―――京都市某所

 

 

 

 

   ドガァァァァ!!

 

 

 某マンションの一室のドアが蹴破られる。

 

 

「あの糞野郎を探せ!!

 いいか、戸棚から畳みの裏まで、確実に調べるんだ!!」

 

「はい!!」

 

 黒服にサングラスをした長身の男が、手には拳銃を構えながら突入し。

 その後には、これまた黒服に身を包んだ人物達が続く。

 

 

 

 そして、執拗までの捜索が始まった。

 

 

 

 

 ――――――二時間後

 

 

 

「・・・・くそったれ、流石にもう此処にはいねぇか。

 何か手がかりはあったか?」

 

 リビングにある椅子に座り込み、忌々しげにそう尋ねるサングラス男。

 

「寝室の押入れに、首だけの女「それは忘れろ」

 

 少年の報告を、最後まで言わせずに止める。

 そして汗も掻いていないのに、額を拭く真似をする。

 

「いいか、工作員H君。

 世の中には知らなくていい事も沢山あるんだ」

 

「・・・はぁ」

 

「他に何か手掛かりは?」

 

「本棚にある本の間に、手紙を見付けました〜」

 

「でかしたぞ、艦・・・じゃなくて工作員Y!」

 

 周囲を探っていた工作員達も、その手紙を見ようと集まる。

 全員の視線が集中するなか、サングラス男がその手紙を広げる。

 そこに書かれていたメッセージは・・・

 

 

 

 

 

 

『ドナドナ』

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・意味分からん」

 

 今度は本当に額に汗を浮かばせるサングラス男だった。

 

「あ、まだ何か下に書いてますよ」

 

「何!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『他人の手紙を勝手に読むのは犯罪です』

 

 

 

 

 

 

 

 

「テメーが今更一般常識を述べるな〜〜〜〜〜〜〜!!」

 

 怒りに身を任せ、手紙を散り散りにするサングラス男。

 興奮しすぎたのか、肩で息をしている。

 

「工作員Rともう一人のR!!

 こうなったら端末を調べるんだ!!」

 

「「らじゃ!!」」

 

 サングラス男の命令に従い、炬燵の上に置かれていたPCを立ち上げる二人の少女。

 立ち上がったPCの内部を、一通り調べるが特に彼等が求める手掛かりは無いらしい。

 

「よし、次はメールだ」(※注 それは犯罪です)

 

「「らじゃ!!」

 

 その道徳性を疑うような命令に、躊躇う事無く従う少女達。

 ・・・育ての親の顔が見てみたいものだ。

 

「代理人からのメールが着てます!!」

 

「内容は?」

 

 

 

 

 

『往生せいや。

 ・・・じゃなかった、養生せいや』

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・どんな関係だ、あの二人」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・さあ?」

 

 少女の一人と一緒に、首を捻るサングラス男。

 

「あ、皐○さんからのメールだ」

 

「・・・・・内容は?」

 

 

 

 

 

『お土産はデザートイーグルな』

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 × 3

 

 

 

 取りあえず、見なかった事にしてPCを終了させる3人だった。

 

 

 

「でもね、メールの内容を考えると。

 犯人はどこかに逃げたみたいだね?」

 

 工作員Yの推理に、サングラス男は頷く。

 

「らしいな、こうなったら草の根分けても探し出してやる!!」

 

 

 そして、新たなる決意と共に、彼等は外に飛び出していった。

 部屋を散らかしたまま・・・(だから、犯罪だってば)

 

 

 

 

 

 

 ちなみに、サングラス男が破いた手紙には秘密があった。

 あぶり出しにすると、文字が出てくるのだ。

 

 以下はその内容である。 

 

 

 

 

 

 

『旅に出ます、探さないで下さい。

 一週間ほどして、ほとぼりが冷めたら帰ります。

 ですのでメールの返事が遅れます。

 ついでに言えば、次の更新は4月24日の予定です。

 では、さよなら〜』

 

 

 

 

 

 

 

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