The answer

第三話「やっぱサブタイトル無くそ」

>アキト

 意識が回復した後、ブリッジで即席の質問コーナーが開かれた。

「司会は私、アオイジュンでお送りします!」

 ・・・おい。

「何ですか?ゲストのテンカワさん。」

 ・・・なんだ?司会ってのは?

「まあ、気にせずに!観客の皆さん、拍手を!」

 パチパチパチパチ・・・。

 観客(4人だけ)が口で効果音を出して返すのみ。

 あのドッペルゲンガーは、いないらしい。

「さあ、まず最初の質問は?」

 俺は、黙って手を上げる。

「テンカワさん、どうぞ!」

「だれだ?さっきのは。何故同じ顔?」

「あの人は、傭兵のゼロという人です。同じ顔の理由は、私たちでもわかりません。

 というより、サングラスを今まで取ったことがありませんでしたから。」

 なるほど。それでみんなフリーズか。

「次、どうぞ!・・・テンカワさん!」

「さっきお前が言った、通訳ってのは?」

「・・・じきにわかります。」

「????」

「次は・・・ユリカさん、どうぞ!」

 どうやら、こっちのジュンは、ノリやすいらしい。

「・・・・・・・・・・・・。」

「はあ、ふんふん、わかりました!」

 ・・・いや、聞き取れなかったぞ。

 俺とジュンは同じ距離ぐらいしか離れていないのに、何故あいつは聞き取れる?

 ・・・そうか・・・通訳とはそういうことか。

「ユリカさんの質問です!『私とあなたの関係は何?』です!」

 ・・・関係?どう答えるか・・・。

 よし、ここは正直に。

「昔、近所での友達だ。」

 嘘は言っていない。が、王子様というこっぱずかしい答えを言わないと怒るような気が・・・。

「・・・。」

「正解です!・・・ユリカさん?質問じゃありませんよ、これ。」

「・・・・・・(コク)。」

 そうか、正解か。

 昔結婚した身としては、複雑だが。

「さあ、そろそろ最後にしたいと思います!・・・テンカワさん、どうぞ!!」

「あのドッペルゲンガー、どうやってさっきブリッジに入った?ドアの音がしなかったが?」

「それは、ワープです。」

 ワープぅ?ボゾンジャンプじゃなくて?

「ゼロさんは、レプリロイドというサイボーグの一種で『一種って言うな』失礼、サイボーグみたいなものでうわあぉ!!」

 驚くジュンの横には、本当にいつの間にやら、ニヒルでナイスガイなゲンガー(略)が立っていた。

「俺はポケモンか」

「むう、地の文に突っ込みを入れるとは。俺が弟子と認めただけのことはあるな。」

「認められてない、認められない、認めるかっ!!」

「ミスったな。」

「・・・そんなことよりだ。」

 ふとゲンガー、もといゼロが外を映したモニターに目をやった。

「レーダーに反応だ。もうすぐ敵が来るぞ。」

「「「!!」」」

 ・・・警報は鳴っていないが?

「俺のレーダーにだ。俺が機械だというのを忘れたか?」

「加速装置は積んでいないのか?」

「何処の機械だ」

「電覚(間違ってたらすまぬ)は持っているのか?」

「ニトロの某燃萌ゲーの主人公か、俺は」

 その時、夜叉のような冷え切った声が二人の間を通り抜ける。

「敵が来ると思うのならさっさと出撃してください」

「ワカリマシタ」

 ・・・ルリちゃん、怖。ずっと忘れられてたから、怒ってるんだな、うん。

>タクトをやめてやっぱりゼロで契約した男

 ・・・予想した通り、この世界に俺が二人いる結果となったか。

 プロスペクターに書類を見せてもらったが、やつはパイロットではなかった。

 ・・・後で書き換えられているかもしれんが。

 ともかく、今回の出撃は奴は見送りだ。

 昔通りならば、敵は雑魚のみ。ナデシコ浮上を待つまでもなく、殲滅してくれるわ。

 で、エレベーターに乗って、艦外に出る、と。

 ちなみに、搭乗機は、まだない。サツキミドリで搬入予定だ。

 まあ、ホバリングで空も飛べるし、生身(?)でも、ひけはとらぬわ。

「さあ、油断せずに行こう」(声ネタ)

>アキト

 ゼロという奴が真紅の鎧を身にまとい、ビームサーベルらしきものでバッタバッタと(ネタにあらず)さまを、俺はブリッジで見学中。

「・・・アキトさん?」

「・・・どうかした?ルリちゃん。」

「どうして出撃しなかったんですか?アキトさんなら、あんなくらい簡単に済ませられるじゃないですか。」

「俺はパイロットじゃないしね。本業の人に任せたんだよ。」

 もっともらしい理由をつける俺。なぜなら、

 『楽できるなら楽をする』のが俺の座右の銘だからだ!

