機動戦艦ナデシコ

〜ペルソナ〜

by つちき 喬

 

 

 

 

 『かくして茶番劇の幕は開かれり』

                                    ――闇主

 

 

 

 

 第1話 火星の子等〜マルス〜

 

 

 通信機から聞こえる音に彼は恐怖した。

 とある企業の暗部たる精鋭部隊【猟犬(ハウンド・ドッグ)】の、隊員達の悲鳴に紛れて聞こえる、

どこか濡れた音に。

 それは彼にも聞き覚えのある音だったから。

 ――人間が、死んでいく音。

「……隊長」

「解かっている」

 押し殺した声で答えながら、手元の機械を操作して隊員達が生きていた場所を検索する。

 大きな反応のある場所は三つ。

 今自分達が居る場所と、真っ先に目標にやられた第三班と、現在殺戮されている第二班と。

 一班あたり十五人、テロに見せかけて技術者数人を殺すには充分過ぎた人数、それでもこの数を揃えたのは、

何事にも万全を期する自分達の会長の性格だったから、その筈だ。

 決してあのような化け物と対峙するためだった筈ではない。

 二班と繋がっていた通信機から十五人目の死が聞こえたとき、彼は部隊に撤退を告げた。

 宙港の中を蹂躙する炎が彼の装備と一緒に心の余裕も焼いていく。

 今は、焦燥感だけが長年のパートナーにも思えた。

 

 

 一斑は主にテロに見せかける偽装工作のため、中央コントロール室をクラッキングによって占拠した後、

逃げようとする何の罪も無い一般市民を処理するために、入り口近くに陣取っていた。

 だから彼等が撤退を決めてから入り口に出るまで警戒しながらの移動にせいぜい五分。

 その間に二度、そして入り口に到着してから一度、轟音が轟いた。

 どこかでシャトルの燃料が爆発したに違いない、彼等はそう思い込もうとした。

 彼等を運んできた移動用の無音ヘリは三機、だが、まさか、そんな筈は無いだろう、と。

 しかし表に出た彼等が見たものは、炎を上げる三機の無音ヘリの残骸と、悠然と近寄ってくる一つの影。

 

 ――不可能だ!

 

 恐怖が心を縛る。二班を殺戮した場所からは十分以上もある距離。

 追いつくだけならば、まだ理解の範疇であった。

 しかし先回りして三機のヘリを壊すのは、どのような存在であろうと出来る筈が無い。

 何よりも、それは、どう見ても、丸腰なのだから。

 それが、十歳にもならない少年ならば、なおのこと。

 彼等はその少年を少しだけ知っていた。第一殺害目標であったテンカワ夫妻の長男、テンカワ アキト。

 将来に期待できそうな、やや中性的な面差しを持った少年。

 その愛すべき少年の何処に、裏社会で名を馳せた男どもを恐怖させる物があるのか。

 

 

「撃てぇ!!」

 その言葉とどちらが早かったかは解からずとも、分間二百発もの弾を撃ち出す機関銃が十五丁、

火を吹いたのは確かであった。

 ただ湧き上がる恐怖と云う名の衝動のままに引き金を引き続ける事五分弱、全ての銃は弾切れを起こした。

 狙いがそれた銃弾が大地を抉り、砂煙を巻上げ自然の煙幕を作り出したが、狙いが甘かった分逃げ場は無い。

 

 安心して良い――筈だった。

 

 サクッ

 ――八人。

 砂煙の中を飛んできた八本のナイフが、それぞれの額やのどに突き刺さって、

何が起こったかを理解するまもなく即死させる。

 驚愕に身動きが出来ない生き残りの間を、少年が一人、人に在らざる速度で駆ける。

 煌く――六閃。

 投擲されたのも、少年が今両手に持っている物も、どちらも大振りのサバイバルナイフ。

 それが自分達の常備している物だと気づいた者が、果たしていたかどうか。

 ましてや少年の小さな手で、どうやって、恐らくは四本ずつを同時に放ったというのか。

 投擲用ではないそれをもってして、如何にして、強健な頭蓋骨が護る額を根元まで深深と貫いたというのだろうか。

 

 彼は失念していた。一瞬の放心が、少年の前でどんな意味を持つのかという事を。

 視界が傾いた。左足を膝下から斬られたからだという事には、遅れてやってきた痛みによって理解した。

 下がった目線が少年と重なる。

「さあ、何故父さんたちを殺した、吐いてくれますか」

 懇願ではなく命令。浮かぶ無表情な笑顔に、彼は己の未来を理解する事のみを許された。

 

 

 

