<スレイヤーズ西遊記>

 

 

 

第四十九話 

 

ガウリイの過去 その13

 

あらすじ

 

 なんか、やっと敵の正体と目的らしきものが出た。

 ガウリイ編、完結まで残された時間(話数)は残り8つ・・・

 ガウリイは、シルを無事に救う事が出来るのであろうか?

 

(・・・それ、あの名作のパクリ。

 しかも、それはエンディングテロップだし。)

 

 宇宙の彼方〜、エスカン(ゴシュ!!)

 

(だ・か・ら!! それは禁句ですってば!!)

 

 は、はひ(奥歯・・・折れたよ、おい。)

 

(まったく、版権問題に無頓着な人はこれだから困るんですよ!!)

 

 ・・・ (お前は存在自体、結構いい加減だぞ、おい?)

  

(何か言いましたか?(ギロリ))

 

 いいえ、何も。

 

(・・・まあ、いいでしょう早く話を始めましょう。)

 

 うぃ〜す・・・

 では、スレイヤーズ西遊記 第四十九話 今から始まります!!

 

「何を苛々してるんだ、ニンエの奴?」

「・・・あんたが、N’の減給をしたからでしょう。」

「え、でもN’さんとニンエさんは・・・」 

「それ以上は禁句だ、アメリア。」

「作者さん・・・私の事を忘れてません?」

 

 

 

 

 

第一章.風雲、急を告げる

 

 

 リナ達が事件の黒幕の正体を知った頃・・・

 城ではある事件が起こっていた。

 

 

「なあ、あの新入りの奴、急な用事と言って出て行ったけど。

 ・・・何をそんなに慌ててたんだろうな?」

 

「さあ?

 まあ、本人には大切な用事でも、他人に言わせればつまらない事も多いからな。」

 

「ははは、確かにあるよなそういう事。」

 

 談笑をしながら見回りをする兵士達。

 そして・・・

 彼等の緊張感の無い会話を聞いて、溜息と失笑を漏らす人物がいた。

 

「くっくっくっ・・・たかだか3年の平和で、ここまで腑抜けになるとは、な。

 やはり、平和は人間の堕落への道か。

 ・・・もっとも、最早俺には関係の無い事だがな。」

 

 スッ・・・

 

 音も無く、見回りの兵士達の背後に姿を表したのは。

 布で顔を隠し、全身が黒尽くめの男だった。

 ただ、髪の毛が隠し切れず・・・赤毛が少し飛び出していた。

 

 もっとも、兵士の誰一人としてこの男を見つける事は出来なかったのだが・・・

 

 

 そして男は、広い城内を迷う事無く歩き出す。

 男の目的は、ある部屋に居るある人物。

 それは昔、焦がれ焦がれて裏切られた、己の敗北の証。

 今、その手に収めようとするものは・・・

 

「くっくっくっ・・・・予想通り、良い女になったらしいな。

 もっとも、アイツがこの国から逃げ出すとは、俺も予想出来なかったが。

 ・・・昔から、俺には理解不能な奴だったからな。」

 

 憎悪・・・ではない。

 興味が全く無い口調で、ある人物について語る男。

 

 しかし、握り締めた拳が男の心情を物語っていた。

 そして、男の纏う禍々しい瘴気が、その内情を吐露していた。

 

 男が歩いた後には、床のカッーペットに足跡が焦げ付いていた。

 燃え盛る男の激情は、高温となって男の身を包んでいるのだ。

 

 コツ、コツ、コツ・・・

 

「・・・どうやら、本当に天上界の奴が来てるらしいな。

 さて、どの程度の奴だろうな?」

 

 例の扉の前で立ち止まり、そう呟く男・・・

 男の目には、ゼルガディスが扉に施した破邪の封印が見えていた。

 この破邪の封印がある限り、並みの魔族では扉に触れる事は出来ない。

 もし、下手に触れ様ものなら・・・消滅するだろう。

 それだけの力が、この破邪の封印にあるのだ。

 

 その封印を、暫し感心した様子で眺める男。

 

「そこそこの・・・奴みたいだな。

 だが、この地方にこんな力のある奴が来るとは。

 俺の知らないところで、何かが起きてるって事か?」

 

「おい!! 貴様何者だ!!」

 

 突然、男の背後から誰何の声が上がる。

 どうやら、扉の封印に熱中をしていた為、背後の警戒を疎かにしていたようだ。

 

「貴様、こっちを向け!!」

 

 二人の兵士が、男に向かって走りよりながらそう命令する。

 

「おいおい、俺に向かってそんな事を言うのか?

