兄はつらいよ2
「ふう、やっぱり凄いよな、鈴凛ちゃんは、、、
あんな凄いの作っちゃうんだもんな、、、」
湯船につかりながら、一人呟く航。
「僕もがんばらないと、、、」
そう言うと湯船から上がり、体を洗い始める。
その時、、、
『あ、、、あの、アニキ、、、』
「へ?鈴凛ちゃん?!」
浴室の入り口から聞こえた、鈴凛の声に驚く航。
しかし、彼女はそんな兄の返事を待たずに、行動を起こした。
ガラッ!
「へへへ、、、背中流してあげるね、アニキ」
「ちょ、ちょっとまって鈴凛ちゃん!!」
突然入ってきた鈴凛にあせり逃げようとするが、腕を捕まれ囚われてしまう。
「あ、、あのさ、、、アニキ」
「な、、、なにかな、鈴凛ちゃん、、、」
「『メカ鈴凛』へのデータ入力に協力して欲しいんだ」
「デ、データ、、、って何のデータかな、、、(汗)」
「うん、、そのね、、、あのね、、、」
嫌な予感を感じながらも尋ねる航。
そして彼女は顔を赤らめながら、爆弾を落とす。
「ワタシと、一つになろう!!」
「待ってくれ鈴凛ちゃん!!!」
「さあ、アニキ。一緒になろう」
「ダ、ダメだよ、そんなの!!」
必死に逃げる航。
そして、どうにか浴室の入り口にたどり着くが、そこには彼の退路を断つものがいた。
「お兄様、逃げちゃダメよ!さあ、私たちと一つになりましょう。
それはとても気持ちの良い事よ」
「そうだよアニキ。咲耶ちゃんも協力してくれるからさ、、、ね!」
「『ね!』じゃないよ!!ダメだったら、そんな事!!!」
「もう、お兄様ったら、、、えい!」フニッ!
往生際の悪い航に、生まれたままの姿で抱きつく咲耶。
「!!!」
肌に直にあたる、やわらかい感触に思考が麻痺し、動きを止める航。
その隙を彼女達が見逃すはずも無く、押し倒されてしまう。
「さあ、アニキ。一つになろうね!」
「次はワタシよ、鈴凛ちゃん」
「わ〜〜〜〜〜!だれか〜〜〜〜〜!!」
大声で助けを呼ぶが、その声は脱衣所に置かれた、
CDデッキから聞こえる、大音量の歌にかき消されてしまっていた。
がんばれ、、、兄よ、、、
「おお〜〜、凄いデス!
このネタを使えば、四葉も兄チャマと本当に、『一心同体 少女隊』になれますデス!
もっと、もっとチェキするデス!」
、、、助けてやれよ、、、お前、、、
って、それより30才近辺の人にしか分からない言葉をなぜ知っている!?