十六夜の零
第二十章 「剣士と道中」
トリステイン魔法学院の近くにある森の中をキュルケが必死の表情で走っていた。
時々脅えたように後ろを振り返りながら森の出口を目指す。
やがて、自分の身を隠せそうな大木を見つけ、思わずその影に身を隠しながら根元に座り込む。
「はぁはぁはぁ・・・」
荒い息を吐きながら胸元から取り出した杖を右手に構える。
耳に痛いほどの静けさに満ちた空間に、自分の荒い息だけが響き渡る。
「撒けた?」
キュルケがそう小さく呟いた瞬間、休んでいるキュルケに向けて風の刃が襲い掛かる。
自分に近づく風斬り音と、魔力の塊を感知したキュルケはその場に転がって放たれた一撃を回避した。
「――――――っ!! ひつこい!!」
今度は上空から襲い掛かってくる風の刃を、ファイヤーボールで撃墜する。
精神力の消費量を考えれば、とても釣り合わない勘定だが玉の肌に傷が付くより余程良い。
しかし、改めて追っ手が自分の動きを完全に捕らえている事を思い知らされ、心の負担が更に増加する。
せめて仕掛けられた場所が障害物の多い森ではなく、大きく視界の開けた草原ならば相手の姿を確認して戦いに持ち込めたのに。
「そんな事を言っても後の祭りね、悔しいけれどあの二人の連携は脅威だわ」
行く手を塞ぐように地面から突き出された土の槍を避ける為に、森に入ったその時は間違った判断とは思っていなかった。
しかし、改めて考えてみればまだ草原で2対1で対決をしていた方が、勝つ勝率は高かっただろう。
まあ、今更全ては後の祭りなんだけどね!!
垣間見える森の出口に向けて最後のスパートをかける。
精神力は目減りをしているけど、正面きっての戦いならまだ勝率は――――――
「・・・へ?」
前後左右、上空にまで気を張っていた私は次の瞬間、自分の足元が脆く崩れ去る音を聞いた。
「ふむ、予定通りだね。
やるな、我が友よ」
「まあ風の魔法を使った情報収集と遠隔攻撃は、最近の最重要課題だったからな。
ターゲットを一定の地点に追い込む、良い勉強になったよ」
「僕も京也から言われていた、地形を支配した戦法っていうのが少し身についたよ。
土のメイジにとって少ない力で相手に勝てるこの戦法はかなり有益だね。
うん、やっぱり実戦は得る物が多いよ」
「いや、まったくだ」
落とし穴の上で暢気な会話をしている追跡者達を、思わず涙目になりながら見上げて文句を叫ぶ。
「ちょっと、ギーシュ、マリコルヌ!!
女性一人を相手に男性二人掛りってどういうつもりよ!!」
「正面からいったら直ぐに黒焦げにされちゃうだろうが」
森の中で気配を殺し、風の魔法により完全に情報戦を征したマリコルヌがそう言って肩をすくめる。
「冷静にキュルケと僕達の実力差を考えた上での対応だよ。
愛しいモンモランシーの頼みごとだからね、万が一の失敗も許されない」
キュルケを森に誘導し、森から出てくるまでに使い魔と自分の魔法で落とし穴のトラップを作成したギーシュがマリコルヌの言葉に頷いていた。
このまま二人の油断を突いてレビテーションで落とし穴を抜け出し、ありったけのファイヤーボールを撃ち込んでやる・・・とキュルケが心に誓った時にその声は聞こえた。
「そういう事よキュルケ」
最後に平坦な女性の声が聞こえた時、キュルケの頬が引き攣った。
「あ、あのねモンモランシー」
「あら言い訳は学園で聞くわよ。
