「誰だ!!」

俺はそちらを見ると、燃えるような赤い髪を散切りにした女がこっちを睨んでいた。







機動戦艦ナデシコ〜時の流れに続く道〜
アキト IN YU-NO

柳家本舗

第四話 懐かしき二人







俺はおとなしく捕まって薄暗い部屋に通された。
赤い髪の女は訝しげな目で俺を見ている。
とりあえずいきなり殺されたりはしないような雰囲気だ。

「お前、名前は?」

「テンカワアキト。」

「・・・変な名前だな。」

「そうか?」

たくやと一緒にいたから気がつかなかったがこの世界では日本名は変な名前らしい。
考えてみれば横文字が多いような気がする。
このあと、俺はこの女にごちゃごちゃ聞かれたが
はっきり言ってこの世界のことを良く知らない俺はちんぷんかんぷんだった。
なにか異様に警戒しているが、どうもこの女は俺を神帝の密偵か何かと勘違いしているみたいだ。
・・・ということは、ここは反神帝の組織の基地か何かか?
とりあえず、尋問は終わったようだから俺も質問してみるか。

「なあ、君は何ていう名前なんだ?」

「はぁ?」

「いや、ちょっと質問をしようかと思ったんだけど、名前がわからないと不便だろ?
・・・俺、なんか変なこと聞いたか?」

「・・・いや、俺の名前はアマンダだ。」

「そうか、じゃあアマンダさんちょっと・・・・・。」

ズルッ

あれ、なんかこけてる・・。

「・・・なんかあったのか?」

「あのな!アマンダ『さん』はやめろ!・・・アマンダでいい、そのほうが呼ばれなれてる。」

なんかリョーコちゃんみたいな娘だな。

「そうか、じゃあ俺はアキトと呼んでくれ。」

「・・・おい、お前捕まって尋問されてんだぞ?わかってんのか?」

と、言いながらアマンダは呆れた様子で俺を見る。

「でも、アマンダは俺を今すぐどうこうする気は無いんだろう?
それより俺の質問に答えてくれないか?」

「はあ・・・わかったよ、何が聞きたいんだ?」

「じゃあ、とりあえずここはどこなんだ?」

「はあ?お前ここに侵入してきたんだろう?ここがどこかわからないのか?」

はあ・・・やっぱり誤解されてる。
まずこの誤解を解かねば。

「少し前に地震があっただろう?あのときに地面が裂けて亀裂に落ちたんだ。
そのあと、地下水脈に流されて気がついたらここにいたというわけだ。」

アマンダは俺の言葉の真偽を探っているようだ。
しかし、俺の顔・・・正確には俺の目を見ると少し顔を赤くして呟いた。

「・・・わかった、信じるよ。じゃあ、あ、アキトは神帝の手下ってわけじゃないんだな?」

「ああ、俺の目的は神帝に捕らえられた友人の娘を救い出すことだ。」

「友人?その友人はどうしたんだ?」

「たくやは・・地震の時に離れ離れになってしまった・・・。」

たくや・・・今ごろどこで何をしているのか・・。
ラファエロ砂漠は無事に越しただろうか・・・。

「すまねえ、変なこと聞いて。・・・ここはどこかだったな。
ここは神帝の世迷い事に反対する人たちが集まってできたレジスタンスの隠れ家だ。
元だけどな・・・・。」

「・・・・・・。」

アマンダは俯きながら寂しそうに言った。
・・・自分の居場所をなくした人間か・・・・。
俺がナデシコのみんなを失ったらどうするだろう。
そんなくらい雰囲気を吹き飛ばすようにアマンダが喋り出した。

「暗くなんなよ!それより、アキトに紹介したい人がいるんだ。」

「?紹介したい人?」

「ああ、俺の家族だ。ちょっと待ってろ、今呼んで来る。」

そう言うとアマンダは部屋を出て行ってしまった。
紹介したい人か・・・。レジスタンスの生き残りか?
二、三分、そんなことを考えていると部屋の向こうから足音が聞こえてきた。
・・・・足音の数からして連れて来た人は二人か?
足音はドアの前で止まると、アマンダと二人の子供が現れた。

