妄想大和なでしこが行く! 二夜
「いかがでしたか、薫さま??」
「うん、とってもおいしかったよ葵ちゃん」
「ありがとうございます」
夕食を終え、食後の感触に浸る薫と、その顔を優しく満足そうに見つめる葵。
「そうだ、、、デザートもほしいな、、、」
薫は、笑みを浮かべながら彼女の顔を見つめながら言った。
「デザート、、、ですか??」
「うん、デザート」
「すみませんでした、気が付かなくって、、、すぐにご用意いたします」
そう言って、台所に行こうとした彼女の腕を、薫は捕まえ、やさしく微笑むと
自らの方に引き寄せ、葵の頬にあいている手を添える。
「あ、、、あの、薫さま、、、」
「デザートは、、、葵ちゃんだよ」
動揺する葵の耳元に顔を寄せ、ささやくように呟く薫。
「え、、、あの、、、その、、、」
「大丈夫、おいしく食べてあげるから、、、」
ゆっくりと、畳の上に崩れていく二人。
部屋の中には、衣擦れの音が響きわたる。
「葵ちゃん、綺麗だよ、、、」
「薫さま、、、あん!」
「ふふふ、敏感だね、、、ここはどうかな?」
「そ、、、そこは、、、あぁぁぁぁぁぁん!か、、、薫さま!!」
「いやなの、、、?」
「い、、、いえ、、、その、、、おねがいします、、、」
「葵ちゃん、、、」
「薫さま、、、」
「、、、ってことになったりして!!もしそうなったら、やっぱり受け入れるべきですよね!!」
駅の券売機の前で、身悶える葵。
「薫さま!葵はがんばります!!」
頬を赤く染め、身をよじらせる彼女。
「うえ〜〜〜!ママ〜〜〜〜〜、あのお姉ちゃん、怖いよ〜〜〜〜〜〜!!」
「大丈夫よ、さあ、早く行きましょう!」
「かわいそうに、、、陽気でおかしくなったのか、、、」
「ナンマイダ、ナンマイダ、ナンマイダ!」
あまりの不気味さに泣き出す子供の手を引く母親。
同情するサラリーマン。
仏に祈る、老人。
だが、一番困っているのは、駅員だった。
「お前何とかして来いよ!」
「ふざけるなよ!お前行けよ!!」
「俺だっていやだよ!!」
あまりの不気味さに、券売機の前からどいてもらう事ができずにいた。
「薫さまーーーーーーーーー!早く帰ってきてくださーーーーーーーーい!!」