ロサ・キネンシス・アン・ブゥトン プティ・スール観察日記
2月○×日
らんらんら〜〜ん、ら〜ら〜〜ん!
ららら〜〜ん、らら〜ら〜〜♪
おそろいのジーンズ。
おそろいのスニーカー。
うふっ!
うふふっ♪
ま、最後にジャマモノが入ったけど、今回はこれで良しとしましょう!
あそこで追い返したら、あの子も悲しむものね。
でも次は、、、うふふ、、、ふふふふふ、、、、、、
う〜〜〜、、、
ジャマモノですみませんね!
まっ、いっしょにお茶できたから、良いですけどね〜〜
でも、食べている姿、ほんとっ〜〜〜に、可愛い!
えへへ、今度は写真にとりたいな〜〜
「祐〜巳ちゃん。何してるのかな〜〜?」
「あ、白薔薇さま。ごきげんよう。『焚き火』をしてるんです」
「、、、な、なにを燃やしているのかな?」
「はい、館にあった『要らないノート』です。全部使い終わっていたので燃やしちゃいました」
遅れてきた聖は、薔薇の館の裏で、静かに焚き火をしている祐巳を見つけ、背後から近寄り声をかけた。
その背中越しに、燃やしている物を見た彼女の頬に、一筋の汗が流れでる。
「あ、、、、あのそれって、、、、、、」
「別に良いですよね、白薔薇さま」
問いかける聖に、祐巳が微笑みながら振り向く。
だが、その表情とは違い、聖は強いプレッシャーを感じた。
それは、、、祐巳のおばあちゃんにあたる、『紅薔薇 水野蓉子』をも上回るものだった。
「も、もちろんOKだよ祐巳ちゃん!!」
「そうですよね。問題ないですよね」
「うんうん!問題ないよ!!」
プレッシャーに負け、うなずくだけの聖。
その姿を見た祐巳は、今度はいつもの笑みを浮かべて聖へと話しかける。
「あっ、焼き芋食べますか?いっしょに焼いていたんです」
「うん、貰うね」
そう言って焼き芋を受け取ると、二人並んで食べ始める。
「、、、」
「、、、」
「白薔薇さま」
「なに祐巳ちゃん?」
しばしの間、沈黙が続いたのち、祐巳が話しかける。
「あんな風に感じていてくれたんですね」
「祐巳ちゃん、、、」
「でも、今回は、、、特別ですよ?」
「(ビクッ!)」
「今度やったら、、、」
「『今度やったら』、、、(汗)」
「お仕置きしちゃいます(ニコリ)」
「は!以後気をつけます!!」
こうして聖は、一難を乗り切ったのであった。
ちなみにその頃、館の二階では、、、
「「「「「「、、、、、、」」」」」」
机の上に散らばるカップケーキ。
そして、、、床の上に転がる6つの物体があった。
、、、命拾いしたな、聖、、、、、、