< 時の流れに >
「彼には責任を取ってもらいます!!」
「・・・ど、どうして、僕にそんな宣言をするのかな。」
私の宣誓に、苦笑をしながら目の前の男はそう答えた。
「女性陣は当の本人を連れて、展望室に篭城中ですし。
提督と思われる人物に相談すると、彼の行動の責任は貴方が取ると言われたからです!!」
「・・・提督って、シュン提督かい?」
「そう名乗られていましたね!!」
私は、後に大男を引き連れていた男性の事を思い出していました。
彼には歴戦の戦士の貫禄を感じましたが・・・
「元気なのは良い事だが・・・船内の破壊は勘弁してくれないかな?」
私達が展望室の壁を爆破しようとしている所に、彼等は現れたのです。
「なら篭城をしている女性陣を説得してください!!」
「それも無理だろうな、完全に通信を絶たれてるからな。
プロスとゴートは女性陣の八つ当たりで、未だ自室で唸ってるし・・・
そうだな、もう一人、この手の話の決定権を握ってる奴がいるぞ?」
「誰ですかそれは?」
と、先程の会話を目の前の男性―――アカツキさんに、私は話しました。
「や、やってくれるね〜、シュン提督も・・・
最後の尻拭いは、事の張本人の僕に振るわけかい?
そこまで優秀じゃなくてもいいのにね。」
最後の台詞は、聞き取り難かったですが。
どうやらこのアカツキさんに、あのテンカワ アキトの責任追及が出来る事は確実みたいですね。
しかし、あの北斗殿や枝織様とどうやって親密な仲になったのですか?
恐るべし、テンカワ アキト!!
流石、特記事項に『極度の女好き』と記載される事はありますね!!
「それでは、どうやって責任をとってもらいましょうか?」
「あ、あのね〜、これは当の本人同士の問題だと思うんだけど。
・・・それ以前に、あのテンカワ君に女性と宜しくする度胸は無いと思うよ?」
「ふん、男性は皆そう言い逃れをするんですね!!」
私の脳裏に一瞬、爽やかに笑う九十九様の顔が・・・
な、何を考えているのでしょうか私は!!
「はぁ・・・まあ落ち着いて話そうよ。
艦長達も、多分何も無かったと信じてるよ。
まあ、現在テンカワ君にしているお仕置きは、彼女達なりの一種のスキンシップだね。
―――テンカワ君はああ見えても、容易には自分の心を他人に見せない。
それが解っているから、枝織ちゃんや北斗との間に何も無かった事を信じているんだ。」
一瞬―――アカツキさんの顔に、苦笑とは違う痛々しい表情が浮かびました。
「でも、それは彼女達の話であって――――」
「じゃあ君は、北斗や枝織ちゃんが信じられないのかい?
敵との間に芽生える恋―――耳には聞こえが良いけどね。
でも、あの二人が自分の立場を忘れる様な人間かな?
少なくともテンカワ君は、自分の立場を忘れる事は無いと思うよ。」
それは北斗殿の場合であって、枝織様にそんな高度な判断が出来るとは思えません!!
もっとも、北斗殿と枝織様の関係を、敵に詳しく説明するつもりはありませんが。
「まあ、百歩譲って―――彼が枝織様に手を出さなかったとしましょう。
ですが、年頃の女性を連れてあんな場所に入る、その無神経さが許せません!!」
「・・・記録映像を見る限り、連れ込まれたのはテンカワ君のほうみたいだったけど?」
私の剣幕に怯みながらも、笑いながらそう反論をするアカツキさん。
「彼の実力なら、枝織様の手を振り切って逃げ切れた筈です!!」
あの枝織様との鬼ゴッコをやり遂げた人物です。
それはつまり、枝織様から逃げ切る事も可能という事でしょう!!
「それが出来ないのが、テンカワ君だよ。
僕は枝織ちゃんをその場に残して、一人で帰って来るテンカワ君なんて想像も出来ないね。」
「・・・どう言う意味ですか?」
私が睨みつけると・・・アカツキさんは自分の指先で、目の前のソファーを指差します。
どうやら、私に座れと言ってるのでしょうか?
