第11話 「カイトの日常

 ×グラシス

                    ×バラの鎖?」

 

 

 

 

 


 この西欧方面基地に来てから数日が経った。

 留まる事を知らないかのように増えつづけるアキトに落ちる女達。

 アキトが落としているとも言うが・・・

 本人にその自覚が無いので注意しても無駄だった。

 そこで俺はルリとラピスの許可の下、アキトの側に常に付き、

 アキトのファンの前で俺達の関係を示してきた。

 人前で見せつける様にキスをするのは勿論、

 夜の生活を思わせるセリフをわざわざ聞こえる様に言ってきた。

 なのに・・・


「なんで寄って来るんだ〜〜〜〜!!」


 その結果としては「アンチ カイト同盟」が成立した事だけだった・・・

 そのせいで俺の日常は・・・



「あ、テンカワさん、お話が・・・」


「なんだい?」

「アキト、サレナの整備が残ってるぞ!!」



「アキトさん、お時間はありますか?」


「え?今は・・・」

「これから鍛錬だろアキト!!」



「アキトさんの料理って美味しいですね。」


「ああ、ありが・・・」

「アキト!!次の注文だ!!」


 と言うぐあいに次から次と寄って来る女からアキトを遠ざけ続けている。

 俺が少しでも離れると・・・


「アキトさん、趣味とかはありますか?」


「アキトさん明日、時間ありませんか?」


「一緒に街に出ません?」


「あの、これ私が作ったんですが、よろしければ・・・」


「テンカワさん達はどう言う関係なんですか?」


 ・・・女に囲まれるアキト・・・


 ブチッ!


「ちれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」


 ズガガガガガガガガガガガガ!! 


 俺はルリルリ特製ダ・サ○ダー印のマシンガンを取りだし乱射する。


「「「「「きゃ〜〜〜〜!!」」」」


 さすがに散っていく女達。

 このマシンガンは当たっても痛いだけで怪我はしない。

 ルリルリ特製製品のツッコミ武器は全てそうなっている。


 因みにこれらの武器は何処からともなく出しているように見えるが、

 実は全て倉庫からジャンプさせているのだ。

 よって


 決して俺がギャグキャラだから出せる訳ではない!!

 
 どこぞのダジャレを言う事に命をかける勇者や食欲魔人の高校生と一緒にしない様に!!


 そう言えばこのツッコミ武器、ハリセンやスリッパのような基本の物(ルリ曰く)から

 フライパン、学生鞄、100トンハンマー、コンペイトウ君、ポテン・ヒッターのような物、果ては

 ファイヤーボール、ドラ○スレイブ、光の白刃、まじかるサンダ―等々の発生装置まである。

 一体ルリは何のためにこんな物を作ってるんだろう・・・使ってるけど・・・



 まあそんな事は置いといて。

 俺は苦労して女を遠ざけているのにアキトは・・・


「やあ、この前もらったクッキー美味しかったよありがとう。」


「あれ、髪切ったの?似合ってるよ。」


「そのリボンかわいいね、着けてる本人もだけど。」


「新しくメニューにしようと思うんだけど味見してくれないかな?」


 等々、全てアキトスマイル付き。


 俺の努力を全て無にしてくれている。

 ・・・何かルリ達がアキトをお仕置きしている気持ちが解ってきたな。

 と言うわけで今夜は眠らせてあげないぞ、アキト。


 え?何でって?それは鍛練でに決まってるだろ!!

 あっち、だと俺がもたないんだ。

 一度ルリ、俺、エリナの3人掛かりで一晩やった事があるけど、

 あの時は次の日俺とルリは腰が立たなくなりエリナは入院したんだぞ!!


 イネス曰く

 「アキト君なら、十歳の自慰も知らない処女でも

 処女のまま指だけで快楽に狂わせる事が出来るわ、1時間もあれば・・・」

 
 だそうだ・・・


 多分マジだろう、実際俺一人じゃ遊ばれるだけだし・・・


 
 はっ!!考え事をしている間にアキトの気配が遠ざかっていく!!

