紅の軌跡 第21話

 

 

 

 

  月明かりがうっすらと、静寂の支配する砂丘と砂岩を写し出していた。

  月の光によって青白く描き出された表側と色濃い闇の気配を漂わす砂丘の影が延々と地平線まで続く砂漠の有様は、まるで死者達の支配する別世界のようにも思える。

  そんな中にひときわ黒々とした影を引いているのは、この地に侵攻したザフトが築いた防衛用の各施設群であった。

  長大な土塁に囲まれたその施設のうち、司令部や兵舎と思しき建物の窓から明かりが漏れており、深夜にも活動が続いている様子が伺える。

 

  この手の前線基地かつ監視拠点は、ザフトの勢力圏が地球連合の勢力圏と接するアフリカ・ユーラシア大陸において多数存在する最前線を中心に数多く作られていた。

  一時的に作られた基地であるため防衛用の火器は多くないが、場所によっては高さ5mを超える多数の土塁とその周辺に掘られた無数の対戦車壕が、その施設を取り巻き、それなりの防御力を与えている。さらに、中心部には整地された敷地があり、短距離離着陸機ならば問題なく運用が可能となっている。

 

 

 

  プラントが持つ実質的な軍隊であるザフトを現す言葉として、よく「市民軍的な」という表現が用いられることがある。厳密な階級が存在せず、自発的に発生した軍事組織であることを指し示しているのだろうが、それはあくまで一面的な見方でしかない。

  そのひとつの証拠といえるものがザフトの補給線を維持・構築する能力、すなわち兵站に関する能力の高さである。

  補給が戦争の行方を左右する、最重要な要素であることを否定できるものはいない。燃料、弾薬、食料が底を尽けば、ご大層な兵器もただの鉄屑と化すことは誰の目にもあきらかなことである。

  そして、ザフト地上軍の兵站の一翼を担ったのは、地上侵攻後に投入された中型輸送機および大型輸送機である。

  中型輸送機は、MS1機と付属する各種武装を搭載可能なSTOL機であり(テレビ本編でイージスを輸送中にカガリの操るスカイグラスパーに撃墜されたアレである)、先の前線基地内の敷地に問題なく離着陸できる機能を持っている。

  そして中型輸送機以上に兵站維持の要となっているザフト地上軍大型輸送機は、400トンを超えるペイロードを誇り、フル装備のジンタイプMS4機を搭載可能という巨大な輸送力を持っている(オペレーション・スピットブレイクでアラスカ侵攻の一角を担っていた何となく昆虫を思わせるアレである)。

  さらに、大型輸送機は中型輸送機とは違い、4発のジェットファンを備えるVTOL機であるため、少々航続距離が短いものの、整地が不十分である前線基地への輸送能力が高く、中型輸送機以上の優れた汎用性を誇っている。

  前線までいかに速く、大量に、確実に、無駄なく補給を行うかが兵站のひとつのポイントだが、このような巨大なVTOL輸送機が存在しなければ、ザフトの地上侵攻はもっとゆっくりとしたペースで進んだであろう。特にまともな滑走路を持つ基地の少ない砂漠では、基地から最前線までトラックやヘリで細々と補給線をつなぐという方法がこれまでの常道であったのだから。

 

  そして、しっかりと構築された兵站はいうまでもないことだが、さらにこういった拠点を建造するのに掛かった期間がごくわずかなものでしかないことが、前線に簡易的なものとはいえ多数の拠点を配置することに役立っていた。

  戦闘終了後に、MSに長時間作業用の外装式補助内燃機関とドーザーブレードを装着し、巨大な土木重機として活用すれば、この程度の簡易拠点は5日もあれば造成できた。そこに組み立て式の簡易建築を備え付ければ、あっという間に施設の完成である。

  もともとMSの祖は、木星往還船「ツィオルコフスキー」に搭載された外骨格・補助動力装備の宇宙作業服である。

  これは、その汎用性の高さから地上での運用も視野に入れて設計されており、宇宙作業服として性能を向上していった結果生まれ出でた、その正統なる後継者であるMSが土木作業に長けていたとしても、むしろそれは当然のことであった。そして、この野戦築城の速さもまた兵站構築と同様に、地球侵攻作戦オペレーション・ウロボロスの発動初期の快進撃を陰ながら支える重要な役割を担ったことをザフトの中堅以上の者たちはしっかりと理解していた。

 

  MSの持つ汎用的な能力、それを駆使して野戦築城された多数の前線基地。

  しかしながら、そのように労力を投入して築いた一連の拠点に常駐しているザフトの兵力は本当に極わずかでしかなかった。

 

  何故か?

 

  その理由はあまりにも単純明快なものであった。

  ザフトと地球連合軍の勢力圏の境界線は呆れるほどに長く、唯でさえ地球連合軍と比して少ない兵士を、その長大な警戒線全てに配置することなど、どのような手段を用いたとしても物理的に不可能だったというただそれだけである。

 

  そして、そのような兵力配置の問題をきちんとわきまえていたザフトの上層部は、先の前線基地に配備する人員を最小限度に削り、主要な戦力はスケイルモーターを装備した地上戦艦などで不定期に巡回する機動部隊として地球連合軍に対する警戒にあたっていたのである。

  さすがにこう着状態が長引くようになっている現在、隊長レベルが旗艦とする大型の地上戦艦がこのような最前線まで来ることは滅多にないが、それでも配下のビートリー級陸上戦艦などはそれなりの頻度でやってくる。

  なお、アークエンジェル追撃戦に砂漠の虎アンドリュー・バルトフェルドの旗艦レセップスが出撃したのはあくまで例外的な事態である。通常、敵の勢力圏内のど真ん中に降下するような向こう見ずな航宙艦は存在しないのだ。

  そして、この拠点にもつい昨日、砂上の機動部隊が来たばかりであり、補充と思しきMSがいくつか降ろされていたのを付近の住民たちが目撃していた。

  地上戦艦そのものは、補充作業が終了すると慌しく出航していったが、それでもこの拠点にとってはかつてない規模の戦力が駐留しているはずであった。少なくとも、住民達に混じって情報を収集している、砂漠をはさんでザフトと対峙する地球連合軍はそう判断していた。

 

 

 

 

 

  砂塵を飛ばす突風もなく、澄んだ星空の広がる実に静寂に満ちた夜であった。

 

 

 

 

 

 

  だが、そんな薄明かりと静寂のみが支配していた世界を、夜空に輝いていたきらめく星の光が、まるで地に下りてきたように煌々と砂漠の稜線を照らし出す。星が瞬くようにあるいは遠くから都会の明かりを見やったときのように無数に点滅する光が次々と連なっていく。

  そして次の瞬間、音速という物理制約に追いついてきた地を揺るがすような重低音と飛翔物体が高速で空気を切り裂く甲高い音が木霊した。

  刹那、鋼鉄と火薬によって人工的に作り出された砂嵐が砂漠の一部を埋め尽くす。

 

  紅蓮の炎と立ち昇る黒煙、吹き飛ぶ砂塵と衝撃に崩れゆく防塁。

  それまでの静寂がまるで別世界のように、ただひたすら可聴限度を突破した音の暴力と全てを焼き尽くすかのような炎、そして全てをなぎ払う衝撃波が世界を支配する。

 

 

 