「アキト、紹介す・・・・。」


「「アキト兄!!!!!??」」


その声を発したのは俺の良く知った二人だった。


「ディア!!?ブロス!!?」


俺は二人に会えて興奮したのか、そのまま抱きついてきた二人に何の疑問も抱かなかった。
そう、二人は俺に抱きつけたのだ。
俺はそのことに気がつくと二人に問いかけた。

「ディア、ブロス、お前達体が・・・・・?」

「え、あ、うん。そうなの、遺跡に取り込まれたときに・・・。」

「そうなんだ、遺跡に弾き飛ばされたんだ!」

遺跡だと?

「ちょっとブロス!私が話してるんだよ!?」

「ううっ、ちょっとくらい良いじゃないか・・・。」

「ちょ、ちょっと待て!落ち着いて話せ!二人一気に言われてもわからん!」

浮き足立っている二人をたしなめるように俺は言った。
このままにしておくといつまでも言い合っていそうだからな。

「アキト、知りあいだったのか?兄貴とか言ってたが・・・。」

「いや・・・まあそうだけど・・・うーむ・・。」

「?」

アマンダには黙っておいたほうがいいか
この二人が元は人間じゃないって事は。とりあえず兄弟って事にしておくか。
まあ、それはいいとしてなんで人間になってるんだ?
・・・あれ、よく見ると・・・この世界の人達みたいに耳が長い?
ふーむ。

「アマンダ、ちょっと二人と話がしたいんだ。少し席を外してくれないか?」

「ん?わかった。いろいろ話もあるだろうからな。」

アマンダが部屋を出て行くのを見てから俺は二人に話し掛けた。

「改めて聞くけど、お前達その体は?」

「えーと、それ・・・。」

「あたしが話す!」

「しくしく・・・。」

あわれ、ブロス。

「あのね、あの時アキト兄がジャンプした後、あたし達は遺跡に取り込まれたの。」

やはりか・・・。しかし問題なのはそこからだ。

「それで?」

「えっと、それから遺跡が話し掛けてきたんだよ。」

「ブローース!」

「うっ、わかったよ、黙ってればいいんだろ・・・僕なんて・・・。」

ブロス、いじけるな俺はお前の味方だぞ。うんうん。
しかしやっぱり遺跡には意思があったのか。

「もう!・・・それでその声はおじいちゃんみたいな感じだったの。
それでその人はこういったんだよ・・・。

『お前達はこのままでは消えてしまう。もうこの世界はわしが見ておるからな。
ぢゃから、お前達はアキト君のもとに行くのぢゃ。
アキト君がおらねばこの世界は自分を認識できなくなってしまうからの。
良いか?アキト君にあったら帝都に行くのぢゃ。
そこでお前達はアキト君とともにこの世界に戻ってくるぢゃろう。
ではさらばぢゃ・・・。』

そういったと思ったらピカーって光って気がついたらこうなってたの。」

「ふーむ、そのおじいさんは何者なんだ?」

「わかんないよそんなの。」

帝都に行けか・・・。それは問題ないんだが・・・。
帝都に何があるんだ?
・・・駄目だ、情報が少なすぎる。
とりあえず行ってみるしかないか・・・。

「ブロス、ここの隠れ家どこなんだ?」

「えっ、ああ、ここは帝都の近くの廃棄された下水道だよ。」

「何?ここ、帝都なのか?」

「うん。」

・・・だとしたらたくやがもう着いているかもしれないな。

「すまないがアマンダを呼んできてくれないか?」

「あたしが呼んで来る!」

と言うと、ディアはすっ飛んでいった。
なんか妙に浮かれてるな?どうしてだ?
俺がディアが消えたドアを眺めているとブロスが喋り出した。

「ディア、アキト兄にあえて嬉しいんだよ。」

「・・・・そうか。」

俺は久しぶりのナデシコの雰囲気を味わった気がした。

 

 

 

