The answer

天使編第六話

 何処までも続く漆黒の宇宙に、巨大な金属の箱が3つほど浮かんでいる。

 トランスバール皇国宇宙軍、クリオム星系駐留艦隊である。

 とはいうものの、ここ5年間戦争など一度も起きたことはなく、彼の部隊の中には、戦争経験者はほとんどいない。

(う〜ん・・・暇だな、この任務。)

 彼というのは、今心の中でこう思っていた人物。

 タクト・マイヤーズ。

 この地方艦隊の司令官である。弱冠21歳にして大佐と聞けば、余程の天才か、と思うかもしれないが、さにあらず。

 この皇国では、出身の身分によって軍での出世が必ずと言っていいほど響き、

 貴族出身なら、十代で佐官、二十代で将官というのも珍しくない。

 彼もその一人で、貴族出身である。もっとも、彼は酔狂なことに、中央での出世を嫌い、地方へわざわざ志願してきたのだ。

「・・・暇だなあ・・・。ブリッジへ行っても、何もすることないし・・・。

 娯楽っつっても、こんな艦で望むのが無理な話だしなあ・・・。

 何か面白いこと、おきねえかなあ・・・。」

と、タクトは艦長にあるまじき発言をしていた。

 そのとき、

 ヴヴーン!ヴヴーン!(これしかないのか)

 警報が流れ、続いて、

「何処で油売ってるタクト!ブリッジへ戻ってこい!」

「おおっと、何かあったかな?」

 艦内放送で流れた若い男の声に驚きつつ、ブリッジへとタクトは足を向けた。

「遅いぞ、タクト。」

「ああ、悪い、レスター。」

 さっきの声の男が、冷ややかにタクトに告げる。

 レスター・クールダラス。少佐。23歳。市民階級の出の為、同期の士官学校卒業にもかかわらず出世はタクトより遅い。

 が、彼は学校では天才と呼ばれ、軍に入ってからも同期の市民階級の者より出世は早い。

 一方タクトは、成績は中の下ほどで、たいしたことはない。

 つりあわないこの2人、とても仲が良く、タクトがこの地位に就くとき、レスターもまた、志願してタクトの副官となった。

「レスターがいるから、俺は安心して艦長をやっていられる。」とはタクトの弁で、

「俺は艦長の柄じゃないが、あいつは性格が艦長向きだ。」とはレスターの弁である。

「で、どうしたんだ?」

「突然光が発生し、そこから人型の兵器らしき残骸が・・・。」

 タクトののんびりとした問いに、オペレーターの一人が緊張しつつ答える。

「内部に生命反応がある。今、回線を繋ごうとしているが、軍用ではどれもつながらなかった。

 どう思う、タクト。」

 相変わらずのレスターの対応の早さに感心しつつ、残骸が映っているモニターを見る。

(光ってことは、ジャンプ?・・・まさかね。

 けど、あの残骸、昔に見たことあるような・・・。)

「通信、つながりました!」

「あ、ああ、繋いでくれ。」

 ふとかけられた声に、慌てて反応するタクト。

 モニターに現れたのは、若い男。見た目、二十代前半で、顔立ちも整っている。

 まず、美形に分類される顔だ。ブリッジの女性たちから、軽く黄色い声が聞こえてくる。

「・・・大丈夫か?」

 タクトが呼びかけると、男は意外な反応を見せた。

「その声は・・・テンカワアキトか?」

「・・・いや・・・。」

 ここで返事を止めておけばいいものを、タクトはわざわざ、

「声が同じなだけだ。」

 と言ってしまう。

「・・・その反応、間違いない。貴様も、ここへ跳ばされたか。」

 何か、嫌な予感がした。

「・・・どちらさまでしょうか?」

「――――――この顔を見て分からぬか?散々貴様に山寺だのロバだの言われたこの顔を!