  その焦熱地獄というべきにものをこの世の現出せしめた存在、すなわち、砂丘のくぼ地などに延々と連なる自走リニア榴弾砲の群れは、己が役目を中断することなく、ひたすらその砲口から次々と砲声を紡ぎ出す。

  深夜の砂漠に轟々と鳴り響く砲声は途切れることなく続き、着弾地点となったザフトの施設がある場所では、閃光が視界を焼き、爆音が木霊し続ける。

  一方、空からは自走リニア榴弾砲部隊が砲火を加え始めたのと機を同じくして、地上部隊への直協をその役目とする戦術攻撃機が続々と飛来し、腹の下に抱えてきた爆弾を次から次へとザフトの防衛施設に叩きつける。

  投下された爆弾は、砂に突き刺さるなり炸裂し、おどろおどろしい爆発音とともに、逆円錐形の爆風が宙空高く吹き上がる。爆風によってそそり立つ砂の柱は、攻撃機の通過に伴い基地の全域を西から東へと余すことなく埋め尽くしていく。

 

  地上と空の二面から圧倒的な火力を叩きつけられたザフトの前進基地は反撃の砲火をろくに上げぬまま、夜の闇の中にその身体を崩れ落ちるように埋めていこうとしていた。

 

 

 

 

 

  その様子を自らが乗車する鋼鉄の騎馬のキューポラから地球連合軍アフリカ反攻軍第7装甲師団、第3装甲連隊第1大隊長クルト・マイヤー少佐が落ち着かぬ思いで事態の推移を見守っていた。

 

  戦闘開始の合図を待っている彼の大隊はリニアガンタンクを76両装備しており、さらに第7装甲師団全体でみるならば500両を超えるリニアガンタンクを有している。これは通常の機甲師団が保有する機甲戦力の1.5倍以上の量であり、第7装甲師団が今回の戦闘における突破戦力として軍上層部に期待されていることの表れでもある。

  ユーラシア連邦は、ザフトの地上侵攻戦初期の大規模な戦闘、スエズ攻防戦におけるエル・アラメインでのモーガン・シュバリエ率いる戦車軍団の全滅、その後の北アフリカに形成されたアフリカ戦線での機甲戦闘の度重なる敗北、ザフト軍ジブラルタル基地建設時の戦闘における攻略部隊の壊滅といったように、無数の、文字通り無数の戦車兵を失っている。

  もちろんユーラシア連邦自身もその事態に危機感を深め、戦線膠着後、壊滅した機甲戦力の復活に尽力した。その結果、機甲戦力を構成するハードの増産はどうにかなったが、ソフト、すなわち訓練された戦車兵の調達だけは、いかに地上の超大国のうちの一国であってもどうにもならなかった。熟練した戦車兵とは、一朝一夕に用意できるような代物ではなく、ワインを熟成するようにじっくりと時間を掛けて育て上げるものなのだから。

  したがって現在、ユーラシア連邦の機甲戦力を構成しているのは、訓練期間を短縮し、促成栽培された戦車兵が大半を占めている。そんな人員に操作される装甲車両が持つ戦闘能力がいかほどのものか、想像するだに恐ろしいものがある。

  そんなユーラシア連邦にとって、まさに珠玉の存在ともいえる戦前から訓練を受けている貴重な熟練戦車兵が多数配置されている第7装甲師団に対する期待が大きいことは当然というべきであったが、期待を負わされるほうにしてみればたまったものではないというのが、クルトの誰にも語っていない考えでもある。

  リニアガンタンクでザフトのMSを相手にすることがどれほどの困難を伴うことなのかは、アフリカの大地に無残な屍を晒し続けている彼の同僚たちが証明している。しかも、攻勢を取るのは地球連合軍であるため、入念に構築された防御線と予備陣地を事前に設けておくといった防御力向上の手段を取ることもできない。

  しかしながら、彼の所属する装甲連隊は、他の装甲連隊と共に真っ先に敵陣へ突っ込むことが決定されており、後続の装甲戦力全てが彼らによってあけられるであろう突破口が出来上がるのを待っている。

 

  「まあ今回、ザフトのMSは連中に相手をしてもらうことになっているが・・・」

 

  そういって、視線を後方に向ける。

  そこには、巨大な人型の影が無数に立ち並んでいた。これまではザフトにしか存在しなかった部隊、すなわちGAT−01ストライクダガーによって構成されたMS部隊の姿である。

  本来なら諸手を挙げて喜びたいところであったが・・・

 

  「それでも俺たちを真っ先に突っ込ませるなんざ、上の連中も揃えたはいいが、MSの使い方をよく分かってはいないってことか。」

 

  せっかく用意した戦力を出し惜しみする上層部を罵倒するように吐き出す彼の言葉は、だが、周囲に響く猛烈な爆発音によって彼以外の耳に聞こえることはない。

 

  現在、彼の目の前で行われている敵基地への支援砲撃は、この方面を担当する中央反攻軍集団直属の砲兵が行っており、その支援下で、突破予定進路の障害除去作業を実施しているのは、軍集団直属戦闘工兵大隊だった。

  それらの部隊による障害−−−主に膠着状態の期間を用いて作り上げられた地雷原−−−除去が済み次第、前進を開始する予定となっている。

 

 

 

 

 

  CE71年6月10日、地中海東岸部から黒海沿岸部、さらにカスピ海に至る長大なラインを形成しているザフトと地球連合軍の勢力圏がぶつかり合う勢力圏の境目を、満を持して突破した地球連合軍アフリカ反攻軍は、怒涛の勢いでザフト勢力圏に雪崩れ込もうとしていた。

 

  純粋な戦闘部隊だけで数えてもアフリカ反攻軍全体で80万を超え、後方の支援部隊を含めれば150万を軽々と凌駕する巨大な戦力は、複数の軍集団に分かれてザフトの勢力圏に侵攻している。

  東地中海沿岸部を進む軍を西部反攻軍集団、黒海とカスピ海の間から攻め降りる中央反攻軍集団、そして赤道連合との境界にちかい、古くはイランと呼ばれていた一帯を攻める東部反攻軍集団の三つの軍集団に分かれ、それぞれの地にて、かつて「砲兵は戦場の神」というドクトリンを信奉していたソ連地上軍の系譜に連なるに相応しい、重厚なという言葉では言い表せないほどの砲撃と航空機による爆撃をザフトの守備する前面に叩きつけることで、ザフト側の反撃を文字通り蹴散らす腹積もりであった。

  なお、軍集団が複数に分かれているもうひとつの理由としては、防衛側となるザフトの戦力を分散させ、それぞれの戦線における勝率を上げるもくろみがある。

  攻撃する場合は戦力が少なくとも、しかるべき時にしかるべき場所へ必要最低限の戦力をぶつけることで戦場のイニシアチブを奪うことができる。時と場所を選べる攻撃側ならではのメリットである。

  しかし、防衛する場合はしかるべき時しかるべき場所を選択する自由が無い。そのため、防衛側は一定量の戦力を保有し、予想される場所に戦力を配備する必要がある。そして、その戦力を保有していなければ、ほとんどの場合、防衛に失敗する。

  ザフトの有するMS部隊は強力だが、コーディネイターの人口が少ないという制約から全体的な数はどうしても地球連合軍よりも少なくならざるを得ない。そこに、多数に分割された戦力を投入されては、防衛側として配備すべき場所が増大し、結果として各戦線で最低限必要とされる戦力を割り込むことが予想される。そうなれば、たとえ何箇所かで敗北したとしても他の場所の勝利によって結果的に全体としての目標を達成することが可能となる。さらに、戦力の質においても多数のMS部隊を用意していることから、地球連合軍の今度の反攻に対する意気込みがどれほどのものか十二分にうかがえる。