 数時間後、ようやく突入した警官達によって、唯一の生き残りである少年が保護された。

 少年は形見とおぼしきペンダントを抱いたまま、両親の作り上げた血の海から動こうとはしなかった。

 全身を染め上げた返り血から、目の前で両親を殺されたものと見られ、すぐに両親の勤め先へ連絡、

少年よりも幼い子供達が、まだ若い女性に連れられてやって来た。

 少年とその弟達は互いに抱きしめあって泣き出した。

 至って普通の光景に、担当の刑事は何故少年だけ殺されなかったのかという疑問を頭から打ち消した。

 それよりも、消えたテロリスト達の方が余程重要である。

 宙港内に残された死体無き多量の血痕。

 それらの血の持ち主を、テロリスト達はどこへ運んだのか、あるいはテロリスト達の物だとしたら、

それをやった人物は誰なのか。

 警察にとっても軍にとっても、しばらくは頭の痛い日々が続きそうである。

  

 

 

 

アキト……

 

 火星には遺跡が在る。一部の者達にとってそれは常識であった。

 火星極冠遺跡。

 人類が火星で見つけた先史文明の名残たるオーバーテクノロジーの塊。

 その一つが火星極冠遺跡であり、他にも火星の大地の何処かに眠っていることは予想されていたが、

大々的に発掘作業などを始める事は、そのオーバーテクノロジーの独占を願う者にとってはとても容認できる事

ではなかった。

 そんな事をすれば守秘義務などは何の意味も無くなるし、あるいは地球連合に摘発されてしまうかもしれない。

 遺跡の発見のために火星全域の発掘を主張する研究者達とそのスポンサー元であるネルガルの争いは、

テンカワ夫妻の暗殺という後の悲劇を生み出す事になる。

 しかしそんな彼等も、自分達の住むユートピアコロニーの遥か地下深くに、別の遺跡が眠っている事は知らなかった。

 

 

 カラン……

 小石が崖を落ちていく。いや、それは穴であった。小さな、小さな穴。

 幼い子供ならば何とか入れるような小さな穴が、ユートピアコロニーの草原にあることは知っていた。

 しかし今迄誰も落ちた事は無く、構造上底がすぐ見えるような錯覚を生み出すように出来ていた事が、

その穴が今迄塞がれなかった原因でもあった。

 少年は運が悪かった。いつもならば二、三人は大人が居るこの草原で、

珍しく大人がおらずいつも後をつけて来るうっとおしい幼馴染をまいて来れた日であった事が。

 少年はこの日、一人であった。そして穴に落ちた。

 すべりはじめが良かった――いや、悪かったのだろう。

 穴の底迄の数千メートルを、途中で引っかかる事も無く、また死ぬ事も無く、落ちていったのだから。

 穴の底にある、遺跡迄。

 

 

 

 軽い衝撃、そして内部に流れ込んでくる液体、それらによってそこに眠っていた遺跡は目覚めた。

 いや目覚めさせられた。

 瞬時にセンサーを働かせ、何が起こったのかを理解しようとした。

 結果は落ちてきた子供が死にそうになっている、だったため、異物を排除しようと端末に命令を送り――固まった。

 無意識(?)に行っていたDNA鑑定が、その子供の正体を教えたからだ。

 名を天河アキト。四歳の時の、これも一つの出会い。

 

 

 

