悲しき『復讐者』
「ねえねえ、しってる!アイツの噂!!」
息せき切って、駆け込んでくる能天気な女性
仲間の姿を見つけると、大きな声で話し掛ける。
「あ、なんなんだ、、」
「さあ、知らないわ?」
そう答えるのは金髪あんちゃんとナイスバディねえちゃん。
二人とも何の事だか分からないようだ。
「アイツ、、、『ロリコン』らしいのよ!」
「「ええ〜〜!」」
その言葉に驚く二人。
「マ、マジかよ」
「本当なの?」
「間違いないわよ!だって地下格納庫でアイツ、
あの子とよく一緒にいるでしょ!」
「ああ、そう言えば、、、」
「そうね、、、」
「で!この間、あの子とアイツがあそこで寝てたんだって!」
「「何!」」
「しかも、あの子がアイツの左腕をギュッ!と抱きしめて
寝てたんだって!!しかもその後、アイツが寝ているあの子を
おんぶしてどっかに行ったんだって!」
「すると、、、」
「どこかの部屋に入ったとか?」
「そうらしいのよ!それに、この間の施設での一件いらい、
アイツ、愛称であの子の事呼んでるし、あの子もファーストネームで
呼んでるのよ!」
「ゲッ!マジかよ!!」
「、、、本当なの、、、」
「それなら、あれ見たら?」
まだ信じられない、二人に彼女は窓の外を指差した。
そこには、、、
「ねえねえ、絵を書くからモデルになってよ〜」
「腕を引っ張るな!腕を!」
「ねえねえ〜」
「分かったから、離してくれ!」
「わ〜〜い、やった〜〜!」
金髪少女に抱きつかれる、復讐者。
抱きつかれたまま、歩いて彼女の部屋に向かう。
「ね!」
「確かに、言葉の割には嫌がってなかったな」
「そうね、彼なら振り払うと思ったんだけど、、、
顔も少し嬉しそうだったし」
その頃某所では、、、
「保護者としては、、、注意した方がよいかな」
「そうですね、、」
「ふむ、彼には『避妊はするように』と言っておかなくてはな」
「そうですね(汗)」
復讐者、、、
それはとても悲しき存在、、、