 何処に行ったんだ?!


「おい!!そこの女、アキトは何処に行った!!」


 俺はとりあえず手近な人を捕まえて聞いてみた。


「ひっ!!ア、アキトさんなら、サ、サラさんと、アリサさんに連れて行かれました。」


「なにぃぃぃ!!」


 



 そのころ・・・


「あ、あのアリサちゃん、サラちゃん、俺には厨房の仕事が・・・」


「あ、それなら大丈夫です、アヤに代わりを頼んでありますから。(押しつけたとも言う)」

 
「エステの整備もあるんだけど・・・」


「そっちはレイナが一人でも大丈夫って言ってましたよ。」


「でもですね・・・」


 俺は二人に腕を組まれ連行されている。


「今夜は仕事の事は忘れてのんびりしましょうよ。」


「そうですよ、アキトさんは働き過ぎなんですから。

 今日はお爺様も来ていますから紹介しますね。」


「いや、せっかくの家族の団欒を邪魔するわけには・・・」


「何言ってるんですか貴方も家族(予定)じゃないですか。」


「そうですよ。

 あっ、ここですよ。」


 そして俺達がホテルに入ろうとしたとき。


 ヒュゥゥゥゥゥゥン!!

    ズガァァァァァン!!


「ア〜〜キ〜〜ト〜〜〜!!」


 物凄い爆音と地から響くような声と共にカイトが飛んで来た。


「や、やあカイト。」


「こんな所で何をしているんだ?俺との約束はどうするんだ?」


 顔は笑っているが目は笑っていない。

 ルリやアキラの如く物凄く怖いです・・・こんなところは成長しなくていいのに。


「あ、ああ、すまん、すまん。

 じゃ、じゃあそう言う事で。」


 サッ!タッタッタッタッタッタ・・・


 俺はカイトの衝撃的な登場で唖然としている二人の腕から逃れ逃げ出した。








「いや〜助かったよカイト。」


「まったく、お前ならあの二人から逃げ出すくらい寝ながらでも出来るだろ。」


「ん〜そうなんだが・・・何でだろ?」


 俺達がのんびり話していると


「・・・お客さんだな。」


「その様だな・・・」


「テンカワ アキトだな?」


 俺達の前に黒服を着たいかにも、と言う感じのガードが現れた。

 15人か・・・


「そうだが、何か用か?」


「グラシス中将がお呼びだ、来てもらおう。」


「俺が行く理由はない。

 行くぞカイト。」


「お前に断る権利はない。

 来てもらおう。」


「断る権利が無いだと?」


「そうだ、お前の意思など関係無い。」


「はっ、バカも休み休み言え!行くぞカイト。」


 そう言って立ち去ろうとしたとき。


 カチャ!!


「大人しく付いて来てもらおう。」


 そう言って一斉に銃を構えるガード。


「・・・一つ、言っておく。

 お前達の持っている物は人を殺すための武器だ。

 それを構えたからには容赦はしないぞ。」


 ガードに背を向けたまま言い放つ。


 シュッ・・・


「何を訳のわからないことを、大人しく付いてくれば・・・

 !!何処に行った!!」


 俺達が背後に廻った事にも気付かずうろたえるガード達。


 ドカッ!!

   バキッ!!

 ドゴ!!
        
         ズガッ!!




 悲鳴を上げる暇さえ与えず俺達はガード始末する。

 ・・・殺してはいないぞ・・・


 ガード全員を始末し終えるのに7秒も掛かってしまった・・・


「さてと・・・カイト、俺はグラシスに用事が出来た、先に帰ってろ。」


「アキトに仇なす者を討つ、それが俺の役目だぞ。」


「・・・そうだったな、では行くぞ。」


 俺達はさっきのホテルに向かった。





 
  ホテルに着いた俺達はグラシスのいる部屋を聞き出しそこに向かった。


  ドゴッ!!

   バキッ!!