―――まあ、長話になりそうなのでここは大人しく従いましょう。
ボスッ・・・
私がソファーに座ったのを確認すると、アカツキさんは話を再開しました。
「知らない街に置き去りに去れれば、誰でも不安になるもんだよ。
ましてや、枝織ちゃんは極度の方向音痴らしいからね。
身の危険は無いと判断しても、心の問題は別でしょ?」
「でも、それは本人が勝手に飛び出した為です!!
枝織様が大人しくこのナデシコに乗っていれば、こんな大事になりませんでした!!」
「あ〜、もう・・・頭の硬い人だな〜
そんな態度で何時も枝織ちゃんに接していたら、そりゃあ逃げたくもなるって。」
自分の頭をかきながら、溜息と共に失礼な事を告げるアカツキさんだった。
私達の事情も知らないくせに、何て軽はずみな事を言ってくれるのでしょうか!!
「枝織様と北斗殿の立場を考えれば、自重を促すのは当然です!!」
「・・・10歳前後だったかな、枝織ちゃんの精神年齢ってさ。」
私の怒鳴り声を―――静かだが力強い言葉が遮った。
「それは――――」
「構って欲しい年頃だよね、普通なら。
自分を取り巻く環境にも、自然と気が付く様になるさ。
でも、周りの皆は戦争戦争戦争・・・二言目には戦争、だ。
親は例の男らしいからね、まともなスキンシップなんて出来るとは思えないし。
結構―――寂しい思いをしてたんじゃないのかい?」
・・・それは、舞歌様や零夜が側にいるから大丈夫。
―――本当に、そうだろうか?
私達は常に自分の責務に追われていた。
それは零夜も同じだろう。
それに舞歌様は、私達以上に多忙を極める身の上・・・
私達以外に、誰が枝織様や北斗殿に近づけるのだろう?
そんな人物は―――――存在する訳が無い。
「真紅の羅刹」とは、それ程に畏怖と恐怖の対象なのだから。
「知っていると思うけど・・・ナデシコにもね、7歳の子供が二人と12歳の少女が一人居る。
ネルガルの行なった、悪行の集大成とも言える子供達がね。
本来ならば、僕がその尻拭いをする立場なのさ。
それを肩代わりしてくれているのが、テンカワ君。
本当なら僕は彼に文句を言える立場じゃ無い、だけど彼は親友として僕に接してくれる。
自分自身、何時も何かに悩んでいるくせにね?
僕の事まで気遣うんだよ・・・そんな彼だからこそ、枝織ちゃんの甘えを断るとは思えない。」
「・・・」
何故だか―――そこまで信頼をされている、テンカワ アキトに嫉妬を感じた。
私が見た事のある彼の姿は、女性陣に逆らえず唯々諾々と従う場面と。
北斗殿との戦闘に没頭する、戦士の顔だけです。
その二つの場面だけを見て、彼を信頼しろと言う方が・・・無理です。
「千沙君は悲しい時や、辛い時に、誰かに慰めて欲しいと思わない?」
「それは、まあ・・・」
「けど、誰にも頼れない立場の人間はどうしたらいいんだろうね?」
「!!」
頼れない立場・・・それは、あの二人の事を意味しているとしか思えなかった。
「ちょっと前まで、僕もそんな立場を経験してたんだよね。
今では、何故あんなに肩肘張って、意地になっていたんだろう?―――って思うけどさ。
要するに、ケチなプライドにしがみ付いてただけだったんだよ。
でも、何時でもその立場から逃げられる僕と、あの二人の立場は価値が違いすぎる。
誰にも理解出来ないんだよ、あの二人の孤独と寂しさなんてさ。」
何の表情も見せず、私にそう話し掛けるアカツキさん。
自分の力の無さを、嘲るように聞えたのは私の気のせいでしょうか?