――――――生徒会専用の取調べ室でね」
「何でそんな部屋があるのよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
キュルケがそんな魂の叫びを上げている時、アルビオンの浮遊大陸を旅する京也も魂の叫びを上げていた。
「何であんなチンピラに喧嘩を売るんですか、若旦那!!」
「ええい、僕のルイズとタバサに声を掛けた奴等が悪い!!」
「あああああ、駄目だこの人・・・
しかも、何気にタバサも狙ってるのか?」
商店の若旦那に付き従う使用人。
今の立場に則った芝居をしつつも、京也は悲嘆に暮れていた。
当初は順調だったニューカッスルへの旅も、最近の反乱により乱れた治安から生まれた盗賊達により阻まれてしまった。
勿論、優秀な風の魔法使いが二名に気配を読める京也が居るこのパーティが、盗賊ごときに不意打ちをくらうなど有り得ない。
その上、上空ではシルフィードとヴァーユが見張りをしているのだ。
では、何が原因かというと商店の若旦那役のワルドに問題があった。
無用な争いを避けるため、大規模小規模にかかわらず盗賊や傭兵と思われる集団からは身を隠して旅をしていた、しかし普通に街道を歩いているチンピラまでは特に避ける必要はないと判断したのが運の尽きだった。
「おうおう、嬢ちゃん達なかなか可愛いじゃねぇ・・・ぶべら!!」
「ルイズを見るな、タバサに寄るな、二人に話しかけるなこのチンピラがぁぁぁ!!」
レイピアの替わりにもなる杖を振るい、一瞬でルイズ達に近寄ってきたチンピラを問答無用で葬り去るワルド。
不穏な気配を感じてワルドを止めに入ろうとした京也も間に合わない早業だった。
「ちょっ、ワルド・・・お兄様?」
「忘れろ!! その記憶から麗しいルイズと可憐なタバサの姿を消せ!!
そして汚らわしいその眼と口を僕自ら削ぎ落としてやる!!」
ワルドの暴走を止めようとしてルイズが発した『お兄様』発言により、更に凶暴に凶悪に暴走を始めるワルド。
「・・・てい」
最早言葉は不要だった。
京也が音も無くワルドの背後に回りこみ、阿修羅をその後頭部に振り下ろすまで、その凶宴は続いたのだった。
後に残されたのは恐怖に失禁をして、母親らしき名前を叫びながら号泣するチンピラだけだった。
そして、何処にでもある事だがその後、自失状態のチンピラの友人が二人現れ、その次に四人のチンピラが現れ、あれよあれよと言う間に現在は三十名近くのチンピラに一行は追われていた。
――――――正に自業自得の結果である。
「京也、そろそろアルトが限界っぽい」
ワルドの背中に背負われているルイズが、隣を走る京也にそう言って注意をしてきた。
勿論、京也も自分の直ぐ後ろを走っているアルトの状態を息遣いから気付いていたが、根を上げずに必死に付いて来るアルトの心情を酌んで黙っていたのだ。
「ま、まだ大丈夫です!! 走れます!!」
振り返った京也の視線を受けた時、アルトは赤い顔で息切れをしながら強がりを叫んだ。
「タバサ、この周辺に大きな町とか有るかな?」
「・・・ううん、見当たらない」
京也が自分が背負っているタバサに、シルフィードを通して見ている周囲の情報について質問するが残念な結果が返ってきた。
「町が近ければ警備兵とかに対応を依頼するんだけどなぁ」
「ははは、何ここは僕に任せておきたまえ!!
