Iの謀(はかりごと)2

 

「何だこれは」

アキトがイネスから手術を受け、最初に発した言葉がそれだった。

「あら、どうかしたの?」

アキトの手術後の様子を見ていたイネスは、獲物を前にした獣の笑みでそう返す。

「イネスさん、今の俺の姿について説明してもらおうか?」

「説明しよう!

 手術前に言った通り、アキト君の体はすでにぼろぼろ、あの体を直すのはもう無理。

 そこで新しい体に遺跡を介してアキト君の意識を移す、ここまではいいわね?」

「ああ、そこまでは問題ない、で、何でこの体なんだ?」

「アキト君の元の体からクローンを作り出し、それに意識を移すとゆう案もあるにはあったんだけど、

 理由はどうあれ、明人君は犯罪人、それも個人としてはおそらく過去最高の犯罪者よ。

 ネルガル上層部からはこのまま始末してしまおう、とゆう案も出ていたのよ。

 まあ今まではアカツキくんが押さえ込んでいたけどこれからも押さえ込めるか分らないし、

 このままでもアカツキくんの立場はどんどん悪くなっていくわ。

 そこでアキト君の遺伝子を元にして作った新しい体にしたのよ。」

プルプルと震えながらしゃべるアキトにイネスは嬉々として説明する。

「確かに俺はいろんなものを捨ててきた。

 ユリカやルリちゃん、

 ナデシコのみんな、

残り少ない命、

 テンカワアキトとゆう存在・・・

 だけどな・・・

 男を捨てる気は無かったぞ!!

そう、アキトは女性、しかも見た目6〜7歳のかわいらしい女の子になっていた!!(笑)

「ごめんなさいね。あなたの遺伝子をいじっていたらたまたま女の子になっちゃったのよ。

 それに時間が無かったから培養も不完全で身体的な年齢は6歳になってるわ。

 ・・・まああなたを見ても誰もアキト君とはわからないだろうからさして問題ないんだけど・・」

「問題ないわけないだろうが!!」

そう言いながらイネスに詰め寄ろうとするアキト?だが、

コテン・・ゴス!

見事にすっ転び、額をしたたかに打ち付ける。

「ああそう、言い忘れてたけど体の大きさがまるで違うから、今まで通りに動こうとすると転んじゃうわよ」

「くうううう・・・もう泣きたい・・・」

その場に立ち上がろうとして何度も転び、座り込んだ形で目に涙をためるアキト?。

もちろん破壊力は抜群である(笑)

「まあまあ泣かない、泣かない」

「うう・・・情けなくなってくるからやめてくれ・・・・って

 何でアイちゃんがいるんだよ!!!

そう、アキト?を慰めているのは紛れも無くあのアイちゃんだった。

「説明しましょう!!

 

まず私は数時間後に過去に向けてジャンプします、

 そこで過去の私にあらかじめ作っていたクローンにアキト君と同じ手術をしてもらい、“アイちゃん”にしてもらいます。

それがそこにいるアイちゃんです」

 

それじゃあここにいるイネスさんもアイちゃんも中身は両方イネスさんなわけか・・・・!!

 ちょっと待ってくれ、時間を超えるボソンジャンプに成功したのか!?」

 

ええ・・といってもそれなりの装置とA級ジャンパーがそろってないと不可能だけどね。」

「とゆうわけでお兄ちゃん・・じゃなかった、お姉ちゃん、過去に飛ぶよ!!」

何がとゆうわけなのか分らないがいきなりアイちゃんがすごいことを言い出す。

しっかり言葉使いがアイちゃんになっているのはさすがである。

「いきなりなんで過去に飛ばなくちゃならないんだよ!!」

「明人君・・手術の前に言ったでしょ、『償い』をするためよ」

「『償い』・・・?」

「ええ、過去に行けばすべてがやり直せるわ。

“アイちゃん”は過去に飛ばなかったかもしれない・・・

 サツキミドリの人たちも助かったかもしれない・・・

 白鳥九十九は死ななかったかもしれない・・・

 火星の後継者は存在しなかったかもしれない・・・

 そんな世界を作りたくない?」

 

