショックを全て吸収し、それを電気信号に変換し、

 脳に直接「痛み」を伝えることが出来るのです。

 つまり、激痛が走るのに身体は無傷、リミッターによってショック死することもありませんから、

叩かれる側は永遠の苦痛を味わうことが出来ます。

 まさに世界最高のツッコミアイテムと言えるでしょう。」


 私が説明を終えて周りを見ると皆さん唖然としていました。


「ル、ルリルリ、何時の間にか明るくなったね・・・」


「あのルリちゃんが・・・」


「うぅぅぅ、ルリちゃん、どうしてそんな物作ったの?」


 ミナトさん、メグミさん、ユリカさんがそれぞれの感想を口にします。

 あっ、アキラはまだ固まってますね。


(アキト、ルリってあんな性格だったのか?)


(いや・・・そんな筈は無い・・・筈だ。)


 そう言えば何で私はこんなこんな事したんでしょう?

 今更恥ずかしくなって来ました。


(ど、どうしたんだルリ、なんか妙に明るいな。)


(はい・・・どうも三年間もシリアスばかりだったので、

 テンションの上げ方がおかしくなった様です。)


(完全にオーバーロードしてるな。)


 はい、まったくです。

 早くカンを取り戻さなければいけませんね。


『敵機確認』

 
 そうこうしている内に来てしまいましたね。


「有難うオモイカネ・・・艦長、第3防衛ラインに入りました。

 同時に敵機デルフィニウムを9機確認。

 後、10分後には交戦領域に入ります。」

 

 さて、どうしますか?ユリカさん。
 

「う〜ん、ディストーション・フィールドがあるから大丈夫だと思いたいけど。」

 
「今のフィールドの出力では、完全に敵の攻撃を防ぎ切れません。」

 
 またアキトさんを見ていますね。

 アキトさんばかりを頼らないでください。

 まあ、どのみちアキトさんは出なければいけませんが・・・
 

「でも・・・あ、ヤマダさんがどうしてエステバリスに乗ってるんでしょう?」


 メグミちゃんの呟きに全員の返事は一致していた。
 

「うそ?」  (ブリッジ全員)

 
 カイトまで驚いています。

 それもそのはず、ヤマダさんを治療して医務室に縛り付けたのはカイト本人ですから。

 
 私が慌てて表示した通信ウィンドウには・・・

 全身包帯男が、エステバリスに乗って飛び立とうとしている姿が映っていました。

 やっぱりバカですね。

 
「・・・ガイ、何をしてるんだ?」

 
 アキトさんが一応確認しています。


「決まってるだろうが!!

 俺のこの熱い魂で!! 俺達の行く手の邪魔をする奴達を叩きのめ〜す!!」


「ヤマダ機、ナデシコから発進。

 ・・・どうします?」

 
 はぁ、こんなことになると思ったから医務室に縛り付けておいたのに・・・

 
「ユリカ・・・俺が出て連れ戻してくるよ。」
 

「・・・仕方ないよね、許可します。」


 アキトさんの仕事が増えたじゃないですか!!

 いっそのことここで死んでもらいましょうか。

 アキトさんが急いで出撃準備をしています。

 ヤマダさんの様子を見てみましょう。

 一応、回避行動に専念しているみたいですね。

 死にはしないでしょう。



「何してるんだアキト!!

 親友のピンチだぞ!! 早く助けろ!!

 身体中が痛くて、気が遠くなる〜〜〜!!」


 と、やっと到着したアキトさんに言い放つヤマダさん


 (やっぱり死んでもらいましょう。)


 (そういうわけにもいかないだろ。)


 あっ、聞こえてしまったようですね、次からは気を付けましょう。

 
「はいはい・・・俺が到着次第、牽制するから早くナデシコに帰艦しろよ。」

  

「おう!! 俺の囮としての役目はまっとうした!!

 後はお前に任せるぞアキト!! イテテテテ・・・」

 
 フラフラと、見るからに危なそうな状態で、ヤマダさんが帰艦してきます。


 そんな事をやっていると、ジュンさんから通信が着ます。


「ユリカ!! 今ならまだ間に合う!!