 部屋の前にいた二人のガードも倒し部屋のドアを開ける。


「よっ、久しぶり。

 テニシアン島では世話になったな。」


 部屋に入って始めに声をかけてきたのは

 テニシアン島で俺が相手をしたシークレットサービスだった。


 それと


「やあ、ハニー、また逢ったな。

 おっ、髪型変えたのか、また美人になったな。」


 軽い口調をした黒髪、童顔(人の事言えない)の男だ。

 軽い口調だが隙は無い。


「知り合いか?カイト。」


「テニシアン島で俺が相手をした奴だ。」


「では二人ともテニシアン島にいた奴か。」


「そう、俺達はあの仕事に見切りをつけてここに再就職したんだが、

 どうも俺はついてないらしいな・・・」


 そう愚痴るサングラスの男。


「そうか?またハニーに逢えたんだ、

 何か運命的なものを感じるね〜。」


 そう言って嬉々としているもう一人の男。


 しかし、二人とも隙を作らず、こちらの隙を伺っている様だ。

 
「アキトに楯突くなら今度は容赦しないぞ。」


 サッ


 拳を構えるカイトを静止して俺は一歩前に出る。


「俺が用事があるのは中将だけだ、そこをどけ。」


「まあまあ、そう慌てるなって。

 怒ってる理由くらい教えてくれてもいいんじゃ・・・な、い?」


 笑いながらも言葉が尻すぼみになる男。


「もう完全に戦闘モードに入ってますね。」


「どうしましょう、姉さん。」



 グラシスの後ろでサラとアリサが何か言っているが、今はそんな事どうでもいい。


「じゃあ、言ってやろう。

 お前達の存在意義とは何だ?

 民間人から巻き上げた金で好き勝手に暮らす事か?」


「話しが飛躍し過ぎだって。

 中将はお前を連れて来いと言っただけだぜ。」


「ほう、では上の命令なら、

 民間人を連れてくるのにどんな手段を使ってもいいのか?

 あいつ等は銃を向けて脅してきたぞ。」


 俺はそう、冷たく言い放つ。


「「「「「!!」」」」」

 後ろの二人も含む全員が驚愕している。


「バカな!!私はただ連れて来る様に言っただけだぞ!!」


 驚いている所を見ると、本当にその気は無かった様だな。

 しかし!!


「部下の責任は上官の責任、それが軍だろ。

 お前達は自分の持つ「力」と言う物についてもっと考えるべきだな!!」


「ご意見ごもっとも、なんだけどね。」


「これも仕事でして。」


 そう言って構える二人。

 ヘラヘラしていた男も今は真剣な顔だ。


「相手の実力が判らないほどお前達は弱くないだろ?」


「そうだな、だが!!」


 パッシュゥゥゥゥ!!


 突然の閃光と爆音!!


「きゃっ!!」


「アキトさん!!」


「くぅ!!」


 俺は目を閉じ敵を迎え撃つ準備をする。


 ・・・なるほど五時の方角と十一時の方角から来るか。


  ドゴッ!!

   
     バキッ!!

 バタン!
    
    バタン! 
 

 俺は十一時の方から来る奴の攻撃を退きながら避け、

 そのまま後ろから来る奴の水月に肘を打ち、

 更にその反動で前の奴の鳩尾に寸掌を放った。


「これほど・・・と、は・・・」


「くっ!冗談きついぜ・・・」


 二人が動けない事を確認し俺はグラシスの方へと歩み寄る。


「待って!!アキトさん、お願いお爺様を許してあげて。」


「貴方が軍人嫌いなのは知っていますし、

 ガードが貴方にしたことは許される事ではありません、

 でもお爺様は私達の大切な家族なんです!!」


 俺とグラシスの前に立ち塞がる二人。


「いいだ、二人とも。

 彼は正しい、私は報いを受けなければならない。」


「口だけなら幾らでも言えるな。」


「アキトさん!!」


「アキト!!」


「・・・一つ聞こう。

 あんたは何故軍人になった?

 何の為に力を求めた?」


「私は・・・祖国を・・・」


「建前などどうでもいい!!

