STRATOS4
まどろみの中で、、、
「ん、、、あ、、、れ?」
ベッドの中でゆっくりと目を覚ます香鈴
「そだ、、、戻ってきたんだ、、、」
周りを見回し、見慣れた風景に安心したのか、ひざを屈め丸くなる。
「みんな、、、喜んでくれた、、、香鈴が帰って来た事を、、、
リンさんにランさん、、、」
『おや、やっと戻ってきたね!ご飯できてるよ!!』
『いっぱい作ってあるから、おなかいっぱい食べてね、香鈴ちゃん』
『みぎゃ〜〜〜』
『みゃ〜〜〜』
「おいしかったな、、、久しぶりに食べた公陳のご飯。
、、、テートクにショーグンもいたっけ、、、」
昨夜の事を思い出す香鈴。
テーブルいっぱいの料理を、準備していた二人の事を。
その二人の笑顔を、、、
それと、、、二匹の鳴き声を。
「指令や、岩崎教官、藤谷教官に、如月教官も、、、」
『お帰りなさい、菊原君』
『お疲れさん、、、がんばったな、お前ら』
『おっ、お姫様のご帰還だな!次の出撃まで、ゆっくり休んでろや』
『もう、、、あなた達は、、、心配かけさすんじゃありません!!』
「、、、如月教官は、、、泣いてたっけ、、、」
笑みを浮かべる指令に岩崎と藤谷、そして涙ながらに、微笑む如月。
三人がどれだけ心配していたかを感じる、、、
「佐古さんに、あの二人も、、、」
『お前ら!明日からは、ゼロのレストア、やるからな!しっかり休んどけよ!!』
『まったく、お前らがいなかったから、大変だったんだぞ!今度、、、飯おごれよな』
『よかったな、四人で戻れて』
「佐古さん、奥さんが無事で安心してたな、、、」
照れ隠しに怒鳴る佐古の姿を思い出し、口元を緩める。
あと、宮沢と池田の事も、、、
「それに、、、彩雲に静羽、、、」
『あっとは、帰るだけだね〜』
『そうね、帰ったらランさんに、ご飯作ってもらいましょう』
『おっ!良いわねそれ!!香鈴、今度は私達の分まで食べないでよ』
『そうそう、食べ物の恨みは恐ろしいんだから、香鈴』
「くすっ、、、ありがとう二人とも、、、」
冗談交じりに言う二人の表情を思いだす。
「そして、、、美風」
『ふ〜、終わった終わった。さて、みんなの所に帰ろう、香鈴。
私達を待ってくれている、皆の所へ。仲間の所に』
「嬉しかった、、、香鈴の事、、、知っていて『仲間』って言ってくれて、、、」
美風の笑顔が香鈴の脳裏に浮かぶ。
友達を思う笑顔が、、、
そして、皆の思いに包まれ、香鈴は再びまどろみの中へと旅立つ。
疲れを癒すために、、、
「ありがとう、皆。大好きだよ」
少女達は飛ぶ、、、
自らの意思で。
大人達は守り、導く、、、
少女達、『若い世代』の純粋な想いを。
そして、、、その想いは、届く。
『ゼロ』から始めるのではなく、『4人』で宇宙へと、、、
うとうとと、ベッドの中で眠る香鈴に迫る影が一つ。
慎重な足取りで、彩雲のベッドの縁をつたい、香鈴を見下ろす位置につく。
そして、、、
「みぎゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
「か、香鈴!?」
「ちょぅと、大丈夫?!」
「テートク!あんたね!!」
デブ猫テートクのフライングボディアタックを食らい、叫び声をあげる香鈴。
日常の1駒が戻ってきた。
「、、、テートクは、、、やっぱりキライ、、、」