お姉さんと僕
「私も、こんな大冒険になるなんて思っても見なかったわ」
彼女は、やさしく言うと少年の瞳を見つめた。
そして少年も、彼女の瞳を覗き込みながら顔を近づける。
「それに、、、大事な人に会えたし、、、」
「うん、そうね」
そして、重なる二つの影。
互いの頬に手を沿え、愛しそうに重ねあう。
「ん、、、うんん、、、」
「うん、、、んん、、、」
ふたりのあげる声が、静かな車内に響く。
しばらくあと、少年の手が、頬から彼女の胸元へと伸びる。
「あっ、ダメよ、、、起きちゃうじゃない、、、」
「大丈夫だよ。お姉ちゃん、寝つきが良いからそんなことじゃ起きないよ」
「で、、、でも、、、あぁん、だ、、、ダメよ、、、んん」
声を上げる彼女の口に重ねる少年。
再び車内に静寂が宿る。
ひと時の静寂が、、、
「んが〜〜〜、、すぴ〜〜〜〜」
「クェェェェェ〜〜〜〜〜クゥゥゥゥゥ〜〜〜」
その時少女と鳥は、そんなことには気付かず、熟睡していた。