GSアキト

第2話 「美神との出会い」




ディアたちと今後について語った後、俺は街に出ていた。

森を出たらすぐ街だった。

俺がいた森はどうやら裏山のようだった。


「見た感じ地球と同じだな。住まい、食べ物そんなかわりないし。」


ディアたちに話しかけた。

話しててわかったことだが、俺とディアたちの関係はリンクに似ていた。

心で俺が考えれば、ディアたちに伝わるらしい。

もちろんこちらが拒否すれば伝わることはないが。

それに、いちいち声を出さなくてもよくなったことはよいことだ。

ひとりでぶつぶつしゃべっていたらかなり変に見られていただろう。


「そうだね。戦争もなさそうだしね。」


「ああ、まさかこんな平和な時代があるとはな・・・

それよりここにきてから変な感じがするんだが・・・

なんかナデシコの世界では感じたことのない感じが・・・」


『んー、それってあのビルの上のほうにいるあれのこと?』


俺はディアが言ったビルのほうを見てみた。

よーく目を凝らすと、ビルの屋上に何かいる・・・

だけどなんか変わった雰囲気を感じる・・・


「あっ、あの人、足がない!?」


そうビルの屋上にいる人はなぜか足がなく空中に浮いているのだ。


『たぶん、あれは霊体だと思うよ。アキト兄。』


「れ、霊体!?」


『そう。この世界に来てからアキト兄はなんか不思議な力に目覚めたみたい。

たぶん遺跡が関与しているのかもしれないけど。他の人は気づいてないみたいだし。

まあ何人かは気づいてる人もいるようだけどね。』


「そうか。その霊体は人に被害を与えてるわけではないんだな。」


『うん。いま感じている限りでは被害はないみたいだよ。』





ドーーーーーンッ!!!!





ちょうどディアの話しが言い終わると同時にどこからか、何かが破壊される音がした。


「な、何だ?」


「あっちのほうからみたい」


俺はすぐさま音の元へと向かった。

向かってから3分後、音の場所へとたどりついた。

その音の発信源は、かなりぼろぼろとなった廃墟だった。


「ここから聞こえたよな、ブロス?」


『うん♪』


俺は音の真相を確かめるべく、廃墟の中へと入っていった。

入るとすぐにディアが話しかけてきた。


「アキト兄!!なんか変な感じ。さっきと同じ霊体の感じがするんだけど、

なんかかなりの恨みを持ってる。今すぐにでも襲ってきそう!!」


ディアが話し終わったと同時に何体もの霊が俺に向かって襲い掛かってきた。


ケケケケケッ

キーキキキキッ



俺はその霊達の攻撃を縫うように走り抜け、振り向きざま霊に殴りかかった。

右手がその霊に当たったと思った瞬間、俺の拳は霊をすり抜けてしまった。

その時を霊たちは見逃さず、再び襲い掛かってきた。


「ちーーっ、どういうことだ。攻撃があたらねー。」


『アキト兄、相手は霊体だから普通の攻撃は当たらないよ。』


「なにっ!?じゃあどうすればいいんだ。逃げ回るだけしかないのか?」


『・・・アキト兄、自信はないけど昂気だったら効くかもしれない。

あれは魂の力。意思の力。霊体にも聞くはず!』


「わかった、だめでもともとやってみる!」


霊たちの攻撃を避けながら、ディアが言ったことを実行することにした。

一匹の霊が俺に攻撃を仕掛けてきた。


キーーーーーーッ!


その霊の攻撃が当たるかいなかのところで、右手に昂気を集中させカウンターを

相手の顔に打ち込んだ。


「いけーーーーーーー!!!!」


拳が霊の顔に当たった瞬間、先ほどと違い「パンッ」と何かはじけるような

音を鳴らし相手の霊がその場から消滅した。


「『やったー、アキト兄♪』」


その後、同じように右手に昂気を纏ったり、足に昂気を纏いながら霊たちを蹴散らしていった。

3分ほどの戦いで最後の1体を消滅させた。

アキトは20体もの霊を相手にしたが、全く息を切らしていなかった。


ドガーーーーン!!


