<スレイヤーズ西遊記>





第三十七話 



ガウリイの過去 その1


あらすじ


 いや〜、とうとうこの話しに入りましたか。
 
(・・・前回のあらすじはどうなったんです?)

 今更、昔の話しを思い出す必要なんてないっすよ!!

(でも今回のタイトルから考えると、過去の話しでしょ?)

 ・・・

(あらすじ。)

 御免、前の話しをよく覚えてないんだわ、俺(汗)

(・・・使えない男ですね(怒))

 そ、そこまで言う?

(ええ、言いますとも!!
 ・・・それじゃ今回の話しのプロローグでもして下さい。)

 御免、昨日飲んで帰ったかさ、らまだ台本読んでないんだわ。
 わはっはははははははは!!

(仕事・・・侮ってるでしょう?)

 ・・・ごめんちょ。

(まあ、反省はこの連載の中でする事ですね。
 リナさんの八つ当りの役とか(ニヤリ))

 ちょ、ちょっと待て!! それは洒落になってないぞ!!

(では、私は後書きに消えます・・・)

 お〜〜〜〜〜い!!
 ・・・逃げられたか。
 仕方が無い始めるか。
 それではスレイヤーズ西遊記 第三十七話 今から始まります!!

「・・・(コソコソ)」
「何、怯えてるのかなガウリイ?(ニッコリ)」
「リ、リナさんが恐いですぅ〜〜〜(汗)」
「まあ、今度ばかりはガウリイも無傷と言う訳にはいかんな(ニヤリ)」
「キキキ!!」(だんだん俺の体積が少なくなるのは気のせいか?)






第一章.村


 晴天晴れの街道を、気持ち良さそうに四人の旅人が歩いている。
 彼等の顔には微笑みが見られ。
 何やら楽しそうに歓談をしている。

 今の季節は初春・・・
 旅をするには快適な季節だった。

 ・・・その上空をムササビが飛んでいるのが、不思議と言えば不思議だが。
 まあ彼の事は頭から追い出しておこう!!(笑)

