――見つけた。金髪の小柄な少女と、赤髪の穏和そうな男。
しかしあの男・・・こんな夜更けに美少女を連れて歩いていると言うだけでも大罪だというのに、何か妙に気に食わない。きっと奴とは相容れないと俺の中の何かが叫んでる。

「なにくだらないこと言ってるの?居たんでしょう?居たなら行くわよ」

ああ解ってる解ってる。行くよ、行きますよ。
今の相棒たる少女に促されるまま、俺は彼女を抱き上げる。これからあいつ等の前へと躍り出るのだ。
これで抱いてるのが美女だったら良かったのに。はあ。

「・・・今、何か失礼なことを考えなかった?」

いえいえそんな、滅相もない。
そんなやり取りを交わしながら、着地。さっきの二人を見ると・・・おーおー、警戒しとる警戒しとる。
鎧を纏った金髪の少女が、赤髪の男を庇うように前に出ている。変わった武術の流派なのか、見えないように得物を隠しているのか、剣でも持つように両腕を構えて。

「こんばんわ、お二人さん。こんな月夜にデートなんて随分ロマンチックね。羨ましいわ」

抱えていた少女は俺の腕からピョンと飛び降り、柔らかな笑みを浮かべながらフレンドリーに二人に話しかけている。対する相手は警戒を解く様子などないが。
しかし・・・デートか、成る程。無意識に俺がそういう解釈してたなら奴が気に食わないのにも納得が行く。――それだけじゃないような気もするが。

「本当はこんな無粋なことするのは趣味じゃないのだけれど、今夜は私たちの相手をしていただけないかしら?

私たち――そう。私と私のサーヴァント、GSとね」
俺のマスターということらしい彼女の口上を聞きながら、俺はひっそりと天を仰いだ。
確かに綺麗な月だ。こっちにも月神族の人たちは居るのだろうか。・・・居ないんだろうなぁ、多分。
そんな取り留めもないことを考えてから、思う。
嗚呼、何でこんな事になってしまったのだろう、と――



煩悩男と歩く運命の夜
第一話『GS(アシスタント)横島、夜闇に消えゆく』



避ける、避ける、避ける。
かわす、かわす、かわす。
逃げる、逃げる、逃げる。

「ちょっと横島さん!ふざけてないで真面目にやってくださいっ!!」
「そ、そんなこと言ったってっ、それは剣なんすよーっ!?避けなきゃ当たるじゃないすか!当たったら切れるじゃないすか!!切れたら痛いじゃないすかぁっ!!!」
「そんな泣き言は聞きませんっ!!」

大変嬉しいことに、小竜姫様が目の前に現れる。
大変嬉しくないことに、剣振りかぶってる。
回避、不可能。逃亡、不可能。

「のわぁーーっ!!」

ギィンッ
俺の栄光の手と小竜姫様の神剣がぶつかり合い、歪つな音を立てる。その一瞬、小竜姫様はニコリと笑い、

「その調子です」

壮絶な連撃を掛けてきた。

「んなぁっ!?」

キィン、ギッ、キャン、ガキンッ
聞きたくもない歪つな音は絶え間無く続き、俺には意味のある言葉を発する暇すら出来ない。

「あはっ、いいです、凄いですよ横島さん!」

何がいいのか何が凄いのか。妙に楽しそうな小竜姫様を相手に、修行と言う名の地獄はこのまま数時間続くのだった。


「ふう。やれば出来るじゃないですか。今日の修行はこのくらいにしておきましょう」
「あ、ありがとーございまひた・・・」

戦い終わってもどこと無く上機嫌な竜の女神様をわき目に、全体力を使い果たした俺はその場にへなへなと倒れ込む。
あの後どうにかこうにか小竜姫様の攻撃を受けきって、時偶放った俺の攻撃も掠めるだけにとどまり、どちらも大きな一撃を貰うことなく終わった。
しかし女の子ながら流石に竜の神様である。俺はもうヘロヘロなのに、彼女はまだぜんぜん余裕そうだ。