その時、さらに奥の方から人の気配と爆音が聞こえた。

その方向に向かって俺は走り出した。

気配が感じた場所に着いた時、目の前に一人の女性と今までの霊達とは強さが違う霊が戦っていた。

女性は見た感じ20,21歳くらいのオレンジ色の髪の毛でプロポーションが良く、

10人が見たら10人は同じことを言うだろうというくらいの美人であった。

霊のほうは見た感じが骸骨みたいで「ケケケケッ」といってかなりやばい雰囲気だ。

女性は右手に棍のようなものを持ち、左手にお札のようなものを持っている。

相手を観察し終わった瞬間、霊はその女性の方に襲い掛かった。

その女性は突進してきた霊を軽く横にステップをし攻撃をかわし、

霊が体勢を崩した所を棍を振り下ろした。


極楽に逝かせてあげるわっ!!


その女性は声を出しながら攻撃をし、霊を消滅させた。


「ほー、なかなかやるな。俺や北斗には全く実力は届いてないが、なかなかの強さだ。

しかも棍という物理攻撃なのに霊が消滅するとは。どんな仕組みなんだ、あの棍は?」


俺は入り口のほうで気配を殺しながら見ていた。

その女性はさすがに疲れたのか一瞬気を抜いた。

その瞬間、女性の背後から一体の霊が襲い掛かった。

女性の方は全くそのことに気づいていない。


「ちっっ!!」


俺はそれを見るや否や、霊のほうに向かって行き、昂気を纏った拳で霊を殴った。



パーーンッッ!!!!


いきなりの出来事で昂気の出力を出しすぎて、その広間に音が響いた。


「な、何っ!?敵!!」


女性はその音に気づき、すぐに振り向いて棍を振り回してきた。

俺は軽くバックステップし、その攻撃をかわしその女性に言った。


「いや、敵ではない。俺は人間だ。」


「嘘をつきなさい、すごい音が今私の背後でしたわよっ!」


俺のことを全く信じていないのか、棍を右にて持ったままその女性は警戒を解こうとしない。


「いや、あれは俺が霊を殴って消滅させた音で・・・」


俺は本当のことを話したのだが、それでも警戒を解こうとはしないようだ。


「霊を消滅させたくらいであんな音がでるはずないじゃない。

しかもあなたからはこれっぽっちの霊力も感じないわっ!!」


「霊力??」


俺は始めて聞く言葉に首をかしげた。


「あんた霊力も知らないの?そんな奴が霊を倒せる訳ないじゃない!」


「うーん・・・俺はこんな風に手に昂気というのを纏って殴っただけだよ。」


全然信用しそうにないので、俺は右手に昂気を纏って見せた。


「何それ!?霊力とはなんか違うし、あんた何者よっ」


「・・・」


「だまってちゃ何もわからないじゃない」


その女性はさらに興奮して俺に問い詰めてきた。


「(どうするディア、ブロス?話すべきかな正直に。)」


「(私は話したほうがいいと思うよ。この世界のこと私達何も知らないし。

一人くらいは仲間いたほうがいいと思うしね。それに見た感じ悪い人には感じないしね。)」


『(僕も賛成かな。仲間はいたほうがいいよ。)』


「(わかった!!ありがとう!!)」


俺はその女性に本当のことをすべて話すことにした。信じてもらえるかは別として・・・





俺が異世界から来たこと
その異世界は23世紀だったこと
そこでコック兼パイロットとしてナデシコという戦艦に乗り込み戦争をしていたこと
木蓮と地球の関係こと
俺の仲間達のこと
ジャンプのこと
遺跡のこと
戦いが終わった時その遺跡によってこの世界に飛ばされたこと
・・・・・





「・・・・・」


「そんなところです。信じてくれとはいいません。だけどこれは事実なんです。

今俺は元の世界に帰る方法を探しています。」

ま、こんな突拍子もない話信じてくれるはずないか。

いきなり異世界から来ましたっていって、「はい、そうですか」って信じるほうがおかしい。

そう俺が考えていると女性は俺に話しかけてきた。


「一つ聞いてもいい?」


「何ですか?」


「多分あなたの言っていることは本当だと思う。雰囲気もそんな感じがするし、

なんか一緒にいるだけで温かくなる気がするから。」


「ありがとうございます!!」


こんな話を信じてくれた。夢でもありえないこんな話を・・・

俺は信じてくれたことにかなりうれしさを感じた。

しかし、その女性はさらに話を続けてきた。


「だけど、なんであなたはそんな悲しい瞳をしてるの。

なんかすごい闇を隠しているような・・・」



ズキッ!!