まとめてゴミ掃除をしてやろう!!」
京也が落ち込む隣で、ワルドがその足を止めて杖を構えて呪文を唱えだす。
『閃光』の二つ名を持つ彼にしては、いやに長々と唱えている呪文に京也は嫌な予感が増すばかりだ。
『・・・相棒、ワルドの奴とんでもない呪文を唱えてるぜ』
「・・・どんな呪文だ?」
京也の質問に答えたのは背負われたタバサだった。
「カッタートルネード。
竜巻と一緒に複数のカマイタチが対象者を切り刻む。
風のスクウェアメイジのみが使える奥義」
「ダメダメだ」
朗々と呪文を唱えるワルドに近寄り、今度は後頭部に拳を振り下ろす。
トリステイン魔法学院で猛威を振るった拳はここでも威力を発揮し、ワルドの呪文の詠唱を見事にキャンセルさせた。
「――――――っ!! 使用人が主人に拳を振るうとは何事だ!!」
「はいはい、若旦那様は危ないから下がってて下さいねぇ
貴族様じゃないんだから魔法なんて使えないでしょう?」
元々、目立たずに街道を行くための偽装だった。
それをスクウェアクラスの大魔法で怪我人を大量生産して、注目を浴びてどうするというのか。
笑顔のまま視線でそう語る京也に、ワルドは大人しく首を上下に振って後方に下がった。
京也は背負っていたタバサを降ろすと、ワルド達の事を視線で頼み阿修羅を片手にチンピラの集団へと飛び込んだ。
その日の夕方、近くの宿屋で京也達は疲れを癒していた。
「あー、疲れた」
一番活躍をしていた京也は、流石に疲れたとばかりに肩を叩きながら椅子に座って部屋の中を見回していた。
勿論、個人別に部屋を取る余裕など無いので、五人全員が泊まれる大部屋をとっていた。
ルイズやワルドは最初は嫌がっていたが、笑顔で説得すると今では諦めたのか文句も言わずに、それぞれのやり方で旅の疲れを癒していた。
『でもよ相棒、あのチンピラ達で最後だと思うか?』
「さあなぁ、かと言って皆殺しにするわけにもいかんだろ」
事の元凶に眼を向けてみると、物凄く良い笑顔でルイズとタバサに話しかけていた。
どうやら食事が終わったら、一緒に町に散歩に行こうと提案をしているらしい。
色々と吹っ切れたワルドが一番手が掛かる事に気が付き、京也とデルフの間で深い溜息が吐かれる。
そろそろ晩御飯の時間なので全員に声を掛けようとした時、部屋のドアがノックされた。
ルイズ達に動かないように視線で指示を出した後、京也が代表して誰何の声を上げる。
「はい、何でしょうか?」
「宿の使用人なんですが、お連れの方から手紙を預かってきました」
「手紙・・・ですか?」
思い当たる節は無かったが、とりあえず扉の前の使用人に害意は無さそうなので京也は扉を開き、使用人から渡された手紙を不思議そうに受け取った。
そして宛先も差出人の名前も書かれていない事を確認した後、京也はその手紙の封を破り中に入っていた紙切れに眼を通した。
「誰からなの?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・さっきのチンピラ達からだよ」
憮然とした表情を作りながら京也は受け取った手紙をルイズに手渡す。
その内容を確認したルイズも、困ったような表情を浮かべていた。
「何が書いてあるんだ?」
「アルトが浚われた」
ワルドからの問い掛けに、京也は簡潔にそう答えたのだった。
アルトは自分が足手まといである事に気付いていた。
先程の逃走劇でも、結局自分の息が上がってしまったために、京也が戦わざるを得ない事態になった事が分かっていた。
原因を作ったのはワルドかもしれないが、現状で一番使えない存在が自分だと思い知ったのだ。
貴族であるルイズやタバサは、その存在自体がある意味切り札に近い。
ましてやワルドや京也には複数の兵士を相手にしても、圧倒するだけの実力が備わっている。
自分が力の無い平民の子供である事は良く分かっている。
かと言って、何も出来ないとは思いたくない。
宿屋に着いた後、京也は暗に気にするなと言ってくれたが、それが悔しくて一人で宿を飛び出して人気の少ない広場で木刀を振っていた。
嫌な事や胸にモヤモヤとした想いが溜まった時、木刀を振り続けていればそのモヤモヤが消えていく。
その感覚が忘れられないアルトは、半ば自主的に木刀の素振りを暇があれば行っていた。
そして、木刀を振りながら今日、最後に見た京也の戦闘を思い出す。
どうやったのかまるで分からないけれど、まるで人形を相手にしているかのように、次々と三十人もの不良を息一つ乱さずに倒していた。
自分も何時かはあんな男になるんだ、と心に決めつつ一心に木刀を振るアルトは背後に迫っている複数の人間の気配など気付く余裕は無かった。
宿屋に残された四人の意見は見事にバラバラだった。
「元々、この一行の頭数に入っていない人間だ。
しかも平民の為に僕達が危険を冒す必要は無い。
何よりも優先されるべきは、妃殿下からの任務であるべきだ」
ワルドは自分の仕出かした事を棚に上げて、そう主張をした。
「それなら私も立場は一緒。
でも、私はアルトを助けたい。
この一行の実力なら、決して難しい事じゃない」
同じく頭数に入っていなかったタバサが、ワルドの意見に真っ向から反対をした。
出会ってから今までの間、何かと自分に懐いていたアルトに一番情を感じているのはタバサだった。
「・・・相手が幾ら素人の集団でも、数を揃えられたら脅威じゃないの?
