<第零話> Stry cat (野良猫)
「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ・・・」
ブロロロロロロロロロ・・・・・・・、
雲一つない、正に快晴とでもいうべき空の下。
良く言えばレトロ、悪く言えばとんでもないボロ車が、そこそこ整備された道を走っていた。
乗っているのは三人、どれも統一性が無い。
「なぁ、スヴェイン」
「あ?どうしたトレイン」
妙な飾りの付いたジャケットを着た、ぼさぼさ頭の青年と、全身真っ白なスーツを着た年輩の男性。
会話には、どこか張り詰めた空気が漂っていた。
「実はな、さっきから言おうと思っていたんだが・・・・・・」
スッと、黒服の男が白服の男を見た。その瞳は光の加減ではなく、金色に輝いている。
白服の男もまた、右眼に海賊のような黒い眼帯を付けていた。
「実はオレ、さっきからは「言っとくが、腹が減ったからって、飯ならねぇぞ」ッて、エ〜〜!!」
その瞬間、黒服の男―――トレイン=ハートネットがこの世が終わったかのような顔をする。ソレと共に、張り詰めていた空気も、一気に霧散した。
「そんなぁ〜〜〜、ストックもねぇのかよ?」
「てめぇがバクバク、バクバク、バカみてぇに食いまくるからだろーが!」
眼帯の男―――スヴェイン=ボルフィードが憤懣足るやとばかりに怒鳴る。
「だって腹へって仕方ねーんだもんよぉ〜」
「だっても、何もあるか!ねぇもんはねぇんだよ、黙って座っとけ!」
「ちぇ〜〜!」
子供のように拗ねるその姿は、なぜかよく似合っていた。
「トレイン、子供みたい」
その後ろの席から、ボソッと妙に平坦な声が鋭い突っ込みと共にトレインの耳を刺す。
「ぐッ、ひ、姫っちにコドモ言われた・・・」
「はっはっはっは、ナイスだイヴもっと言ってやれ」
「トレイン、子供みたい」
金髪の少女―――イヴがスヴェインの言葉どうりに、本を読みながら再びトレインに突っ込む。
ゴトゴトと、まるでコントのように車が揺れる。
七月の空は、何処までも澄んでいた。
「ねぇ、スヴェンあれ」
「お?おいトレイン、次の街が見えてきたぜ」
「あん?」
フロントガラスの向こうに、海に面した街が見えてきていた。
「スヴェン、ここに次の獲物がいるの?」
「あぁ、たぶんな」
「ッていうか、こんな東の果てまできて空振りじゃオレの腹の具合が報われないぜ」
街の入り口には、街に入ってくる旅行客を歓迎する幕が下かっていた。
『 ようこそ! 日向市へ!! 』
あとがき
どうも、はじめまして。国宏ともうします。
ブッチャけて言えば、Benさんのところ、どころかSS自体、初めてだったりします。
じつは、アクションの時ナデや、ナデひな、さらにはケインさん、E.T.さんなどの方々の影響を受けて投稿したしだいです。
ちなみに、この話しは時間軸的に「ナデひな」が進んで、東大に合格した後も管理人やっているという設定です。
素人丸出しな文体かと思いますが、少しずつでも上達していけたらな〜と思っています。
なんか本文短すぎたかな?
乱筆、乱文失礼いたしました。
PS・この話し、何とのクロス=オーバーか分かるかな?