 ナデシコを地球に戻すんだ!!」

 

「・・・駄目なのジュン君。

 ここが、ナデシコが私の居場所なの。

 ミスマル家の長女でもなく、お父様の娘でもない・・・

 私が、私らしくいられる場所はこのナデシコにしか無いの。」

 

「・・・そんなに。

 解った、ユリカの決心が変わらないのなら。」

 

「解ってくれたの、ジュン君!!」

 

「まずあの機体を破壊する!!」

 
 そういってヤマダさんの機体を狙うジュンさん。

 そして、複数のミサイルが発射されました。



「くっ!! だから無茶をするなと!!」


 ドンドンドンドンッ、ドドンッ!!!

 
 アキトさんが本気でミサイル落とします。

 本気のアキトさんに撃ちもらしなどありません。


「ガイ!! 今のうちに逃げろ!!」

 
 アキトさんの射撃の腕前に・・・敵味方が戦慄する。

 

「お、おう!! しかし凄い腕前だなアキト。

 お前本当にコックか?」

 

「・・・今はそんな事言ってる場合じゃないだろ!!

 俺が敵を牽制するから、早くナデシコに!!」

 
 ドドン!!  ドン!!

 
 どんどん数を減らしていく敵機。

 相手が悪すぎますね。

 ・・・まあ、あの損傷では死ぬ事は無いでしょう。

 
「わ、解った!!」

 

 そう言って戻ってくるヤマダさん。

 
(もう、本当に誤魔化せませんね。)


(ああ、そうだな・・・でも俺には・・・)


(解ってます、それでこそアキトさんですよ。)


(ありがとう、ルリ。)


 さて、あとはジュンさんの説得ですね。

 どうするんでしょう、アキトさんは、御手並み拝見です。




『・・・テンカワ アキト!!

 正直に言おう、僕はお前が憎い!!』

 

「これは・・・随分ストレートにきたな。」


『お前の一体何が、ユリカを魅了したんだ!!

 特別な物など何も持っていないお前が!!』


 まったく、これだからお坊ちゃんは困ります。

 でもこの頃の私はそれ以上に人間としてダメだったんですよね。


「じゃあお前は何を持っていれば・・・ユリカに相応しい男だと思うんだ?」
 

『!! そんな事・・・

 僕が聞きたいくらいだ!!』


「・・・ジュン、お前はユリカの為だけに、ここまで来たのか?」
 

『違う!! それも理由の一つだが・・・

 僕は正義の味方になりたかった!!

 だけどその正義の象徴だと思っていた連合宇宙軍も、決して正義だけの存在じゃなかった!!

 そして、ここでナデシコを見逃せば、ユリカとナデシコには帰る場所が無くなるんだ!!』
 

「心配しなくても、ネルガル本社が上手く立ち回るさ。

 それよりも、ユリカをサポートする人材の方が不足してるんだがな。」 


『・・・僕に、ユリカのサポートをしろと言うのか!!』
 

『ならば・・・テンカワ アキト!!

 僕と一騎打ちで勝負しろ!!』


『隊長!! !! そんな勝手な行動は・・・』
 

『黙れ!! お前達はステーションに戻っていろ!!

 もう直ぐ第2防衛ラインだ・・・ミサイルの雨が降ってくるぞ!!』


『!!了解しました!!』


 ゴォォォォオオオオオ!!

『・・・僕の人望なんてこんなもんさ。

 それでもユリカは、ナデシコは僕を必要とするのか?』
 

「ああ、そうだ。

 お前が必要なんだよジュン。」
 

『ふっ・・・君には敵わないのかもな。

 だが、もう遅いんだ。』


「ジュン!! 直ぐに物事を諦めるのが、お前の悪い癖だ!!

 もう少し、ユリカに見せる執念を他に活かせ!!」


 ドゴッ!!

 
『な、何をする!!』

 

「黙ってナデシコに向かえ!!

 ・・・ルリ!!」

 
 
「はい、アキトさん。」

 
 これで一件落着になりそうですね。


「俺はミサイルを破壊しつつ、回避行動に出る!!

