禁断のロザリオ
城内へと入り込む朝日で。目を覚ますエイジ
「んん、、、ん?、、、そっか、こいつらが居たんだな」
ベッドの中で、全身を伸ばそうとしたが、両腕にかかる重み、ぬくもり、やわらかさ、に気がつき、微笑む。
「「ん、、、んん、、、」」
エイジの腕にすがりつくように眠る、二人の天使。
満ち足りた笑顔で、、、安らな笑顔を浮かべて。
「まったく、、、安心しきった顔しやがって、、、」
「「エイジ(さん)(さま)」」
紫銀と黒の髪がゆれ、白い肌が現れる。
さらに、しがみつくように、、、
『もう離さない、離したくない』
体全体で表現しているかのごとく、抱きしめる。
「ふっ、、、ゼラバイヤを倒すまでは、心配しなくても居るからよ、リィル、セシル。
それに、その後も、勝手には出ていかねえよ」
二人へと、やさしく話しかける。
愛しい者へと、、、
コンコン!
「んあ、居るぞ!」
エイジが城へと戻った日の夜、
自室でエイジが寝ようとしていた時、そっとノックする音が響いた。
エイジの声を聞いてから、ゆっくりとドアが開き、訪問者の姿が現れる。
「エイジさん、、、」
「、、、、、、」
「なんだリィルにセシルじゃねえか。どうしたんだ、こんな時間に?」
ベッドの上に座るエイジにチョコチョコと近寄る二人。
そして、普段無口なセシルが、勇気を振り絞り、彼の手を握り締め、わずかに膨らみ始めた胸元へと引き寄せる。
「お、、、おい、セシル(汗)」
「ありがとう、、、ございます、、、命がけで、、、助けてくださって、、、」
「、、、んなもん、あたりまえだろ。お前には、、、世話になってるしな」
面と向かって、礼を言われて照れるのか、ぶっきらぼうに、頬を赤くしながら言うエイジ。
「ありがとう、戻ってきてくれて、、、私も嬉しいし、、、ロロットも喜んでるわ」
「いや、、、まあな、、、」
ベッドの上にあがったリィルが、もう片方の腕を抱きしめ、顔を摺り寄せ言う。
柔らかな感触が、セシルに握られた手と、リィルに抱きしめられた腕から伝わり、困惑するエイジ。
そのままの状態で、沈黙が流れていく。
だが、その静けさは、心地よい安らぎに満ちていた。
「お、、おい、、、そろそろ戻った方がいいんじゃねんか?時間も遅いしよ、、、」
「エイジさんと、いたい、、、」
「私も、、、同じです、、、」
エイジの言葉に、瞳を潤ませ、上目遣いに彼の顔を見つめながら言う。
「一緒に、、、」
「ここで、、、」
「って、、、ここで寝るってのか?!」
「「(コクン)」」
「いや、、、あのな、、、」
「エイジさんなら何をされてもかまわない、、、」
「エイジさまなら、、、良いです」
「おいおい、、、(汗)」
「「エイジ(さん)(さま)の事が、好きだから、、、」」
「お、、、お前ら、、、」
彼女達の決意と想いを聞き、驚くエイジ。
そして、手を離すと二人は、エイジの胸元へと飛び込む。
「エイジさんに好きな人がいても、かまわない。後悔しない。」
「私は、、、メイドですから、、、エイジさまに一生お使えします」
震えながら、顔をエイジの胸に埋め、つぶやく二人。
愛する人から、、、拒絶されるのを恐れるように、、、
「、、、まったく、、、」
押すつぶやくと、エイジは彼女らの背中へと腕を回し、やさしく二人を抱きしめる。
愛しい人を抱きしめるごとく。
「ここまで言われたら、、、拒絶なんかできるはずねえだろ」
「「エイジ(さん)(さま)」」
「それによ、、、その、、、俺も、、、なんだ、、、」
「好きだぜ、、、」
「「!!!」」
嬉しさのあまり、涙する二人。
、、、3つの影は重なりあうように、ベッドに横たわり、、
衣ずれの音と、三人の鼓動と、三人の声が響く。
夜更けまで、、、
「そろそろ、こいつらも起こしておかねえと、他のやつらが起きちまうな。
おい、リィル、セシル起きろよ、、、」
「、、、おはようございます、エイジさま」
「ん、、、おはよう、、、エイジさん」
「ああ、おはよう。ほら、シャワー浴びていったん部屋へ着替えに戻れよ。それにシーツも早く取り替えなきゃいけねえしよ」
寝ぼけ眼のセシルとリィルの頭をなでながら、やさしく言うエイジ。
だが、、、
「へえ〜〜〜、何で着替えに戻るのかしら?」
「そりゃ、昨夜下着が汚れちま、、、った、、、か、、、、、、ら、、、、、、(汗)」
「「あっ(真っ赤)」」
いつの間に部屋に入ってきたのか、大魔神と化した流菜がそびえ立っていた。
「へ〜〜〜、そんな汚れるような事したんだ〜〜〜」
「い、、、いや、、、それはだな、、、(大汗)」
「「、、、(真っ赤っ赤)」」
しどろもどろな答えをするエイジ。
そして、お互いを見あい、エイジの顔を見て、視線をそのまま下に向け、
昨夜の事を思い出したのか顔を真っ赤にするリィルとセシル。
「(怒怒怒怒怒怒怒怒怒)!」
「あわわわわ、、、」
「あらまあ、エイジって、そう言う趣味だったんだ」
「そう言う趣味って?」
怒り心頭の流菜、慌てるエィナ、納得するミヅキ、ミヅキの言葉に疑問を浮かべる斗牙。
「エイジ」
「げっ!サンドマン!!」
彼らの背後から、突然姿を現すサンドマン。
「一言、言っておく、、、」
怒られると想い、身を硬くする三人。
だが、そのままエイジの前へと立つと、彼の肩に手を載せ、、、
「避妊だけは忘れるな!それだけだ!!」
「、、、へ、、、?、ああ、、分かった」
そう言うと、何事も無かったかのごとく立ち去って言った。
クライン・サンドマン
なぞの男だ、、、