えりなせんせいといっしょ!第一話『秘書です!でいこう』〜前編〜




川面を見下ろせる河川敷の草原。
白銀の円盤が優しく辺りを照らしている。

その草原の中、両手を後ろにつき足をまっすぐに投げ出して座っている青年がいる。
特に何をするわけでなく、風の音聞きながら水面を見るともなく眺めている。
ただぼーっとしているとは感じられない。
見る人がいれば悲哀という言葉を思い出す、そんな光景である。

その青年にやわらかく明るい言葉がかけられた。

「アキト君……」

その言葉、声にテンカワ・アキトは、ビクッと体を硬くし、恐る恐る確かめるのが怖いかのような
それでいて期待しているような感じで振り返った。

薄いピンク色のスーツ姿。
濡れたような漆黒の髪をショートにしている。
アジア系の美女と呼ぶにふさわしい顔立ち。

アキトの顔は、悲しみから不安、そして、嬉しさへと変わり一言つぶやいた。

「……エリナ……」

 

某所高層ホテルの一室


どうせ泊まるところもお金も無いのだからとエリナに連れ込まれ、お互いの現状を話していた。

アキトの方は、五感が戻っていることに驚いたこと。肉体的に若返っていること。ラピスとはリンクしていないこと。
後は、エリナのことで頭が混乱し考えることもできなかったと恥ずかしそうに語った。

「ところで、俺だけでなくエリナも何か若返ってないか?」
「当然よ、今は2195年なんだから」
「え!?」

さらっと流したエリナの言葉に固まるアキト。

「2195年。後1週間もすれば火星陥落の報が全世界に届くわ」
「………」
「今はあなたが初めてボソンジャンプで火星から地球に来たその日よ……」







過去の自分に意識だけが戻ってきたこと。エリナ自身は二日前に気づいたこと。
どうしてこうなったのかはまったく分からないこと。
過去に、未来にというべきか、アキトに聞いたことがあるあの草原を一日中探していたこと。

「もっと時間と場所を詳しく聞いておくんだった」

エリナは嬉しそうにアキトに言った。

実際、アキトがいるかどうかも分からない。
しかも、いたとしても自分の知っているアキトかどうかも分からない。
ただ、一縷の希望だけで探した相手が「エリナ」と言ってくれて嬉しかったのだ。



しばらくして、エリナは表情を改めた。

「アキト君、これからどうするの?」

エリナにあわせアキトも真剣な顔をする。

「アキト君にはいくつかの選択肢があるわ。ひとつ、どうにかして元の時間帯に戻る。
 ふたつ、歴史を同じように繰り返す。みっつ、まったく知らない所で暮らす。
 よっつ、歴史を変える。代表はこんな所かしら」
「元の時間帯……ボソンジャンプの事故でここにいるとすれば無理ですね」

当時の研究通りならここにエリナが跳ぶどころか、生きていることもないのである。

「そうね、ドクター、イネス・フレサンジュがいればともかく私達では解析どころか想像もできない。あっ……」
「どうした?」
「ふふ、選択肢もう一つ。私のヒモ(にこっ)」
「エ、エリナさ〜ん(汗)」
「ふふ〜ん、そんなもったいないことしないわよ」

エリナが髪を掻きあげながら悪戯っぽく微笑む。

「もったいないって……」

アキトはかなり複雑な表情。

「ま〜冗談はさておき、どうするの、アキト君。私はアキト君に従うわよ」

しばらく目を瞑り、手を組み合わせていたアキトはつぶやいた。

「……エリナ、俺は……ナデシコに乗りたい……」
「乗ってどうするの?」
「歴史を変えるなんて大きいことを言うつもりは無い。ただ、あの最悪の歴史だけは、
 あれだけは、繰り返したくない!」
「………」

