借りしチカラとその代償

プロローグ

火星の後継者の事件の後、俺はユリカをそのままにし、その場を去った。

アキラならユリカを無事保護してくれると解っていたから・・・。

当初の目的である、北辰達への復讐も北斗と共に果たし、ユリカも救出した。

火星の後継者達はアキラの乗るナデシコCによって、殆どが捕まえられてが、陰ながら支

援をしてきた実業家や政治家、一部の逃げ延びた奴らがいた。

俺はその後そいつら火星の後継者の残党を狩っていった。

その殆どを狩るのに余り時間はいらないだろう。

事実、あと数回残党狩りをおこなえばおわりだろう。

この頃になると、どうやって俺と共に戦ってくれた4人〔ルリ・ラピス・カイト・北斗〕

を俺の元から離れさせるか?を考えはじめた。

俺の命は後半年あるかどうかだろう・・・。

俺の死をルリやラピスに見せて二人を悲しませたくない、カイトや北斗に弱りゆく自分を

見て欲しくなかった。

俺自身、親しき者達に看取られて死ぬなどという安らかな死を求めてはいけないと考えて

いたのかもしれない。

そして、答えの出ぬまま、残党狩りをし終え、ネルガルの月ドックに帰ろうとした時

『ジャンプアウト反応』

ダッシュが警告を出した後そこに現れたのは・・・。

「おにいちゃん!ルリ姉!もう逃がさないからね!!」

アキラの乗っているナデシコCだった。

「・・・アキラ・・・」

「いい加減帰ってきてよ!ユリカさんだってもうすぐ普通の生活に戻れるぐらい回復した

し、火星の後継者ももういない、お兄ちゃんも普通の生活に戻ろうよ。」

アキラが必死になって俺に呼びかけてくる

しかし、俺にはもう帰る資格など、戻る資格など、無い

「言ったはずだ、『君の兄はもう居ない、君の知っているテンカワ アキトは死んだ』と

・・・今、君の目の前に居るのは復讐を果たしても成仏できない醜い亡者さ・・・。」

(ラピス、ルリ、ジャンプの準備を・・・。)

(・・・わかった)

(・・・わかりました)

「アキラ・・・、生きている生者と死んでいる亡者では存在する世界が違うように、俺と

おまえ達とでは生きる場所が違うんだよ・・・。」

『ジャンプフィールド生成完了しました』

「アキトさんジャンプフィールドの生成が終了しました」

「ああ、解った。」

「逃がさないって言ったでしょう!」

ドガッッッッッッッ!!←二周り大きく

アキラがそう言った直後、ユーチャリスが衝撃に揺れた

「アキト!!ナデシコCからアンカーが打ち込まれた!!」

くっ!!本当に逃がさない気だな・・・

「アキトさん!!ジャンプフィールドが暴走しています!!」

暴走!?このままではヤバイ!!

「ルリ!!ジャンプフィールド強制解除!!北斗!!アンカーを切ってきてくれ!」

『ダメですアキト様!!フィールドの制御装置が壊れました!!』

俺の指示はダッシュにより意味が無くなった

「ラピス!!カイト!!」

「・・・だめ、動かない」

「こっちもだ」

もう、どうしようもないのか!!

「アキトさん!!このままではナデシコまでが!!」

しまった!!このままではナデシコまでランダムジャンプに巻き込まれてしまう!!

「アキラ!!早くアンカーを切り離せ!!このままではナデシコがランダムジャンプに巻

き込まれるぞ!!」

「別に良いよ・・・。」

「何を言ってるんだ!!」

アキラの予想外の言葉に状況も忘れて言い返した

「おにいちゃんが、ルリ姉が居ない世界なんていらないよ・・・」


どこか悟ったような声で少し虚ろな表情でアキラは言った


「何を言ってるんだ!!俺達はともかくナデシコCの全員が、ジャンパーの措置を受けて

いる訳じゃないだろう!?その人達はどうするんだ!!」

「大丈夫だよ、このナデシコCはおにいちゃんを捕まえる為に盗んできたものだから、私

しか乗ってないよ。」

アキラの無茶苦茶な行動に声が出せなかった

「「艦長!!俺も(ボクも)乗ってますよ。」」

「ハリー君!?サブロウタさん!?どうしてここに!!」

「艦長、俺らジャンパーですからユリカさんにも協力してもらいましたし。」

「二人とも!!なんてことを!!」

そんなやり取りを聞きながらナデシコCとユーチャリスは虹色の輝きの中に巻き込まれて

いった。

しゅぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃんんん・・・

彼らは誰もが解らぬ何処かへと消え去った・・・
まぁ、ここまで読めば大抵の人がこの作品は『逆行物』で、アキト達が『過去』に行ったと言うのが解ると思いますが・・・
アキト君だけちょっと有意義な寄り道をしていただきましょう

この作品は、私にこころよく自分のオリジナルキャラや設定等を貸して下さいました

Benさん、T−SAKAさん、風流さん
のおかげで執筆出来ました。
作品の最後の部分ではありますが、この場で感謝の意を記させて頂きます。



後書き

はじめまして、闇乃棄 黒夜といいます、まずお断りしておきますが、私は基本的に『主人公最強主義者』な上に『ハーレム主義者』です。その所を理解した上で読んで頂きたいと思います。それと、ここのカイトはT−SAKAさんの所のカイトとは若干設定が違うとおもいます、私自身が北斗ちゃん好きなんで考えもなしに一緒に逆行させてしまいましたし・・・。まぁ、こんないい加減な作者が書いている作品ですが、暇つぶしにでも読んでいただければ幸いです。

代理人の感想

まぁ、展開などはよくあるタイプ・・・というか、

もはやテンプレートになった感もあるプロローグですからそれは置いておいて、

ラストの部分で地の文からいきなり読者へのメッセージになっているのは減点です。

最後ですから余り目立ちませんが、地の文と読者への語りかけは決して混同してはいけない部分であって、

それを忘れると小説だかなんだかわからないものになってしまいます。注意しましょう。

 

 

・・・ま、平たく言うと東京忍者みたいになるぞ、と(爆)。