  地球連合軍の反攻戦略は、ナチュラルの持つコーディネイターに対して唯一勝る点、すなわち人口の多さを計算に織り込んだ実にしたたかなものであると言えた。

 

 

 

 

  「・・・各大隊、前進せよ。繰り返す、各大隊前進を開始せよ。」

 

  散布されたNジャマーの影響によるわずかな空電ノイズの後、短距離無線機から連隊長よりの進撃開始の合図が入った。

  彼は腕の時計で現在の時刻を確認する。当初予定よりも若干早い。してみると、ザフトの前線基地の防御力は、先に見たとおりそれほど大したものではなかったのかもしれない。

  そのように考えながら、喉頭式マイクのスイッチを押し、事前に定められた命令を下す。

 

  「戦車隊、前へ!」

 

  彼の命令と同時に、それまで敵襲を警戒しアイドリング状態にあったリニアガンタンクのパワーパックの唸りが一気に勢いを増し、戦闘出力へとメーターの針が跳ね上がる。

  一斉に動き出した鋼鉄の巨獣たちは、幅広いキャタピラからその重量を感じさせない軽やかさで砂煙を上げつつ、黒煙を立ち昇らせるザフト軍前線基地への進撃を開始した。

 

  「優先攻撃目標は、敵MS並びに対戦車砲陣地。各車両、射程内に敵を捕らえ次第、攻撃を開始せよ。」

 

  機甲師団が動き出す際の音は、目に見えない巨大な幻獣が目を覚まし雄叫びを上げているようにも感じる。

  むろん、進撃を開始したのはリニアガンタンク部隊だけではない。歩兵戦闘車を中心に様々な兵科によって形作られた戦闘単位として、相互支援を念頭に置いた陣形で進撃しようとしている。

  戦闘の基本は、様々な兵科が緊密なチームを組んで行動することにあることは、軍人としての常識であった。だが、その常識をMS部隊の単独運用による電撃的な侵攻戦という形で覆したザフトに、旧来の方法で挑むことが果たして正解であるのかは、多大な疑問の残るところではあったのだが。

 

 

  MSによる奇襲攻撃を警戒して、ザフトの前線基地より10km近く離れたところに布陣していた地球連合軍第7装甲師団のリニアガンタンク部隊は、緩やかに起伏する砂漠を、砂塵を巻き上げつつ既に既に7km近くを走破していた。

  彼らが進撃してきた、これまで風紋だけが描かれていた砂漠の上には、数え切れないほど無数の轍の跡が延々と連なっている。

  これだけの距離を進出すれば、当然のことながら、当の昔に敵の有効射程内に入っている。にもかかわらず、いまだ反撃の砲火はなく、赤外線センサーにも警戒レーダーにも如何なる反応もない。集音マイクに入る戦場音楽も、支援砲撃を続ける砲兵部隊の重砲の発射音と砲弾が空気を切り裂く音、そして着弾の際の爆音が大半を占めている。

  だが、その敵の無反応こそがかえってマイヤー少佐の緊張感を高めており、そして、そのことがいざそのときが訪れたときに、いち早い反応を可能とした。

  進行方向にちかちかとオレンジ色の閃光が瞬いた瞬間、間髪いれずに命令が口から飛び出ていたのだ。

 

  「回避!全速!」

 

  その声に瞬時に反応したドライバーがアクセルを床まで一気に踏み込み、後ろから蹴飛ばされたような勢いでリニアガンタンクが加速する。

  一拍の間をおいて、光の矢がそれまで彼らの進んでいた場所を通過する。非常にきわどいといわざるを得ないタイミングだ。

  しかし、全ての車両が彼らのように技量十分な兵士に操られているわけではなかった。中には運良く、弾がもっとも装甲の厚い砲塔前面に命中し、被弾経避に従って弾き飛ばすことに成功した車両もいた。

  しかしながら、運悪く直撃の閃光にまとわりつかれたリニアガンタンクは、火炎を吹き上げ、屈服したように停止し、息絶える。砂丘を乗り越えようとして下腹を覗かせたあるリニアガンタンクは、徹甲弾に直撃されキャタピラが一瞬、砂の中で、宙を舞ったように見えた。次の瞬間、そのリニアガンタンクは、砂丘のふもとに転がり落ちるような格好で動きを止め、沈没しかけた船のように傾いだ姿勢で停止した。

  ザフトの前線基地を囲むように築かれた無数の長短様々な大きさの土塁、その土塁と土塁の合間から次々と攻め手である連合軍機甲部隊におそらくは高初速の砲による砲火が迫ってくる。

  もちろん、撃たれるほうもそのまま黙ってみているわけではない。

 

  「ランサー1より全車、敵発砲炎に向けて反撃!」

 

  味方を失ったことによる怒りに駆られながらも冷静さを失うことなく攻撃を指示する。彼自身が乗車するリニアガンタンクも、ガンナーの優れた腕前を示すように命令に間髪いれず、甲高い音とともに装填していた徹甲弾を放った。

  爆炎により一部において濃さを増した薄闇の中を、音速などを優に上回る速度の何条ものかすかな光の線が伸びていき、そして、火点と思しき場所で上左右に線が折れ曲がった。一瞬の間をおいて、集音マイクに出来の悪い鐘を叩いたような音が入ってくる。

 

  「はじかれただと?MSか!?」

 

  クルトは咄嗟にそうつぶやくが、すぐさま自身で己の考えを否定する。

  敵の火点が地面から近すぎるし、攻撃後、直ぐに移動していないのことも相手がMSでないことを示唆している。伏撃姿勢で攻撃してきたMSという可能性も残っているが、この戦闘状況下でMSの持つ最大の利点である機動性を殺すような戦法をザフトが取るとも思えない。

  クルトが考えた中で一番可能性の高いのは、重装甲を施された装甲車両が壕に入り砲塔のみを出している状態で砲撃を仕掛けてきたというものだが・・・

 

  「だが、ザフトにそれほどの重戦車があったか?」

 

  敵の正体を掴むべく、ひどく乱れた画面が表示される高解像度赤外線画像装置の調整を続けながら考えを進める。

  ザフトが、陸上装備の大半をMS中心で揃えていることは地球連合軍将兵にとって常識の範疇であり、海空で必要に応じてMS以外の兵器を用いているものの、陸上では機甲戦闘に用いるわけではない輸送車両を運用している程度で、MSの母艦としての陸上戦艦を例外とすれば、攻撃ヘリが華を添えるぐらいでしかないと認識している(もっとも戦闘正面でなければ分離式の装甲車を運用している)。そして、それはこれまでのところ間違いではなかった。

 

  だとするならば、先ほど彼らの砲弾をはじいた重装甲の物体は一体何なのか?

