まぶらほ

管理人サンと一緒18

 

 

「(班行動、和樹さんと一緒)」

和樹の方を見ながら、心の中でつぶやく夕菜。

『修学旅行』

それは、大切なイベント。

そう、好きな人と知らない街で、一緒に行動する。

同級生でしか味わえないイベント。

恋する乙女の大切なイベント。

、、、なのだが、、、

「(くっくっくっ!)」

口元を大きくゆがめ、怪しい笑みを浮かべる。

「(ここなら玖里子さんも、凜さんのジャマは入りません。

そうなれば、和樹さんと、、、

『和樹さん』

『ん?どうしたの夕菜??』

人気のない境内で私と和樹さんの二人きり、、、)」

「ゆ、、、夕菜(汗)」

「、、、宮間(汗)」

頬に手を当て身をくねらす夕菜を、危ないモノでも見るような目つきで見守る和樹と伊庭。

夕菜はそんな二人に気付かず、暴走を続ける。

「だから、、、今日の私はちょっとダ・イ・タ・ンなの♪

『あ、あの夕菜』

『いいじゃないですか和樹さん。たまには、、、ね』

『もう、、、夕菜って甘えん坊だな(ニコリ)』

『和樹さんにだけです(ポッ)』

『夕菜、、、』

『和樹さん、、、』

見詰め合う二人。

そして私と和樹さんの距離はどんどん近づいて、、、

きゃっ!やだ私ったら!!

でもでも、和樹さんだったら私、、、最後まででも、、、(ポッ)」

「だそうだぞ、式森、、、」

「と、、、言われましても(汗)」

心の中だけではなく、声に出して暴走しだす夕菜。

彼女の言葉を聞いて、和樹は冷汗を流すしかなかった。

、、、がんばれ和樹。

「、、、がんばりたくないですよ(涙)」

 

「そう、、、」

夕日に染まる空を、窓から見上げ、つぶやく尋崎。

「これの出番、、、もうすぐなのね」

大事そうにおいてあるビンへと視線を向ける。

「さて、、、どうやって式森さんに、渡そうかしら?

やっぱり、、、何か交換条件を出そうかしら?

たとえば、、、」

しばしの間考えに入る。

そして、、、

「やっぱり『一日デート』かしら?もちろん夜までの♪」

、、、素直に渡してやれや、、、