わたし、、、ヒロインよね?

 

 

「、、、」

「今度はどうしたんだ、エリス、、、」

部屋に入るなり、片隅で床に座り込み、『の』の字を書くエリスを発見して

不思議に思い尋ねるスバル。

「んあ、あれか?この間出た小説で、おばさんとアルテアさんが主人公だったから、すねてんだよ」

「ああ、あれか。兄上と姉上の幼い時の話だな。確かに姉上、、、完全にヒロインだったものな。

『潤んだ瞳で、上目ずかい』なんて、まさにヒロインの技だし」

「あははは(冷汗)、、、あれ、たまに父さんにやってるよ、母さん」

家庭の真実を暴露する北斗。

しかし、本当にやっていそうだな、、、

 

「いいんだ、、、いいんだ、、、私なんて、、、」

 

「まあ、他にもエリスが落ち込んでいる理由はあるんだけどね」

「どんな理由なんだ、北斗?」

「ほら、製作元のHPで『C−DRiVE』の連載小説が始まったでしょ?」

「ああ、ミキちゃんの一人称のやつだな。銀河が出てくるとこだけ三人称だけど」

「うん、それを知っちゃったみたいなんだ、エリス」

 

「どうせ、、、私は、、、水着にもなっていませんよ、、、

スカートも最終回のラストカットのセーラー服だけですよ、、、」

 

「んなもん、エリスがユキちゃんたちと張り合おうってのが間違いなんだよ!

俺にとってのヒロインはユキちゃんしかいねえんだから!!」

「、、、まあ、この作者も『本家に負けられるか!』とか言ってたし、、、」

「それって、銀河とユキちゃんの話をまた書く、ということか?」

「そうみたいだよ。恥ずかしがっている割には、純愛物書くの好きみたいだから」

、、、悪かったな、、、

 

「どうせ、私なんてこんな話しか書いてもらえないわよ、、、

いいのよ、、、いいのよ、、、私なんて、、、」

「おっと、ユキちゃんたちの出る歌番組が始まっちまう!帰らねえと!!」

「スバル、今日は家に泊まっていくんでしょ?一緒に帰ろう。母さんが待っているよ」

「ああ、行こう北斗」

その言葉を聞いてますます落ち込むエリス。

だが誰もそのつぶやくには耳を貸さず、部屋を出て行く三人。

彼女はその後、3チップスが探しに来て余計な事を言うまでの2時間、ずっと落ち込んでいたと言う。

まあ、最後は切れて、暴れて、破壊してすっきりしたので元に戻ったとか。