 その遺跡には名前があった。

 ――リング。

 それは、ブラックサレナの制御用に組み込まれ、中枢に遺跡その物を利用した超AIの名前でもあった。

 名付け親はアキト。

 あえて性別をつけるならば――彼女は迷った。

 古代火星人の残した遺跡は、空間も時間も超え、

あらゆる世界軸の全ての時間軸の何処かに居るマザーコンピューターに繋がっている。

 そして彼女――リングは、西暦二二〇〇年の太陽系を中心として、

全ての平行世界で前後一千年、半径一千光年の遺跡の統括をしていた。

 その範囲内で最も優秀で最も自我の確立した遺跡と呼ばれる物が、

アキトのかけがえの無いパートナーとして自我を確立させたリングだったからだ。

 そう、彼女にとってアキトは何物にも変えられない最も大切な存在であった。

 ――故に、迷った。

 ボソンジャンプの時、ジャンパーはその身体思考その全てを情報としていったん遺跡に送られる。

 いわば、ジャンプするためには数千秒の一秒単位とはいえ、遺跡と融合しなければならない。

 ジャンパーとは遺跡との融合を可能にし、なおかつ取り込まれる事の無い者を指す。

 ランクの高いジャンパー程深いレベルでの融合、帰還を可能にするのだ。

 そしてリングにとってアキトのジャンプは、この上も無い快楽であった。

 S級とも云われる程のジャンプ能力、すなわちリングとの融合は、

他の誰からも得られない程の深い繋がりをもって始めて成功していた。

 情報の、遺伝子レベルでの交換を可能にするレベルで。

 それにより、彼女は自分のデーターとアキトの遺伝子を組み合わせた分け身、子供達を作り出していた。

 だからと云って、アキトが欲しくない訳ではない。

 火星の大気中に存在するナノマシンと融合して愛しい男の身体を作り変えていく快楽、心迄もが一つになる快楽、

そして逆に自分に進入され犯されていくような快楽、その全てが愛しい。

 アキトのジャンプはリングにとって情事と道義であった。

 それを、このまま失ってしまうのか。

 躊躇って、躊躇って彼女は決意した。アキトの生に直接干渉することに。

 専用の端末は存在しない。しかし材料ならばここ火星には幾等でも存在する――そこら中に漂っている。

 ナノマシンが。

 まずは周囲のナノマシンに命令しアキトの体内に潜り込ませた後、

彼女が知る限りのアキトの中から体内に強力な医療用ナノマシンを持つ者を選び出し、その情報を送る。

 リングの干渉も合って通常の数百倍の速度で死滅新生を行うナノマシン達は、

瞬く間に目当ての医療用ナノマシンに生まれ変わり、アキトの身体を修復し始める。

 さらに己の身体を構成する特殊なナノマシンを流れ込んだアキトの血液と同化、

アメーバー状にして一部を残してアキトの体内に戻す。

 これで血液も心配する必要は無い。一部を残したのは情事の証が欲しかったから。

 想い人のその全てが愛しい。

 端からはそう見えず、その実限りなく淫靡な治療はまだまだ続きそうであった。

 

 

 

 ――三十分後。

 リングは再び迷っていた。アキトの身体は既に完治している。

 起きないのはこの場所を知られては困るので眠らせているだけ。迷っているのは全く別の理由からである。

 蜥蜴戦争――木連との戦。

 アキトの生に干渉した事で見えてしまった十数年後。

 ただ見えただけならば放っておいても良かったのかもしれない。

 あらがいようの無い歴史の流れの中で苦しむアキトを見る事は、

彼女にとって上位に位置する面白い事であったからだ。

 だがこうして目の前に居るとなると、ついつい干渉してしまいたくなる。

 傍観者だからこそ感じる、歯痒さ、と云う奴で。

 どうしようかな、と思う。

 最初から干渉する気が無いのだったら、わざわざ瀕死のアキトを癒してやる必要も無かった。

 自分の所へ落ちて来たのは、結局の所単なる偶然でしかないのだから。

 ――しかし、この世に運命と云う物があるのだとしたら、これもまた一つの運命ではないのか。

 アキトに未来を切り拓く力を与えるための、そして自分にとって最も愛しい男を取り戻すための。

 ただ一人のマスター、最初のテンカワ アキトはもういない。この世に存在した痕跡すらない。

 その存在の全てを、全ての平行世界の自分のために情報に迄還元して、

力を手に入れるための鍵となって泡のように消えたのだから。

 今リングの中にはその根源のアキトに近いアキト達が居た。

 その全てのアキト達を、今目の前に居るアキトに同化させれば、

そしてそのアキト達の負の記憶に囚われずに一つになる事が出来れば、

もしかしたら、渇望してやまないあのアキトが復活するのではないか?

 それは甘美な誘惑であった。

 抵抗することは難しく、する気も無い。

 そして彼女は、再びテンカワ アキトの生に干渉する。

 

 

 

アキト……

 

 