 それはあっちのアキトだ。俺はゼロだった方だ。

「・・・・・・北辰か?」

 男は自信満々に、

「無論だ。他に誰がいる?」

「なあにぃぃぃぃぃぃっ!」

「何故そこまで驚く!」

「鏡で自分の顔を見てくれ!そうすれば分かる!」

 30分後・・・。

「で、何でブリッジにいるの・・・?」

「貴様が呼んだからではないか、テンカワアキト。

 それにしても、俺が若返っていたとは驚いた。」

「俺も驚いたよ・・・。」

「ま、待て!」

 2人の会話に、割って入るレスター。

「お前らの言ってることが、さっぱり分からん!じっくり説明してくれ!」

「・・・めんどくさいな・・・。」

 説明中・・・。一日後・・・。

「最早俺は草壁を見限った。あんな奴の下で今まで働いていたとは!

 タクト・マイヤーズ、レスター・クールダラス、世話になるぞ。」

「ああ、お前のような経験者がいると心強い。よろしく頼む。」

 2人は意気投合していた。

「何でじゃあああああああっ!!」

 それをよそに、タクトは独り絶叫していた。

 一方、さらに会話を進める2人。

「新たな人生、どう生きるべきか・・・。」

「まあ、時間はいっぱいある。なあ、タクト。」

「・・・もう好きにして。」

 あきらめ気分のタクトであった。

>格納庫にて

「なあ、ちょっといいか?」

「何だ、タクト・マイヤーズ。」

「まず、名前を変えろ。

 つーか、変えてくれ!北辰と聞くと、昔の癖でつい斬りたくなってしまう!」

「そのセリフだけを聞くと非常に危ないが・・・よかろう。イメージチェンジをしたかったところだ。」

 その言葉を聞き、タクトは呆然としてしまった。

「お・・・お前の口からイメージチェンジなどという言葉が出てくるとは・・・。」

「失敬な。・・・む、これでいこう。」

「何か思いついたか?」

 北辰はうむと頷き、

「行くぞ、『ちょっと待て。』・・・何だ。」

「先に言うが、名前に浩平、祐一、朋也、武はパクリ一直線だからダメ。」

「元戦術と鍵と発売日延び過ぎのアレか。心配せずとも、まともなのを考えておる。」

「へえ・・・。」

 北辰のまともなところに(他人からすればタクトが異常なのだが)少し感心するタクト。

 が、それは次で撤回される。

「『神谷武人』だ」

「物凄く『アタタタタタタタ!!』っていいそうな名前だな」

「冗談だ」

「冗談なのかっ!?」

 北辰はこんなキャラだったのか、とつくづく考え直すタクト。

 ――――――こんな風にしたのは作者だが。

「『榊キリュウ(仮)』というのはどうだ?」

「・・・まあ・・・いいんじゃないか・・・。」

 北辰改め、キリュウのネーミングセンスが全く分からないタクトであった。


こうなったわけ。

 天使編開始→これはナデシコSS→誰かいないとクロスオーバーにならず→タクト(中身旧アキト)では不十分

→誰か〜→前話で消えた北辰(新)→結局はGAがやりたかっただけ

てな流れです。ああ、物を投げないで・・・。

ともかくもやっとマブラヴが発売。年齢上買えませんが。

 

 

感想代理人 皐月

 

山寺さんいいじゃないですか!?

 

加持は……どうでもいいとして、ビバップのスパイクとか。

と、謎の叫びは気にしないでください。

でまあ、いつもの如く感想とはいえない感想を。

>ともかくもやっとマブラヴが発売。年齢上買えませんが。

そうですねえ、年齢上の制限があるのなら買ってはいけませんね。

どこかの誰かみたく、堂々と18禁ソフトの陳列棚に行って、堂々とソフトを掴んで、堂々とレジに行く。

そんなのはいけません。ダメダメです。

その時に、店員に「お客さん、漢ですねえ」と言われようものなら、もっとダメダメです。

分かりましたね、18禁ソフトは18歳になってからですよ?

 

 

 

 

 

し、仕方がないんだ。だってア○スのゲームは下手なコンシューマゲームより面白いんだもん。

 

補足・マヴラブとは王道学園ADVの事です。

……アトラ○ナクアも学園物に入るのかなあ?