「感動の再会は終わったのか?」

「うん。」

「良かったな。ディア、ブロス・・・それでなんか用があるんだろ?」

ディアとブロスの頭をなでるアマンダ。
俺に向き直るとアマンダはそう聞いた。

「ああ、ここ最近帝都に男がこなかったか?」

「男?・・・ああ、アキトの友人って奴か?」

「ああ、そうだ。たくやという名前なんだが。」

「アキト兄、たくやって?」

「俺の親友だよ。地震の時に離れ離れになってしまったんだ。」

「ふーん。」

ディアとブロスは興味なさ気に呟いた。
と、考え込んでいたアマンダが喋り始めた。

「うーん・・・ああ、そういえば最近、神殿に忍び込んだ馬鹿がいたな。」

「神殿?」

中世っぽいとは思ってたが神殿とはな・・・。

「ああ、神帝のいるところだ。知らないのか?」

「あいにく田舎もんでな。」

「まぁ、いいけど。・・・たくやとか言う奴のことだったな。
今言ったやつがそうかどうか解らないが
たぶん、今帝都に入ったらすぐさま捕まるぞ。」

「何故だ?」

「・・・・レジスタンス狩りさ。」

「・・・すまん。」

アマンダは少し俯いていたが顔をあげるとこういった。

「・・・なんにしろ、捕まったなら行くとこは一つだ。」

「どこだ?」

「収容所ってとこさ。そこでは聖なる棺を作るために聖なる石ってのを掘ってるんだ。
世界の破滅を防ぐためにいるんだと。それで捕まった奴はそこで死ぬまで強制労働だ。」

「ふむ。じゃあ、そこでたくやはつるはし片手に土木作業中だと?」

「ああ、たぶんな。」

「・・・アマンダ、そこは警備とかはどんな感じなんだ?」

「たくやって奴を助けるつもりか?やめときな。あそこは一度入ったらけして出られない。
死体になるまでな。」

「何かあるのか?」

アマンダの話し方からしてそうとしか思えない。

「ああ、収容所には「裁きの塔」ってのがある。
こいつがある限りあそこから逃げ出すことはできない。」

「逃げ出せば?」

「『裁きの塔』から放たれた雷で黒こげさ。」

少し考えると俺はアマンダに笑いながらこう言い放った。

「ありがとう。少し行って来る。」

アマンダが顔を赤くして訝しげな表情と言う珍妙なことをしていたが
俺は収容所の場所を聞くとそのまま部屋を出た。







「あきと兄。」

地上に出ると俺は声をかけられた。
振り返ると夜の暗闇の中にディアとブロス、アマンダが立っていた。

「行くつもりでしょ。収容所。」

お見通しか。

「お前達はここで待っていろ。」

俺はそう冷たく言い放つ。
今は二人は生身なのだ。危険なことをさせるわけには行かない。
しかしどこまでも俺の考えは二人にはお見通しだった。

「冷たく言ったって無駄だよ、アキト兄。」

「そうそう、それにあたし達には秘策があるんだから。」

「秘策?」

なんだ?今この二人には何の力も無いはずだが・・・。
俺はアマンダに聞いてみた。

「アマンダ、知ってるか?」

「まあまあ、いいじゃないかそんなこと。それより俺たちもついていくぜ
アキトだけ行かせるわけにもいかないからな。」

なんかニヤニヤしながらそういってアマンダはラファエロ砂漠に足を踏み入れた。
絶対知ってるなこいつ。
それを見ながら、俺はディアとブロスに言った。

「ディア、ブロス、俺は今、昂氣が使えない。
お前達をフォローできないかもしれない、無理はしないと誓ってくれるか?」

「うん、わかったよ。」
「うん、わかった。」

ふう、どうなることやら。










あ・と・が・き

ちわっす柳家本舗でっす。

うーむ、なかなかいい感じに←本当か?

後は根性ぢゃ

最近いろいろやることが多くてさっぱし進みません

もし見てくれている人がいてくれたらごめんなさい

一ヶ月くらいかけないかもしれません。

あしからず

でわでわ〜