もう一つのシナリオ

 

 

記憶喪失男の目の前に立つ三姉妹。

男に近寄り、目に涙を溜めて三人で訴える。

「私たちの事をお忘れなのですか?」

「あの夜の事を、、、」

「私たちとの夜を、、、」

彼女達の言葉を聞いて、冷や汗を流す男。

「、、、ちょっと待ってください!!」

青い顔をし、あせりながら彼女達に声をかける。

「私たちに『くわえろ』とか、、、」

「私たちに『なめろ』とか、、、」

「『その胸でしろ』といって強引に、、、」

「「「した事をお忘れですか?」」」

酸素の足りない金魚のような状態になる男

だがそんな事は関係無しに、彼女たちはまだ訴える。

「そして、私達を、、、」

「押し倒して、、、」

「次々に、、、」

「「「中に出したのをお忘れですか?」」」

その言葉に彫刻のように固まる男。

「ひどいわ!!私だけじゃなかったの!!!」

そこに現れる色気女。

涙をうかべ、男に近づく。

「わ、、、わたしだけって、、、」

嫌な予感を浮かべながらも律儀に聞く男。

そして彼女の爆弾が炸裂する。

「そんな!あの夜私の中に散々出したじゃないの!!」

「、、、(冷汗)」

「『俺が愛しているのは、お前だけだ』って言うから許したのに!!!」

「、、、(真っ青)」

「それなのに、ひどいわ!!この子がかわいそうよ!!!」

そう言って腹部をさする色気女。

そして顔を真っ白にする男。

だが今度は三姉妹が彼に近寄りながら爆弾を落とす。

「そんな、その女とも関係をもたれていたのですか?!」

「『お前たちを愛している』といってくれたのは嘘だったのですか?!」

「私たちの子供はどうなさるんですか?!」

そう言うと、腹部に視線を落とし、やさしくなでる三姉妹。

顔面蒼白、あぶら汗を流しながら少しずつ後ずさりする男。

「(や、、、やばい、、、やばすぎる!記憶がなくても、この意味はわかるぞ!)」

ここは逃げ出した方が良いと判断した彼は、ダッシュで逃げようとするが、、、

「「「「どうするんですか!!」」」」

目にもとまらぬ速さで、四方を囲まれ、逃げ場がなくなる男。

そしてその無言の圧力に負けて、彼は決意するのであった。

「責任を、、、とらせてもらいます」

 

 

 

「ふむ、やはりあのシナリオではダメだったか、、、

やはりこちらのシナリオでやらせれば良かったな」

そう言ってシナリオを閉じる隊長。

、、、あんた鬼か?

 

 

 

その頃シナリオとは影響を受けるはずのない少女は、、、

「もう、、、早く戻ってきてよね。もうすぐ『パパ』になるのに、、、」

そう言って腹部をさする姿があった。

、、、鬼畜だな『ダメ亭主』、、、