<スレイヤーズ西遊記> 第三話 坊主、和尚と妖怪の三巴になる(前編) 第一章.不良娘のご趣味 「邪魔だって言ってんのよ!! この馬鹿者共が〜〜!!」 リナの気合一閃。 周りの大地ごと男達が吹き飛ぶ。 「・・・なあリナ。 あれはいろんな意味で不味いだろ?」 ガウリイのきわめて正常な意見に・・・ 「悪人に人権は無いのよ!!」 理不尽な答えが帰ってくる。 そして二人と一頭の見守るなか・・・盗賊達は森の向こうに消えていった。 「・・・俺達に関わったのが不幸なのか。」 そしてリナを盗み見して続ける。 「それともリナと関わったのが間違いなのか。」 ガウリイが乗っている白馬が、帽子を載せた頭をしきりに振る。 そのガウリイの言葉に同意を示しているようだ。(・・・お前も結構良い根性してるよ。) 結果は・・・皆さんご想像の通りだったりする。 「なあリナ・・・もうちょっと手加減して攻撃できないのか? 幾らなんでも会う悪者全員皆殺しはいかんぞ。」 ちょっぴり焦げながらガウリイが切り出す。 ちなみにザン馬(リナが命名)は未だ炭化状態から復帰していない。 ・・・丈夫だなおい、ガウリイ。 「俺は鍛えてあるからな、それにこの袈裟の力もあるしな。」 「・・・誰と喋ってるのよガウリイ?」 「・・・頭の中に近頃頻繁に電波が届くんだよ。」 「電波って何?」 「さあ?」 「「・・・」」 黙り込むなよ頼むから・・・話しが進まんだろうが。(・・・俺のせいか。) 「取り敢えずリナ!! 無闇な殺生はいかんぞ!! せいぜい半殺しか死ぬ一歩手前で止めておくんだ。いいな?」 「・・・それって、いっそ御陀仏になったほうが苦しまなくていいんじゃないの。」 リナの珍しくまともな意見も・・・ 「それじゃあ自分の罪を実感できんだろうが。 せいぜい悪党らしく、余生をのたうちまわってもらわんといかん。」 ・・・お前坊主だよなガウリイ。 更正の道とかは無いのか? 「うちの宗派に更正と言う言葉は無かったな。 あったのは一罰百戒とか仏罰覿面とか・・・etc 位かな。」 明るく笑いながらリナの意見を否定するガウリイ。 「・・・ちなみにガウリイの宗派って何を拝んでるの。」 「おう!! 確か観音菩薩様だった・・・あのフィリアか。 これは・・・俺は出家する宗派を間違えたかもしれんな・・・」 お互いに渋い顔で見詰め合うガウリイとリナ・・・ まあ今更宗派を変えれんわな(笑) 「解ったわ・・・あたしもさすがにフィリアみたいになりたく無いもの。」 「理解してくれて嬉しいよリナ・・・だけど俺は自分が救われないと気付いちまった・・・」 ガウリイ、君の行く道は遠く険しい!! それはもう大〜〜変〜〜なのだ!! まあ頑張れよ、暖かい目で見守っていてやるからさ。(見守るだけな(笑)) 第二章.坊主 Vs ザン馬 「ふう・・・日も暮れて来たし。 今日はここらで野宿をするかな。」 ガウリイがザン馬から降りながらリナに話し掛ける。 「あたし野宿は嫌。」 「・・・嫌ってお前・・・ じゃあどうするんだ?」 辺りはそろそろ闇に覆われてきています。 「ちょっと辺りを探してくるわ。 少なくとも屋根のある所で寝たいの、あたしは。」 そう言い残して空に飛びあがるリナ。 「・・・まあリナも女の子だもんな。 俺も出来れば屋根のある所で寝たいしな。」 ・・・しかしザン馬は不思議に思った。 (あのリナが野宿位で参るか!! 溶岩流に落ちようが氷付けになろうが、平気な顔で出てくるって。 ・・・それだけガウリイを心配してるのか? あの斉天大聖が!!) かなりの畏怖を込めた目でガウリイを見るザン馬。 「ん? 何だザン馬その不安そうな目は。 心配するなよ俺は坊主だぜ、幾ら腹が減ったからって肉は食わんよ。」 (・・・前言撤回、こいつはただの馬鹿で。 