 あんた個人の答えを聞かせろ!!」


「・・・今は亡き妻と息子夫婦を、孫娘達を守る、

 家族の思い出の土地を、小さな幸せを守る力が欲しかった。」


「お爺様・・・」


「・・・」


 サラとアリサはグラシスを見詰める。


「・・・まあまともな理由だな。

 これからは部下の教育を徹底するんだな、

 制御されない力は自滅を招くだけだ。

 ・・・いい孫を持ったな。」


 俺は振り返り、指示通り傍観していたカイトと共に部屋を出ようとドアノブに手を掛けた。


「私も一つ聞いていいかね?」


 そこでグラシスが声をかけてきた。


「・・・何だ?」


 俺は振り向かずに答える。


「君は何の為に力を振るうのだ?」


「・・・俺は守るべき物を守るためにこの力を手に入れ、

 この力は守るべき物を守るときに使っている、それだけだ。」


 パタン!


 俺はそう言って部屋から出た。


 本当に力が必要だったときにはこの力は無かった・・・


 だから、今度はちゃんと守ってみせる












 そして、次の日の朝。


 俺は今ベットに寝ている。


「・・・どうしてこんな状態になっているんだ?」


「説明しようか?」

「説明、何処?」

「頼む。」


 俺に覆い被さる様に寝ていたカイトが起きそのまま説明し始める。


「昨夜12時23分、疲れきったアキトを点穴で眠ってもらった後・・・」


「待てい!!何故そんな事をした?」


 第一点穴って何だ?


「ああ、それは最近働き過ぎのアキトにゆっくり眠ってもらおうと思ってな。

 アキトが起きてると俺の体力が減るだけだし・・・」


「?そうか、それで?」


「翌2時31分、サラが進入、アキトの左腕に抱きつきそのまま寝てしまう

 同3時17分、アヤが進入、アキトの右腕に抱きつき、同じく寝てしまう。」


 そう・・・今の俺の状態はアヤちゃんに右腕を抱かれ、

 サラちゃんに左腕を抱かれた上にカイトが俺の乗っているのだ。


「で、何で起こさなかった?」


「危害を加えるつもりでは無かった様だし、

 それに、何時もの事だろ?こんなこと。」


 ・・・まあそうなんですけどね・・・何時もはルリとアキラだけど

 ・・・何でこんな事態に慣れてるんだろう、俺・・・

 
「・・・ところで二人はお前を確認しなかったのか?」


 普通、俺の上に乗っかっているカイトに気付かない筈は無いし。

 気付いたら何かしら反応を示すだろう。


「サラは一瞬手が止まった、アヤは気付いているようだったが、

 何の躊躇も無かったぞ。」


「マジか?」


 因みにカイトは寝巻きを持っていない、最初は裸で寝ていたが、

 さすがにそれじゃまずいので、今は俺があげた

 俺でも少し大きめの、カイトにとってはダボダボのシャツを着ている。(それ以外は下の下着のみ)


 そんなカイトが俺の上に乗って寝ているんだぞ!!

 何で何かしらの反応をしないんだ?


 プシュッ!!
 

「おはよう、アキト気持ちのいい朝で・・・す、よ・・・」


 そのまま固まってしまうアリサちゃん。 


 うん、これが正しい反応だ。



「な、ななななな、なんでぇぇぇぇぇ!!」 

 
 叫ぶアリサちゃん。


「なあ、アキト前にも似たような事がなかったか?」


「そうだな・・・

 でも前より状況は悪いぞ・・・」



 ダダダダダダダ!!


 近づく足音複数名・・・


 プシュッ!!


「アキト!!何があった!!

 お前の部屋から悲鳴がえてき・・・た、ぞ・・・」


 部屋の状況を見て固まるシュンさんとカズシさん、その他多数。

 
「え〜と、誤解ですからね。」


『何が誤解なんだ?』(シュン、カズシ、その他多数)

 
「も〜、五月蝿いですよアキト。」


 今の騒ぎでさすがに起きたサラちゃん。


「ねねね、姉さん何をしているんですか!!」


「・・・愚問ですよ、アリサ。」(ポッ☆)


 ピキッ!!