 火星でも有名なテンカワ夫妻がテロリストに殺された。

 それだけでも話題性は充分なのに、たった一人生き残ったその息子、と来ては、

マスコミに食い付いてきて下さいと云っているのも同様である。

 双子を連れてきた女性、イネス・フレサンジュの判断により、

兄弟はネルガル研究所にあるVIP専用室に匿われていた。

 孤児と云う過去でありながら、その天才的頭脳を買われてネルガルに身請けされたという経歴を持つイネスは、

学生というまだ若い身空ながら、天河夫妻のただ一人の愛弟子であるという特権を生かして兄弟にこの部屋を用意させていた。

 テンカワ夫妻はデータを残しておくことをあまりしなかったため、今回の悲劇で偉大な知識の何割かが無に帰していた。

 そしてその知識の片鱗を持つ者はイネスのみ。

 そう判断した上層部によって、彼女の意向は最大限聞き入れられていた。

 兄弟とイネスには無論面識が有る。仲も良かった。

 孤児であるイネスにとって、兄弟たちは少々年の離れた弟達に思えたのかもしれない。

 そういった関係であるため、兄弟にはイネスが何を思ってこの部屋をあてがったかを承知しており、

その心意気も充分に有りがたかったのだが、家庭を顧みない両親によって高級品とは無縁の環境で育った兄弟に

とって、イネスに用意されたこの部屋に居る事は拷問にも近かった。

 なんせ子供心にも高級品と解かるような一級品ばかりがずらりと並んでいるのである。

 傷でも付けたらと思うと、迂闊に触れもしない。

 そんな居心地の悪い思いをしながら三人はキングサイズのベッドの上で話し合っていた。

 盗聴機などが仕掛けられていない事を確認の上で。

 何故そんな事が出来るのかと云えば、三人を良く見比べてみれば解る。

 三人は共に黒髪で面差しも良く似ていたのだが、アキトと双子には決定的に違う部位があった。

 瞳である。

 アキトの瞳が髪と同じ黒であるのに対して、双子のそれは金色であった。

 金色の瞳、それは即ちマシンチャイルドの証である。

 双子、天河カイトと天河サキの性別の違う双子は中期型のマシンチャイルドであった。

 二人は――いや、アキトも――常人を超えた存在として様々な訓練を受けさせられていた。

 防諜の類もその一環である。

 三人はいまだ年齢一桁の身でありながら、そこらのエージェントが裸足で逃げ出す程のスキルを有していた。

「で、<闇主>が出てきてそいつ等を片付けたってわけ?」

 カイトの言葉にこくりと頷くアキト。

「ですけど、<武帝>でも良かったんじゃないですか? お兄様」

「そうだよ。わざわざ<闇主>を出す程の相手でも無かったんじゃない」

 双子の言葉にう〜んと唸りながら、

「とは云われてもねえ。<武帝>ならともかく、<闇主>は呼んだって出てこないからな。

 勝手に出てきて、なんかやって、そして帰っていく、それがパターンだからな」

 <闇主>に<武帝>、それはかってアキトがリングに貰った別のアキト達である。

 リングの事は憶えていないものの、彼女に貰った別の自分達の事をアキトは理解していた。

 そして両親にもイネスにも話さず、双子にだけ打ち明けていた。何故かは己でも良く解っていないが。

 そしてアキトから別のアキト達の事を詳しく聞かされていた双子にとって、<闇主>の行動は不可解であった。

 リングから貰った七人のアキト達の中でも<闇主>は特に気難しく扱い辛い。

 間違っても今回のような状況の中で、入れ替わってくれるような優しい性格はしていない。

「でも兄貴自身じゃないか」

「んな事云われたって俺に解るわけ無いだろ」

 多重人格症の場合、別の人格が行った行動をそのオリジナル、本人が憶えている事は無い。

 しかしアキトの場合、別の人格と云うよりも圧倒的な技術とそれを扱うために必要な記憶を持った仮面を表層に貼り付けているに等しい。

 その意味も込めてアキト達は別の人格達の事を仮面――ペルソナと呼んでいた。

 しかし記憶を共有できるからと云って想い迄も共有できるわけではない。

 だからアキトは『解るわけ無いだろ』と云ったのだ。

「まあそれはそうなんだけどね〜」

 それでもまだ納得いかないらしい己の分身を、サキはやんわりと咎める。

「無理を云うものではありませんわ、カイト。

 私達のシンクロナイズシステムでさえ、表層の思考を読む事しか出来ないのですし」

 妹にこう云われてしまえば、カイトには反論するすべが無い。「ちえっ」と拗ねたようにブツブツ呟くだけだ。

 いじけたカイトを無視してサキは話を続ける。

「で、お兄様、今後はどうなさるおつもりで?」

「金銭面だけで云えば親父達の残した遺産がたっぷりあるだろうから心配はしていないよ。

 ちゃんとした後見人を見つけるだけだね」

「では何を心配してるのですか?」

「保護者」

「保護者?」

「そう、保護者。俺達がどんなに子供離れしているとしても、世間的にはまだまだ餓鬼だからね」

「確かに……そうですわね。コウイチロウ小父様が地球に帰還するまえでしたら頼めたのかもしれませんが」

 そのミスマルコウイチロウは、先日一人娘であるユリカと共に地球に帰還していた。

 宙港が襲われ、天河夫妻が暗殺された日に――昨日に。

 アキトと天河夫妻は二人の見送りのために宙港に来ていたのだった。

「それだけはやめて。確かに小父さんは信頼できる人だけど、問題児が一人いるだろう?」

「……ユリカさん……ですか」

 心底嫌そうな兄の言葉に、一人の少女が思い浮かぶ。

 一方的にべたボレした挙句、嫌がっているのを理解しようともしないで『アキトは私の事が好き』だの

『だってアキトはわたしの王子様だから』などとほざいている、

何処迄もごういんぐ・まい・うぇいな万年脳味噌春娘の事が。

「確かに小父様に保護者になってもらったとしたら、あの人の相手はさらに厳しい物になっていることでしょうね」

 実感の溢れたサキの言葉にさらに渋面になるアキト。

「まあまあ、そんな顔をされてはユリカさんが可哀想ですわよ」

 ちっともそう思っていない口調で諌める。

「ですが小父様が駄目となると……」

「簡単だよっ!」

 唐突なカイトの言葉に、二人は視線を向ける。

「姉ちゃんにやってもらえば良いじゃん」

 思わぬ提案に、二人は再び顔を見合わせる。

「その手がありましたか。意外に盲点でしたね」

 カイト語録より、姉ちゃん=イネスである。

「でもイネスさんは俺より十歳年上なだけ。

 幾等大学をスキップで卒業しているからと云って、まだ十七にしかなっていない人が俺達三人の面倒を見るなんて不可能だぞ」

 アキトの云っている事は正確ではない。二一七八年にイネスが発見された時、

彼女はそれ迄の記憶を何一つ持っていなかった。

 外見と検査の結果から恐らくは十歳であろうとされ、誕生日も発見された日を付けられた。

 つまり十七以上の可能性もあればそれ以下という事もありえるのである。

「そうですわよねえ。どうしましょうか?」

「そんなの簡単じゃねえか。イネス姉さんと一緒じゃなきゃ嫌だって駄々こねりゃ良いんだよ。

 俺達を貴重なモルモットとして見ている奴等の事だ。きっと要求を受け入れるさ」

「……カイト、俺達はそれで良いかもしれないがな、イネスさんの方はどうなるんだ?

