おね*2

「双子?三つ子??」

ルーム11

 

 

「、、、」

湖畔の桟橋に座り込み、水面を見つめる樺恋。

写真を手にし、ただ、、、見つめる。

「隣、いいかしら?」

「え?会長、、、さん、、、、、、」

その後ろに、静かに現れる苺。

そして、真剣な表情で樺恋を見つめる。

「座るわね、、、」

樺恋の隣に座ると、苺も彼女と同じように、湖を見つめる。

「、、、」

「、、、」

虫の声が、辺りに響く。

二人の静けさを、打ち消すように、、、

「、、、」

「、、、知って、、、」

「え?」

「知ってしまったのね」

ちらりと樺恋の顔を見た苺が、ポツリとつぶやくように話しかける。

「あなた達の、真実を、、、」

苺の言葉に驚き、彼女の顔を見た樺恋の瞳を、正面から見て。

「、、、」

「、、、」

「、、、はい、、、」

「、、、、、、そう、、、」

そう返事をすると、うつむく樺恋。

苺はそんな彼女を、優しい瞳で見つめ、言葉をかける。

「前に、、、進みなさい。つらい事、悲しい事があっても、しっかりと前へと、、、」

「でも、、、!」

「言わずに後悔してはダメよ」

「!!」

「確かに、あなた達の関係は複雑ね。でも、、、」

「『でも』、、、」

「いつかは分かる事、よ。どちらかが他人、と言う事は。だから、、、」

「、、、」

「後悔しないように、ぶつかりなさい。でないと想いは伝わらないわ」

「、、、、、、そう、、、ですよね、、、」

「そして、前へと加速しなさい。力強く、、、真っ直ぐと、、、」

「、、、」

「今のは、私の独り言よ。判断するのは、、、決断するのはあなた次第。それじゃ、、、」

そう言うと、苺は立ち上がり、その場から立ち去る。

自分のようには、なって欲しくないから、、、

立ち止まらせたくないから、、、、

言葉を残して、、、

そして、、、樺恋は心を決める。

今を乗り越え、前へと進む為の壁を越える為に、、、

加速する為に、、、