予想していた答えであっても、その悲痛さに声が出ないエリナ。

「前にイネスさんとボソンジャンプについて話し合ったことがある。A級ジャンパー二人で
 時間を超えて過去を変えることができるかってことを」
「………」


歴史の伸縮性。無限の可能性と一本の大河。

どんな小さいことでも、ただ呼吸をすることだけでも酸素が減り二酸化炭素が増え、
余分なエネルギーが使われ歴史が変わるかもしれない。

大きいことをしても、例えば歴史上の人物を暗殺したとしても歴史の影に隠れていた同じ思想の人物が
同じことをしかも効率良く為すかもしれない。

ブラックサレナやユーチャリス、ナデシコCが早く開発されていれば、
木連側も開発に力を入れ、諜報に早くから北辰が登場し、クリムゾンとより親密になったかもしれない。

すべて仮定の話。しかし、実際アキトが過去に跳んだという事実が話を白熱させものだ。


「俺が過去してきたことが変わるわけではない。それは俺の持つ罪。
 これからどう行動しようと白紙に戻るわけではない。だけど……」

そっとエリナはアキトの手に自分の手を重ねた。
この人の心の傷を知っているから。未来の自分では癒せなかった傷だから。

「だけど、すべての元凶、火星極冠遺跡!! あれだけは処分する。
 破壊できないあれを人が扱ってはいけないあれを人の手の触れられない処へ!
 歴史に干渉はしようとは思わない。でも。この一点だけは譲れない!!」

アキトの瞳に何かが灯る。暗い復讐しか映さなかったその瞳に。

だから、エリナは問いかけた。

「歴史への干渉……でも、アキト君、目の前で死ぬと分かる人を見捨てられる?」
「………」

ふっとアキトから目をそらし語るエリナ。

「私は聞いたことしかないけどあなたのアキト君の前で死んだ人達の話は聞いているわ。
 歴史への干渉を最低限におさえれば、私達の予測出来る未来を繰り返し、最終的にあの遺跡を
 どうにか出来るかもしれない。でも、アキト君に冷静にそれが出来る?」
「……俺は……」
「わ、私ならできるかもしれない。だけど、あな……」

寂しそうに話すエリナをアキトが遮ぎりやさしく言った。

「エリナにはできないよ」
「えっ?」
「ラピスの服を一緒になって嬉しそうに買い物しているエリナには出来ないよ」
「あっ」

最近見ることの出来なかったアキトの微笑みをみて固まるエリナ。
それに気づかずアキトは決心を語った。

「理不尽な人の死を黙って受け入れるつもりはない。無理をするつもりはない。
 自分が万能でないこともよくわかっている。だから、だから……エリナ手伝ってほしい」
「言ったでしょう、私はあなたに従うって」

エリナは精一杯の笑みを浮かべた。

それは、アキトから手を差し伸べたから。手伝ってほしいと。誰の手助けも必要最小限しか
受け付けなかった黒の王子が自分から変わろうという姿が見えたから。

今、エリナ・キンジョウ・ウォンは幸福だった。

 

「ところで、エリナ?」
「なに、アキト君」
「ラピスとルリちゃんは戻って来ているのか?」
「あ、……忘れてた……」
「おい」

ちょっと舌をだすエリナに突っ込むアキト。

「いいじゃない、こっちも大変だったから」
「ちなみにアカツキは?」

ピシッ 

しばらくエリナは固まっていた。

「やっぱりアカツキを味方に引き込むのがいいと思うんだが…」
「…ちょ、ちょっと賛成できないわね〜その私達のいた歴史と少し変ってるみたいなの…」

エリナの言葉に驚くアキト。

「歴史が違う!アカツキの性格が悪く、いや、人間が駄目になっているとかか!」

なかなかに酷い事を言うのは、驚愕の為であろう。

「いえ、それは、元からでしょう」
「俺達には協力してくれない、ということか?」
「いえ、そういうわけでも…」

エリナは、複雑な表情で口を濁した。

 

ネルガル本社ビル会長室


「君かいエリナ君が是非紹介したいというのは?」

ネルガル会長アカツキ・ナガレ。どこかひたすらに軽〜〜いという雰囲気を漂わせている。
歯を光らせさわやかに聞いてくる。

「………」

アキトは質問に答えず、アカツキを指差し、首をギギッとエリナに向けた。
エリナは肯いた。

「………」

アキトの無言の問いに、エリナは首を振ることで答えた。

「君達、失礼だなぁ。何をやっているんだい?」

再び、さわやかに問いかけるアカツキ。そして、髪を掻き揚げて楽しそうに言った。

「それとも、僕に見惚れているのかい? だめだよ、僕には、待っている女の子達がいるから♪」
「エリナ…」

エリナは、再びプルプル首を振った。

「何だい、エリナ君もつれないね〜 さぁ、早くエリナ君の彼氏を紹介してほしいね。
 僕になびかなかったエリナ君の眼鏡に適った彼氏をね」

そう言って、ウインクをするアカツキは…

 

 

 

 

 

 

 

どこから見ても、女性であった!!