  戦車形態に変形したザウートだとしても、本来の戦車でないためよほど深い壕を掘らねばあそこまで車体を隠すことはできないはず。しかも、敵の火点から繰り出される砲火はザウートが肩部に備えるような連装砲ではない・・・

 

  砂上を蛇行しつつ、さらにアクセルを調整することでスピードの緩急をつけながら、探査機器を用いて調査を進めるマイヤー少佐を乗せたリニアガンタンクは進撃を続けている。指揮車の担当を任されるのだから相応の腕の持ち主であろうが、戦場においてここまで見事な機動を見せる装甲車両はそう多くはない。

  実際、彼が何の心配もせずに調査に没頭できるのも何も細かい命令を下さなくとも、阿吽の呼吸でやって欲しいことを実現してくれるドライバーとガンナーがいるからであり、彼にとっては部下でもあり、地獄の戦場を生き抜いてきた同志であり、かけがいのない戦友でもある人物たちであった。

 

  再びリニアガンが戦場に雄叫びを響かせる。

 

  先ほどより300m以上近づいているはずだが、敵に伸びた真紅の光条は再度空に散った。

  まだ駄目か。いまだ敵の正体をつかめないことに焦りを感じつつも、部下たちを信じ、マイヤーは分析を続ける。

  そして、彼の努力が実ったのかあるいは単に距離が近づいたおかげなのか、おそらくは妨害を受けていたセンサーにぼんやりと映っていた画像の輪郭がはっきりとしてくる。

  そして、赤外線画像装置がわずかに粒子が粗いものの鮮明に敵の姿を映し出したとき、マイヤー少佐は思わず絶句した。

 

  モニターに映し出された敵の姿、そこにはごつい角ばった段差のある砲塔と前部側面に装備された4連スモークディスチャージャー、そして何より全長約13mの車体以上の、八角形をした横に太い長大な砲身・・・。

 

  「リニア・・・ガンタンクだと・・・?」

 

  モニターに映ったものその全てが、今相対しつつある敵がリニアガンタンクであることを現していた。

 

 

 

 

 

  クルト・マイヤー少佐が敵の正体に愕然していたちょうど同じとき、地球連合軍によるザフト軍前線基地への被害を出しながらも続く仮借なき攻撃の様子を電子の目でじっと監視している者たちがいた。

  前線基地から南西へ15km以上離れた、あちこちの砂丘の頂上やや下に目立たないように設置された高分解能光学式カメラとサーモセンサー及び高解像度赤外線映像装置を組み合わせた監視ポッドから有線ケーブル伸びている。そのまま砂丘を下っていったケーブルは砂丘の谷間のデザートイエローの砂漠迷彩が施されたステルスシートの元へと続いている。

 

  「先鋒は増強された機甲師団1、機械化歩兵師団2、支援部隊は砲兵旅団1と軍集団直轄の砲兵連隊1といったところね。」

  「かなりの大部隊ですね。」

  「ええ。だけど司令部の当初の予測では少なく見積もっても100万を超える数の地球連合軍が押し寄せてくるとなっていたから、ここにいるのも奴らのごく一部に過ぎないでしょう。」

 

  光量の落とされたモニターを前に、機長を務める年嵩の女性ザフト兵が応える。もっとも年嵩といっても、せいぜい二十台半ばといった地球連合軍であれば若造扱いされる年代であったが。

 

  「でも、意外に役立ってますね、あのブービートラップ。」

  「確かにね。」

 

  そう応える女性兵の見ているモニターでは、地球連合軍が被ったであろう損害が監視ポッドから得られた情報を元に着々と集計されている。

  そして、その損害を地球連合軍に強いているのは、前線基地防衛のために設置されたリサイクル兵器なのである。

 

  先に述べたユーラシア連邦の度重なる敗北、その敗北により多数の遺棄物資がザフトの手に渡ったことは周知の通りである。そしてその中には、損傷し放棄された多数のリニアガンタンクも当然のことながら含まれていた。

 

  ごく一般的な戦場の理として、本国から遠く離れた戦場では、いったん失われた兵器は補充されるまでに時間がかかる。損傷し、その場で役には立たなくなったと判断される兵器は、無理をして全損状態になる前に後方に送り、整備部隊に委ねれば、しばらく後、また前線で使用することが可能となる。

  特にザフト地上軍アフリカ方面軍に所属する整備部隊の技術力は折り紙付きで、自軍のMSのみならず、放棄された地球連合軍の車両まで修理し、自軍で使用可能にしてしまうことを片手間で行えるだけの能力を持っている。

  かつて、北アフリカで行われたドイツとイギリスの戦闘において、地中海の制海権を持たず補給に苦しんだドイツ側が、勝利した戦場でイギリス製の兵器を極力回収、自軍で用いたことから(ロンメル元帥が用いていたマンモスと呼ばれた装甲戦闘指揮車などがその好例)、リサイクル戦争と呼ばれたのと同じようなことが今次大戦のユーラシア・アフリカ戦線において発生していたのである。

  もっとも、回収したリニアガンダンクでは進撃するMSの機動に追随できず、せっかく修理した車両も一部がアフリカ共同体に供与されただけで、残りの車両は次々と広がっていく戦線後方を守るため便宜的に配置されるだけで、とても活躍と呼べるようなものはこれまで一切してきていない、というよりもお茶を濁していたといったほうが的確かもしれない。

  しかしながら、今回の地球連合軍の反攻作戦においてブービートラップ的な役目を仰せつかり、整備部隊による改造が施され最前線へと配置された次第であった。

 

  「それにしても、地上侵攻作戦初期にあれだけ叩き潰したのに、次から次へと、まるでどこぞの害虫のように湧いて出ますねナチュラルたちは。」

  「ナチュラルをアレに例えるのはいくらなんでもアレだと思うけど・・・まあ、ナチュラルの総人口は、私たちコーディネイターの100倍以上だからね。

   開戦初期に宇宙軍が殲滅した艦隊戦力はともかく、地上において叩いた10万や20万程度の戦力は、あいつらからしてみればちょっとした怪我程度でしかないでしょうね。」

 

  あっさりと肯定する機長のザフト兵。その口調にはナチュラルに対して揶揄するようなものが感じられない。

  ブルーコスモスによる深刻な被害にあわずに済み、ナチュラルに深刻な憎悪を抱かずに済んだのか、あるいはナチュラルというひとつのカテゴリーで括ることなく、個人個人で別の存在であることをしっかりと認識するだけの経験を積んできたのか、彼女の持つ雰囲気からするとどうも後者のように思える。

 

  「まあ、ザフトの攻撃による連合軍の人員の被害よりも、地球全土に投下したNジャマーによる影響で発生した凍死者や餓死者の数のほうがよっぽど地球連合にダメージを与えたでしょうしね。」

  「確かにそうかもしれませんね。ナチュラルの政治家連中にしてみれば、戦死者の数よりも使用可能なエネルギーや資源の量のほうがよっぽど大事でしょうし。」

 

  二人が交わす会話は、少し離れた場所で繰り広げられている破壊の宴をまるで無視しているかのように、内容はともかく雰囲気は落ち着いたものだ。その様子は、入隊してわずかしかたっていないであろう年少のザフト兵はともかく、年長のザフト兵が相当の修羅場を潜り抜けてきたことをうかがわせるものがある。

 

  「それにしても、あんたも大人になったよね。」

  「なんです、急に?」

  「いや、ちょっと前のあんただったら、私がザフトの戦果を貶めるような発言をしたら、いきり立って食って掛かってきたでしょうから。」

 

  モニターから目を離さずに、それでいて年少の隊員の様子を目の端で捕らえながらそういう年長のザフト兵の口元が楽しげに緩んでいる。

  一方、思わぬところで話のネタにされたほうは思わずぶすっとした表情にならざるを得ない。

 