俺はその言葉を言われた瞬間、心を何かにたたかれたような感覚を感じた。


「・・・・」


「・・・・」


少しの間、世界が止まったような感じがした。

俺はそれについて隠さず話すことを決心し、静かに話し始めた・・・


「・・・実は先ほどの話しにはもうひとつ重要なことがあるんです・・・」


「『アキト兄・・・』」


「・・・・」


「さっき言った異世界のことですが俺はその世界は2回目なんです。」


「2回目?」


その女性は何を言ってるのという顔をして首を傾げたが、

気にせずに話の続きをした。


「俺は一回目の世界でも同様にナデシコに乗り戦闘を行いました。

その時は戦闘は全くの素人で、戦闘が怖くて震えてたりしました。

なんとか和平にこぎつけて世界は平和になり、俺はユリカという幼馴染と一緒に暮らし、

ルリちゃんという子を養女にし、ラーメン屋を始めました。」


「・・・・」


「その生活の2年後、ユリカと結婚をし新婚旅行に二人で行くことになりました。

俺はあの時が一番幸せでした。

ユリカとルリちゃんと川の字になりながら布団で寝ていた、あの時が・・・

しかし新婚旅行に出発した直後、火星の後継者と言う奴らに拉致され、俺の幸せは終わりました。

ユリカは遺跡と融合させられました。火星の後継者の欲望のために・・・

俺は過剰のナノマシンを投与され、5感を全て失いました。ただ単に実験台として・・・」


「そ、そんな・・・」


「・・・そして俺は利用価値がなくなり捨てられて、

そこを運良く俺の知り合いがいるネルガルに拾われ、

火星の後継者への復讐とユリカの救出を誓ったんです・・・

途中でラピスという女の子を保護し、

俺の5感などのサポートとして復讐の手伝いをさせてしまいました・・・

俺はユリカを取り戻すためとはいえ、何の関係もない人たちをたくさん殺したんです・・・

ユリカを無事救出し、全ての復讐が終わったあと、俺の中には何も残っていなく死のうと思いました。」


「なっ、なんで。復讐は終わったんでしょ!!ユリカさんとルリさんの所に帰ればいいじゃない?」


淡々と話す俺に、その女性は興奮しながらくってかかってきた。


「『(・・・・)』」


「似たようなことを義娘ルリちゃんにも言われました。」

「アキトさん!! ・・・もう直ぐユリカさんが退院されるのですよ!!

 せめて、せめて顔を出すくらい―――いいじゃないですか!!」



俺の心の中にその言葉がよみがえってきた。

その事を思い出しながら俺は話を続けた。


「・・・その時の俺の手は、余りにも汚れすぎていたんです。

誰かの元に戻る資格もないくらいに・・・・」


「それを判断するのはあなただけじゃないでしょ。

それにユリカさんやルリさんはそんなあなたでも快く出迎えてくれたでしょう。」


「俺もそう思いました。だけど寝ている時、耳に死んだ人たちの声が聞こえてたんですよ。


お前だけ幸せになるのかー」


って。俺は耐えられなかったんですよ。逃げたかったんですよ、全てから。」


「・・・・」


「・・・だけど、心のどこかでは戻りたかったんだと思います。

復讐が終わってもすぐに死なないで、そのまま宇宙空間をうろうろとしてたんですから。

そして奇跡が起きたんです。いつものようにルリちゃんがナデシコで追いかけてきたので、

ジャンプで逃げようとしたんです。

その瞬間、ルリちゃんがナデシコのアンカーを俺の船に打ち込んで、ジャンプを妨げようとしたんです。

それによってジャンプフィールドが暴走しランダムジャンプを起こしたんです。」


「・・・・」


女性は先ほどと違っておとなしく話を聞いてくれている。

こんな夢のような話を。


「そして再び気づいた時はなぜか5感が復活し、2196年のナデシコに乗る前に戻ったんです。

俺は前回の・・・過去の過ちを2度と起こさないために、もう一度ナデシコに乗り込みました。

俺はもう2度と目の前で大切な人をなくしたくないんです。

たとえ俺が死んだとしても・・・・」


俺が最後のセリフと言ったと同時に、

さきほどまでおとなしく聞いていた女性が大きな声で俺に対して怒った。


ばかなこといってんじゃないわよ!!