リナはただ単に宿で寝たいだけだ。) 「・・・しかし、出家してから肉なんて食べてないもんな。 それに腹がへって来たな・・・美味そうだよなお前って。」 ズザザザザザッ!! 思わず馬体をガウリイから遠ざけるザン馬!!(そらそうだ・・・) その目には、お前坊主だろう!! と言う言葉が宿っていた!! しかし、この坊主にはその視線は届かなかったのだ(笑) 「馬の肉って確か桜肉って言ってさ・・・ 結構美味いんだよな。」 ちなみにガウリイ、一応竜だぞザン馬は。 まあ竜肉をどう言うのかは知らんがな・・・ お前思いっきり三大欲求に忠実だろガウリイ(笑) よく今まで坊主やってこれたな。 「俺は出家してまだ半年だ。」 ・・・フィリア・・・あんたって一体・・・ そして、一人と一頭の戦いが始まる・・・ 歩み寄るガウリイ・・・その目には食欲の炎が・・・(坊主〜〜〜〜(汗)) その分後退をするザン馬・・・その目には食われて堪るか!! の意思の炎が・・・ お互いが牽制しあいながら円の動きをする。 そして・・・お互いの緊張が最高潮に達した時!! 「ガウリイ〜〜〜、立派なお寺を見付けたわよ。 今日はあそこで泊めて貰いましょうよ。」 かろうじてザン馬の命運は延びたのだった・・・ ・・・まあ、この先幾らでもチャンスはある。 と、ガウリイが思ったかどうかは不明だが・・・ 第三章.坊主 Vs 和尚 その寺の名前は「観音禅院」というものでした。 「・・・「観音禅院」。 観音菩薩・・・つまりフィリアを奉った寺て事だよな。」 「・・・ガウリイの親戚筋よね言ってみれば。」 「・・・まあな。」 心底嫌そうな顔で呟くガウリイ。 まあ正体を知ったら信者も減るわな・・・あれじゃ。(一部じゃ増えそうだが(笑)) それでも屋根のある寺には変わりがないので、その寺に足を向けるガウリイ達。 そして寺の門を叩き泊めて欲しいとの意思を伝えます。 「いいでしょう、同じ観音菩薩様を奉る者です。 どうぞお入り下さい。」 「では、お言葉に甘えさせてもらいます。」 「晩御飯も出るのかな?」 「ひひひひ〜〜〜ん」(お前は何も言うなザン馬、ややこしくなるから(鬼)) そしてお寺の和尚と会談をするガウリイ。 「始めまして旅のお方、自分はこの寺の束ねる和尚ですじゃ。」 「どうもガウリイと言います。 今日は一夜の宿を貸して頂き有難うございます。」 「しかし・・・見た目も美しいお人だが、その袈裟もまた見事ですな。」 この時リナは和尚に不穏な空気を感じたらしい。 そして、それをガウリイに伝え様としたが・・・ 「・・・はあ、まあ一応天上界産ですからコレ。」 一足遅くあっけらかんに真実を話すガウリイ。 しかし・・・全然ありがたみを感じて無いなコイツ(笑) 普通の一般人には手が届かない品だぞ、それ。 「何と!! 天上界の品とな!! 儂は今年で二百七十才になるが、そんな立派な袈裟は始めて見ますじゃ!!」 「・・・マジ(汗)」 まあ現代でも二百七十才なんていなにもんな(笑) さすが古代中国!! 一般人も並外れてタフだぜ!!(これは俺の偏見か(笑)) どちらかと言うと和尚の年齢にビビるガウリイだった。 でもガウリイ、リナの実年齢なんて・・・(ガスッ!!!) 「お願いですじゃ!! 是非その袈裟を儂に今夜貸して下され!! 死ぬ前に一度は天上界の品を、じっくり見て見たいのですじゃ!!」 「ま、まあいいですけど・・・気を付けて下さいね。 ・・・これを運んだのは観音菩・・・気性の荒い仏でしたから。 無くしたりしたら仏罰位じゃ済みませんよ。」 「・・・ガウリイ、注意の仕方が足りないわ(コソコソ)」 「・・・でもなリナ、自分達が拝んでいる者の正体がアレなんて。 いちいち教えてやるのも残酷だぞ(コソコソ)」 「何を相談されているんですじゃ?」 