「あの二人にしか、理解出来ない事がある、と?」
「ま、そう感じただけ。
僕の直感に近いけどね。」
最後におどけた顔を見せて、手元の珈琲を飲むアカツキさん。
どうもこの人は、ふざけた態度で私の質問をはぐらかす。
・・・答えを知っているのに、婉曲に私を試しているみたいね。
「なら、今回のナデシコクルーの行動は―――テンカワさんと枝織様を慰める為?」
「ああ、それは全然違うよ。
あれは思いっきり、僕の悪戯からおこった結果だよ。
だって、そうだろう?
あれだけの美人・美少女に想いを寄せられても、本人は全然動こうとしないんだからさ。
僕達としては・・・」
ガスッ!!
取り敢えず・・・朗らかに笑う顔に正拳の一撃を叩き込みます。
「・・・痛いじゃないか。」
「話の内容が無茶苦茶です!!」
どうもこのアカツキさんと話していると、自分のペースが乱れますね!!
ここは、私も反撃をしないと駄目です!!
何時までもからかわれるのは、性に合いません!!
丁度お互いに機動部隊のリーダーでもある訳ですし・・・
「そこまで御立派な考えをお持ちなら―――
別の話になりますが、付き合って頂きましょうか。
お互い、戦闘リーダーという責任ある立場でもあるわけですしね。」
「・・・本気?」
私は凄みのある笑みで、引き攣った顔をしたアカツキさんに返事を返した。
「お〜い、シュンさんよ〜
艦長は何処に行ったんだ?
もう発進の準備は終ってるぜ?」
「ああ、それならもうちょっと待機をしていてくれ、ウリバタケ君。」
「もうちょっと、って・・・どれ位だよ?」
「まあ、後2時間位かな?」
「・・・馬鹿らしい、俺は控え室で寝てるぞ!!
出発の合図が出たら、誰か起こしてくれ!!」
「はい!!」 × 整備班
「さて、ディア君にでも伝言を頼むか。」
「2時間で準備が整いますかね?」
「その時は、カズシ・・・お前が展望室に特攻な。」
「何故ですか!!」
・・・まあ、色々と騒ぎがあったらしいが。
取り敢えず、ナデシコは無事に地球から抜け出した。
俺はずっと蚊帳の外だったけどな。
まあ、お陰で身体の方は順調に回復したが。
「何をブツブツ言ってると?」
「ああ、何だか俺の居ない所で話が勝手に進んでるみたいだからさ。」
ナデシコ食堂で、食後の珈琲を飲みながら三姫ちゃんにそう呟く。
しかし、三姫ちゃんがまさかあの娘だったとはね〜
医療室で聞かされた話に、俺は本当に驚いた。
あの時――――俺が優人部隊として選抜され、遺伝子改造の処置を受けると決まった時。
俺は三姫ちゃんと出会っていたのだ。
俺の中では7年前の出来事であり、彼女にとっては2年前に交わした大切な約束。
その約束を忘れていた、俺も俺だが・・・
そんな俺に、涙を流しながら責める三姫ちゃんに何が言えるだろうか?
俺みたいな奴を慕い、優華部隊に入り、遺伝子改造の処置まで受けた彼女に・・・
「もう直ぐ、私達も出発する時間だな。」
「ああ、そうだな―――って、全員にその事は伝えてあるのか?」
「千沙が全員に知らせたと言ってた。」
・・・その千沙ちゃんが、アカツキに口論を仕掛けているのを先程一緒に見ただろうが。
まあ、近頃落ち込み気味だった彼女だったが、これで少しは明るくなるかな?
――――アカツキと千沙ちゃん?