「がんばったでちゅねー、ヨコチマ」
「あぁ、ありがとーな、パピリオ・・・」

『見ることもまた修行』と、さっきまでの戦いをある程度離れたところで見学していた妹分は、労いの言葉をかけてくれるのだった。


「何とゆーか、自分が成長しとる気がせんのですよ」

夕飯のタラの芽の天麩羅をもぐもぐと咀嚼しながら、パピリオのお代わりを盛ってあげている小竜姫様に尋ねた。
あのアシュタロス大戦が終結し、自分の至らなさに妙神山で修行を受けに来て早数ヶ月。その間、一度も職場には戻っていない。学校にも行っていない。
一応美神さんに断りは入れてあるから、クビにはならないと思う。
でも、学校の方は連絡を入れてなかったらそろそろ留年、下手すりゃ退学だろうか?……オフクロにはバレぬようにせねば。或いはそれらを正当化できる嘘を。いや、いっそのこと逃げるのが吉か。
そんなことを考えながら麗しの管理人殿にシバかれる日々を延々送っていたのだが、どうにも自分に力がついた気がしない。
ボコボコにされることはなくなったが、一太刀当てることも出来ない。
やはり急ぐこともないと地道に地力を延ばすコースを選んだのが間違いだったのか。それとも俺の成長はここまでだったのか。もしかして自分には女の人にボコられる趣味があったのか。
等々いろんな疑念が湧いてきてしまい、自分の師である彼女に尋ねたのだが・・・

「・・・修行中にあのようなことを言う人が、そう簡単に成長するわけがないじゃ無いですか」

返ってきたのは冷たい視線に乗せられた辛辣な言葉だった。

「あ、あんなこと・・・?」
「横島さんがが強くなりたいとここに来て、どれくらい経ったと思っています?なのに貴方と来たら、いざ修行になるとすぐ弱気になって・・・
今日だって、『剣は当たると切れるから痛い』などと・・・そんな当然のことで今更弱気になってどうするんですか!!」
「かんにんやーっ!だって怖いもんは怖いんやから、仕方ないやんかー!!」

小竜姫様の怒声に、座ったまま一歩下がって土下座してしまった。俺の下っ端気質が少し空しい。

「またそうやってすぐ怯える・・・戦いの際、恐怖を感じることが悪いとは言いません。或いは、どうしてもかなわない敵には引かなければならないときもあります。
これは、貴方たちと出会ってから、私がより強く実感したことです」
「しょーりゅーき、わたちのごはん……」
「あらご免なさい」

手に持ったまま忘れていたらしいパピリオのお茶碗を渡す。その時、お茶碗に一筋のひびが入った。怒ったとき少し力を込めすぎたようだ。
そんな自分のお茶碗を見る少しもの悲しそうなパピリオを放置して、小竜姫様は続ける。

「しかし、それも過ぎればただむざむざとやられてしまうのみです。
ここでは訓練とは言え確かに真剣を使いますね。でも、貴方がそこまで怯えるほどに刃物は怖いですか?私の怒りが怖いのですか?」
「うう・・・」

返す言葉もなかった。まさかそこまで怒ってるとは思わなかったし・・・。

「と、冗談はこれくらいにして」
「冗談だったんすか!?」
「まあ一割ほど」
「・・・それって殆ど本気だったってことっすよね?」

何か気恥ずかしかったのか、ちょっぴり頬を染めてコホンと咳払いする小竜姫様。

「と、兎に角、横島さんは凄いスピードで成長しています。多分その実感がないことを危惧しているのでしょうが、実際始めた当初とは比べものにならないほどずっと強くなっていますよ?」
「そんなもんすかねー」

そう言ってくれるのは嬉しいが、現実的には小竜姫様に全く勝てる気がしない。差が縮まってる気すらしない。

「あ、私に勝てないことでしたら、別に気にする必要はありませんよ?」
「へっ?」

小竜姫様は、どこと無くはにかんだような、照れているかのような微笑みを浮かべる。

「横島さんと修行するようになって、私自身も強くなっているみたいなんです。
勿論、貴方ほどの成長スピードではありませんが・・・それでも、才能があったとは言え戦いに身を置いて数年と無い人にはそう簡単に追いつかれない程度には」
「し、小竜姫様が強くなってるって・・・そしたら絶対勝てるわけないやんかぁ〜」
「当然です。一介の武神として、そう簡単に負けるわけにはいきませんから」