長い茶色のサラサラとした髪。一目で高いと分かるスーツに包まれた女性らしいプロポーション。
どうにか美女の範疇に入れそうな整った顔立ち。ただし、何故か見るからにかる〜く感じる。

そんな女性。





「…アキト君、ネルガルの女性会長よ。お願い」
「…ああ、はじめましてだな。俺はテンカワ・アキト。よろしく」

黒のスーツ姿。エリナ購入。お金がない為順調にヒモ化しているアキトがどうにか声を絞り出した。

いったい彼の黒のこだわりはどこから来るのだろう。
復讐からか、過去のピンクのエステや黄色の制服の反動からか。

「僕はアカツキ・ナガレ、見ての通りネルガルの会長、又の名を愛の伝道師さ」
「はぁ〜」

エリナが軽いため息をついた。アカツキ・ナガレ、女性になっても成長がないようだ。
アキトは見たくない物を見たという感じで苦笑し話を続けた。

「少し長い話になるが、黙って聞いてほしい。質問は後でまとめて受け付ける」

そして、アキトは5年分の歴史を淡々と語り始めた。







ナデシコの出航。火星までの旅路。火星から月面へのボソンジャンプ。

地球での戦い。木連。ネルガルとの決別。和平交渉。火星極冠遺跡の戦い。

そこで大きく息をつぐアキト。

アカツキは真剣に、エリナは心配そうにアキトを見ている。

束の間の平和。草壁と北辰の暗躍。山崎の人体実験。

火星の後継者達との戦い。結末。

ボソンジャンプの事故によると思われる過去への意識の遡行。

熱くもならず、冷たくもならず、自分のことも含めてただ淡々と事件を語るアキト。

しかし、後半の話にアカツキは吐き気を感じた。下腹にくる物がある。
正直、本当に事実かと思わない訳ではない。だが、それ以上に自分を震わせる感情を感じる。
会長などという裏のある職業の自分にして、同じ人間のすることかと思わせる所業。

アキトが語った男の自分は、この目の前の男に協力したという。
自分は情に厚い訳ではない。性別が変ろうとも変らないだろう。
普段、クールを装うエリナ君の方がよっぽど情があると思っている。怒られるから言わないが…
それでも…わかってしまう。

「テンカワ君、僕は君のことをなにも知らない……」
「………」
「…会長…」
「でも、エリナ君のことは良く知っている。そう、何度も落とそうと誓ったエリナ君のことは。
 断言してもいい。こんなに想像力豊かじゃない!!」
「会長!」

真剣から一転、笑みを浮かべて言うアカツキ、女性18才。百合である。

「それで、テンカワ君は何がしたいんだい? 未来を知っているテンカワ君は?」
「俺がしたいことはアカツキ一つだけだよ。火星極冠遺跡を人の手の触れないところに破棄する。
 あんなものがなくても人は生きていけるし、発展していけるから。
 人間の代表が管理することになってもそれは一部の人間の権益になり、また、多くの不幸を呼ぶ。」

「ああ、いいよいいよ、詳しい事は。その方が面白いしね♪」
「ふ〜〜〜」
「はぁ〜〜」

あくまで軽いアカツキに、揃って溜息を吐く二人。

「仲がいいんだね〜二人とも」

エリナが真っ赤になる。

「わ!冗談で言ったけど、本当(スッパ〜ン)…うう…」

緋色のスリッパで軽快にアカツキの頭を叩くエリナ。未だに真っ赤。

「仕事増やすわよ!」

アカツキは内心はともかく表面は笑み浮かべて言った。

「…ははは、こんなエリナ君が見れるとはね……って、待て待って、ハイハイ、え〜と、ネルガル会長としては
 うちの利益も確保したいんだよね〜それにひとつ聞きたい。未来を知っている君とエリナ君なら、
 僕の協力がなくてもなんとかなるんじゃない? それこそ3年でネルガル会長になると公言しているエリナ君だし」
いや、エリナに会長は無理だろう