「ははは!! いえ別にそんな大した事じゃないですよ(汗) ではこの袈裟は今晩お貸します、明日の出立の時にお返し下さい。 それでは・・・」 ・・・そう言って気軽に袈裟を手渡すガウリイ。(やっとナレーター復活!!) ガウリイ・・・その袈裟一応国宝級だぞ・・・もっと丁寧に扱えよ。 「おお!! 有難うございます!! それではまた明日にはお返します!! これ、誰かおらぬか? ガウリイ殿を寝所へ案内して差し上げなさい。」 そしてガウリイ達は寝所へと案内されていった。 ・・・ちなみにリナの希望でガウリイとリナは別の部屋(爆笑) 「リナ〜一緒に寝ようぜ〜、大丈夫だって俺って坊主だからさ〜〜」 ガウリイのラブコールに・・・ 「こんな軽い坊主の言葉が信用できるか!!」 リナが顔を赤くしながら絶叫する・・・(年の割に本当に初心だな(笑)) 「・・・今度年齢について一言でも喋ったら・・・殺すわよ。」(・・・はい) その時ザン馬は・・・ 馬小屋で草を食べながらリナの絶叫に頷いていた。(・・・すっかり馬だなザン馬(笑)) そして和尚サイド・・・ 「う〜む見れば見るほど見事な袈裟じゃ・・・ どうすればあの若造から、この袈裟を取り上げられるのかの〜」 すでに取り上げる算段かい!!(良心とかは無いのか和尚?) しかしこの和尚も只者ではない、ガウリイの隠された実力と。(・・・どんな実力だ?) リナの放つ一種暴力的な量の神気を感知していたのだ。(おお!! やるな和尚!!) ・・・しかしザン馬は アウト オブ 眼中!! (・・・一応竜だぞアレ) その時・・・一人の弟子が進言をしてきました。 「和尚様、それならば今夜中にあの坊主が寝ている寝所を、焼き払いましょう。 ・・・犯人はあのリナと言う女性のせいにすれば完璧です。」 「しかし、そう上手く行くかのう? どうゆう理由であの女性が坊主を殺すのじゃ。」 「それは和尚、所詮あの二人は男と女・・・もうアレやコレで、ああなってですな・・・」 凄く俗っぽい坊主だなお前・・・(この世界の坊主って皆こうなのか?) 「・・・なるほど完璧な筋書きじゃ!! さっそく作戦実行じゃ!! いけ戦闘坊主共!!」 「イ〜〜〜〜〜〜ッ!!!」×50人の戦闘坊主 ・・・お前等悪の秘密組織か? 何と言うか・・・さすがフィリアを奉るだけあるよな。 類は友を呼ぶ・・・か、本当格言だよなこれって。(しみじみ・・・) ほんでもってリナサイド・・・ 「ん? 何だか不穏な空気を感じるわね・・・」 そして外を覗うと。 「・・・何アレ?」 沢山の坊主達が顔に黒マスクをし。 「イ〜〜〜〜ッ!!!」と叫びながら薪をリナ達の寝所に積み上げていました。 「あのマスクに一体どんな意味が? それ以前に・・・あたし達を焼き殺す気ね!!」 そしてリナの目が剣呑な光を放ち出します。 「誰に喧嘩を売ったか思い知らせていあげるわ!! 後悔しても遅いわよ狸和尚!!」 ・・・まあ、余りやり過ぎるなよリナ。 一応フィリアの勢力範囲なんだからな。 止めても聞かないと思うけどな・・・ 「そうね・・・ただ懲らしめるだけじゃ面白くないわね。 一つ趣向を凝らしてみようかしら。」 楽しそうにそう呟くと、リナは寝所を離れ何処かへ飛んで行ってしまいました。 ・・・ガウリイ位起こしてやれよリナ。 まあお気の毒様だな和尚&坊主共・・・ そしてリナの反撃が始まる。
第三話 END
第四話に続く
後書きっす!!
・・・何だかガウリイがますます暴走してるな(笑)
このままじゃリナが目立たないよ。
まあ次の話しでは活躍するけどね。
毎週のアップってのも結構きついな・・・
まあ今更変更って言うのも男らしくないしな。
次週も頑張ってアップします。
出来ればこの話しの感想を掲示板なりメールなりで頂ければ幸いです。
それではまた次週・・・