借りしチカラとその代償


第1話前編 「求めるモノ、与える者」



「くっ、ここは?」

アキトが眼を覚ますとそこは見知らぬ場所であった、床が闇の様に黒く天井は全く見えな

かった、壁は床と同じ材質のもので出来ているようだ

そうやってアキトが周りを調べていると、いつの間にか目の前に男が立っていた

「はじめまして、テンカワアキト」

その男は、歳は20歳前後で肌は雪よりも白く瞳は黒曜石の様に美しく、髪は腰までスト

レートに延びた艶々しい黒髪、服装はタクシードタイプの貴族服の様なモノ

万人が認める美形であった

しかもそれは最早『神』を感じさせる様な『人外』のものであった。

しかし、この世のいかなるモノよりも冷たいであろう絶対零度の輝きを持っていた

「あなたは誰だ?ここは一体?」

「失礼、ここは『終わり初めたる場所』もしくは『滅び生まれたる館』と呼ばれる場所、

そして私は・・・、ふむ、とりあえず・・・、『ニャルプー』とでも読んで貰おうか。」

「ニャ、ニャルプーですか?」

「なにか都合が悪いかね?」

「そ、そんな事は・・・ないが・・・。」

「では別にいいではないか」

「あ、あぁ・・・、そうだ!!すまないがここら辺で女の子を見なかったか?」

「それは、ルリ、ラピス、カイト、北斗と呼ばれる4人の女性達の事か?」

「!!どうして貴様が彼女たちの事を!?彼女たちが何処にいるのか知っているのか!?」

「ああ知っている、彼女達には先にジャンプ先である2196年のサセボに行って貰った。」

「何故貴様がそんな事を言える!!まさか!?貴様が遺跡を操作していたのか!?」

「それは違う、私が遺跡に干渉した事は・・・無い。」

「では、何故そんな事を知っている?何故そんな事を言えるんだ!?」

「それは、私は全てを知っているから、だよ、出来ない事も私には殆ど無いからね。」

「な!?それは、一体どういうことだ!?どういう意味なんだ!!?」

「説明したところで、君にはわからんよ・・・」

「まぁいい、でも、さっき言った事が事実なら何故!?俺を、ユリカを助けてくれなかっ

た!?、なぜ、火星の後継者を滅ぼしてくれなかったんだ!!」

「それは、君の意見だろう?何故私が見ず知らずの人間ごときを救わねばならん?」

「なんだと!?貴様!?」

「君の意見だと、強きチカラを持ちし者は弱き苦しんでいる者を無償で助ける事が義務で

あるかのように、それが当然であるかのように言っている。」

「!?たしかに・・・そうかもしれん、では、何故貴様は俺の前に現れたんだ?それこそ

貴様の言う様に見ず知らずの俺なんかの前に?」

「それは君に提案したいことがあるからだよ。」

「提案したいこと?」

「あぁ、改めて君の人生を見せて貰ったのだが実に面白いものだった。」

「それが?」

「このまま君の人生が終わればそのまま面白いの一言で終わったのだが、先ほども言った

ように君のジャンプ先は2196年のサセボだ、その時君はどう思おうかな? 」

「どう思うか?だと、それは・・・・・やり直せるのか?そうゆうことなのか!?」

「そう、君はやり直すことが出来るのだよ、これは私自身初めて見ることでね?興味を持

つには十分な事だったのだよ。」

「で、それがどうした?」

「そこでね、私も少々君の人生を楽しいものに変えたいと思ったのだよ。しかし、私が直

接君の手助けをする事は出来ない。」

「何故だ?」

「それは、私はあくまでも『読み手』でなければならない、『書き手』側の人間になって

はいけないのだよ。」

「それは何故だ?」

「私のチカラが強すぎる世界に与える影響が半端じゃ無いんだ、それに私はめんどくさが

りなのだよ。私には『読み手』がちょうどいい。」

「そうか・・・それでどうゆう手助けをしてくれるんだ?」

「それでは、君は何を求めるのかね?」

「何を求めるか、それは・・・」

「一応、そのままジャンプした場合の君の状態を教えておこう。」

「ああ、頼む」

「ラピス、ルリ、カイトとのリンクは繋がったまま、五感は元に戻るが肉体も2196年

の頃に戻る記憶はそのままだ、精神だけのジャンプと思えばいい、しかしリンクが遺跡を

仲介して繋がっている、こんな所だ。」

「そうか・・・。」

「では今一度聞こう、君は何を求めるのかね?」

「・・・チカラが欲しい、あんな事を繰り返さないだけのチカラを!どんな事にも、そう

相手が運命だろうが、神だろうが自分の大切なモノを守りきるチカラが欲しい!!」

「つまり君は、自分の願いを叶える為のチカラを求めるのだな。」

「そうだ!!」

「いいだろう、君の求めるモノを与えよう・・・ただし、与えるからにはちゃんと代償を

頂くが良いかな?」

「・・・いいだろう、俺自信が持っているモノならくれてやる。」

「なぁに、君の肉体の一部だとか、そんなモノじゃない、もっと私にとって価値を持つお

もしろいモノだ。」

「で、その代償とは?」

「それは・・・・・」

この場所で、アキトはどれ程チカラを手に入れ、どれ程の代償をはらうのか、それを知りし者はまだいない、この『提案』を持ち出したニャルプー以外には・・・

第1話 後編に続く




この作品は、私にこころよく自分のオリジナルキャラや設定等を貸して下さいました

Benさん、T−SAKIさん、風流さん
のおかげで執筆出来ました。
作品の最後の部分ではありますが、この場で感謝の意を記させて頂きます。




後書き

初めに言っておきますが、『ニャルプー』という名前はギャグでも、受けを狙ったものでもありません、ちゃんとした名前を短くしたらこんな情けない名前になっただけです。
では、今度は第1話後編「与えた者、得たチカラ」で・・・

 

 

 

代理人の感想

・・・・ニャア君(笑)?

 

それはさておき。

 

アキト最強逆行物のようですが、このままだとただの主人公最強主義で終わりそうな気もしますね(苦笑)。

逆行後の話の運びをちゃんと考えてあることを期待します。