_いや〜、この度は取材に応じてくださってありがとうございます。
 
 では、早速お名前の方を聞かせてもらえますか? 



はい!大帝国劇場事務担当、榊原 由里で〜す!






漆黒の戦神 アナザー 

榊原 由里の場合






_では、早速質問させていただきます。

 まず、あの『漆黒の戦神』とはどういう経緯で知り合ったんですか?



「私がアキトさんと初めて逢ったのは、彼が職探しに大帝国劇場に来たときです。」



_職探し?あの英雄『漆黒の戦神』がですか?



「はい、出会ったときの第一声が『コック募集してませんか?』でしたから。」



_あの英雄がコックですか?

 彼ならボディーガードとかの方が合ってたんじゃないんですか?



「いいえ、始めて見たときは全く彼が、

かの有名な『漆黒の戦神』だとは思いもしませんでしたし、

それにお芝居の公演期間中でしたから食堂の方がすっごく忙しかったんですよ。

それで、住みこみのコック兼モギリで働いてもらうことになったんです。」



_そうですか、それで彼はどんな様子でしたか?



「真面目でしたよ。作るお料理はおいしいし、頼めば伝票の整理や

ポスターの張り替えとかの雑用も手伝ってくれましたし、

ちょっと変わったところもありましたけど・・・」



_変わったところ?例えばどんなところですか?



「そうですねぇ・・・大きな物音がすると怯え出したりするところとか、

紅蘭の作った機械の爆発をまともに受けても平気なところとか、

その他にも色々トラウマを持っていたそうですから。」



_・・・それはちょっと変わっていたどころじゃないですよ?



「一番、印象に残ってるのは伝票の整理を手伝ってもらってるときに

私が聞いた噂話を教えてあげたときですね。」



_噂話・・・ですか?



「ええ、私が『木連の女性士官の方々がお芝居を見に来るらしいですよ』って

教えてあげたんですよ。そしたらアキトさんが

『ゆ、由里ちゃん、その女性士官ってもしかして東 舞歌って名前じゃない?』って

真っ青な顔して聞いてきたんですよ。

私が『確かそんな名前だったと思いますけどアキトさん詳しいですね?』って

言ったら泣きそうな顔して部屋の隅でいじけ出したんですよ。」



_い、いじけ出したんですか?あの『漆黒の戦神』が?



「ええ、虚ろな目でボソボソと

『あっ、メティちゃん久しぶりだね?カズシさんも・・・』

とか何とか言って現実逃避に入ってたんですよ。」



_・・・『漆黒の戦神』とは思えない情けなさですね?



「暫く介抱していたら現実に戻ってましたんで、

気分転換と日頃のお礼を兼ねてお食事に誘ったんですよ。」



_デートですか?いいですね〜。



「はい、少しお買い物をしてからお食事をしてたんですけど、

食べ終わってお店の外で赤毛の少女を連れた女性を見つけたんですよ。

それを見た途端アキトさんは私を抱きかかえて

一目散に逃げ出したんです(ポッ)」



_に、逃げ出したんですか?彼が恐れる女性とは一体・・・?



「後で解かったんですけどその女性は木連の東 舞歌さんだったんですよ。

その夜ですね。私は伝票の整理とかで遅くまで残ってたんですよ。

そしたら、漆黒のマントに黒いバイザーを着けたアキトさんと会ったんです。」



_驚いたでしょう?まあ、普段あんな格好で歩いてたら変質者

 間違えられても文句は言えない格好ですよね。



「ええ、彼にとっても予想外だったらしくてかなり慌ててましたよ。私が、

『アキトさん?こんな時間にそんなカッコで何してるんですか?』って聞いたら

『ごめんね、由里ちゃん。俺ここを出て行くことにしたんだ。』って言われました。

理由を尋ねると

『俺がいると下手をしたら東京中が火の海になっちゃうかもしれないんだ(汗)

それに・・・ヤッ、ヤバイ!もう来た!!

それじゃあ、由里ちゃん短い間だったけど楽しかったよ!

皆にもよろしく伝えといてくれ!!』

そう言ってアキトさんは夜の東京に消えていったんです。

まるで警察に追われてる犯罪者のような必死の形相でした。」


_そうですか・・・しかし、火の海とは物騒ですね!もしかして彼は、

 彼を快く思わない連中に命を狙われてたりしたんですか?



「いえ、そうじゃないみたいなんですよ。アキトさんが出て行ってすぐに

赤毛の少女を連れた女性と黒ずくめの男たちが入ってきたんですよ。

赤毛の少女は

『アキト〜!何処だ!!出て来い!!!』

とか叫んでましたし、彼女たちに説明をすると、

『くっ、タッチの差で逃がしたようね!まだそんなに遠くに行ってないはずよ!!

すぐに捜査班を結成、急いで捜索に当たりなさい!!!』って・・・」



_そ、そうだったんですか?

 それでは最後にテンカワ・アキト氏に一言お願いします!



「アキトさん、また大帝国劇場に遊びに来てくださいね?

次に来るときまでに新しい噂、たくさん仕入れときますから!

どうせなら次は私たちの噂を世界中に広めましょう♪」



_それでは、榊原 由里さん、本日はどうもありがとうございました。



―――民明書房刊 「漆黒の戦神 その軌跡」第十九巻より抜粋―――





















某同盟の部屋にて



「さて、毎度毎度懲りないですね?アキトさん?」


瑠璃色の髪をした少女が呟く


「ほんとだよ!アキト!」


長い黒髪の女性が言い放つ


「い、いや、俺は何も悪いことはしてないんじゃ・・・」
               いちる
アキトは残る気力を使い一縷の望みに全てをかける(助かるとは思えんが)


「「「「「「「「「「「「「何か言いました?(怒)」」」」」」」」」」」」


「いえ・・・何でもないです(涙)」

あっさり撃退されたりする(笑)


「さあ、アキトさん懺悔は終わりましたか?言い残すことはないですか?

後五秒だけなら聞いて上げますよ?」



「くそ〜!俺は何も悪くないじゃないか!!」



「「「「「「「「「「言い訳無用です!!!」」」」」」」」」」


地獄が始まった・・・(アキトにとっての)















数時間後・・・


「ちわ〜、アキト、回収に来ました。」


ほとんど宅配便のお兄さんのノリで現れたナオ


「ナオさん、ご苦労様です。アキトさんなら部屋の隅っこの方に

丸まっていると思いますんでよろしくお願いします。」


お仕置き部屋の扉を開けアキトを探す


「おい、アキトそんなところに・・・」


「やあ、メティちゃん、あっ、カズシさんもそんなところで何やってるんですか?

楽しそうですね。今からそっちに行きますから・・・この河を渡るには三文?

しまったなぁ、今日はお金持って来てないや・・・そうだ、泳いで・・・」


かなりヤバイ所まで来ているらしい(笑)


「ま、待て!アキト!!その河を渡っちゃ駄目だ!!!」


その後、数時間アキトは生死の境を彷徨った(笑)・・・










__________________________________
あとがき

初めてのアナザー物です。いかがでした?

しかし、私がこれを書いて時点でまだ織姫を書く人が決まっていません(笑)

なぜでしょう?

私は三人娘の中でこの娘が一番好きです!

攻略できないか!と思ったぐらいです(笑)

まだまだ、空いてる所があるので皆さん参加しましょう!では!!


 

 

代理人の感想

 

ようやく織姫は決まりました(笑)

 

しかし、この話の時間軸はいつだろ?

戦時中ではないし、ナデひな時間軸や「逃亡者」時代だとしてもあっさり捕まってお仕置受けてるのは変だし・・・。

う〜む。