 再度固まるアリサちゃん。


「責任とって下さいね、アキト。」


 シ〜〜〜〜〜〜〜ン・・・


「あの・・・違いますよ。」


『何が違うんだ?』(シュン、カズシ、その他多数)



「ふぁ〜〜・・・・・おはようございますアキトさん・・・」


 今までの騒ぎの中でも俺の腕を離すことなく寝ていたアヤちゃんが

 寝ぼけながらも起きた様だ。


「おはよう・・・じゃなくてなんでここにいるの?」


「・・・あの〜、よろしければきのうはちゃんとねむれなかったので

 もうすこしねていたいのですが〜・・・・・おやすみなさい・・・・す〜・・・・」


 また寝てしまうアヤちゃん

 朝、弱いのかな?・・・なんて事考えている状況ではない!!


 ピキィィィィィン!!


 シュンさんとカズシさんを中心に再度フリーズしている。


「・・・う、んん・・・アキトさん・・・・・やさしく・・・して・・・・」


 パキィィィィィン!! 


 とんでもない寝言を言うアヤちゃん。


『アキト!!テメ――――!!』(シュン、カズシ以外の男の叫び)  


 
「ち、違うんだ!!誤解なんだ〜〜〜!!』


 ポン!!


 俺の両肩に手が置かれる、シュンさんとカズシさんの手だ。


「隊長、カズシさん、貴方達は信じて・・・」


「アキト君、ちょっと一人の親として話がある。」


「俺もあの子の成長を見てきた者として話がある。」


 二人の目と背後には漆黒の炎が見える・・・


 そして俺は二人に腕を取られ引き摺られて行く・・・


「違う!!違うんです!!

 アヤちゃんが勝手に俺のベットに!!」


「言い訳だけはゆっくり聞いてやるよ。」


「あの純心無垢なアヤちゃんをどうやって手篭めにしたのかな?」


 ズルズルズル・・・


「だから違うんです!!誤解です!!信じてください!!」


「「あの状況でどう信じろと?」」

  
 そりゃそうだ・・・


「誤解なんだ〜〜〜!!」


 俺の叫びは届かず、俺はその後数時間におよぶ尋問を受けた・・・

 

 

 

 

「大丈夫かアキト?」


「・・・まあ・・・なんとか。」


 俺は食堂に向かっている、あそこなら比較的安全だろうから・・・

 
 俺達が食堂に着くと


「何の用だ?

 と言うよりもう動けるのか?」


 俺達の前に二人の男が現れる。


「ああ、なんとかな。

 おっと、もうお前とやりあうつもりは無いぜ。」


「そうそう、就職の挨拶に来ただけだぜ。」


「就職って、お前達は軍に入隊してたんじゃなかったのか?」


「ちゃうちゃう、俺達は軍は嫌いでね。

 でも、俺達の能力を活かせるのは軍かガードだろ。」


「まさかガードって・・・」


 俺は今しがた食堂に入ってきたアリサちゃんを見る。

 アリサちゃんは怒りながらも顔を赤らめる。


「そっ、御名答だ。

 で・・・俺の名前はヤガミ ナオ 25歳 独身。

 趣味は釣と日曜大工。

 グラシス中将からの依頼により、軍のガード本部から派遣されて来ました。

 今後はアリサさんの身辺警護にあたります。

 以後、ヨロシク!!」


 とアリサちゃんに敬礼する。


「俺はカグラ シキ 25歳 独身。

 趣味は映画鑑賞と読書。

 ナオと同じく俺は今後サラさんの護衛につきます。

 ヨロシク!!」


 また騒がしくなりそうだな・・・

 

 

 

「お前、料理まで出来るのかよ。

 いいね〜特技の多い奴は。」


「文句があるなら食うな。」


「いや〜カイトちゃんは料理も出来たのか。

 ますます惚れたぜ。」


「もう少し静かに食事が出来ないのか?」


 一通り自己紹介を終えた二人は俺とカイトの作ったチャーハンを食べている。


「ところでヤガミさん、カグラさん、

 貴方達は本当にアリサちゃん達の護衛だけに来たんですか?」


「俺のことはシキでいいぞ。」


「俺もナオでいい。

 それと、これがおまけの仕事だ。」


 そう言ってナオさんは1枚の書類をテーブルに置く。


「こ、これってまさか・・・」


「そう、婚姻届だ。」


 しかもグラシスさんとアリサちゃんのサインさらに印鑑もされている。


「因みに俺はサラちゃんのをもっている。

 早く渡しに行くとするか。」
    
 
 そう言って席を立つシキさん。


「アキトさん、これにサインして。」


「何を言っているんだ!!

