まぶらほ
管理人サンと一緒15
「ところで凜さん、、、」
「なんですか、夕菜さん?」
駿司が、決闘の日時を告げて消えた後の公園。
なぜか、、、その場の空気が帯電し始める。
「いつ、、、婚約したんですか、か・ず・き・さんと!」
「いや、夕菜、あれは話の流れの上なんだからさ、、、」
「和樹さんは黙っててください!」
「はい、、、」
間に入ろうとする和樹だが、いきり立つ夕菜の一喝で、すごすごと引き下がる。
「さあ!いつなんですか!!」
「そうですね、、、『葵祭』の時ですね」
不動明王のような顔をで詰め寄る夕菜に、平然とした表情で答える。
「へ?『葵祭』??」
「、、、どういうことですか和樹さん!!」
「い、いや、僕も分からないんだけど?」
呆然とする和樹に詰め寄る夕菜。怒りを恐れて、冷汗を浮かべながら、必死に答える。
「あのさ、、凜ちゃん。僕、、、そんな覚えないんだけど、、、?」
「ひ、ひどい!」
「いぃっ?!」
和樹の言葉を聞いた凜が、涙ぐみながら上目使いで、和樹を見つめる。
「ひどいぞ式森!あの時、私に片袖をくれたではないか!!」
「、、、ああ、、、でも、、、あれは毟り取られた、と言った方が、正しいんじゃないかな?
それに僕、あの人みたいに偉い人じゃないし、、、」
「あの片袖、式森だと思って大事に持っているというのに、、、それを忘れるだなんて、、、」
しばしの間、思考する和樹だが、すぐに思い出し、それがどう言う意味かに気が付き、ツッコミと一緒に答える。
だが、それを聞いた凜は、芝居がかった風によよよと、その場に泣き崩れる。
「、、、なんで片袖で??」
海外生活が長かった夕菜にはどうやら分からなかったようであるが、、、
「それを、、、、それを、、、、、、」
「いや、、、凜ちゃん、、、そうは言ってもさ、、、それって正式に結婚していないし、、、」
「あの健気な想いを無駄にするのかキサマ!」
「それに、僕死んじゃうよ、、、それだと?」
「大丈夫だ。お前はすでに死んでいるではないか」
「そりゃそうだけど、、、」
二人の漫才は、、、その後も続いた。
わけが分からず困惑する夕菜をおいて。
しかし凜よ、、、それだと和樹と結婚は出来ないぞ?
つか、、、同じなのは『形見』と言うだけじゃないかな?
「、、、、、、」
一人、管理人室で震える尋崎。
「良いですね、、、風椿さん達は、あんなのでも出番があって、、、わたしなんか、、、」
、、、
TVオリジナルキャラゆえの、悲しみに包まれていた。
強く生きろ、、、