右手を胸に、左手を腰に当てて少し胸を張るような仕草をした彼女は、とても可愛かった。
惜しむらくはその張った胸が薄いことか。いやしかし、これはこれで・・・」
「横島さん、声に出てますよ?」
「え゛っ・・・」



「・・・全く。お食事中はそう言うこと言わないでください」
「す、すみまふぇん・・・」

そう言いつつ頬を染める様子はやっぱり可愛かったりするのだが・・・

「でもスゴいでちゅねーヨコチマは。しょーりゅーきにお仕置きされてもピンピンしてるんでちゅから」
「確かにそうですね。今のだって、普通の人なら軽く頭蓋骨陥没と脊髄損傷と内蔵が複数破裂、その他諸々の大怪我を負っている筈なのに・・・」
「殺す気ですか!?」
「生きてるじゃないですか」

慣れって凄い。げに恐ろしきは人体の神秘と言うことか。
「でも心配ですね・・・少し診ますからこっちに来てください」
「えぇっ!いや大丈夫ですって、俺ですし。つーか今食事中ですし」
「そんなこと言って大事に至ったらどうするんですか!怪我は応急処置が一番重要なんですよ!?」
何やら凄く真剣な彼女に『アンタがつけた傷だろう』と言うツッコミが俺に出来るはずもない。
「しょーりゅーきがつけたキズじゃないでちゅか」
が、パピリオには言えたらしい。
「それとこれとは話が別です!兎に角横島さんはこっちに来てくださいっ!」
「はっ、はい!了解しましたーっ!!」
ものすごい剣幕に押される、いや引っ張られるようにして俺は彼女の側に正座する。
「じゃ、服を捲ってください」
指示に従い、修行着を胸まで捲り上げる。
女の子と向かい合って腹を見せるというのは、なんともこっ恥ずかしい。逆のシチュエーションなら喜々としてやるのだが。
ピトピトと触れる小竜姫様の白い手が冷たくて少し気持ちいい。この手であの剣を振るっていたとはとてもじゃないが想像できない。
「うん・・・うん・・・流石ですね。どこも程良く筋肉が付いてます。多すぎて動きを阻害することなく、かといって足りないわけではない。
安心してください、貴方は確かに強くなっています。
次は背中を診ますから、後ろを向いてください」
「はあ、有り難うございます」
俺が体を半回転させると、今度は背中に冷たい感触。見えないところを触られると、少しばかり敏感になるような気がする。
「・・・あら?」
「どうしました?」
「いえ、小さな傷があったものですから・・・」
そんなんあったのか?全然気づかなかったが。・・・傷に気づかないっていうのはそろそろヤバくないか、俺。
「そんなに気にするほどではないですが、せっかくですし今ヒーリングしてしまいますね」
「あ、お願いします」
「で、ではやります・・・」
なぜか妙に緊張しているような声が聞こえてくる。直後、
「なにやってるんでちゅかーっ!!」
「きゃんっ!」
「ぬわっ!」
バチコーンと威勢のいい音と共に、小竜姫様が勢い良く俺にぶつかる。更に俺は持ち前の関西人気質であり得ないほど吹っ飛ぶ。
結果柱に頭頂を激突させて、いつものように血を吹き出させる。
その一瞬、自分の身長の二倍はあろうかという巨大なハリセンを振り抜いていたパピリオが見えた気がした。
「〜〜っ!!なにするんですかっ!!」
「それはこっちのセリフでちゅ!なんでヨコチマの背中を舐めようとしたんでちゅかっ!!」
「だからそれはヒーリングを!」
「だからそれでなんで舐めようとするんでちゅ!!ヨコチマは動物じゃないんでちゅよ!」
「知らないんですか?人間には、『唾をつけとけば治る』っていう言葉があるんですよ!」
「だからって、他のほーほーもあったはずでちゅ!だいたい、本当に背中にキズがあったとは思えまちぇん!!」

「ありましたっ!背中の真ん中からちょっと右のところに!!」
「怪しいでちゅね〜。しょーりゅきがさっき爪でつけたんじゃないでちゅか〜?」
「私は武神です!そのような卑怯な真似はしません!」
「どうだか。ひょっとしたらキズを診るって言いだしたのだって、そういうことを狙ってたんじゃないでちゅか?」
「そっ、そんなことありません!」
「ほら言葉に詰まった〜!やましいことがあるしょーこでちゅ!!」
彼女たちのそんな姦しい言い争いをBGMに、俺は微かに残っていた意識をゆっくりと手放した。