 それの意味が解ってるのかい?」


「勿論です。

 サインも印鑑も正式な物だから後はアキトさんがサインしてくれれば・・・」


「二人ははれて夫婦だな、うん。」


 にやけながら言うナオ。

 アリサちゃんは今朝のこともあってか、かなり怖い・・・


「お、落ちついて、アリサちゃん。」


「私じゃ嫌なんですか?

 姉さんとは寝たのに。」


 今度は涙目で訴えてくる。


「おお、そんなとこまで進展してたのか。

 修羅場が期待できるね〜」


 などと楽しげに傍観しているナオさん。


 その時


 ビィー!!ビィー!!


 非常警告がなった。


「敵襲か?カイト行くぞ!!」


 俺はカイトを連れてその場から逃げ出した。

 無人兵器よ、感謝する。

 

 

 チュッドォォォォォォン!!
 

 とりあえずチューリップを一つ撃破。

 残るはチューリップ一つと無人兵器200ってところか。

 俺が次のチューリップに向かおうとしたとき、

 オペレータールームから会話が聞こえた。


『いや〜、噂の『漆黒の戦鬼』テンカワ アキトの戦闘ですよ?

 これは見ないと損じゃないですか。

 タダでさえ戦闘シーンは公表されてないんですしね。』
 

 どうやらナオさんとシキさんがオペレータールームに居る様だ。


「・・・見るのは勝手だが。

 ちゃんと仕事しろよ。」


 とりあえず注意しておく。

 だが・・・


『安心しろ、アキト。

 お前の花嫁は俺が絶対に守ってやる。』


『俺は・・・さすがに機動戦中は無理だな。』


 などと返答が返って来た。

 と、とんでもないことを・・・


『へ〜誰が誰と結婚するんだ?』


 更にシュン隊長まで会話に参加した。


『『それが一人じゃないんですよ。』』


 更に爆弾を投下する二人。

 ・・・後でしめる。


『あら、良いですね、私も仲間に入れてください。』


 アヤちゃんからとんでもない通信が入る。


「アヤちゃんまで、もう勘弁してよ〜。」


『向こうはああやっているが君は良いのかい?』


 今度はカイトに話を振っている様だ。


『ああ、俺はアキトの牝奴隷だからな、そんな事関係無い。』


 ピキィィィィィィィィィン!!


 カイトの発言により俺も含めて全員が凍りつく。


「カイト!!何処でそんな言葉を覚えた!!」


『前にウリバタケが俺達の事をそう言っていたが、違うのか?』


 ウリバタケが〜〜〜〜!!


「断じて違う!!」


(ルリ、ルリ!!)


(何かご用ですか?)


(ああ、かくかくしかじか、と言う訳だウリバタケの処刑を頼む。)


(・・・解りました。

 それにしてもテニシアン島の水着の時も合わせて3回目ですか。

 本当に懲りないですね。)


(ああ、念入りに頼む。)


『ア、アキトってそう言う趣味だったんですね。』


 サラちゃんから通信が入る。


「だから違う!!」


『アキトさんがそんな趣味を・・・私も調教されちゃうの?