「大切な人を守りたいのはわかるけど、

死んだら何も意味ないでしょ!!残された身にもなって見なさいよ!!」


「わかっています。俺は前回の世界でそのことに気がつかされました。

俺のせいで死んでしまった女の子に・・・生きていくことを誓った女の子に・・・

だけど、心のどこかではまだ死のうとしてる心もあるんです・・・・」


何かを考えるような感じで少し黙っていたが、ゆっくりと女性が話し始めた。


「・・・私にも母がいたわ。だけど私が小さい時死んでしまって、3日3晩泣いたわ。


何で私をおいてったの。


って。その時の苦しみがあなたはわかる?」


「・・・」


「死んでしまったら意味がないの。確かに誰かを守って死ぬということは

すごいかっこいいことかもしれない。けど、それは死んだ人の自己満足よ。

最低でも私がいるこの世界では絶対にそんなことさせないわ!!わかった?」


「・・・はい。」


俺はその女性の言葉を聞いたとき、心の中の闇が少し明るくなっていくような感じがした。


『(アキト兄っ!僕達もお願い!絶対僕達を置いて死なないで!)』


「(アキト兄っ!私からもお願い!)」


「(わかった。すまかなかったな心配かけて。)」


「『(ううん、いいよ。アキトが元気になれば僕達もうれしいから)』」


「(ありがとう!)」


「・・・フウ・・・あなたのことはだいたいわかったわ。

私の名前は美神 令子。GSをやっているわ。

GSっていうのは困っている人から依頼を受けて悪霊を退治する仕事なの。」


「そうなんですか。あっ、俺はテンカワ アキトです。


よろしくお願いします、美神さん。(にこっっ)」


アキトは、かの異世界で何人もの女性を落としたテンカワスマイルを見せながら答えた。

今までの話が暗い話しだっただけに、はじめてみるその笑顔はいつもより効果があった。


「(ぼっ!かなりかわいい顔するじゃない。)」


いきなり令子の顔が真っ赤になった。

しかし、当のアキトは全くそのことに気がつかない。


「『はーーー。やっぱりアキト兄は鈍感だねー(だよねー)。』」


「(ん、どうしたんだろー??)」


「で、テンカワ君はこのあとどうするの?行く当てはあるの?」


「あっ、アキトでいいですよ。行く当てですかー?

実はないんですよねー。ついさっきここの世界に来たばっかだし。

どっか生活できる場所でも探して、バイトでもしようかなーと思っていたところなんですよ。」


そう俺はそのことについては深く考えていなかった。

バイトはどこか料理店で働けばいいし、生活場所は安いところを探せばいいと思っていた。


「そうなの・・・・じゃあ、うちにきなさい。部屋は一部屋余ってるからそこを使えばいいし。

私のGSの手伝いしてくれればバイト代は出すし。」


「い、いやっ。そんな迷惑かけれませんよ。」


「何遠慮してんのよ。もうここまできたら関係者でしょ。

しかも、アキト君はここのことをそんなに知らないし、

霊力についてもまったく無知識。今は昂気とか言うやつでなんとかなっているけど、

霊が見えるんなら、霊力も学んだほうがいいと思うの。」


「で、でも・・・」


「へー、そーなんだー。こんな関係になったと言うのに、私とアキト君は他人なんだ。

私はアキト君にとって大事な人じゃないんだ。守ってくれないんだ。(シクシクシク・・・)」


俺が判断に困って悩んでいると、美神さんは「およよっ・・」といつの時代かわからない

泣きまねをしながら言ってきた。

が、俺はその泣きまねにも気がつかず、本当にないてると思い本気にあせってしまった。


「そ、そんなことないですよ。み、美神さんは、お、俺にとってもう大事な人ですよ。

俺の話を信じてくれたし(アセアセ)」


「『(アキト兄、それくらい気づいてよ。)』」


アキトは顔を真っ赤にさせながら一生懸命弁明している。


「(フフッ♪)じゃあ文句ないわよね(ニコッ!)」


「(や、やられたー。泣きまねかー(T T)) よろしくお願いします。(はー)」


「『進歩ないよねー、アキト兄って!!』」


「(うるさいT T)」


そうして俺はここにいる間、美神さんの事務所にお世話になることになった・・・

そして美神さんの事務所で遅めの昼食を取りながら、ここの世界の情報をいろいろ聞いた。





(to be continued)





あとがき
どうもwindです。
ようやく2話目に入って、GSの関係者一人目が出てきました。
まあ気づいたかたもいるかもしれませんが、ここでは横島はでません。
横島のかわりにアキトという感じで話を進めていく感じです。
次回作に期待しててください!!

 

 

管理人の感想

windさんからの投稿です。

最初は美神できましたか。

ふ〜ん、やけに物分りがいいような気がしますけどね(苦笑)

原作の美神なら、アキトから未来の科学力などを手に入れようとしかねないんですけどね。

ま、その辺はwindさんのキャラの捉え方次第なので、深く言えませんけど(笑)

さて、次はどのキャラが登場するんですしょうか?