「う、う〜ん・・・」
「あ、目が覚めましたか?」
目を覚ますと、視界は小竜姫様でいっぱいだった。
「あれ、しょうりゅうき、さま?俺・・・どうして・・・?」
確か、飯を食ってて・・・食ってて・・・どうしたんだったっけ?
「横島さん、やっぱり頑張ってたんですね。でも、いくらなんでも、食事中に気絶するほど根詰めなくてもいいんですよ?」
「へ?食事中に、気絶?」
「はい」
「俺がですか?」
「はい」
「本当に?」
「本当に」
ドコかおかしい気がしたが、輝くようなステキ笑顔のどアップで言い切られては疑うのも忍びない。何故か彼女の顔は逆さまだが。
元々、記憶が怪しいのは自分の方なのだし。
「そうですか・・・」
しかし何故彼女の顔はめちゃめちゃ近く、しかも180度回転している状態なのか。改めて周囲を観察すると。
後頭部に、柔らかい、感触。
ふにふに柔らかな凄く心地の良い枕・・・これはっ!!
「ひ、ひざっ、ひざまくらぁっ!?」
予想外の事態に飛び起きてしまう俺のバカ・・・
「あら・・・嫌い、でしたか?」
俺が起きあがってしまったせいで顔が通常の状態に戻った少竜姫様は、少し苦笑いしながら小首をかしげる。
「いやいやいやっ、小竜姫様のひざまくらを嫌がるような野郎が居るはずがないッス!
つーかもー俺なんかお代わりをお願いしたいくらいでっ!!むしろ小竜姫様、俺の腕枕で寝てくださぁ――」
例によってルパンダイブをかまそうとする俺。
「――なんじゃ、ここにおったのか、小僧」
しかしそれは、唐突な猿の来訪により、一気に煩悩エネルギーが下がり、勢いを失い地面に墜落という形で終わった。
「ごべふっ!」
「よ、横島さん!?」
心配してくれる小竜姫様。
「何をやっとるんじゃか」
呆れとる猿老師。半分はアンタのせいだよ!


一息おいて。


「で、どうしたんすか?」
「どうしたとは不躾じゃのう。此処は儂の住処でもあるのに。
だいたい、神界から帰ってきたのに皆労いの言葉の一つもないし・・・」
「ろ、老師様・・・おかえりなさい」
「もう遅いわい」
顔をひきつらせる小竜姫様。
つーかそんな事で拗ねるな猿!アンタ仮にも孫悟空だろ、自分が何歳だと思ってんだよ!
「まったく。小僧がおって浮かれるのは解るが、気を緩ませすぎじゃ」
「すみません・・・」
「ん?なんで俺が居ると小竜姫様が浮かれるんだ?」
俺がそんな疑問符を上げた途端、俺を見、そして溜息を吐く小竜姫様。なんで俺を見て溜息を吐くのだろうか?
「それは兎に角として。小竜姫、暫しこやつを借りるぞ?少々込み入った話があるでな」
「・・・解りました」
「うむ、スマンの。では行くぞ」
「あ、うす」
いつになく真剣な顔の老師に、俺も気を引き締めつつ素直について行く・・・が、後にして想えばこれがそもそもいけなかったのかもしれない。