 暫くすると、彼等の目の前に小さな村が見えて来る。
 そして、後2時間もすれば夕暮れが迫って来る。
 今日はあの村で彼等は休むのであろう。

 だが。

「・・・なあ、あの村に寄るのか?」

「そうよ、他に村なんて見当たらないじゃない。
 何、変な事言ってるのよガウリイ?」

 長身の男性が隣を歩く女性(・・・少女か?)に何やら話し掛けている。
 どうやら、彼はこの村に寄りたく無いようだ。

 男性は長い金髪と整った顔立ちで。
 何故か僧侶の着る袈裟を身に纏っている。
 少女は栗毛色の長い髪を持っており。
 その手には長い棒を持っていた。

「ガウリイさん・・・今朝から何だか落ち着きが無いですね?」

「何時もの事だろ?」

 白いフードを深く被り、目元だけを出している男性に。
 隣を歩く黒い短い髪を持つ少女が、そう問いかけている。
 彼と彼女は前方を歩く二人組みの知り合いらしい。

「キキキッ!!」

 上空を飛んでいた白い体毛を持つムササビが(・・・何故か帽子を被っている)
 その白いフードの男性の肩に停まり。

「キキ!!」

 甲高い声で鳴き、男に何かを伝え様とする。

「ん? またつまらない事を考えているんだろう、って言うのかザザビ。
 ・・・まあ、俺もその考えに賛成だな。」

「何だかガウリイさんがちょっと気の毒ですぅ。」

 彼は肩に停まったムササビと話しが出来るらしい。
 ・・・変ったムササビがいたものだ。
 いや、そのムササビの言葉が解る人物の方が変っているのか。


 そして、この賑やかな一行は村に入る・・・

 そこは小さな村だが活気があった。
 時刻はもう直ぐ夕飯時になる。
 そこかしこの家の窓からは、食欲をそそる匂いが漂っていた。
 

「う〜ん、早く今日の宿を決めて御飯にしましょ!!」

「そうですね!! 良い匂いがしてますしね!!
 あ、私はあの揚げ団子が食べたいですぅ!!」

「おいおい、気が早いな・・・まったく。」

「・・・」

 二人の少女が楽しそうに喋り。
 それを白いフードを被った男が、苦笑をしながら見ている。
 そして、もう一人の長身の男性は・・・

「ねえ、ガウリイ・・・どうしてフードなんかしてるのよ?」

「・・・それは秘密だ、リナ。」

 栗毛の少女・・・リナの問いにくぐもった声で返答する男性。

「声音まで替えて・・・怪しいですぅ。」

「何か疚しい事でもあるのか?」

 その男性・・・ガウリイの怪しい言動に、黒髪の少女と白いフードの男性が更に問い詰める。

「・・・」

 しかし、ガウリイは無言のままだった。

「まったく、どうせまた詰らない事考えてるんでしょ?
 ほっとけばいいわよゼル、アメリア。」

「は〜い。」

「まあ、俺に迷惑はかけないでくれよ。」

 その場はリナの言葉を聞いて引き下がる、アメリアとゼル。
 
「キキキ!!」

 例のムササビが一声鳴くと、ガウリイのフードを被った頭に停る。
 そして、まるで親友に挨拶するかの様にその小さな手でガウリイの頭を叩く。

「ああ、何でもないんだよザザビ。」

「キキッ!!」

 ガウリイが小声でザザビに話しかけ・・・
 それを理解したのか、ザザビはまた甲高い声で一声鳴いた。




 そして彼等は、夕暮れ時の喧騒に消えていったのだった。






第二章.英雄


 こじんまりとした村の中程に建つ宿屋に、彼等の姿はあった。
 今はどうやら、その宿屋の食堂で食事に専念している様だ。

 
 カチャ!! カチャ!!

 
 数々の料理が並ぶテーブル。
 そのテーブル端の方では、小皿に盛られたクルミを食べるザザビの姿があった。

 そして突然、食事をしていた手を止めてリナが発言する。

「・・・ガウリイ、食事の時くらいそのフードを外しなさいよ。
 逆に目立ってるわよ。」

「ゼルも同じ格好じゃないか。」

 そう、ガウリイは食事の時もあのフードを被っていた。
 どうやら人前に顔を出したく無いらしい。

 しかし、その隣で食事をするゼルの格好との相乗効果により。
 余計に目立っていた。

「俺は何時もこの格好だろうが。
 それよりも、ガウリイが何故顔を隠そうとするのかが不思議なんだがな。」

 落ち着いた声でガウリイの発言に反論するゼル。

「そうですよ、何だか話す言葉も少ないですし。
 ・・・もしかして、この村に誰か知り合いでもおられるんですか?」

 出来れば会いたく無い様な・・・

 言外にそんな含みを持たせた発言をするアメリア。
 それを聞いて余計な突っ込みを入れるゼル。

「・・・女、か(ボソ)」


 ガタッ!!


 そのゼルの発言を聞いて、突然席を立つリナ。
 その勢いに驚いて、テーブルの上のザザビが顔をリナに向ける。

「ほ〜う、詳しい話しを聞きたいわね〜、ガ・ウ・リ・イ(は〜と)」

「・・・」

 しかし、ガウリイの視線はリナを見てはいなかった。
 その視線は食堂の壁の一方を睨んでいる。

 そこには一枚の絵があった。

 ガウリイの視線に気が付き、自分もその絵を見詰めるリナ。
 その絵は戦場で勝利の雄叫びを上げる、一人の武将の姿を描いたものだった。

 そしてその絵の武将は・・・

「おお、その絵に興味があるのかなお嬢さん?」

「え? あ、あはははは、ちょっと気になっちゃって。」

 結構な年の宿屋の主人が、人の良さそうな表情でリナに話しかけ。
 それをリナが愛想笑いで応えていた。

「この絵の戦士はなこの国の英雄なんじゃよ。
 何処から来たのかすら解からなければ、気が付くと何処かに消えていたんじゃ。
 ただ、この国が隣国攻め込まれた時に、滅らされなかったのはこの人のおかげじゃ。
 まさに救国の英雄なんじゃよ」

 自慢そうにそう語る御主人にリナ達は返事が出来なかった。
 その絵の主人公は余りに彼等の知る人物と似ていた。

「この絵はな、この国の女王が突然に消えた彼を偲んで宮廷の画家に描かせた物の写しじゃ。
 何でも彼と女王は結構深い仲だったらしいからな。
 ・・・それだけに、彼の消えた後の女王の落胆は酷かったらしいて。」

 庶民にも好かれている女王なのだろう。
 宿屋の主人の顔は本当に心配そうだった。

「あの戦争から3年・・・女王の心の傷は癒えたのじゃろうか。」

 黙り込む主人に、リナがおずおずと質問をした。

「えっと、その英雄の名前って御存知ですか?」

「名前は意外と知られていないんじゃよ・・・
 ただ、この地方のは珍しく髪が金色だった事と。
 その勇猛な戦い方から『獅子』将軍と呼ばれていたな。」

「・・・そうですか。」

 それで宿の主人の話しは終りだった。
 後には黙って食事をしているガウリイに・・・
 詰問をする様な視線を向ける3人の仲間がいた。

「ガウリイ・・・貴方でしょ、その『獅子』将軍って。」

 リナの問いに・・・
 ガウリイは無言で応えるのだった。

 テーブルでは、ガウリイ睨み付けるリナをおろおろと見ているザザビの姿があった。

 

 

 

 

 

第三十七話         END
							 	 	第三十八話に続く
あとがき

「・・・こんちわ、ニンエです。

 こんなの西遊記じゃないです(汗)

 何よりあのナレーターがナレーターをしてますよ(おろおろ)

 一体何があったんでしょうか?

 何か拾い食いでもしたんですか、作者?

 いろいろと不安を抱きつつ、私は次回を待ちます。

 では、また次回でお会いしましょう。」

 

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