「しかし、仕事をしていただきませんと、減俸になりますが。」

 プロスさんの意外な言葉。

「減俸・・・何故ゆえっ!

「いえ、ここに、『パイロット』と契約しておりますので、はい。」

 と、契約書をひらひらさせて告げるプロスさん。

(・・・まさか・・・。)

 ふと銀髪の少女を見ると、彼女はぷいと視線をそらした。いかにもわざとらしく。

(はーめーらーれーたー!!)

「次からは、ちゃんと仕事をしてもらいますよ。」

「・・・はい(涙)」

「・・・・・・あ。」

「どうかした?ユリカ。」

 ジュンの問いに、ユリカはただモニターを指差すだけ。

「・・・特に変化はないけど・・・。」

 今度は首を横に振るユリカ。普段なら、

(――――新鮮だっ!新鮮すぎるっ!)

 とか萌えるんだろうが、この状況では疑問符が先に立つ。

「・・・ユリカがそういうなら。」

 といって、ジュンは艦外のゼロに指示を出す。

(いったい、ユリカは何が分かったんだ?)

 数分後、答えは自ずと分かるのだが、いまの俺は知る由もない。

>ゼロ

「艦長が、警告してます!注意してください!」

 む?何かあるのか?

「――――了解した。」

 そういえば、ユリカに何か特殊な力があることが気になるが・・・。まあいいか。

 考えをめぐらせつつ、背後から体当たりしてくるバッタの一匹を振り向きざまに切り飛ばす。

(――――Xを呼んでおくか、念のため。)

「――――ん?」

 その時、俺の目の前の空間がゆがみ、おさまったときには、一つの人型の姿をした者がいた。ハゲの大男が。

「ゼロよ、今度こそ引導を渡してくれるわ!」

「Σ(シグマ)!」

 それは、100年前にXとともに倒したはずの、Σだった。

「相変わらず、しつこい奴だ。」

 そのとき、俺の隣にXがワープしてきた。装備はアルティメットアーマー。

 一人だけでも、十個大隊を楽に倒せる力を持つ。

「と言いたい所だが、今回の目的は貴様ではない!」

 と言うと、ΣはXの方へ向き直り、

「食らえ!シグマウイルス改を!」

 手からビームを発射し、Xに命中させた!

「ぬなっ!」

 シグマウイルスとは、かつて数多くのレプリロイドをイレギュラー化させ、洗脳した恐るべきものだ。

 俺には何故か効かないが、Xが食らえば・・・。

 そして、Xの色が黒く変わり、突然姿を消した。

「ふははははっ!目的は達成した!さらばだっ!」

 奴の目的は、俺を倒すことではなく、まずXを味方に引き込むことだったようだ・・・。

>ホシノルリ

 ナデシコが出航して、数日が立ちました。

 あのとき、Σというレプリロイド(とゼロさんは言ってました)が現れ、Xさんを奪っていっちゃいました。ゼロさんも、少し寂しそうです。

 そういえば、今回はキノコもユリカさんのお父さんもいなかったし、アオイさんも置いていかれる要素が無くなったわけですから、

 前回よりはスムーズにビッグバリアまで行けそうです。

 それにしても、アキトさんは何処へ行ったんでしょうか?この私を放ってどこかへ行くなんて・・・。

 次に見かけたらお仕置きです。オモイカネに聞いてみましょう。

「アキトさん、どこ?」

「ゼロト他フタリデ、カラオケシテイル。」

 ・・・・・・は?

「♪愛と勇気は言葉〜!感じあえれば力〜!」

「♪欲しい物が分からなくても 何でも手に入るから〜」

「♪朝には〜消えた〜あの歌声を〜いつまでも聞いていた〜」

「♪クウガ!熱くよみがえれ! クウガ!誇りのエナジー!」

 ヤマダさんのロボットの歌は、何となく分かりますね・・・。

 アオイさん、意外なご趣味ですね。

 アキトさん!まさかこっそりとそのゲームをやっていたんですか!?私というものがありながら!

 前言撤回。ゼロさん、少しも寂しそうじゃありません。

「♪友に貰った優しさを 怒りに変え立ち上がれ」

 声ネタですね。3話で終わっちゃいましたけど。

「・・・僕の声優、誰?」

「「「知らん」」」

 無惨ですね、アオイさん。

「♪ラララそれはラララそれは〜お!ね!え!さ!ん!