老師に続いて俺は外に出た。
妙神山の夜の澄んだ空気は、わずかに湿り気を含んだ冷たさが心地よく、空には満天の星空と巨大な月が浮かんでいる。
そんな中、老師が口を開く。
「まずは小僧、今此処で文殊を作れるか?」
「え、作るんすか?ストックならいくらでもありますけど・・・」
修行中はまず使うことがない。しかし、万一のためにと日々作り置きをしていたから、実は今結構な数が貯まってるのだ。
「いや、今のお前の力量を知りたいでな。なに、一個で構わん」
「はあ、わかりました」
言われるがままに俺は文珠を一つ作る。
霊力を掌に集中。そして強く強く凝縮させ――
「っと。できましたよ」
「うむ。相変わらず見事じゃのう・・・しかし収束以外はからっきしなのにこんな若造が神器の一つを造れるとは、相変わらずおかしな奴じゃ」
「何を今更。つーか本人に面と向かって変な奴とか言わんでくださいよ」
月明かりに出来立ての文珠をかざしてまじまじと眺める老師に俺は苦笑する。
「それこそ今更じゃろ」
「そりゃそーっすけど・・・」
「それはそうとじゃな、単刀直入に言うぞ。小僧、お主異世界に行く気はないか?」
「・・・・・・はあ?」
余りに唐突だった。
てか、唐突すぎる。
「老師、まさか今頃になってボケたんすか?だめっすよー、いくら歳でも神様がボケちゃ〜」
「つくづく失礼な奴じゃな。儂はボケとらんし全くの正気じゃよ。ちなみに拒否権はない」
「・・・マジですか」
「マジじゃ」
こくりと頷く目の前の猿神。
「ちょっと待ってくださいよ!そもそも何で俺が異世界に行かなきゃなんないんすか!?」
「神魔の最高指導者達からの直接のお達しでな。ほれ、これが指令書」
目の前にピラッと差し出された一枚の紙。曰く――
『平行世界の一つで至急の事態が起こる可能性がある。人界の文珠使い横島忠夫を派遣されたし。
神族最高指導者キリスト・魔族最高指導者サタン』
「・・・マジですか?」
「マジじゃって」
こくりと頷く目の前の猿神。しかも何気に逃げられんよう後ろ襟を掴んでやがる。
「嫌じゃーっ!なんで俺が良く解らない所に飛ばされにゃーならないんやーっ!?しかも何?へーこーせかい?異世界がどーなろーと俺には全くかんけーないやんかーっ!!」
無駄と解っていても逃亡を試みる。具体的には喚いて暴れて。
しかし老いているとは言え相手は彼の有名な孫悟空。ピクリともしない。
「スマンのう・・・ま、運がなかったと諦めとくれ」
少しだけ申し訳なさそうに詫びつつ、老師は片手で器用にさっきの紙を丸め筒状にする。そしてその先端を俺の襟を掴んだままの手に持っている、さっきの文珠に軽くあてがう。
「いっ!?」
すると、その筒は文珠に吸い込まれるように姿を消し、一方で吸い込んだ文珠は激しく輝き出す。
その中心にある文字は、『門』。
「だっ、騙したなぁ〜っ・・・」
その台詞を言うのとほぼ同時に、俺の体は輝く文珠へと吸い込まれ――俺は、自分の意識を再び手放す。
「・・・まさか本当に飛ぶとは。うむ、流石は横島忠夫と言うことか。
少竜姫に何と誤魔化したもんかのう・・・指導者殿達の気まぐれも困ったものじゃ・・・」
輝きが止まった文珠を手に、老師がそんな呟きを漏らしたことなんて当然知る由もなかった。





――後・記――

ハジメマシテ、106式国産牛と言います。
知り合いに『お前には無謀』とまで言い切られたFateとGSのクロスに走ちゃった愚者です。
超が付くほどに未熟者ですが、宜しくお願いします。
・・・・・・
それにしても、キャラクターを巧く壊すのって難しいですね。壊れギャグに憧れて自分もと挑戦してみたのですが・・・なんだか惨敗です。
くそう。いつかきっと目に物見せてやる。待ってろよ壊れギャグ!
そんな野望を胸に秘め、いい意味で予想を全て裏切ってやろうというやっぱり無謀なことを目標にする。そんな作品にしていければいいなぁと考えてます。
ちなみに。
今回出てきた指令書を意訳すると・・・
『平行世界で何か大きなことが起きそうで、面白くなりそうだから横島を送ってみてください。
サッちゃん・キーやんより』
のイメージで書いてましたが、いかがでしたでしょうか?

 

感想代理人プロフィール

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代理人の感想

横島が正規クラスだったらセイバーはありえないからキャスターだろうなぁ。

もっともあの話のキャラクターでキャスター以外に相当するのって余りいそうにないですけど。

辛うじてシロ=セイバーや雪之丞=バーサーカー、ドクターカオス=ライダー(ぉぃ)くらいか?