・・・まさか、な。
俺は自分の怖い考えを否定した。
何だか、ろくでもない展開になりそうだ。
少し離れたテーブルでは、ヤマダが万葉ちゃんを相手に何か熱弁を振るってるし。
「しかし、あの万葉が男性と一緒に食事をしてる姿が見れるとは・・・
世の中、何が起こるか解らんばい。」
多分、後から俺達を睨んでいるウリバタケの旦那もそう思ってるよ。
そう、俺と三姫ちゃんの噂は、見事にナデシコ中にひろまっていた。
・・・もう、逃げる事は不可能かもしれない。
犯人は、確実に「電子の妖精」と呼ばれる二人の人物だろう。
だって、わざわざ俺のお見舞いに来て―――「婚約おめでとう御座います。」
・・・何て言うし。
正に電撃婚約だね、俺の承諾も無しだし。
でも今更婚約破棄をしたら、木星にも地球にも俺の居場所は無くなるだろうな・・・確実に。
お陰でウリバタケさん達の視線が痛いよ。
「百華は・・・京子が見張ってるから、帰る寸前に部屋から連れ出すとして。
問題は北斗殿よね。」
「まだ目が醒めないんだってな?」
俺もあの北斗殿が、重症を負うとは信じられなかった。
それも、テンカワとの組み合わせでだ。
「飛厘が言うには、怪我自体は大分治ってるらしいから。
何時気が付いてもおかしくない状況だそうよ。」
「ふ〜ん・・・直接本人から、テンカワとの関係を聞きたかったんだけどな。」
「そう!! それは私も興味があるわ!!」
そう言って、好奇心で目を輝かせる三姫ちゃん。
・・・どうも、素直になった三姫ちゃんに戸惑うね。
まあ、こちらのほうが地らしいけど。
そこまで無理をして、自分を誤魔化すなんてさ・・・でも、その原因も俺だったな。
「さて、そろそろ脱走の準備にかかろうか?」
掛け時計を見て、予定の時間が近い事を俺は知った。
「・・・時間が迫ってるね、もう直ぐ舞歌様の寄越した救助部隊とのランデブーポイント、か。」
少し名残惜しそうに、ナデシコ食堂を見回す三姫ちゃん。
まあ、戦艦とは思えない居心地だからな―――ナデシコと言う船は。
俺も平和な時間をもう少し、三姫ちゃんと共有したかったけどさ。
やらなければいけない事が、まだまだ残っているからな。
「そう言うこと―――さてさて、誰から回収をしようかな?」
万葉ちゃん・・・まだ、ヤマダとお話中――まあ、後で連絡すれば直ぐ来るだろう。
百華ちゃん・・・早めに解放すると、後の処理が大変だろう。
京子ちゃん・・・百華ちゃんに、もれなく着いてくる。
千沙ちゃん・・・面白そうだから、アカツキにもう少し頑張って貰おう。
零夜ちゃん・・・医療室で北斗殿を看病中。
飛厘ちゃん・・・同上
三姫ちゃん・・・俺の側を――――離れない。
「・・・北斗殿を運ぶか。」
「了解。」
そして、俺達はナデシコ食堂を後にした。
・・・また、二人でこの食堂に来たいものだな。
「ナオさま〜〜〜〜〜〜〜!!」
「・・・気絶させてもいいから、手早く運んじゃって京子。」
「はいはい・・・てい。」
「はうっ!!」
バタッ・・・
「続きは・・・戦場で、ですね。」
「ああ、そうなるね。
まあ、お互い出会わない事を祈りたいけど・・・無理だろうね〜」
「北斗殿がいますからね。」
・・・何だか、随分打ち解けているわね、千沙?
何かあったのかしら?
「飛厘ちゃん、北斗殿の容体は?」
「落ち着いてるわ、今は本当に眠ってるだけの状態ね。
それに零夜が隣に着いてるしね。」
私に北斗殿の容体を聞いてきた高杉殿に、現状の説明をする。
その高杉殿の後ろには、付かず離れず三姫の姿が見える。
どうやら、自分に素直になったみたいね。
・・・でも、また三姫を泣かせたりしたら、高杉殿には地獄を教えてあげないと駄目ね。
「万葉も―――もう乗り込んでるし。
百華は意識が無いけど、シートに縛り付けてるからOK。
京子も乗り込んだし、後は千沙だけね。」
「じゃあ、俺はコクピットに行ってる。」
「了解です。
準備が整ったら、合図を送るわ。」
私の返事を背中に受けて、高杉殿は連絡船のコクピットに入っていった。
さてさて、千沙の方はどうなったのかな?