 ナデシコのエネルギー供給フィールド内での回避行動だからな、かなり制限されるだろう!!

 それでも、ディストーション・フィールドは解除しないようにと、ユリカに伝えてくれ!!」

 
 まああの程度のミサイルの雨アキトさんにとってはなんでもありませんし。


 ピッ!!


「そんな!! アキト無理だよ!!

 今直ぐにディストーション・フィールドを解くから、早く帰って来てよ!!」

 

 突然ユリカさんがアキトさんとの通信に割り込んでくる。

 

「今からでは間に合わない。

 ここでディストーション・フィールドを解けば、ナデシコが撃沈されるぞ。

 ・・・大丈夫だ、俺を信じろユリカ。」



「・・・私、信じたからねアキト。

 だから、だから、もし嘘だったら怒るからね!!」

 

「ああ、ブリッジで待ってろ・・・バリア衛星に突入する前には、ちゃんと合流するさ。」

 

 アキトさんは笑顔で宣言されました。
 

「うん、うん・・・絶対だよ。」

 
「ミサイル・・・来ます。

 兄さん、私も信じてますから。」

 
 アキラは微笑んで、ユリカさんは泣きながらアキトさんを送り出します
 
  
(アキトさん、この程度やられるとは思っていませんが、気を付けてくださいね。)


(アキト、お前の身体はまだ完全じゃないんだ、油断はするなよ。)


(ああ、ありがとう。)


 そしてアキトさんとミサイルの戦いが始まりました・・・




「2防衛ライン突破・・・」


「ルリちゃん・・・アキトは・・・」


「テンカワ機・・・テンカワ機、応答願います!!」


「メグちゃん・・・アキト、応答が・・無い。」


「艦長・・・残念ですが、あのミサイルとディストーション・フィールドの板挟みです。

 一流・・・いや連合軍のエースパイロットでも、生存は不可能ですよ。」


「・・・そんな、プロスさん。」

 
「僕が、僕が変な意地を張ったばっかりに!!」
 

「ジュン君・・・アキトはそんな事・・・」


「アキトさんが信じられないんですか、艦長?」


「そうですよ、艦長?」

 
「ルリちゃん?アキラちゃん?」
 

「兄さんは強い人です。

 約束を必ず守る人です。

 私は兄さんを信じています。」

 
「アキトさんはこの程度ではやられませんよ。」


「・・・私も。私もアキトを信じてる!!

 それはルリちゃんにも負けないんだから!!」

 

「・・・それでこそ、艦長です。」

 

『テンカワ機発見!!』

 

「オモイカネ!! 何処?」

 

『ナデシコより更に上空にて発見』

 

「なんですと!!

 ・・・信じられん人ですな。」

 

「・・・ナデシコを待ちきれずに、上空に逃げ出したって事?」

 

「そうですよミナトさん。

 エネルギー供給フィールドを突破して、先にミサイルの包囲網から脱出されてたんです。」

 

「良かった・・・アキト。

 やっぱり約束を守ってくれたんだ!!」

 
 
 ピッ!!


アキトさんから通信が着ます。
 

「やあ、約束は守ったよ。」


「アキト!! やっぱりアキトは私の王子様だね!!」
 

「・・・そんなの俺の柄じゃないよユリカ。」

 
「でも、本当にお疲れ様でした兄さん。」


(流石ですね、アキトさん。)


(アキトなら、当たり前か。)


(流石に疲れたよ。)


(はい、帰ってきたらゆっくり休んでください。)


 私はアキトさんの機体を誘導します。

 私達のナデシコへ。



 
あとがき


 手抜きです、すみませんBen先生どうかこの話だけは見逃してください。


 

 

 

 

管理人の感想

 

 

T-SAKAさんからの投稿です!!

今回は見逃しましょう(笑)

まあ、ハリセンが新たな脅威になりそうですが(爆)

・・・無機物の人気が異様に高いですからね、このHP(汗)

 

それでは、T-SAKAさん投稿有難うございました!!

 

感想のメールを出す時には、この T-SAKAさん の名前をクリックして下さいね!!

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