ぼそっとつぶやくアキト。

「何ですって。この極楽百合トンボに出来ることが私に出来ないっていうの!!」

エリナが割り込んだ。

「え、いや、まぁ…」
「極楽百合トンボって…」
「会長は黙っていなさい!! 私はアキト君と話しているの」
「……はい」

死地に自ら飛び込みやすいのは、変らないようだ。

「さ〜話してもらいましょうか。この、このエリナ・キンジョウ・ウォンのどこに不足があると言うの!
 え〜言ってみなさいよ!!」
「いや、別に不足とか…」

興奮するエリナにアキトの足が下がる。

「何よ、はっきりしなさい。いい、あれだけ人に心配かけさせておいて、人の気も知らないで、
 この際だから、はっきり言うわよっ!!」
「あ、あのエリナ君…」

ドゴッ

挑戦者アカツキは散った。エリナにとって、男性でも女性でもアカツキの扱いは変らないようだ。

興奮しているエリナをアキトは軽く抱きしめた。
突然の抱擁に再び頬が真っ赤になるエリナ。

「あっ」
「エリナに不足なんかないよ。ただ、裏の仕事に関わってほしくないから。
 エリナには日の当たる所だけにいてほしいから」
「うん」

普段のキャリアウーマン姿からは想像出来ない可愛い女の子を見せられたアカツキ。羨ましそうである。
アキトの目に見たこともない深い悲しみを認めながらも口は別とばかりにつぶやいた。

大関スケコマシの称号を譲ろうかな

ガシッ

エリナのヒールのかかとは鋭かった。







「さて、じゃあ未来のために動くとしますか」
「助かる。俺もエリナも科学者や技術者ではないから詳細を求められても困るがな。
 すぐにネルガルの為になるわけではないが、方向性、運用法は知っているから、そこから動くつもりだ」
「え〜、後、ラピスとホシノ・ルリの確認と確保ね」

「アキト君には、エステバリスのテストパイロットになってもらい開発、運用の梃入れが一番かな。
 どうかな、エリナ君?」
「ええ、私もその予定。そ・れ・と、私もナデシコに乗るから、後、よろしくね♪」
「エ、エリナ君!それじゃあ、会社はどうするんだい!エリナ君なしで僕が出来る訳ないじゃないか!!」

エリナの言葉に驚愕のアカツキ。
極楽百合トンボ会長を置いて旅立とうとする鬼秘書…当然かもしれない。

「大丈夫よ、そのへん抜かりはないわ。代役を用意したから」
「…エリナ君の代わり? 並の人には無理じゃないかい?」
「そう人ならね、入って来て」

ちょっと得意そうなエリナが扉の向こうに声をかけると、
緋色の髪にカーマインの瞳、大きい耳飾を付けた少女が入ってきた。








サセボ連合宇宙軍ドック


「ついに出発か〜地球にいた時間の方が短いのに名残おしく感じるな〜」
「ふふ、1年、ちょっと短かったわね。やり残したことがいっぱいあるわ」

ナデシコのあのちょっと変わった制服を身に付けているアキト。エリナは士官服である。
アキトはネルガルの力を行使したのか通常制服にない黒色の制服である。

ちなみにアキトはバイザーを付けていない。五感の視力も聴力も戻った今、邪魔なのだろう。
以前ラピスとバイザー付アキトで歩いている時、職務質問を受けたせいかもしれないが。

ラピス6才。オレンジのベスト、幼…少女用ブリッジ勤務の制服である。所謂、ルリ専用服である。
もっともネクタイなどはエリナに付けてもらっている。

ルリがいないのは過去に戻っていないから。1年前ルリに昔の記憶がなかった。
アキトは寂しく思ったが、ルリをネルガル人間研究所に任せたのだ。

「エステバリス・カスタム間に合わなかったわね」
「仕方ない。フレームは上がったけど制御システムが遅れて、実戦テストが出来なかったからな。
 いくら俺でも実働1時間にも満たないテスト機は嫌だぞ」
「アキト、ごめんなさい」