こっちはなるべく魔法を使わないようにしないといけないし。
何より罠とかがあると思うと、簡単に誘いには乗れないわ」
ルイズは二人の意見にそれぞれ頷く部分があるが、どちらにも決断が出来ずに悩んでいた。
相手のチンピラには変に知恵がまわる者がいるのか、アルトの監禁先などは一切手紙には書かず、後で身代金を受け取りに行くので代表者を決めておけ、としか書かれていなかったのだ。
三人がそれぞれの意見を出し合っている間、京也は何やらアルトが持っていた鞄を色々と弄りまわしていた。
「・・・何しているのよ京也?」
その姿が眼に入ったので、ルイズが不思議そうに訊ねる。
京也の気性からいって、真っ先にアルトを助け出すために動き出すと思っていたからだ。
「んー、アルトの居場所を突き止めようかなぁ、と思ってね。
お、栗毛発見!!」
嬉しそうにアルトの鞄から短い栗毛を掴み出す。
仲間内に栗毛の人間はいないので、間違いなくそれはアルトの髪の毛だろう。
「・・・アルトの鞄なんだから髪の毛くらい入ってるだろう。
で、髪の毛をどうするんだい?」
タバサとの口論に疲れを見せていたワルドも、京也の動きに気が付いてそう訊ねてきた。
「こうする」
ワルドからの質問に簡単に応えつつ、京也は阿修羅を取り出し無造作に宿屋の床に突き込んだ。
音も立てずに木刀の半ばまでを床に沈めたその腕に、今更ながら京也の凄さを一同は感じていた。
―――――――しかし、本当の驚きは阿修羅が床から抜かれた後に襲い掛かった。
「うっし、十六夜念法『影矢』見事に成功」
少々疲れた顔でそう呟く京也の足元には、阿修羅の形をした影が残されていたのだ。
「つまり、『影矢』とは擬似生命体を念法で生み出し、探したい人物の身体の一部を取り込む事で探索を可能にする技という事か」
「理解が早いなぁ、ワルドさんは」
ワルドの理解力に関心しながら、京也は目の前の廃屋を油断無く見張っていた。
アルトの髪の毛を取り込んだ『影矢』が導いた先が、この廃屋だったのだ。
実際に気配を確認した所、確かに複数の人間と覚えのある人物の気配を感じる事が出来た。
「ルイズにはタバサが着いてるけど、早目に片付けるかな。
突入時にサポートをお願いしますね、ワルドさん」
「早期解決については同感だ。
サポートは任せておきたまえ。
宿屋に残してきた妹達を、何時までも不安に晒すのは忍びないからな」
『・・・芝居と現実を混同してねぇか?』
「・・・もう、突っ込むのにも疲れたよ俺は」
握り拳を作り力説をするワルドを残して、京也は廃屋に向かって走っていった。
その後姿を見送りながら、ワルドの眼に冷静な色が宿る。
「擬似生命体だと?
探索対象の一部を取り込み、自己判断で居場所に導く?