 幾等若くて美しいと云っても、三人の子持ちというのは確実に結婚の障害となるし、

 なにより将来の可能性を俺達に構わせる事で狭めたくない」

「……そんなの、本人に聞いて見りゃ良いじゃん」

「まず間違い無く良いって云ってくれるでしょうね。姉様は優しいから」

 私達の親とは違って、という言葉を寸前で飲み込む。

「……そういう事だ、カイト。解ったな。間違ってもイネスさんには俺達の事を相談するんじゃないぞ」

 兄の強い言葉に不承不承という感じながらも黙って頷くカイト。

 だが――

 アキト、七歳。カイト、サキ、五歳。

 間違っても普通このような子供達がする会話ではない。

 これだけでも三人の育ちが如何に異常な物だったかが窺えよう。

 親に愛情を抱けなくても当然である。

 三人が泣いた事を誰も気にもとめなかったようだが、三人の中にあるの悲しみなどではなく、

やっと自由になれたという開放感だけだった。

 アキトの胸にかかった蒼い宝石の付いたペンダントが、室内の重い雰囲気を象徴するかのように照明の光を受けて鈍く輝いている。

 外は生憎の雨だった。

 

 

 

「ええと、もう一度云って下さい、博士」

「だ・か・ら。三人を引き取らせてくださいって云っているんです」

「とは云っても貴方、まだ十七歳じゃないですか」

 弱りきった調子でイネスに受け答えている男の名はプロスペクター。

 ネルガル火星研究所も含めたネルガル火星支部の主任、最高責任者である。

 彼には何故イネスが自分の所に直談判をしに来たのか大体解っていた。

 テンカワ カイト、サキはマシンチャイルドであり、彼等を育てる(口さがない者は育成、または飼育と呼ぶ)際に一つ注意しなければならない事がある。

 それはストレス。

 マシンチャイルドが開発され始めてから百年近く。

 ナノマシンで人工的に進化させた人間を作ろうとされてからそれだけの時間がたっているが、

 いまだ地球の平均寿命迄生きた者はいない。

 遺伝子操作による遺伝子異常はあるものの、その九割以上が実験、

 あるいは自分が普通の人間とは違うという疎外感からくるストレスにより夭逝していた。

 火星支部唯一の双子のマシンチャイルドは両親を殺されたばかり。

 ここでもし下手な人物に預けられたり精神的なケアが万全で無かったならば、そのストレスで死んでしまう。

 そうイネスは考えているのだろう。

 だが――、と、プロスペクターは思う。

 彼の鍛えられた眼力は、あの双子が普通のマシンチャイルドとは明らかに違う事を見抜いていた。

 その両親に対する感情も。

 まだまだ若輩者たる目の前の少女はいまだ気づいていないだろうが、

双子の真の支えは両親などではなく二歳しか離れていない兄の方だ。

 両親の死など、眉一つ動かす程の感情の揺らぎも憶えてはいまい。

 しかしその事を目の前の少女に云ってどうなるのか。

 彼女にとって敬愛する師匠の死は充分に悲しむべき物である。

 その死に一番悲しむべき子供達が何ら悲しみも抱いていないなどとは理解できまい。

 ましてやその事は彼の推測でしかない。納得させるのは無理だろう。

「――――聞いているんですか!?」

「ええ、もちろんですとも。確かに貴方の言い分にも理がありますね。

 解りました。テンカワ兄弟は貴方に預けましょう」

 ほっ、と一息つきかけたイネスへ畳み込むように言葉を続ける。

「ただし! 無理をしてはいけません。貴方はまだ若いのですから、無理だと思ったら必ず私に云う事。良いですね。

 貴方に無理をされて困るのは私達なのですから。私が駄目なようだったら他の信頼できる人にでも相談しなさい。

 貴方も彼らも一人ではないのですからね」

 思いやりのこもったプロスペクターの言葉に、返事が出来なくなってしまうイネス。

「解りましたね?」

「……はい……失礼させていただきます。私の我侭を聞いて下さりありがとうございました」

 声が震えている事に気付かぬ振りをしてイネスを見送る。

(やれやれ、大変な事になってしまいましたね。

 テンカワ夫妻無き今、下手に要求を撥ね付けてイネスさんにストライキを起こされても困りますからね。

 しかし誰がテンカワ夫妻を殺したのでしょう。

 軍に反発する者達が起こしたクーデターという説が濃厚ですが、では宙港に残された多量の血痕はいったい。

 それを産み出した死体はいったい何処に? そしてその死体を作り出したと思われる人物は? 