 でもアキトさんなら・・・』


 そう呟いてトリップするアリサちゃん。


「違うってば!!」


『アキトさん、アキトさんになら私何をされても良いですよ。』


 アヤちゃんそんな問題発言を・・・


「だから聞けぇぇぇぇぇ!!」


『アキト君、アヤとの付き合い方について

 もう少し話し合わなければいけない様だな。』


『自白剤等の用意をしてきますね。』


 背後にオーラを出しながら通信を入れて来るシュンと

 怪しげな事を言いながら部屋を出て行くカズシ。


「ドチクショォォォォォォォォ!!」


 俺は荒れ狂い残っていた敵を蹴散らした。

 

 

 戦闘が終了した後、俺はシュンさんとカズシさんに捕まり

 またもや数時間にわたり拷問を受けた。



 更にその拷問から生還した後は・・・


「アキトさん、どう言う事なんですか!!」


「きっちり説明してください!!」


「別に私は貴方がどんな趣味でも良いんですけど・・・」


 三人の夜叉に追い詰められた。


「違う!!誤解なんだ!!信じてくれ!!」


「「これにサインしてくれたら信じてあげます!!」」


 そう言って婚姻届を突き出す二人。


「ちょ、ちょっと待ってくれ〜!!」


 因みにアヤは


「あらあらあら。」


 とか言いながらもその手にはきっちり婚姻届が握られていた。

 勿論シュンのサインと印鑑付である。


「「「さあ、サインをしてください。」」」


「誰かたすけて〜〜〜!!」

 

 

 その後何とかサインをする事だけは免れたとだけ言っておこう。


「何やってんだか。」


 お前のせいでもあるんだぞ、カイト。

 

 

 

 その夜、ナデシコではウリバタケが何者かによって襲撃を受けた。

 全治一ヶ月怪我だそうだ。

 医務室でウリバタケは

 「黒衣の天使が〜」

 とうわ言を言ったとか言わなかったとか・・・

 

 

 

 

  あとがき


ルリ:新キャラですね。

作:そうだ。

アキト:で、設定は?

作:自己紹介で言ったのと、ナオとはガードになる前からの親友。

  くらいかな、今言えるのは。

ルリ:ナオさんの年齢が若返っているのは?

作:ああ、それは俺が勝手に変えたの。

  だって、あのままじゃ3年後、三十路になっちゃうからね。

  なんとなく変えてみた。

  あとナオもシキも普通の人間です。

アキト:適当だな〜。

    ところで、前の話でも書き忘れたが、

    カイトの右よりのポニーテイルってなんだ?

作:それは、判った人は同志です。

  とだけ言っておこう。

ルリ:そうですか、でも同志って・・・

作:それから前回外伝はあと3話と言いましたがあれは間違えで

  これを抜かして後3話です。

アキト:となると、オリジナルに入るのは18話からか。

作:はい、そうなります。 

ルリ:ほんと、先は長いです。

作:では読んでくださっている方がいましたら、また次回お会いしましょう。

 

 

 

代理人の感想

 

ぷっ・・・・・・

シュンとカズシが・・・・・親父馬鹿になってる・・・・。

しかも似合ってる(爆笑)!

でもウリピーって本当に情操教育に悪い存在だったんだな(苦笑)。

絶対パソコンのHゲームのやりすぎだぞ(笑)。

家族に隠れて夜中にこっそりやっていたに違いない(爆)。

あと、新オリキャラですが・・・・某吸血姫ゲームをやりこんでいた直後のせいか、

「シキ」というと直死の魔眼の所有者か不死身の白髪吸血鬼しか思い浮かばなかったワタシ(笑)

 

 

 

 

 

管理人の感想

 

 

T-SAKAさんからの投稿です!!

あははははは・・・何か何処に行っても追いかけれてるな、アキト(汗)

まあ、そんな星の元に生まれたせいだと、諦めてもらいましょうか。

しかし、今回は外伝の3、4話の合作みたいですね。

意外なオリキャラも登場して、これまたビックリです。

さてさて、今後どんな活躍をしてくれるのでしょうか?

 

それでは、T-SAKAさん投稿有難うございました!!

 

感想のメールを出す時には、この T-SAKAさん の名前をクリックして下さいね!!

後、もしメールが事情により出せ無い方は、掲示板にでも感想をお願いします!!

出来れば、この掲示板に感想を書き込んで下さいね!!

 

 

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