まぶらほ

管理人サンと一緒07

 

 

『僕は、、、その事を知らなかった、、、』

葵祭から3日後、和樹は知った。

幼馴染である、彼女が転校した事実を。

自分へ、その事を話す事無く、、、

「山瀬のやつ、、、そんな事一言も、、、言っていなかったのに、、、」

「和樹さん、、、きっと、言い辛かったんですよ」

「夕菜、、、」

その事に落ち込む和樹を、優しく慰める夕菜。

「私のような、気立ての良いお嫁さんがそばにいる事が分かって、

安心して行かれたんですから♪」

「ゆ、、、夕菜、、、」

だが、、、続いて出た言葉に和樹は、、、頬を引きつらせるのだった。

「かなり(和樹さんに対して)アヤシイ人でしたから、いなくなってちょうど良かったです(ニヤリ)」

「、、、(汗)」

「あの時のアドリブもそうですが、召還獣が倒れた時も、もう少しで和樹さんにキスをしようとしていましたし、

これでジャマモノが一人消えたのですから、クックックッ!」

「、、、、、、(滝汗)」

「千早さんには安心して、時が止まったような田舎の湖のほとりの家で彼氏と暮らしたり、

巨大ロボットに夫婦で乗り込んで貰いましょう!

ここには私のような立派なヒロインがいるんですから!!」

「あ、あはははは、、、、、、」

そう、ちょっと危ないネタまで力説する夕菜。

まあ、彼女が『立派なヒロイン』かは、おいといて、、、

さすがの和樹も、彼女の豹変振りに距離を取り、逃げ出した。

「そうです!この『まぶらほ』のヒロインは私です!!

凛さんでも玖里子さんでもなく、この私です!!!」

、、、まあ、TVではそうみたいだけどね、、、

 

「ん?なんだ??」

逃げ出した和樹の手へと、一羽の白い鳩が舞い降り、手紙へと姿を変える。

「なんだ山瀬からか。どれどれ、、、

『和樹君、元気してる?

突然いなくなって御免ね。

別に和樹君の事、嫌いってわけじゃ無いんだからね。

なんだか、、、照れくさくってさ、言えなかったんだ。

私は元気にこっちで生活しているから、安心してね』

、、、『照れくさい』か、、、」

短い手紙。

だが、彼女の想いがこもった手紙。

その手紙を読んで、和樹は微笑を浮かべるのだった。

「あれ、もう一枚あるな、、、

『あ、それと、私の新しい住所と電話番号、教えるね。

今度、和樹君『ひ・と・り』で、遊びに来てね。

変なおまけはいらないから♪

PS.その前に、、、どこかで逢ったりして』

、、、『変なおまけ』って、、、(汗)」

確かに、、、彼女からすれば、『変なおまけ』かも、、、

 

「ふふふっ、、、」

「、、、、、、」

和樹のYシャツの片袖を、大事に抱きしめる凜。

そしてその姿を影から見つめる尋崎。

「うらやましいです、、、今度学校に行っている時に式森さんのを、、、」

、、、何を考えている尋崎?

 

おまけ

遠くへ行きたい

 

さあ、和樹君、彼が世にも珍しい、『4股修羅場を乗り切った男』だ!

「うわ〜〜、凄いんですね〜〜」

「あの、、、」

ああ、彼なら『修羅場を乗り切る方法』これを教えてくれるだろう!

「ぜひお願いします!先生!!」

「だれが、、、『4股修羅場を乗り切った男』だよ、、、」

「この間乗り切っていたじゃないですか、遊園地で」

「うっ、、、」

そうそう、『金髪美女吸血鬼』に、『メガネっ子シスター』、『妹キャラ』に、『同級生』

かな〜〜り、緊迫した空気だったじゃないか。

それなのに、言い訳するかな?

「いや、、、確かにそうかもしれないけど、俺は、、、」

それに、今後も増えるんじゃないか、ひょっとして?

「ああ、『双子のメイドさん』も加わりそうですもんね。

僕より凄いや〜(ニコニコ)」

「って!なんで彼女達まで入るんだよ!!それに、にこやかに言うな!!

人事だと思って!!!」

「ええ、、、人事ですからね、、、まあ僕もあまり、、、言えないかも知れないけど、、、」

人事だもん、、、

ん?誰か来る?!

「あ〜〜、こんな所にいたのね!」

「もう、探しましたよ。さあ行きましょう」

「兄さんに触らないで下さい。さあ兄さん、家に戻りましょう」

「!!」

「ま、、、まさか、、、(ガクガクブルブル)」

落ち着け和樹君!声は似ているけど、彼女は違う!!

「、、、あ、本当だ、、、ふう、、、、、、、」

じゃあ、我々はお邪魔だろうから、別の所に行こうか?

「そうですね。行きましょう」

「ちょっ!待ってくれ!!」

さ〜〜て、どこに行こうか〜〜〜

「旅は気まぐれ、と言うから適当でいいんじゃないですか?」

「お〜〜い!」

そうだね、そのほうが感知されづらいだろうし、、、じゃあ、元気で暮らしなよ〜〜

「お元気で〜〜」

「俺を、、、助けてくれ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」

「ほら、私との約束守ってよね(ハート)」

「今度又、学食で一緒にお昼食べましょうね」

「兄さん、、、私のバイオリンを聞いてください」

「、、、(汗)」