・・・命令で動くゴーレムとは桁が違う事を、自分がやっていると分かっているのか十六夜 京也よ」
京也の襲撃をサポートする為に、特大のエアハンマーを廃屋の上空に作りながらワルドはそう呟いていた。
その日、町の外れに建っているチンピラ達の根城としている廃屋が壊滅した。
「で、アルトはどうしたの?」
部屋に運んでもらった夕食を食べながら、ここに居ないアルトの行方についてルイズが訊ねる。
「随分と落ち込んでたからな、宿の中庭で素振りでもしてるみたいだな。
あの位置ならこの部屋に居ても異変があれば察知できるし。
後で様子を見に行って、適当に止めておくよ。
まあ、自己嫌悪が元だからな、自分で乗り越えるしかないだろうな」
ルイズの問い掛けに応えながら、京也は塩味しかしないスープを飲み干す。
別に味に五月蝿いつもりはないのだが、マルトーの賄い飯に慣れた身にこのスープは正直堪えた。
「・・・タバサって何時もハシバミ草ばかり食べてるわね?」
「食べてみる?」
「一度味わったら十分よ、その味は」
自分に差し出されたハシバミ草のサラダを丁寧に断りつつ、ルイズは引き攣った笑顔でタバサの好意に謝辞を述べていた。
「そう言えばワルド様は?」
「チンピラ退治に賞金が出たらしくて、この町の町長に呼ばれて出て行った。
まあ、深夜までには帰って来るんじゃないかな?」
「ふーん。
ま、ワルド様の腕前なら一人で夜道を歩いていても大丈夫よね」
虚ろな目をしているこの町の町長の隣には、顔をフードで覆った女性が楽しそうに椅子に座って自分を待っていた。
何度も面識のある女性だが、未だに名前すら知らない。
もっとも、その身から醸し出している退廃的な雰囲気を受けると、そんな質問をする気にもなれないのが事実なのだが。
「どうやら上手く十六夜 京也を誘導できたみたいね。
それにしても十六夜念法『影矢』、随分と興味深い能力だわ。
この調子で彼の能力をもっと引き出して下さいね、ワルド様」
「・・・わざわざアルトを浚う必要はあったのか?」
「あら、天涯孤独の孤児に情でも湧いたのですか?
確かに道中でも襲えば結果は一緒だったでしょうけど、『影矢』は見れなかったでしょう」
心底可笑しそうに笑う目の前の女性に、余計な情報を与えるのは危険だと本能が告げる。
「そんな事は無いが・・・
今回の猿芝居のせいで、僕はルイズにただの我侭な貴族の坊ちゃんとしか印象を与えていないんだぞ?」
「別に良いじゃないんですか?
元々、自分がこの先高みに昇る為の『道具』なんですし。
最終的にはワルド様しか頼る人間が居ないと分かれば、後は幾らでも懐きますわ」
「確かにそうだが・・・」
「十六夜 京也に『ガンダールブ』のルーンが現れた以上、間違いなくルイズは虚無の担い手でしょう。
貴方はそのルイズを手に入れて、自分の目的を叶えるのでしょう?」
「ああ、その通りだ。
・・・宿で待っているルイズが怪しむ前に帰らせてもらうぞ」
「ええ、お疲れ様です」
身体に纏わりつくような闇を振り払い、村長の部屋から抜け出す。
ランプに照らされた部屋に戻った瞬間、無意識のうちに握り締めていた拳をやっと解放する。
この任務に着くと同時に命じられたレコン・キスタからの指令。
それは十六夜 京也の能力を引き出し調査する事。
最初は貴族に対するにはあまりに侮辱的な内容に反発をしたが、ルイズが虚無の担い手である事と、十六夜 京也が伝説の使い魔である事を聞かされて興味が沸いた。
実際、付き合えば付き合うほどに京也の能力には驚かされる。
その能力が『ガンダールブ』という伝説の使い魔の力なのか、それとも京也本人の力なのかまだ証拠は握っていない・・・もっとも本人曰く、全ては自分の実力らしいが。
「・・・帰るか」
帰る先にあの仲間達が居る。
常に孤独だった自分の心を、何故か波立たせる仲間達が。
あとがき
代理人退院おめでとー
無理をせずに療養してくださいね。