プロローグ









「始まったようだな・・・・・。」



「一体こんな事をしてどうするつもりなの・・・・・。」



「私は、何も会社の利益だけを考てる訳じゃない・・・・。」



暗い部屋がある。



そこで二人の人間が話している。



一人は男、一人は女・・・。



「むしろ私が願っているのは、更なる人類の安定、醜い争いを止めることだ。」



「あなたの独善でね・・・。」



そしてそれは険悪と言ってよい雰囲気である。



「どうやら君とはいくら議論しても埒があかないようだ。」



そう言ってわざとらしくため息をつく男。



どうやら女性がどのような反応を取るか予測していたようだ。



ピ!



「オイ。」



「は!!」



男は別室に控えていた男を呼んだ。



動きに全く隙がない。



また真っ黒い服装から、シークレット・サービスと呼ばれる人種のようだ。



「彼女を別室にお連れしろ。丁重にな。」


「は!」


そうして女性をつれていくシークレット・サービス。


「ふふう。」


「苦労しているようね、パパ♪♪。」


突然少女の声が聞こえてきた。


彼の隣に突然少女が現れたのである。


その姿は薄暗い部屋のせいか確認する事は出来ない。


ただかろうじて判別できる身長、そして喋り方や声のたかさから五、六歳の幼女である事は分かる。


しかしおかしい。


さっきまで少女の気配はなかった。


人が入って来る気配も無かった。


しかしそんな面妖なことが・・・・。


「邪魔ならアイツを消しちゃおうか♪。」


サラリと恐ろしい事をいう少女。


人を一人{消す}という行為がどういう事なのかわかっているのだろうか?。


解ってたとしても口調からそれに伴う罪悪感を彼女から感じる事はできない。


そんな口調であった。


「そんな事をしなくてもいいよ。」


優しい口調で、そう諭す男。


しかし妙な感じがする。


そう、勘の鋭い人間ならこう言うかもしれない。


偽善の匂いがすると。


しかし、どこか本当に優しさも感じさせる。


奇妙な男だ。


「うん、解った♪。」


しかし、少女にはその偽善の入った優しさでも十分のようだ。


「じゃあ外で遊んできなさい。」


「うん♪。」


「あ、それから・・・・・・。」


「????。」


「お前が欲しがってたベルギー産のチョコレートだ。」


「本当!!!。私が欲しいと言ったの昨日なのに!!!!。」


「お前の為だからな。」


そう優しく微笑む男。


無論偽善の匂いはするが・・・・。


「ヤッター♪。

 本当にありがとうパパ♪♪。」


そう満面の笑みで応える少女。


どうやら本当に嬉しいようだ。


「じゃあね。 大好きなパパ。」


そして、少女は消えた。


冗談でもなんでも無しに消えたのだ。


なんの前触れもなしに。


いったいあの少女は・・・・・・。


そして少女が消えたその部屋で男は呟いた。


「そうあの女にはまだ生きてもらわないとな。

 〔彼女〕にはまだ安定してもらわないとこちらが困る・・・。」


そう謎の呟きをする男。


「これで続く、そう私の理想へ・・・・・。

 完璧なる世界へ・・・・・。」




男はなにか考えているようだ・・・。




















「この男によって[人]は破滅に向かうな・・・。」


「ならばその男を止めるのもまた[人]だ・・・。」


何もない空間。


そう何もない世界だ。


しかしその世界に意識が存在していた。


意識など存在しないような世界、そう無意識の世界・・・。


しかし、それは存在した。


二つの意識が議論していた。


その二つの意識はなにやら論じ合ってるようだ。


「我々は所詮見守る存在でしかない。」


「そう[人]が生きるのを望むのか破滅を望むかを。」


しかし二つの意識の口調には違いがある。


片方は論理的であり、理屈っぽい。


片方は皮肉っぽい口調でどこか嘲笑に満ちている。


しかし、はたから見てるとおかしな感じがするだろう。


そうまるで、一人の人間が二人の役を行う一人芝居を見ているような。


「私は探そう、強い意志を・・・強き光と闇を持つ者を。」


「探すがいいだろう。今度はどのような結果になるのやら。」


「私は助言する存在。」


「俺は唆す存在。」


「どちらにしても・・・・」


「結果は・・・・・」


「「人によって決められる。」」


そういって二つの意識は消えた。















人は人を愛する。


人は人を憎む。


人は人をいくつしむ。


人は人を蔑む。


人は人を助ける。


人は人を傷つける。


人は助け合う。


人は争う。



己の命を擲って多くの人を助けるのも人である。


己の欲望のために多くの人を傷つけるのも人である。







そう[人]とは矛盾した存在。








それゆえに人は多くの顔を持っている。


慈愛の顔。


憎しみの顔。


喜びの顔。


悲しみの顔。


怒りの顔。


創造の顔。


破壊の顔。


これらの多くの顔が人の心の中で争っている。


そう自分がその肉体の支配者にならんと。


それらの顔をこう呼ぶ。















ペルソナと。



















女神異聞録 ペルソナ
Be YOUR TRUE MIND in NADESICO
過去の罪、未来への贖罪




プロローグ 了


第一話に続く。








あとがき


どうも今まで謎の休養期間をとっていた槍です。

というかSS作家としての私なんて知らない人の方が多いかな(汗)

なにせ1年以上投稿してなかったし・・・・・。

今回のはナデシコキャラを使った、プレステソフト「ペルソナ」です。

なおこれはTです。

私はペルソナではTが一番好きなもので。

どうもこのプロローグうまくいったかどうか心配です。

さてとこれからどうなることやら。

ネタもある。

構想も出来てる。

ラストもイメージが出来てる。

あとは作者の文章力とやる気しだい!!(コラコラ!!!!)

こんなやつですがよろしくお願いします。




PS
さっさと政治モノの続編も書かないとだめだろうな(汗)






 

代理人の感想

そうなんだよねぇ、結局は作者のやる気次第なんだよねぇ。

・・・・・つーわけで私もGナデシコ書いてきます。でわっ。(しゅたっ)