 ・・・たかだか、一兵卒が。」

 

 そして、振り向いた男の目を見て・・・

 兵士達の顔は驚愕に彩られた。

 

 

 

 

 

第二章.もう一つの再会

 

 

 ギィィィィ・・・

 

 並みの魔族では触れる事も出来ない、破邪の封印のされた扉を。

 この男は、難なく開けていた。

 では、この男は魔族では無いのだろうか?

 しかし、その身に纏う瘴気がそれを否定している。

 

 ・・・この人物が人間では無い、と。

 

 コツ、コツ、コツ・・・

 

 男の足は止まらず。

 部屋の先に・・・

 歩きつづける。

 そして、扉の元には物言わぬ身体となった、二人の兵士の姿があった。

 

「変らないな・・・

 もっも、3年くらいでは変わりようは無いか。

 ・・・俺自身が変りすぎたのか。」

 

 苦笑しながらそう呟く男。

 その笑みは、愛しい人に再会する事に喜ぶ笑み・・・

 しかし、その笑みの禍々しさよ!!

 どう見ても、通常の愛情とはかけ離れたモノを内包している。

 

 コツ、コツ・・・

 

 そして、男の歩みが止まる。

 男の目の前には大きな扉が一つだけ・・・

 かっては、日参した扉。

 今は三年ぶりに訪れた扉。

 もう、二度と訪れる事は無いだろうと思っていた・・・扉だった。

 

 暫し、その扉の前で瞑目をする男。

 まるで何かを振り切るように・・・

 

「ここを開ければ、もう後戻りは出来ないな。

 ・・・何を、馬鹿な事を俺は言ってる。

 この身体に生まれ変わった時点で、後戻りなど出来ないだろうに。」

 

 そして、笑いながら男は扉を開いた・・・

 

   ギィィィィ・・・

 

「誰、ですか?」

 

 広く、天井の高い部屋に大きな机・・・

 その机の上では、シルフィールが一生懸命に書類と格闘をしていた。

 その戦いを一時止め、目を扉に向けるシルフィール。

 

 そこには・・・全身が黒ずくめで、顔を布で隠した男が立っていた。

 

「・・・何か、御用ですか?」

 

 不気味なモノを感じながらも、律儀に男に質問をするシルフィール。

 

「くっ、くくくくくく!! 変らないな、シルは・・・

 普通、こんな怪しい男が入ってきたら、悲鳴の一つでも上げるもんだぞ?」

 

 そう言いながら、男は頭部の布を取り去る男・・・

 

 バサッ・・・

 

 そして、現れた顔にシルフィールが息を呑む!!

 

「ソ、ソードさん!!

 そんな、貴方は3年前の大戦で死んだと・・・」

 

「帰って来たんだよ、シルとアイツに会いたくてな。」

 

 そして、男は嬉しそうに笑った・・・

 しかしその笑みは、シルフィールには悲しそうな笑みに見えた。

 

 そこで、シルフィールの意識は途絶えた。

 

 ガウリイ達が、シルフィールの誘拐を知ったのはそれから一時間後だった・・・

 

 

 

 

 

 

第四十九話         END
							 	 	第五十話に続く
あとがき

「ちわ、ニンエです。

 ・・・シリアス一辺倒ですか?

 何を考えてるんでしょうね、作者?

 しかも、主要キャラはセリフ無しですし(苦笑)

 さてさて、次の話で責められなければいいですが・・・

 では、次の更新をお待ちください!!776」

 

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