兄はつらいよ4
「お兄様、、、」
「咲耶ちゃん、、、」
ベッドに押し倒された航の胸の中に顔を埋める咲耶。
そして潤んだ瞳で兄を見つめ、まぶたを閉じ、顔を近づける。
しかし、、、
「咲耶君、、、何を、、、しようとしているんだい?」
「兄上様、、、、、、」
何時の間にか部屋に千影と鞠絵が入ってきていた。
「ちぇっ、もう少しでお兄様と久しぶりに『デキ』たのに、、、」
「い、、、いや、、、こ、、、これはね、、、!」
焦る兄に、平然としている咲耶。
見事に対照的である。
まあ、何気にキス以上の事を、咲耶はしようとしていたようだが、、、
「兄上様、、、」
「な、、、なにかな、鞠絵ちゃん?」
眼鏡を怪しく光らせる鞠絵にあせりつつも、尋ねる航
とてもいやな予感を胸に抱いて、、、
「わたくし達にも『シテ』いただけますよね?勿論」
「まさか、、、断るなんて言わないよね、兄君」
服を脱ぎながら言う二人。
「え、、、いや、、、その、、、」
『断ったらどうなるか分かっていますね』という、彼女達の視線におびえ、しどろもどろな口調になる航。
「は〜〜〜しょうがないわね、先にあなた達がお兄様と『シナ』さい」
「ちょっと、咲耶ちゃん!」
「私は後で、『シテ』もらうから」
「と言うことで兄君、、、」
「さあ、始めましょう兄上様」
咲耶の提案に納得し、抗議する兄の声を無視し、行動に移る二人。
もはや兄の意見は関係ないようだ
「僕の意思は〜〜〜〜〜!!」
んなもん、始めからない。
少なくても私の書くものの中では。
ある意味、完全に堕落した生活を送る航。
人とは変わるものである。