――――そこでは、私の予想以上にシリアスな展開になっていた。
「じゃ、これ餞別だから。」
と、軽く言って千沙に筒の様な物を渡すアカツキさん。
「これは――――って!! まさか!!」
「御明察、携帯型DFSだよ。
テストタイプだけど、動作の保証はするよ。
それと予備のパックもね。
何しろ、ネルガルの新商品だよ〜
あ、それと変な小細工等は仕掛けてないから。」
何を考えてるの、この男は!!
こんな―――秘密兵器に近い品物を、私達に渡すなんて!!
私がそう思ったのだ、勿論千沙も疑いの眼差しをアカツキさんに注いでいる。
「何を・・・企んでいるんですか?」
「別に〜、どうせ僕達には使えない武器だし。
それなら、使いこなせる人物に贈った方が建設的でしょ?」
「またそうやって、話をはぐらかすんですね!!」
・・・どうも、この二人の関係が理解出来ないわ、私。
すると、アカツキさんは指を三本立てて千沙の目の前に突き出した。
それだけで、気勢を削がれた千沙が黙り込む。
むう、何だか軽くあしらわれているわね、千沙・・・
負けちゃ駄目よ!!
「一つ、これは保険だよ。
今回の北斗とテンカワ君を襲撃してきた敵が相手だと、はっきり言って僕達じゃお手上げだ。
その武器があれば、北斗なら互角以上の戦いが出来るはずだよ。」
「それは、そうだけど・・・」
指を一つ折り曲げ、さらに言い募るアカツキさん。
侮っていたつもりは無いけど・・・自分の力不足を、認めるだけの度量はあるわけね。
「二つ、北斗の存在がテンカワ君の安全を保証する鍵でもあるんだ。
それは、テンカワ君の存在が北斗の安全を担っているのと、同じ意味だけどね。
どちらかの存在が消えれば、残りの片方は上層部に謀殺される可能性が高まる。
今は、お互いに生き残る事を考えないとね。」
「・・・」
千沙が黙り込んでしまった様に、私も無言だった。
同情ではなく、冷静な判断の基でこの武器を北斗殿に託すとは。
そして最後の指を千沙に向けて、アカツキさんは一言。
「最後に、テンカワ君の頼みでもあるんだな、これが。
まあ、僕としては女性に贈るプレゼントとしては、色気が無いと思うけど〜
あ、なんなら今度僕が千沙君に何かプレゼントの見本を―――――」
ボグゥッ!!
「・・・見事なハイキックね。」
「・・・少しでも感動した私が馬鹿だったわ。」
顔に痣をつけて、地面に倒れているアカツキさんを残して。
千沙は連絡船に乗り込んだ。
―――――道化役が上手いわね。
苦笑をしながら起き上がるアカツキさんを、最後に一瞥して私は千沙の後に続く。
見送りは、アカツキさんただ一人だけ。
それはそうだろう、この連絡船がナデシコから飛び立てばお互いに敵になる。
立場上、私達は密航者なのだから。
そう思い、連絡船への最後の一歩を踏みとどまり―――アカツキさんに質問をする。
「ねえ、アカツキさんは――――千沙の事をどう思ってるの?」
「・・・さあ? 何しろ僕は口が達者な、女好きだからね?
千沙ちゃんみたいな美人には弱いんだよね〜」
それでも、一瞬だけ見せた動揺を私は見逃さなかったわよ?
これは、今後の戦闘がお互いに大変ね。
「じゃあ、千沙にはそう伝えておくわ・・・運が良ければ、また二人でお茶でも飲めるかもね?」
「それは――――じゃ、宜しく。」
最後だけは、真面目な顔で私に頼み、そのまま背を向けるアカツキさん。
彼もまた、戦う男という事か。
本当、面白くて手強い相手ばかりね―――ナデシコクルーって。
そして、連絡船は私達を乗せて宇宙に飛び立った。
それが短い日数だったけど、とてつもなく長く感じた―――舞歌様からのミッションが終った瞬間だった。
本当―――色々と複雑よね。