がんばれ乙女達!
局面43 「立ちふさぐモノ」
「作りたいと思いますわね。そうでない時代を」
「うん」
そう言って笑顔で見つめ合う、『歌姫』と『パイロット』
優しい笑顔で、、、
だが、、、そんな二人を快く思わない者も、、、いる者で、、、
「ケッ!なによ、、、あの小娘。彼の肩に手を置いて、笑顔で見詰めあって、、、(怒)」
小声でつぶやく『艦長』
そして、、、彼女の癇癪の影響を受けるのは、、、
「い、痛てえ、、よ、、、つ、、、爪が、、、食い込んでるって(涙)」
彼女の傍に立っていた『元少佐』だった。
肩に置かれた彼女の手に力がこもり、爪が食い込んでいる。
「まったく!彼女の船が、、、専用艦でなければ、、、」
「ぐっ、、、き、、、きつ、、、い、、、」
「状況が状況じゃなかったら、彼女の艦に、彼を行かせるなんて事しなくてもすむのに、、、」
「ぐあ、、、ほ、、、骨が、、、(滝涙)」
、、、中々に厳しい状況に陥る、『元少佐』
「あらあら、どうされたんですか?」
そんな彼にも、、、救いの手が、現れる。
「い、、いやちょっとね、、、」
『歌姫』が、心配そうにのぞきこむが、わざと大丈夫そうに振舞う。
だが、、、
「まあまあ、ご自分の年も考えず、一回りほど離れている部下に、、、」
ちらりと意味ありげに、視線を『元少佐』の隣へと移す。
「ちょっかいを掛けているオバサンの、被害にあっているのですね?」
「、、、誰の事でしょうか(怒怒)」
「さあ、、、誰の事でしょう?(ニッコリ)」
二人の間で視線が交わる。
『艦長』の殺気混じりの鋭い視線にも、物怖じせず微笑む『歌姫』
「(怒怒怒怒怒!)」
「(ニコニコニコ)」
さながら、、、完全な勝者と、敗北を認めない敗者、、、のようである。
、、、いや、そのままかもしれないが、、、
そして、、、その戦いの、とばっちりを受けるのは、やはり、、、
「ぐわっ!マ、マジ痛いんですけど!!」
やはり『元少佐』だった。
「坊主!見てないで助けてくれ!!このままだと、肩の骨が折れるんですけど(涙)」
そう叫ぶ彼だが、、、
周りは、かかわりを持ちたくないのか、視線をそらし自分の仕事に戻るのであった。
「つか、だれか助けて!ヘ、ヘルプミ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
彼の悲鳴が、こだまする。
悲しい立場の、、、『元少佐』だった。
「(う〜ん、やっぱり正面から挑むのは、、、得策じゃないみたいね。
そうなると、、、そっか!愛人って手があるわよね?!
あの子、話せば分かってくれそうだし!!よ〜し!頼んでみようっと!!)」
、、、したたかな考えを浮かべる、『女友達』だった、、、