 やはり謎が多すぎます。なによりテンカワ夫妻があの事を公表しようとした矢先の出来事です。

 もしかしたらもしかするかもしれません。自分で調べてみるしかありませんね)

 決心した彼は端末を操作し始める。隠された真実を掴むために。

 

 

 

「……それは本気なのですか? 姉様」

「もちろんよ。貴方達は私が引き取るわ」

 突然の宣言に言葉も無い兄弟。まさか彼女が自分から動くとは予想もしていなかった。

 当たり前だ。

 いったい誰が好き好んで面倒盛りの餓鬼とモルモットを引き取ろうと云うのか。

 イネスを甘く見ていた兄弟の敗北である。

「どうします、兄様」

「なるようにしかならないんじゃない? ここは一つ好意に甘えとくか」

「そうですね」

 そういう事になった。

 

 

 そしてイネスが三人を引き取ってから五年。

 三人はスキップで大学を卒業していた。

 双子はテンカワ夫妻の子供として戸籍を持っていたのだが、その双眸が目立つ。

 よって三人ともネット授業を受けていた。

 そうして火星にある三つの大学を、アキトとサキは八歳、カイトは十歳で全て卒業したのだ。つい先日の事である。

 そして三人全員が大学を卒業した事を祝ってパーティをしていた――

 その酒の席で、

 ドンと酒瓶を叩きつけ、

「っざけんじゃないわよ!」

 叫ぶイネス。

 ――荒れている。

 普段の理知的な姿からはとても想像もつかないその姿は、苦手な酒を大量に摂取したからだけではない。

「別れてくれって、どういう事よ!」

 ――つまりそういう事だ。

「ま、まあまあ。落ち着いて、イネスさん」

 なだめるアキト。時刻は既に深夜を廻って双子はもうとっくに夢の中。

 十時過ぎに双子が眠った後、二人きりで話していたら何時の間にか酒宴になってしまったのだが、

いつもよりペースが速いなと思ったら唐突にこれである。

(イネスさん、絡み上戸だったのかぁ……)

 そう思わなければ幾等アキトでもやっていられないだろう。

「なあにがなかなかセックスさせないからつまらないよ。貞淑で良いって云ったのはあんたでしょうが。

 こっちは実験で疲れてんだからそうそう相手出来るわけ無いでしょうが。したらしたで文句つけやがって。

 じっぶんだってっ早漏のくせに、何であんなに偉そうなのよ。幾等年上だからってあたしの部下でしょうが!

 遠距離恋愛が嫌なら一緒に地球の本社にいけるよう口添えしてあげるって云ったら、

 なあにが男のプライドがそれを許さないよ!! いったい何時の人間のつもり?

 あんたの方が格下で、地球行きのメンバーに選ばれないのはあんたが無能だからでしょう! 

 聞いてる!? アキト君!!」

「は、はは……」

 怖いよ、などとは口が裂けても云えない。

「まあその程度で女を決める奴と別れられただけでも……」

「おまけになあにが君には可愛いペットが三匹も居るから良いだろうよ、よ!頭湧いてるんじゃない!

 アキト君達は大事な私の家族なのよ!」

 抹殺決定――

 アキトの中でイネスを振ったその男の名はブラックリストの上位にランクインした。

 数日後、関節という関節を脱臼させられ、主要部の骨を粉砕された挙句精神も崩壊し、

まさにボロ雑巾と云うに相応しい姿になったその研究員が発見された。

 犯人は解っていない。しかし女性関係の激しさから、その筋で恨みを買ったのだろうと警察は予想した。

 恐ろしい話である。

 話は戻って、アキトとイネス。

「……ねえ、アキト君。私って、そんな魅力無いかしら。

 自分で云うのもなんだけど、充分美人の範疇に入ると思うしスタイルだって良いわ。

 どうして、こう何時もふられちゃうのかしらね」

 それはアキトが始めて聞く弱音だった。

 自分に自信があるだけに、何度もふられてしまう事に、

密やかに恋愛に対して怯えを抱き始めてしまっているのかもしれない。

 勿体無いと思う。

 せっかく享受できる幸せを、こんなくだらない事で失う必要もあるまい。

「皆、イネスさんの能力に嫉妬したんですよ」

 相手が孤児だからと云う事で抱いていた自尊心が打ち砕かれたからだとは云わない。云う必要も無い。

 そんな事は、目の前の女性に対して何ら意味を持たないのだから。

「ほら、男ってプライドばかり高いから、イネスさんみたいに綺麗なヒトが自分達より頭が良いなんて納得できないんですよ。

 天から二物以上を与えられた人間の宿命だと思わなきゃ」

「ふふ。まるで自分が男じゃないみたいな云い方をするのね」

「だって俺、まだ子供だし」

「本当かしら?」

 イネスの瞳が妖しい輝きを帯びる。嫌な予感のするアキト。

「――えっ?」

 ――ガバッ!

「よくよく考えてみると、アキト君、貴方って結構怪しいのよね。

 どんな秘密があるのか、お姉さんに教えてくれないかしら?」

 押し倒されてしまった。

 すかしよせるだけでキスが出来そうなくらいに近づいた顔。瞳の中を覗き込む。

 ――駄目だ、正気を失っている。酔いもあろうが、半ば自棄かな?