エリナに手を繋いでもらっているラピスが謝った。

「そんなことはないよ、ラピスはよくやってくれた」

アキトが優しくラピスの頭をなでる。実際、表立ってラピス6才を出すわけにも行かず、
影から手伝ってもらってようやく仕上がったくらいである。

「そ、ラピスはいい子よ。悪いのはアキト君♪」

エリナもラピスの手をちょっと強く握ることで慰める。

「うん、ありがとう、エリナ」

二人に慰められラピスに笑顔が戻った。

3人は誰が見ても幸せ家族というオーラを振り撒いていた。

 

ナデシコへの登場口。そんな3人に声がかけられた。

「こんにちは」

アキトには過去良く聞き慣れた声。エリナにもラピスにも見慣れたその容姿。
瑠璃色の髪をツインテールにした金色の瞳の可憐な少女。

「ル、ルリちゃん!?」
「はい、アキトさん。貴方のルリです!!」

そう言って、ホシノ・ルリはアキトの胸に飛び込んだ。

某天真爛漫艦長の影響は時を越えても残っているようである。


「ちょ、ちょっと、ホシノ・ルリ、あなたいつ戻ってきたの?」

エリナの慌てた問いにルリは冷めた視線を向けつつ答えた。

「わたしは1週間前です。気が付いたらナデシコのオペレーター席に座っていました」
「1週間前!?」
「はい、1週間前です」

驚くアキトに満面の笑みで答えるルリ。

「な、なんで……俺達が戻ってきたのは1年前だというのに…」
「あっ、やっぱり…」

納得した表情見せるルリ。

「やっぱりって、ルリちゃん?」
「わたし、調べました。アキトさんのこと。そしたら、1年位前にネルガルに就職したとなっていたから、
 もしやと思っていたんです。でも、怖くて、もし違っていたらと思うと待つしかできなかった……」
「ルリちゃん……」
「でも、アキトさんは帰って来てくれました。そう、私のところに!!

アキトとエリナは頭を抱えた。ラピスはきょとんとしている。

「……ホシノ・ルリ、あなたその暴走妄想癖やめなさい。某艦長とかぶるから」
「あんなお子様艦長といっしょにしないで下さい。ぷんぷん」
「ル、ルリちゃん…何かあったの?」
「じょ、冗談です。わたし、少女ですから。普通です(あせあせ)」

こほんと軽く咳払いをしてルリは話を変えた。

「今回は最初からナデシコに乗るのですね、エリナさん。それにアキトさんも」
「ああ、いろいろ考えたから。落ち着いたら4人で話すよ」
「はい、待っています。でも、副操舵士はわかるのですが、エステバリス小隊隊長になっていましたね。
 予備オペレーターもいますし、クルーが少し変わってますね」

ルリはちょっとした悪戯を見つけたという顔をアキトに向ける。

「……ルリ……」
「あ、ラピスは初めてですね。ホシノ・ルリです、よろしく」
「ルリ……わたしと同じ…お姉ちゃん…」
「お姉ちゃん!?」
「うん、ルリ姉。アキトもエリナも言ってた」

少し考えるルリ、良く考えるルリ、そして、笑顔をラピスに向けた。

「わたしの妹さん、よろしくね♪ でも、ルリママって呼んでも…」
「そこ、嘘教えない!!」

エリナが噛み付いた。

「ルリ姉、よろしく」
「よかったな、ラピス。良いお姉ちゃんが出来て。ルリちゃんもよろしくな」
「はい」
「うん」




<あとがき>

しりあすっておいししいですか? かきはじめはしりあすだとおもったのに…

でもでも、ほのぼのにはなっているよね? またこわれいっぺんとうにはなってないよね?

                            桃色の小さな妖精より。


 

 

 

 

代理人の分析

 

壊れ 44%

ほのぼの 32%

シリアス 8%

伏線 5%

壊れルリ 7%

百合アカツキ 3%

ヒモ 1%

 

 

こんな所でどうでしょう(爆)。