  「・・・さすがにあれだけいろいろ諭されれば、いやでも謙虚になりますよ。」

  「世の中の見方にはいろいろあることを理解してくれて私も嬉しいよ、キム・アバ君。」

  「・・・・・そういう言い方、やめて欲しいんですが。」

 

  苦虫をまとめて100匹ほど噛み潰したような表情をする若いザフト兵に、思わずといった風に笑いをこぼす女性のザフト兵。その様に、ますます機嫌を悪くするキムと呼ばれた若者。本当に戦場にいるのかと疑いたくなるような光景である。

 

  ヴァシュタール隊に所属する彼らが会話を交わしているのは、とあるMSのコックピットである。

 

  TMF/TR−2バクゥ戦術偵察タイプ

 

  それが砂漠迷彩が施されたステルスシートの下に隠れているMSの正式名称だ。

  この機体は、陸上での戦域威力偵察を目的としたバクゥの派生機として設計された機体であり、ザフト軍が独自に開発したステルス機構を搭載している。このステルス機構は、原理的にはミラージュ・コロイドと同じものだが、その効果は、レーダーと赤外線のかく乱にとどまっており、GAT−X207ブリッツのように完全に姿を隠す光学迷彩までは備えていない。

  さらに、この機体は頭部のメインセンサーに、超小型光学センサー素子による三次元曲面アレイを装備し、高性能画像解析プロセッサとの併用で、通常タイプをはるかに凌駕する超高解像度画像の記録が可能である。

  さらにその上、Nジャマー影響下でも確実に索敵がおこなえるメタフェーズSQUIDセンサーが搭載された機体も存在する。

  背部には、対空管制用のレドームを装備しており、全身これ偵察用機器の塊といったようにも思われるが、威力偵察を目的としているだけあって武装のほうもかなり充実している。

  先述のレドーム直下には通信システムを兼ねた2連装高出力レーザー砲を備えており、前脚部先端には格闘戦用スパイクが装備されている。また、翼部のハードポイントにはミサイル、機関砲などの火器ポッドをマウントすることが可能であり、標準タイプのバクゥと比較してもそう戦闘能力が劣っているわけではない。

 

  もっとも、彼らの役目はこの機体で戦闘をすることではない。諜報機関より得られた書類上の情報ではなく、実際の戦場を通してのみ表れる様々な情報を収集する、それが、いまここに彼らがいる理由である。

  彼らが可能であれば手に入れたいと思っている、連合軍のMSストライクダガーの砂漠における機動能力や戦闘能力の情報は、残念ながらいまだ手に入っていないが、今回の反攻に動員された、先鋒を任されるだけの力量を持つ精鋭部隊の戦闘能力については着々と情報が集まっている。

  任務の重要性について十分に理解していながらも、不必要に力むことの無駄を知っているがゆえの、彼らのお気楽さなのであるのかもしれない。

 

 

 

  一方ではお気楽さが発揮されていようが、他方では自らの命を掛けたギャンブルが続いている。

 

  クルト・マイヤー少佐が乗車するリニアガンタンクの放った再度の攻撃も、敵リニアガンタンクを撃破するには至らなかった。

 

  「この距離でも撃破できないのか!?」

 

  マイヤー少佐の苦悩の叫びが上がる。

  なまじ、相手が自身が隅々まで知っていると思っているリニアガンタンクであるだけにその焦燥はMSを相手にした時以上のものがある。

  すでにお互いの距離は2000mを割っている。双方に装備されたリニアガンにとっては間違いなく一撃必殺の距離のはずだ。

  にもかかわらず、こちらの攻撃は砲塔前面の装甲にはじかれ、相手の攻撃はこちらの装甲をぶち抜くときている。むろん全ての弾がこちらの装甲を貫いているわけではなく、砲塔前面に当たった弾ははじいている。

  だが、壕にダッグインしている相手に対し、攻撃側のこちらは車体全体をさらしているため、被弾面積の都合上、砲塔より広い面積を有する車体部分に命中した砲弾は、容赦なくこちらを撃破していく。

  だが、いくら砲塔前面の装甲が厚いとはいえ、この距離ならば貫けないまでも装甲に損害を与えるあるいは、当たり所によっては装甲を割るといった被害を与えることが可能なはずなのだ。

 

  ノイズが酷いが、無線を聞く限り彼の率いる大隊だけではなく他の大隊も、壕の中に潜み、土塁に囲まれた敵リニアガンタンクに相当の損害を被っているらしい。彼の大隊も、既に4輌のリニアガンタンクが撃破され、砂上に屍をさらすか、あるいは戦闘不能となっている。それでいて、こちらはまだ1輌も相手を撃破できていない。同じリニアガンタンクとはとても思えない防御力の高さであった。

 

  「ザフトめ、増加装甲で砲塔を強化した上に待ち伏せ専用の車体に仕上げるとはやっかいな真似を。」

 

  限りなく確信に近い推測を呪詛のようにつぶやく。実際のところ、そう考えない限りこれほどの防御力の差はありえない。同性能であれば、攻者3倍の法則を満たし、十分な練度を持つ彼の大隊が後れを取るはずがない。

 

  そして、彼の推測は的を得ていた。一般に優れた戦車の条件とされる、攻撃力、防御力、機動力のバランスをやや攻撃力に比重が寄っていたとはいえ、十分に満たしていたリニアガンタンクを、ザフト地上軍アフリカ方面軍の整備部隊は機動力を落として防御力を劇的に向上させた「侵攻作戦には非常に不向きだが、防御戦闘に用いる限り難攻不落」と評される車両に仕上げ直していたのである。

 

  そんな事実は別として、大隊に同行している弾着観測班経由で届いた直接支援要請により発せられた支援砲撃が、先ほどから、敵の潜む壕の付近に着弾しているが今のところ効果はほとんどない。壕の周りは2m近い土盛りで覆われており、砲撃が敵リニアガンタンクの直上にジャックポットを出さない限り、爆風と破片は全て、その土盛りに受け止められてしまう。

  おそらく、先の航空攻撃の際は迷彩シートの中で身を潜めていたのだろう。そうしていれば、周囲に多数存在するやや嵩の低い楕円形の土塁のひとつとしか見えない。

  進撃を阻害する単なる障害物と思われていた土塁が、本当の罠を隠すカモフラージュとなっていたとは一杯食わされた。

  しかも、航空部隊は味方機甲部隊への誤爆を避けるためにいったん後方に引いている。直ぐの来援は期待薄だろう。しかも、アフリカ反攻軍の攻勢直前に中東一帯に再びNジャマーが大量に散布されたことにより、部隊間の無線連絡が著しく滞り、結果として有線で構成された通信ネットワークに予想以上の負荷が掛かっている。軍集団直属の支援砲撃のような迅速な対応は望むべくもない。

  様々なマイナス要因を瞬時に脳裏に書き連ねたクルトは、苦渋を押し殺した表情でモニターに映し出された敵を睨みつける。

 

  と、電子音と共に後方警戒レーダーが作動した。詳細を表示させるとこちらに接近してくるヘリが複数、モニター上に友軍として表示される。どうやら、他の部隊が業を煮やして支援を要請したのだろう。

 