 視線を逸らして天井を仰ぐ。

 逆レイプは嫌だなあと思いながらも、サキ以外に間近に触れる女性の温もりに僅かな期待が高まる。

 同時に己の中の冷静な自分が、このまま抱いた所でお互い気まずくなるだけだと忠告を発している。

(どーしっよかなあ)

 思考に逃げ込もうとするが、突如の荒々しいキスで中断させられてしまう。

 口腔内に舌が潜り込み、蹂躙する。初な少年であれば赤面してしかるべき状況。しかしアキトは、

(下手だな)

 アキトの中のペルソナ達、彼等の記憶がそんな感想を抱かせた。けっして彼自身の経験が豊富なわけではない。

 とりとめもない思考を続けるうちに、唇が離れた。終わりかと思ってみれば、情欲に濡れた瞳で見返してくる。

 行き付く所まで行かなければならないことをアキトは理解した。

 再び顔を近づけてくるイネスの身体を、絶妙な力加減でひっくり返す。今度は、アキトが押し倒す態勢となった。

 驚きに見開かれた瞳を覗き込む暗い視線に引き込まれそうになる。

「……そんなに、抱かれたいのか? 一時の快楽で、何もかも忘れたいとでも?」

 闇を纏った言葉にイネスは戦慄を憶える。

「あ……貴方……いったい……」

「アキトさ……わたしもまた、テンカワアキトだよ。どうしても区別したければ、<狂皇子>とでも呼ぶが良い」

 云って唇を重ねる。舌が進入してくる。

 時に乱暴に、時に優しく。そのキスは、イネスが今迄受けたどんなキスとも次元が違っていた。

「ん・・・・・・んん・・・・・・んっ」

 離れた唇の間を銀糸が繋いで、切れた。

「今日は特別だ。束の間の夢を味わうが良い」

 その言葉がイネスの最後の記憶となった。後は快楽の嵐に翻弄されてなにも憶えていない。

 解るのは、ほぼ始めて自分が満足できたと云う事だけであった。

 

 

 ――二ヶ月後。

 ユートピアコロニー宙港。五年前、アキト達の両親が殺された場所でもある。

 破壊され尽くした当時の面影を脳裏に描く事はもはや難しく、

宙港内にぽつねんと建てられた慰霊碑だけがその悲劇の面影を留めている。

 その中でアキト達は、発射の迫った地球行きのシャトルに乗り込むために見送りの人達と別れを告げようとしたのだが、意外な人物のためにそれは難航していた。

「や〜だ〜ぁ。アキトお兄ちゃんいっちゃやっ!」

「こらっ、アイ。アキトさんたちが困っていらっしゃるでしょう?」

「は、ははははは・・・・・・」

 元気一杯我侭を云うアイちゃん五歳。何処ぞのごういんぐ・まい・うぇい娘に比べれば可愛い物だ。

 しかし笑い事ではない。シャトルの発射の時間は刻一刻と近づいてきている。

 しばらくの間困ったようにしていたアキトだが、何か良い考えを思いついたのか、しゃがんで目線を合わせる。

「アイちゃん。俺達が地球に行ったからと云って逢えなくなるわけじゃないんだから。

 きっと何処かで逢えるさ。これは約束の証」

 ぶら下げていた形見のペンダントを外して装着させてやる。

 その事を知っている者達は何か云おうとするが、抜き身の刃の如き強い視線を受けてなにも云えなくなってしまう。

「こいつは俺の大切な物だから、きっと、何時かきっと返して欲しいんだ。俺の云いたい事解る?また逢おうって事さ」

 その言葉に納得はしていないものの、アイは涙をためて頷いた。

「じゃあ、さよならだね、アイちゃん」

「うん。またね、お兄ちゃん」

 一杯に涙を溜めて見つめるアイの頭を優しく撫でてやるアキト。

 

 

 火星の空をシャトルが飛んでいく。様々な思いを乗せたまま……

 舞台は地球へ。

 

 

 

 

次回予告

 

イネスと共に地球に降り立ったアキト達。

出会ういくつもの出来事。

そんな中で五年がたった時、ネルガル会長が死亡する。

そして新たな若き新会長はアキトの古い友人だった。

協力を約束するアキト。

彼等は先代の残した負の遺産の始末を決意する。

<マシンチャイルド>

それはネルガルの罪の象徴。

 

 

次回

機動戦艦ナデシコ〜ペルソナ〜

第2話

機械仕掛けの子供達〜マシンチャイルド〜

 

 

「これが……僕達の罪……」

「アキトさん……」

 

 なお次回予告の内容は変更される場合がある事を御了承下さい。

 

 

 

後書き

 

