女性と少年1
「ん〜ん」
うふふ、いつ見ても可愛い寝顔ね。
あどけない顔…
でも、私たちの為に戦ってくれているのよね…
まだ小学5年生なのに…
ゆっくり休んでね、私のいとしい人…
あの時は本当にこういう関係になれるなんて思っていなかった…
「あ〜あ、ひどいよな、先に帰っちゃうなんて」
あら、あれは…
「『見たいTVがあるんだ!』か…どうしようかなこれから」
やっぱり!
「お疲れ様!」
「あ、お疲れ様です。お仕事はもう良いんですか?」
ふふ、いつも礼儀正しいのね。
「ええ、今日はもう帰るだけなんだけど…一人なの?」
「はい、なんか用事があるみたいで、あいつ先に帰っちゃったんですよ」
じゃあ、一人なんだ…そうだ!
「そうなんだ〜、それじゃあ、お姉さんと『上』で遊んでいかない?」
「え!良いんですか、僕とで?」
「私とじゃ…いや?」
「そんな事ないです!ただ…その…」
「なに?」
「彼氏とかに…悪いんじゃないかと…」
「私、彼氏いないの。だ・か・ら!行きましょう!」
「はい!」
その後、二人でジェットコースターに乗ったり、お化け屋敷に入ったりしたわ。
わざと抱きついた時なんて、顔を真っ赤にしてたわね、あなたは…
そして夕暮れ時になって、最後に観覧車に乗ったのよね…
「今日は、ありがとうございました」
「私も楽しかったから良いわよ」
「よかった〜」
きれいな笑顔で笑うあなた。
そして二人で夕焼けを眺めてたら…
「きれいですよね、この街」
「ええ、きれいね…」
「僕、正直言って戦うの…怖いです」
そう…よね、元々普通の男の子だもんね…
「でも、負けられないんですよね、この戦い…」
決意を固めた顔でそういうあなた。
でも…無理しないで。
そう思った時、私は彼を抱きしめていた。
「え!あ、あの!!!」
「ごめんなさいね、私たち大人が戦わなくてはいけないのに…」
そう、本当は大人がやらなくてはいけないのに…
「あなたが苦しんでいる時、私には本部であなた達の戦いを見ていることしかできない…」
「…そんな事ないですよ」
えっ?!
抱きしめ返してくる、あなた。
「僕は、あなたの声で勇気づけられてますよ。それに、こうして…その…デート…してくれて…
また戦える勇気をくれてます」
私の髪をなでながらそう言うあなた。
う、うれしい。
本当にうれしい。
「ありがとう」
「どういたしまして」
そう言って笑顔で笑うあなた。
その笑みに引き寄せられるように、近づいていく私
ゴンドラが頂点にきた時、あなたの唇に私の唇を重ねていた。
「ご!ごめんなさい!!迷惑だった…よね?」
あわてて離れて、恐る恐る聞く私。
怖かった。あなたから嫌われるのが…
でも
「そんな事ないです!美人で綺麗で、やさしいし、その…」
「え!」
「僕、あなたの事が好きです!」
「う…うそ…」
「うそじゃないです!だから『彼氏』がいないって知って
ほっとしたんです!」
ありがとう…
「私も好きよ、男として、あなたを」
あれが始まりだったのよね、私たちの…愛の…
念の為、キャラの名前は使ってないけど、
なんの作品か分かるかな?