  MSの登場により、陸戦の王者としての地位を追われたのが戦車であるのならば、陸戦兵器の天敵としての立場を失ったのが攻撃ヘリである。

  MSの持つ運動性能は攻撃ヘリの攻撃を簡単に回避し、MSが装備する豊富な武装は遠距離から容易くヘリを撃墜することを可能とした。

  もちろん、攻撃ヘリ側もそのままの状態に甘んじていたわけではなく、MSを一撃で破壊できる大型のミサイルランチャーを装備することで攻撃力を向上させ、また、ターボファンエンジンを複数搭載することで最高速の著しい向上を図ってきた。

  だが、それでもMS側の優位を崩すことができず、攻撃ヘリの戦闘投入には慎重な判断が必要とされるようになっている。おそらくは、いまだザフトのMSが出てくる様子がないため、投入が許可されたのだろう。

  もっとも、そこまで攻撃ヘリに神経を使うのだったら、MSを相手にしなければならない機甲部隊にもちょっとは気を使って欲しいと思っているマイヤーだった。

 

  マイヤー少佐の思いを他所に、ヘリ部隊はより最適な射界を求めて彼らの頭上を飛び越していく。敵がすっぽりと土塁に囲まれたいる状態ではそれも無理はない。高初速で放たれる徹甲弾ならば、土塁を貫いて内部の相手を撃破することもできるが、ヘリが主戦兵器として搭載する対戦車ミサイルにとっては、土塁はそれなりに防御力を発揮する。

  MSが相手であれば危険すぎてとてもこんな悠長な飛行はできないが、相手とするのが装甲車両ということでかつての陸戦兵器の天敵として振舞えるということかもしれない。

  だが、かつての栄光の時を味わっていられたのは長い時間ではなかった。

  攻め寄せる地球連合軍から見て、一番手前にある土塁の上部が光ったかと思うと、空に向かって白煙が立ち上り、その白煙を引く物体、すなわち対空ミサイルはすぐさま進行方向を変え、ヘリに向かって突進していった。

  後方から迫りくる脅威に、まったく気づいた様子を見せなかったヘリは、数秒後、白煙をはきながら突進してきたミサイルに追突され、巨大な光の玉となって四散した。

 

  「ば、ばかな!?」

 

  敵の正体を知ったときと同じく衝撃を受けるマイヤー少佐だったが、この世から存在を消されたヘリは、クルト・マイヤー少佐が視線で追っていたヘリだけではなかった。

  土塁の隙間に隠れるように潜むリニアガンタンク目指して飛行していた全てのヘリに、土塁上部から次々と発射された対空ミサイルが襲い掛かっていた。

  僚機が爆発四散したことで間一髪、危険を察知した一部を除いて全て機体が煙の跡を残し、不時着するかあるいは四散していた。生き残った機体が慌てたようにザフト軍前線基地から距離をとろうと旋回している。

  そんな中、まったく予期せぬ光景を見せ付けられたマイヤー少佐が、モニターを見詰めたまま低くつぶやく。

 

  「発射機など存在しなかった・・・

   ならば、対空ミサイルを発射する地雷・・・・・だというのか?」

 

 

 

 

 

  「なかなかの命中率といえそうですね。」

  「まあ、奇襲となった今回はね。」

 

  想定どおりの事象を確認したバクゥ偵察タイプにて観察を続けているザフト兵二人は、用いられた兵器の戦果が記録されているのを他所に、それぞれの率直な感想を述べていた。

 

  「やっぱり次からは、こうはうまくいかないと思いますか?」

  「ナチュラルだって学習する頭くらいあるわよ。

   そういう兵器があるとわかっていれば、囮を飛ばすなり、砲撃で事前に怪しい箇所を吹き飛ばすなり、それなりの対策も考えつくものでしょう?」

  「まあ、確かに。」

 

  彼らが話題としている兵器、単純に試作対空地雷と呼ばれているそれは、地球連合軍の機械化歩兵が用いているのと同じ携帯式対空ミサイルを格納する筒と、地面に埋める手間を省くための筒下端の電動ドリル、そして筒の上部に熱感知式のセンサーを備えた使い捨ての兵器だった。

  今回が戦場への初登場となるこの兵器は、ビクトリア基地にグングニールを運んできた輸送部隊が、いっしょに運んできた一連の試作兵器のひとつである。

  そしてこの兵器は、パトリック・ザラの一連の歴史干渉のひとつとして行われた、兵器開発部門への働きかけによって生まれでた兵器ともいえる。

 

  兵器開発部門への働きかけの内容をざっと表すと次のようなものである。

 

 

  「私は、開発部門の人々はもっと前線に近いところに出るべきではなかろうかと考えている。

   開発されたものが想定した通りの使い方をされているか確認することに意義はないだろうか?

   兵士達が、開発されたものを実際に運用しているところを、開発者が開発する側の目で見ることで新たな発見があるのではないだろうか?

   現場にはこれまでも数々の問題が横たわっており、これからも問題は発生しつづける。

   しかしながら、その問題はある意味、新たな開発のための材料や苗床となるべき存在であると私は思っている。

   私は、開発者が象牙の塔に引きこもり、現場が本当に必要としているものと乖離したものを作り出すことを憂いている。

   諸君らが、自らの業務に邁進していることは重々承知しているが、改めて前線に人を送り、現場における更なる改善要求に直接、耳を傾けることを切に願う。」

 

 

  ザラ議長からの働きかけを受けた兵器開発部門の一部では、評議会議員の一人であるユーリ・アマルフィを筆頭にこれを真摯に受け止め、各設計局において自らのこれまでの業務の進め方の検証を行った。

  その結果、これまでも前線から上がってくる戦訓はしっかりと兵器開発の流れの中に反映させており、この点についは問題ないが、他方、どうしても主力兵器たるMSに戦訓適応の重心があつまってしまう傾向にあったと判断したのである。地球連合軍の物量を覆すために開発されたザフトの主力兵器だけに、開発者もまたMS偏向主義に陥りやすいという、コーディネイターであっても人の持つ弊害に捕らわれるというひとつの事例であるといえよう。

 

  さて、先のザラ議長の働きかけは命令ではなく、あくまで開発部門の自主的な行動を期待するものであったが、結果として地上軍の根拠地であるカーペンタリア及びジブラルタルの両基地に、複数の設計局の人間がそれまでにもあった一時的な滞在ではなく、完全に常駐するようになり、より前線の生の声を収集できる態勢を整えることとなった。

 

  試作対空地雷は、その両基地に常駐している設計局の人間が集めた、それまではあまり聞こえていなかった一部現場の声を踏まえて開発したものである。

  ザフトの地上侵攻初期、それまでの無重力下の3次元空間機動から重力下の二次元機動に動きを制約されたMSジンが、多量の戦闘機による地球連合軍制空権下での戦闘において被害を増大させたことは設計局の人間も知っていた。

  そして、設計局はAMF−101ディンをその解決策として提出したのである。

  だが、カーペンタリア及びジブラルタルの両基地における最前線の生の声を聞いているうちに、設計局の人間は、前線においてはディンを投入するほどの事態ではないが敵の制空権を妨害したいといった戦況があることを知ることとなった。

  確かに投入されたディンの戦闘力は強大であり、地球軍の戦闘機相手に制空権の奪取に多大な貢献を成してきたが、必要とされる戦場全てにディンを投入できてきたわけではない。地上戦闘においても、コーディネイターの人口の少なさはザフトの行動を縛る制約となっている。

