まぶらほ

管理人サンと一緒16

 

 

「うわ〜〜〜ん、式森のバカーーーー!!」

「エリザベートさん、泣きやんでくださいよ、、、」

迎えに来た式森に飛びついたが、すり抜けてしまい道路に転んでしまったエリザベートと、

それを懸命にあやす式森。

「うわ〜〜〜〜〜ん、わらわの顔に傷が付いたのだ〜〜〜!」

「だから、謝っているじゃないですか。もう、泣きやんでくださいよ、、、」

自分の集中力が足りないから、彼女を受け止められなかった。

その為、必死になって彼女をなだめるのだったが、、、

「うわ〜〜〜〜〜〜ん!」

「もう、、、どうすればいいんですか?」

エリザベートは泣きやまなかった。

だが、そんな状況に疲れてきた和樹が、その一言を言ったとたん、エリザベートは泣きやみ、

笑顔で和樹へと、視線を向ける。

「ならば、遺伝子をよこせ!」

「いぃ?!な、なんでですか?!?」

「そんなの決まっておろう!式森の遺伝子を持っておれば、玖里子もわらわの事をジャマモノ扱いせぬはずじゃ!

さあ、よこせ!よこすのだ!!」

そう言いながら血走った瞳で、詰め寄るエリザベート。

「ちょっと待ってください!」

「なんじゃ?」

今までただ見ていた夕菜も、さすがに声を上げて二人の間に入ってきた。

「大体なんで和樹さんの遺伝子なんですか?!」

「そうです!それに今の式森からどうやって遺伝子をとると言うのですか?!」

「ふん。そんなもの、わらわと『契り』を交わせば、大丈夫じゃ」

「「『契り』?!」」

エリザベートから出た言葉に、大声をあげる夕菜と凜。

そして、ゴ○ラもしっぽを丸めて全速力で逃げ出すほどの、鋭い視線を向ける。

「そんな事、私が許しません!というか、エリザベートさんごときに和樹さんの相手ができるはずありません!」

「そうだ!それに式森は『少女趣味』ではない!」

「だが、おぬしらには、式森はいつも余り反応しておらぬぞ?

ならば、わらわのようなタイプが好みかもしれぬぞ?」

「「う゛っ」」

その言葉に、思い当たる事があるのか、詰まる夕菜と凜。

「確かに、、、和樹さん、私に何も手を出してくれないですし、、、」

「、、、ま、、、まさか式森が?いや、、、そんな、、、、、、」

「あ、あのね、二人とも、、、、、、(汗)」

悩み始める二人に、和樹が苦い顔をしながら声をかける。

「和樹さんが、、、そんな『特殊な趣味』を持っていただなんて、、、」

「そうなると、、、やはり『レースやフリフリの沢山付いた服』の方が良いのか?それとも『ス○ール○着』の方が、、、」

でも二人はすでに自分の世界に入りこんでいて、そんなもの聞いていなかった。

「お、お〜〜い、、、」

「さあ、式森!わらわと『契り』じゃ!!」

「そんな事出来ません!!」

「なぜじゃ!わらわではもう、大きすぎると言うのか?」

「そこから離れてください!」

エリザベートの過激な勘違いに声を荒げる。

だが彼女はもう彼の言葉を聞いておらず、暴走し再び泣き出すのだった。

「ぐすっ、、、そんな、、、式森は『幼女』の方が良いのか?

そんな、、、それでは玖里子の役に立てんではないか、、、うわ〜〜〜〜〜〜〜ん!!」

「ああぁっ、もう。泣きやんでくださいよ、エリザベートさん、、、」

「うわ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」

「そうです!始めての私との出会いが忘れられないから、和樹さんはきっと、そう言う趣味に走っているだけなんです!

だったら、その成長した私なら和樹さんのそう言うところも治せるはずです!」

「ならば、手が半分くらい隠れる袖の長い服を着て、口元で手を合わせ、潤んだ瞳のまま上目使いで式森を見つめれば、、、

そうだ、その戦法なら大丈夫だ!」

夕闇に染まる繁華街の歩道。

そこで繰り広げられる、奇妙な光景。

人々はそこを、、、見なかったことにして、通り過ぎていくのだった。

、、、大変だな和樹君。

「、、、本当ですよ、、、、、、」

 

「ふんふんふ〜〜ん」

姿見の前で、嬉しそうにターンをしながら微笑みの練習をする尋崎。

「ここでくるっと回って、笑顔で、、、『式森さん♪』

、、、まだ、私も捨てたものじゃないわね。待っていてください式森さん。あなたの『特殊な趣味』は、

この私が直してあげますからね。ア・ダ・ル・トな魅力で(は〜と)」

、、、あなたの『特殊な趣味』も直したほうがいいですよ、、、