おさな妻日記9
「さあ!どの道を選ぶんだ!!」
『ダメ亭主』を見下ろしながら言う『最速男』
その言葉を聞き、彼は地につく、左の拳に力を入れ土をえぐる。
そして右の拳を、小指からしっかりと握り締め立ち上がる。
「決まってんだろ!そんなもん!!」
そう言う瞳には、決意があふれていた。
「そうか!自分のことを好きだった大人の女や、本土から来たちょっと天然系のお嬢さんには見向きもせずに、10にも満たない少女に走るのか!!さすが『反逆者』だ!!!お前らしい判断だ」
だが彼の言葉を聞いた『最速男』は早口で、思ったことを言い始めた。
「、、、おい」
「うんうん、これからはお前の事を敬意を表してこう呼ぼう!『ロリコン・トリズナー』と!!!いや〜知らなかったぞ、お前がまさか真性の『ロリコン』だったとは!確かに水使いの彼女はお前と同じかお前より年上みたいだったし、彼女も声をあっちの声を出せばこいつも振り返っただろうに」
「て、、、てめえ、、、」
握り閉める右手を震わせながら、怒りに震える『ダメ亭主』
そんな事にはかまわず『最速男』は話を続ける。
「そうそう、あのお嬢様は『二股男』の方が好きだった見たいだが、お前の事も多少は心配していたぞ。そんな彼女の事なんか見向きもせずに愛しい『おさな妻』の元にむかうとは、よっぽど彼女の事が心配なのか、『ロリコン・トリズナー』?まあ心配するのも分かるがな。なんと言っても彼女の元には『二股男』が今はいるからな。とられるんじゃないかと心配するのは分かるぞ!だが安心しろ!!アイツはお前と違って『ロリコン』ではないからな。彼女に手を出す事は無い!ましてや『二股男』は今、『色気過剰女』と一緒に暮らしている!」
「いいかげんにしやがれーーーーーーーーー!!!!」
×○月◇日
夢を見ました。
夢の人はさまざまなものを背負って立ち上がりました。
『世間からの後ろ指』をも背負って。
『ダメ亭主』は歩き出す。
たとえ『ロリコン』とか、『変質者』と言われても。