  そんな制約を打破する一環から、敵の制空権を阻害する方法のひとつとして生み出されたのが、試作対空地雷である。

  人口の制約を打ち破る以上、無人兵器であることは必須条件であり、汎用性を考えるとコストが安く、使い捨てであることが望ましい。

  そして、兵士と会話を続けていた設計局の人間が、恒久的には「味方の制空権奪取」が必要とされるが、一時的に必要とされるのは「敵制空権の妨害」であるという、前線で必要とされるものが微妙に違うことに目をつけることで、話はとんとん拍子に進むこととなった。

  航空戦力でなくとも制空に影響を与えることができるのは旧世紀の幾多の戦争で証明されている。

  従って、攻撃方法としては対空ミサイルが選ばれ、種類はコストを下げるために歩兵が携帯する小型のものを流用することなった。

  さらに敵から見つかりにくくするため、地雷のように地面に埋めることができるようになり、敵を識別する方法として、一般に流通しており、価格も非常に安い熱感知式のセンサーが用いられ、最終的に今の試作対空地雷が生まれた。

  この対空地雷は決して万能兵器というわけではなく、運用にはそれなりの制限がつきまとう。

  しかしながら、無人かつコストが安いという点が評価され、さらに、この一連の流れはザラ議長が強力に推進しているコーディネイターの人的資源の制約を打破する戦力増強プロジェクトの命題とも合致した。その結果、プラント本土での量産化が進められることが決定し、実戦テストを兼ねてアフリカ戦線に量産された一部が投入されたというのが話の結末である。

 

 

 

  もっとも、そんな裏の事情を一介の地球連合軍少佐が知るはずもない。

  彼にわかるのは、攻撃ヘリ部隊が敗退した以上、自らの手で敵防衛線に穴を開けざるを得ないということ、ただそれだけである。

  顔を引き締めたマイヤー少佐は、砲兵部隊へと通信をつないだ。

 

  「ボーラ1、ボーラ1、こちらランサー1。これより敵防衛ラインに突撃をかける。可能な限りの支援を要求する。」

  「こちらボーラ1、了解。敵前面に煙幕弾の展開は必要か?」

  「不要だ。こちらの射界が遮られる。」

  「ランサー1、重砲による支援砲撃を開始した。弾着は20秒後。」

  「ランサー1了解。」

  「幸運を!」

  「ああ、祈っていてくれ。我々には大量にそれが必要になる。」

 

  そういって通信を隊内系に切り替えると、彼は敵防衛線への突進を命じた。

  同時に、彼のリニアガンタンクがそれまで以上の速度で先頭を切って敵陣地への死の競争を開始する。掛け金は自分たちの命。賞品は、敵防衛線の突破。やや分が悪いが勝ち目がないわけではない。

 

  そして、突進を開始した彼らの目標付近に先ほどまでに倍する量の砲弾が降り注いだ。先ほど要求した支援砲撃だ。

  と、着弾とは別の閃光が目標付近に輝く。モニターの中で重砲の直撃を喰らったリニアガンタンクの1輌が、真上から叩き潰されるように爆砕される。当たり所が良かったのか悪かったのか、爆圧により角ばった戦車の砲塔が空高く跳ね上げられ、砂煙とともに地上に落下する。強化された支援砲撃がついに敵リニアガンタンクの直上にジャックポットを出したのだ。

  続けての大当たりをマイヤー少佐は期待したが、残念ながら期待はかなえられなかった。

  それ以降直撃弾は出なかったのである。ユーラシア連邦が緒戦の戦闘で失ったのは戦車兵だけではなく、多数のベテラン砲手もまた失っていたことの影響は大きかった。

  それでも、敵の防衛線の火力がじりじりと低下しているのは間違いない。見たところ、当初100箇所以上で見られた敵の火点は、20近くその数を減らしている。

 

  「第1大隊は、敵陣地を完全に沈黙させろ。全ての火力を粉砕するまで攻撃の手を緩めるな。」

 

  彼の命令に、指揮下の部隊は突進することで応える。パワーパックは持てる限りのエネルギーを振り絞り、ドライバーに供給可能な最大限のスピードを与えた。

  生き残っている敵火点からの攻撃が激しくなり、何両かのリニアガンタンクが直撃を受け炎上する。

  だが、それもわずかな時間の間だけだった。

  ついに、敵との距離は1000mを大きく割り込み、敵リニアガンタンクの姿が照準の枠を大きくはみ出して映し出されている。

 

  「弾種、徹甲!撃て!」

 

  間髪いれず硬質な発射音が室内に響く。次の瞬間。

 

  轟音

 

  モニターの中で、壕の中から攻撃を加えてきていたリニアガンタンクの砲塔が爆発と同時に車体からはずれ、全ての開口部から炎と黒煙が噴き出した。おそらく、主砲弾薬庫に命中して誘爆を引き起こしたのだろう。

 

  「よし!このまま攻撃を続行する!懐に飛び込めばこちらが有利だ!」

  「了解!」

 

  電子機器が発達した時代の戦車による戦闘としては、信じられないほどの近距離戦闘となった砂漠のバトルフィールドが砂塵と共に炎と黒煙を上空にたなびかす。

  指揮車の果敢な突進に彼の率いる大隊も負けじと敵部隊めがけて危険領域に踏み込む。

  津波のごとく押し寄せる地球連合軍機甲部隊。

  そのリニアガンタンク部隊に向けて、同族であるリニアガンタンクが轟然と吼えかける。肉厚の砲身から放たれた弾頭が一瞬の閃光のような白い軌跡を描き、押し寄せる部隊に突き刺さる。

  距離が近づいたことにより、直撃弾は装甲の中でももっとも分厚い砲塔前面の装甲ですら貫通し、砲塔外板の装甲版を引き剥がし、転輪を保護するスカートアーマーを障子紙のように引き裂く。砲弾は誘爆を起こし、狭い空間で発生した爆発は、空間内のもっともやわらかい物体、すなわち戦車兵の身体をずたずたにした。

  正面の装甲にぽっかりと黒洞を穿たれたリニアガンタンクは、派手な爆発音と共に紅蓮の火柱を吹き上げる。もしも、観客がいたとしたら、誰の目にもそのリニアガンタンクが倍の大きさに膨れ上がったように見えただろう。次の瞬間、無数の破片が四方八方に飛び散り、リニアガンタンクの角ばった特徴的なシルエットは、跡形もなく消え失せていた。後には、黒く焼け焦げたシャーシに、ぼろのようなキャタピラがまとわりついているだけだった。

  本来なら敵に向けられるべき砲弾が、誘爆によって自らの内に向けられたとき、如何なる災厄に見舞われる羽目になるかを如実に示す手本であった。

  しかし、地球連合軍はひるんだ様子をすくなくとも表面上は見せなかった。

  砂丘を乗り越え、あるいは迂回しリニアガンタンクは進み続ける。砂塵を舞い上げ、砂礫を踏み砕き、破壊された僚車の散乱した部品を踏み越えながら、唯ひたすら前に進む。

 

 

 

  地球連合軍の覚悟を決めた猛攻に、所詮は無人兵器の集まりでしかない前線基地の防衛網が各所で綻びていく。防御力を強化したことは砲塔の旋回速度の低下を招き、AIに臨機応変さが必要とされる機動戦など不可能なため、固定砲台となって砲戦用ルーチンを単純化することで照準をつけやすくしたことは、逆に被弾しやすいことも意味した。

  それはある種、いまだ無人兵器は戦場において有人兵器にかなわないというひとつの証明でもあった。

 