やりなお・・せるのか・・・?この俺が・・・」

「そうだよおねえちゃん。

 過去をやり直せばいろんな人を不幸から救い出せる。

 お姉ちゃんが不幸にしてしまった人たちも幸せになれるかもしれない。

 このままこの時間軸にいてもそれだけはできない・・・

 行こうよ、過去に!!」

「・・ああ、ここに居るよりは良さそうだな・・・」

「よ〜し、そうと決まればさっそく行こうよ!

 善は急げってゆうし!!」

「ああ、そうだな・・・」

「それじゃあいくわよ、

 遺跡時間軸修正装置起動、

 システム正常、

 いつでもいけるわよ!」

「それじゃあ私がイメージするね!」

「アイちゃんも来るのか!?」

「お姉ちゃん、何のためにこの体になったと思ってるの?

ついて行くために決まってるじゃない!!

 それじゃあ・・イメージ・・・ジャンプ!!」

そしてイネスの見守る中、彼女たちは旅立つのだった・・・

 

 

続く

 

 

 

              おまけ

 

「・・・クッ・・・アキトハ・・・ドコ・・?」

「そうよ・・・・アキト君を・・・どこにやったの・・・!!!」

アキト達がジャンプしたあと、なぜかよれよれになったラピスとエリナが部屋に入ってくる(笑)

「あら、遅かったわね。アキト君ならもう過去に行っちゃったわよ」

薄く笑みを浮かべながらイネスは勝ち誇って言う。

そう、イネスはアキトが手術による変化で混乱している隙に話をすすめ、

二人のことに気を回らせる前にとっとと過去へ飛ばしてしまったのだった(笑)

ちなみに二人にはあらかじめ薬を盛り、話の途中で踏み込まれないようにしたのだった(爆)

「!!!・・・コノセツメイバアサン・・・!!!!」(怒怒怒怒)

「くっっっ!!!・・・この三十路のマッドが・・・!!!!」(怒怒怒怒)

「ふふふ、負け犬の遠吠えね・・

 それじゃあ私は若返ってアキト君についていくから。

・ ・イメージ・・・ジャンプ!」・

「待ちなさい!!説明おばさん!!!」

「マテ!バアサン!!」

ほほほほほほほほほ・・・

笑い声を残してジャンプするイネス。

後にはクスリでしびれて動けないラピスとエリナが残っていた・・・

 

 

         さらにおまけ

 

「・・いやあ、動けないねぇ・・」

「全くですなあ・・」

「うむ・・・」

「・・原因はイネス女史からの差し入れのお茶菓子だな・・・

 しかし、普通身内に一服盛るか?・・・」

「いや、月臣君・・・

 今回のことはまだましだよ・・・

 ナデシコのころは毎日死にかけたからね・・・」

「そうですなあ・・・

特にアキトさんはあの三人の料理もいただいてましたからなあ。

ああやって鍛えられて無かったらアキトさんもヤマサキラボで死んでたかもしれませんなあ・・」

「うむ」

「(そんな状況で木連と戦っていたのか!?

 やはりナデシコ、恐るべし!!)」

そのまま数時間、誰にも気付かれること無く、穏やかな午後は過ぎていった・・・

 

 

あとがき

 

すいませんイネス様!!

前回のあとがきといい、今回といい、私、U悠G適(ゆうゆうじてき)が調子に乗りすぎておりました!!

反省しておりますからなにとぞその注射器メスを懐にお納めくださ・・・

ぎゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

U悠G適さんからの投稿です!!

 

・・・いきなり、きましため〜

まさか性転換、及び幼児化とは。

科学に不可能はないのか?

というか、悪魔の御技だろ・・・これ(汗)

 

ではU悠G適さん、投稿有り難う御座いました!!

次の投稿を楽しみに待ってますね!!

 

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