 ふい〜。よ〜やく書き終わりました。

 初投稿のつちきと申します。

 断言します。つちきは遅筆です。

 それでも良い、ぜひ続きが読みたいという奇特な方がいたらとても嬉しいです。

 しかし我ながらごちゃごちゃした内容だな……

 次回予告、ナデシコっぽくありませんが勘弁してください。

 しくしく。

おまけとして用語解説なんぞを。

 

 

 

用語解説 

 

NO,1【リング】

 作中にもある通りブラックサレナに搭載されていた超AI。

 プログラムはナデシコに搭載されていたオモイカネαから分けられ、

ユーチャリスに搭載されたオモイカネβをさらに分けた物。

 ただしオモイカネシリーズの基礎プログラムや構造などが遺跡のコピーであるのに対し、

リングの中枢には遺跡その物が使われている。

 そのためかオモイカネシリーズよりも小型でありながら数倍の性能を発揮する。

 その性能を生かしきれるのもまたアキトだけである。

 アキトは日常生活のリンクはラピスに頼っていたが、戦闘、特に機動兵器戦などは彼女とリンクしていた。

 ラピスの反射神経などはマシンチャイルドであるため常人の数倍は軽くあるのだが、所詮はオペレーターという事である。

 それ以前にユーチャリスの管制と敵施設のクラッキング迄加わるのだから、

ブラックサレナを操縦している時のアキトには手が廻らない。そのためアキトは彼女とリンクしていた。

 非常に人間くさい性格は、遺跡を中枢として使用していたからもあろうが、大半はアキトとリンクしていたためである。

 火星の後継者等に攫われた後のアキトは、狂気や復讐心、怒りなどの負の感情以外を殆ど表に出さなくなっていたが、

遺跡でもあり超AIでもある彼女にとって、脳内にあるナノマシンで形成された補助脳の記憶を読み取る事はたやすい事であった。

 その中のアキトの記憶を元に彼女は殆どの感情を手に入れたのである。

 彼女が二二〇〇年の太陽系を中心とした遺跡群の中枢になるにはそれなりに裏の事情って奴があるのだが、

それはまた別の機会にという事で。

 彼女の名前を付けたのはアキト。意味は『鈴の音』、あるいは『鐘の音』。由来はオモイカネから派生したから。

 ただし本人も無意識に、遺跡を利用したという知識から『輪』の方のリングの意味も含んでいる。

 エリナいわく『アキト君にしては良い名前ね』だそうだ。

 

 

NO,2【マシンチャイルド】

 

 今更解説する迄も無い人工的に作られた子供達。その基礎はナノマシンが最初に使われ始めてから存在する。

 いかにしてナノマシンを使っていかに新人類を作り出すか、その事が最初の製作目標であり、

百年程前に月でクーデターが起きてからはいかに従順な兵士を作り出すか、という目的からも注目され始めた。

 マシンチャイルドには、初期型、中期型、後期型の三タイプが存在している。

 初期型はどのような遺伝子がナノマシンと相性が良いかなどを調べるために造られた者達。

 今では誰一人として生き残ってはいないが、成人率0,23%、生後三年以内に死亡した子供達を除いた平均寿命が

9,68歳という数字から、いかに狂った実験であったかが窺える。

 彼らはナノマシンに対する適正だけでなく,開発したナノマシンが人体にどのような影響を与えるかという実験もさせられていた。

 彼らの人権が認められなかったために起こった悲劇である。

 パイロット用やオペレーター用のナノマシンもこの時代に基礎理論が完成する。

 中期型はマシンチャイルドの発展の時代である。

 様々な方向性のマシンチャイルドが開発されており、中にはアニメやマンガの中の登場人物のような能力を持つのも造られている。

 その結果戦闘に使うにはパイロットかオペレーターとして特化したマシンチャイルドが好ましいと結論付けられた。

 カイトやサキはこの中期型のマシンチャイルドであり、彼等は両親によって電子戦、起動兵器戦、白兵戦のそれぞれに対応出来る、万能戦闘型として製作されている。

 無論そんな改造は無茶であり、死亡率もかなり高くこの時代のマシンチャイルドは双子の他に片手で数えられる程しか生存しておらず、蜥蜴戦争時には双子以外は亡くなっている。

 後期型。この頃ようやくマシンチャイルドの存在が世間に知れ始め、

昔のように無茶な実験が出来なくなった研究者達は特定の分野に対して突出した能力を持つ子供を作りだす。

 ホシノルリやラピスラズリはもちろんこの型である。

 なお双子の場合、その能力の多様性から中期型とされているが、

作られた時期がちょうど中期型と後期型の入れ替わりの時期であり、

またその能力の高さから後期型とも目されている。

 しかし多岐にわたって高い能力を示す事こそがなによりも中期型の証であるのかもしれない。

 

 

 

 

管理人の感想

 

 

つちきさんから初投稿です!!

う〜ん、逆行系では・・・ないみたいですよね?

アキトの中に眠る複数のペルソナ。

そして、謎の双子。

う〜ん、実に今後の展開が楽しみですね!!

ついでに言えば、イネスさんとの今後の関係とか(笑)

 

それでは、つちきさん投稿有難うございました!!

 

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