 

 

  その様子を先ほどから言葉を発することなくじっとモニター越しにみていた女性のザフト兵が、ゆっくりとため息を吐きながら言った

 

  「そろそろ潮時ね。基地はまもなく陥落するわ。」

  「わかりました。監視ポッドを回収します。ケーブルリバース。」

 

  そろそろ彼女がそう言い出すのが分かっていたのか、驚く様子もなく撤退準備を開始するキムと呼ばれるザフト兵。タッチパネル式のモニターにさくさくと命令を打ち込んでいく。

  命令が下されると同時に機体内に低いモーター音が響きだし、砂丘に配置されていた小型監視ポッドが極細の通信ケーブルに引きずられ、砂の上に跡を残しながら戻ってくる。

  やがてモニターに周囲に展開していた全ての監視端末が格納されたグリーンランプが点灯する。

 

  「回収完了。機体出力を通常モードに移行します。」

  「了解。」

 

  ものの数十秒で監視ポッドの回収を終えると、それまで省電力モードで潜伏していたバクゥ戦術偵察タイプがのっそりと砂漠迷彩シートの下から姿を現す。

 

  「さて、撮るものは撮ったし、隊長へ報告するため戻るとしますか。」

  「でも、敵のMS部隊は動きませんでしたから、戦場での機動性能は分からずじまいでしたね。」

  「まあ確かにそうだけど、ね。でも、相手がMS部隊を温存する戦術にでた以上しょうがないわ。それに温存する方針であるといことがわかったこと自体が貴重な情報よ。」

  「そうですね。」

 

  ゆっくりと身を起こしたバクゥは、そのまま南を向き、砂丘の合間を縫うように静かに四足歩行で歩き出す。その様は、遠近感を無視すればまるで本当の猛獣にも思える。

 

  「追撃部隊が追ってくる様子はありませんか?」

  「こうも戦場が荒れている状態じゃ、航空兵力以外に追撃はなさそうね。さっさとここを離れるとしましょう。

  「了解です。」

 

  そんな彼らが操るバクゥは、特に追撃を受けることなく黒煙を高々と吹き上げる前線基地を背後に砂丘地帯を抜け、それまでの比較的ゆっくりとした速度からみるみるうちに巡航速度までスピードを上げる。後に残るのは、機械の四肢によってえぐられた砂漠の穴のみであった。

 

  「それで我々は、いつまで連中に好き勝手させているんでしょうか?反撃はいつ頃に?」

  「それは、持ち帰るデータを見てヴァシュタール隊長が決めるでしょうよ。」

  「できるだけ早いうちだといいですね。」

  「あんたそんなに戦争がしたいのかい?戦争なんて放っておいたって向こうの方からやってくるっていうのに?」

 

  あきれたようにいう女性兵の言葉に思わず言葉を詰まらせる。その様子を見て、くすくすと笑う女性兵。先ほどの会話を繰り返した時のように憮然とするキム。その様子は血が繋がっていないにもかかわらず、まるで本当の姉弟のように思える。これもコーディネイターの同胞意識の強さの現われであろうか。

 

  「まっ、反撃が開始されるのはプラント本土から補給が届いてからでしょうね。

   それまでは防御の構えを崩すことはないと思うよ。」

  「でも、敵の進撃を抑えるための攻撃はありますよね?」

 

  ひとしきり笑った後の女性兵の返事に、憮然としていたキムが顔つきを変えて確認する。

 

  「はいはい。分かりました。それとなく隊長に聞いてみるから、そんな飢えた狼のような表情で私を見ないでちょうだいね。」

  「な、なんてこというんですか!」

 

  一瞬で顔面を赤くすると、抗議の声を上げる。

  だが、女性兵はまるで取り合わない。

  年若いザフト兵の不満を飲み込んだままバクゥ戦術偵察タイプは砂漠を駆け抜けていった。

 

 

 

 

 

  満を持して反攻作戦を実行に移した地球連合軍だったが、緒戦の前線基地攻略において、各所で予想外の損害を被ることとなった。しかも、被った損害に対し、ハード的にはともかく、ザフト側の人的被害は0。その理由は、防衛戦力がすべて無人兵器で構成されていたためである。

  もっとも、もしザフトの誇るMS部隊の反撃にあえば、損害はこの程度ではすまなかったことが事前に予想されていたため、想定外の兵器が投入されたことに若干の混乱をきたしたものの、反攻軍司令部は侵攻計画に変更を加える必要性を認めていなかった。それに、目標とした全ての基地の攻略は成功しており、着実にザフトの勢力圏を侵していることは事実である。敗退を繰り返したきた地球連合軍にとって、そのことは何よりも重要なことであったろう。

 

  こうして、こう着状態に陥っていた今次大戦は、ヘリオポリスの崩壊を嚆矢として再開された動乱の炎が燃え盛る世界へと、新たな薪をくべられたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 あとがき

 

 

 これはSEEDのお話のはずなんですが・・・あれ?

 何はともあれ、ここ数ヶ月、毎月がボーナス支給のような状態にある日々を過ごしております。

 基本給より残業代のほうが多い日々はもう飽きたなあ・・・・・ということで次、いってみよう。

 >文章に凝って読みにくくなってるんですね。

 言われてみれば、確かに凝り過ぎたかも。もうちょっと読み手のことを考えて表現するようにすべえ。

 >・・・つーか「砂の薔薇」かよっ!(爆)

 決して登場させるキャラクターに困って、本棚から選んだ漫画の登場人物を安易に借りたわけではありません。内容的にもぴったりだし、使ってしまえと思ったわけではありません。ええ、ありませんとも(爆)

 >合体するからスーパーロボットなんじゃないっ!
 >カッコいいからスーパーロボットなんだっ!

 感想をくれた大半の人が「ガンダム風スーパーロボットアニメ」に言及されていました。やはり、三つ子の魂百まで。スーパーロボットは日本男児の魂の故郷ということなのだろうか?(核爆)

 

 さて、種運命ですが・・・

 スタッフの皆さん、自分達で作った設定無視してどうする気なんです?としか言いようがなかったり(苦笑)

 リアルさを求めることは諦めましたが、設定まで諦めなきゃならんのか、おい?

 まあそれにしても、ここまでリアルさをコケにすると別の意味で素晴らしいというしかないなあ(笑)

 でも、最近はやたらとサービスカットが多いのは、ひょっとして路線変更の表れかしらと自問自答してみたりする今日この頃(核爆)

 それにしても、ようやく次のガンダムも発表になりましたが一緒に発表されたデストロイガンダムって・・・

 ま、まあ、巨大なガンダムは、サイコガンダムという例もあるわけだし、どのように扱われるかは見るまでのお楽しみとしておきましょう、ええ、そうしましょう。

 

 

 

 

 

感想代理人プロフィール

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代理人の感想

クルト"パンツァー"マイヤーかよっ!(爆)

貴様等ドイツ擲弾兵か武装SSか!

かと思ったら後半は「エリア88」だし。

まぁ本編(種死)でもエリア88パクってたし問題ないっちゃあないですが(爆)。

 

#クルト"パンツァー"マイヤー・・・第二次世界大戦における、ドイツ戦車部隊屈指の名指揮官。仇名の「パンツァー」は戦車の意。

 

>フル装備のジンタイプを

直前までナデシコSSを読んでたせいか、テツジンとかマジンしか思い浮かばないのは困ったもんです(爆)。