GEAR戦士電童
なんてったってアイドル5
「ねえ、銀河君」
「なに、ユキちゃん?」
お弁当を食べ、公園の芝生の上で休む二人。
「ありがとう、今まで戦ってくれて、、、」
やさしく微笑み見つめながら言うユキ。
「いや、そんなお礼言われると、てれちゃうよ」
「でもね、言いたかったんだ、銀河君に」
銀河の手を取り、言うユキ。
「だって、、、命がけで戦っていてくれていたでしょ。
私には、、、応援する事しかできなかったもん。
だから、、、こうやって直接お礼を言いたかったんだ。
それにね私が、、芸能界で『がんばろう』って勇気をくれたのは銀河君達なんだよ」
「え、、、おれ達?」
「うん、歌や踊りのレッスンが辛くて、くじけそうになった時、
『電童』が戦っている姿を見て、『私もがんばろう』って勇気をもらったの。
だから『レオ君』が『電童』の仲間だって知った時、私嬉しかったの、、、
だって、『電童』のパイロットさんが、私のファンだったんだもん」
「ユキちゃん、、、」
「でも、突然メールくれなくなって、、、心配してたら、、、うふふ!」
「な、、なにユキちゃん?」
突然笑い出したユキに驚く銀河
だが彼女は微笑みながら銀河に体を近づける。
「いきなり銀河君が会いにきてくれるんだもの」
「いいっ!あの時バレてたの!!」
「うん!だって、初めてもらったメールと同じ事を言うんだもん。
それに、、、銀河君じゃなかったら、頬にキスなんてしないよ、私」
「あ!、、、いや、、その、、、」
互いにその時の事を思い出して赤くなる。
「でもね、私、、、怒っているんだから」
「へ?」
「だって、私のファンはやめてないみたいなのに、メールくれないんだもん!」
「いいっ!あ、あれは、その!!」
あせる銀河。
だがユキはやさしく微笑み、銀河の瞳を見つめた。
「知ってるよ、私たちがまた巻き込まれないように、、、
迷惑をかけたくなかったからなんでしょ?」
「え!なんでユキちゃんが知っているの?」
「ああ、それはね、、私達、君たちに会いにいったんだ、、、」
「そうそう、と言っても私とミキは、ユキの後をつけてったんだけどね」
「そんなことがあったのか、、、」
「その通りだけど、、、」
「良いの、銀河君が私のことを考えていてくれたから、、、」
銀河に顔を近づけるユキ。そして、、、
「でもね、、、これは、、、心配させた『お仕置き』」
重なる唇。
「「「「!!!!!」」」」
静かに顔を離し、銀河に寄り添うユキ。
「、、、」
「、、、」
しばらくの間、二人は顔を真っ赤にし、黙ったまま寄り添っていた。
ピピピピピ!ピピピピピ!
その時、ユキの携帯にマネージャーからのメールが到着しアラームを鳴らす。
「あっ、もう時間だ、、、ごめんね、これからお仕事なんだ、、、」
「、、、、、、、、」
「それじゃあ、今日はありがとうね、銀河君。またデートしようね!」
バスケットを手に持ち、手を振りながら帰っていくユキ。
そしてそれを呆然とした顔で見送る銀河。
それは、二人の恋の始まりであった。