 アキトさん!幾ら声ネタだからって、私に対するあてつけですか!?

「・・・置鮎氏の歌、知ってる奴いるか?」

「「「有るけど知らん」」」

 ふふふ・・・待ってなさい、アキトさん!今お仕置きをしに逝きますから・・・。

「艦長。ルリヲ止メテ。」

「・・・・・・(コク)。」

 はっ!ユリカさん、何を!

 カッ。ドサリ。

>ユリカ

 ルリちゃん、仕事場、勝手に離れちゃダメ。

 ・・・・・・今のうちにオモイカネを・・・。

「ちょっと、ルリルリ、どうしたの?」

「ご心配には及びません。ちょっと気絶しているだけですね、ハイ。

 あ、私、MK38(中略)ノーマッドと申します。よろしく。」

「医療室にルリルリ連れていってくるわね、艦長。」

「・・・・・・(コク)。」

「あの、皆さん、無視ですか?」

 ヴヴーン!ヴヴーン!

「おや、敵襲ですか。」

 ・・・ノーマッド、後よろしく。

>ノーマッド

 愛に見返りを求めるなかれ、ノーマッドです。

 さっそくお仕事です、ハイ。

 ああ、愛しのユリカさんの為なら、たとえ火の中水の中、

「・・・・・・。」

 あ、仕事ですね。失礼しました。

「第一種戦闘配備。全クルーは、直ちに持ち場に戻ってください。」

「敵は!状況は?」

 アオイさんが急いで駆け込んできました。

 ちなみに、アオイさんは私の存在を既にご存知です。

「前方に、チューリップが二つ。バッタを無数に放出中です。

 先程ルリさんが医務室行きになったので、オモイカネのシステムを借りても40%程戦力ダウンです、ハイ。」

「よし、ナデシコで一つ沈めて、もう一つはゼロ達に任せよう。」

 ・・・説明中・・・

「了解した。俺たちは一つの相手をしに行く。

 行くぞ!アキト!ガイ!」

「ああ。」

「おう!」

「さあ、油断せずに行こう」

「天河機、出るぞっ!」

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「・・・ガイは?」

「すまん。この話で今まで書くの忘れてたが、ガイは足の骨が折れてるんだよ。

 だからそれを思い出して、今痛がってるんじゃないか?」

「話?書く?どういうことだ?」

「・・・すまん、忘れてくれ。」

>アキト

「はああああっ!」

 俺のエステの前方を、ゼロがビームサーベルを振り回して突撃していく。

 俺の役目は、あいつが突っ込みやすいように、

「援護射撃だっ!当たると痛いぞっ!」

 発射したライフルの弾が、次々とバッタに当たり、花火となって舞う。

「ふっ、俺の腕も錆びてはいないな。」

『錆びた時にはサビトレール!2800円でご奉仕します!』

「こんな時に出てくるなァ!作者ァ!」

 そのとき、俺に向かって無数のミサイルの雨が――――通り過ぎた。

「ふははっ!カスリもせぬわっ!」

 ――――幽霊だからな。

 再び前を見ると、

「――――もう終わってるじゃん。」

 既にゼロとナデシコがチューリップを沈め、掃討戦に入ってた。寂し。

「ところでプロスさん。ナデシコの目的地って、何処ですか?」

「聞いてなかったのですか?火星ですよ。」

 この話では、まだ言ってなかったよなあ・・・。

「テンカワさん、この話とは、どういう意味ですか?」

「あ・・・・・・。」

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 ズダダダダダッ!

「・・・逃げたな、アキトの奴。」

「・・・・・・(コク)。」

「墓穴を掘ったという奴ですね、ハイ。」


コメント

 やっぱ時ナデは使わないだろうなあ、となりそう。

 ところで、月姫SS(本のほう)見て分からない言葉があったのでどなたか教えてください。

 ――――『床上手』って、何でしょうか?

 国語辞書にも載ってねえ・・・。

 

 

感想代理人 皐月

 

『床上手』―― 平たく言えばお父さん、お母さんに聞いてみましょうな言葉です。

まあ、閨房(つーか閨房という言葉は今時使わんか?)での技(?)の巧みさを表すというべきか、単純に上手いというべきか……。

加時リョウジは上手そうだなあ、とか。アキトはへなちょこだろうなあ、とか。

月姫なら琥珀さんが凄いだろうなあとか(志貴は獣如くっぽいので除外)

そんな感じの意味です。

 

 

……感想じゃないな。