(雪の朝の出来事) っくしゅ。なんだか寒いなぁ。 ??? いつもと違う感覚に、慌てて目を覚ます。 「あれ・・・?」 いつもなら腕の中にいるはずの愛しい女(ひと)の姿がない。 「・・・はっ?」 慌ててベッドから身を起こす。 まわりを見まわすが、部屋の中には彼女の姿はなかった。 急いでベッドからおり、家中を探しまわるが、彼女の姿はない。 「一体どうしたってんだ・・・。リナ・・・。」 途方にくれて呆然とする。 まさか、一人で出ていったのか?俺を捨てて、あんな体で? ・・・悪い考えばかりが次から次に浮かび絶望的な気持ちになる。 「俺、なんかしたっけ・・・?」 考えをめぐらせる、それといってまずいことはしていないはずだが・・・。 彼女とともに暮らすようになったのは、今年の夏。 それ以前から彼女とはずっと一緒の時をすごしてきた。 はじめて会ったのはあいつがまだ15の時だったかな。 なんとなく危なっかしくて、ほっとけなくって旅について行くことにした。 そのうち、一緒にいることがあたりまえになっていた。 そして、離れることなど考えられなくなっていた。 はじめは見守っているだけだったが、 冥王との戦い(詳しく覚えてないが)のあたりだったろうか、 うすうす、彼女を愛しているのだということに気づきはじめた。 だが、気づいた思いは抱えたまま、"保護者"をつづけていた。 彼女が受け入れてはくれないだろうと思っていたから。 ある時ふとしたきっかけで、彼女も俺と同じ気持ちだと知ったとき、保護者という仮面は捨てさった。 そして、そういう関係にもなった。もちろん、徐々にだが・・・。 夏のはじめ頃、リナの様子がおかしいことに気づき、問い詰めてみた。 はじめは必死に隠そうとしていたのだが、俺だってそこまで馬鹿ではない。 リナに・・・子どもができている事に気づいた。 俺たちは旅をやめ、この村に住みつくことにして、幸せに生活してきた。 それなのに、なぜ・・・。 「きゃっ。」 不意に外で声があがった。 「いった〜い。」 !! リナの声だ。 途方にくれていた顔に、生気が戻ってきたのがわかる。 (・・・痛い?) 我に返って、声の聞こえてきた家の外へと向かう。 「っ、まぶし・・・雪?」 外は一面の銀世界になっていた。 ・・・そりゃ、寒いはずだよな。 「リナっ。」 みれば、リナは転んでしりもちをついていた。 慌てて駆け寄り、抱き起こす。 「あっ、ガウリイ、おはよ。」 顔を真っ赤にして(寒さで)、白い息を吐きながらいう。 「こら、おはよ。じゃないだろ。どこいってたんだ?」 少し怒ったような顔をしてみる。 「えへへ、朝起きたら雪が積もってるのが見えたんでちょっと散歩に行こうかと・・・。」 「それなら、一人で行かなくてもいいだろ?それに、転んだりしてどうするんだよ。」 「だって、ガウリイあんまりぐっすり寝てたから起こすの悪いかなって、 それに、転んだっていってもちょっとしりもちついただけだし・・・ねっ。」 「ねっじゃないだろ・・・・へーっくしょん。」 「ガウリイ、あんた、なんて格好ででてきてるのよ。風邪ひくわよ。ほら、はやく家の中はいろ?」 そういえば、パジャマのままだったな、そりゃ寒いよな。 「そ、そうだな。」 「ほら、ホットミルク。これ飲んであったまりなさい。」 リナがマグカップを二つもって俺の横に座る。 「もう、なんだってあんな格好で外に出るのよ。」 少しあきれたように言う。 「いや、まぁ、ははは」 ぽりぽりと頬をかいて笑ってみる。 「まったく、いつまでたってもくらげなんだから。」 「そんなこといたってなぁ、リナが悪いんだぞ?」 「? なんであたしのせいなのよ。」 「朝、目が覚めてリナの姿がなかった時、どんなに心配したと思うんだ?」 さっきまでの不安になっていた自分を思い出す。 「俺の腕の中にいない、部屋の中にもいない、家の中にもいない・・・。 どこかに消えちまったのか・・・。そんなときに声が聞こえたから慌てて飛び出したんだよ。」 くしゃっ、不意に髪を撫でられる。 「馬鹿ね、なんて顔してるのよ、あたしがあんたを置いて、どこか行くわけないじゃない。 それに、ガウリイが起きてからさっきまで、せいぜい10分くらいしかたってないと思うんだけど?」 「えっ?10分?」 「そう、そんなもんじゃないかな。」 苦笑しながらリナが答える。 そんなもんかぁ、もっと長い時間に感じたんだけど・・・。 「そんなこと言ってもさ、俺にとってリナのいない1秒はまるで永遠のように長く感じるんだぜ」 「っ、な、なに恥ずかしいこといってんのよ。もう。」 一気にリナの顔が赤くなる。 「恥ずかしいことじゃないさ、本当のことだよ。」 そういうと、リナの唇に、自分のそれを寄せる。 ますます赤くなる彼女をふわっと抱きしめる。 「お願いだから、黙って出て行かないでくれよ。リナも、おなかの子どものことも心配なんだから。」 耳元で囁くように言う。 「・・・わかったわよ、じゃぁ、朝食食べたら散歩だからね?」 「はいはい、お供しますよ。愛しい君のためならどこへでも。」 そう言って頬に軽くキスをする。 「・・・(赤面)。さ、さて、朝ご飯作らなくっちゃね。ガウリイも手伝ってよっ。」 すくっと立つと、リナは台所のほうへとかけていった。 「おうっ。さっさと準備して飯にしようぜ。」 こうして、俺の幸せな時は繰り返されていく。 <おわり> あはははは。やってしまいました・・・。Benさんごめんなさい。 しゃれにならんほどいけてません。(だったら人様におくるんじゃないっ>星羅) はじめはギャグ路線でかくつもりだったのが、なんだか妙な方向に行ってしまいました。 なんだかがうりんくらげじゃないし、過去の回想はじめるし・・・。リナちんはなんか妊娠してるし・・・。 ある歌を聴いて、耳に残ってしまったからかいてしまったお話でした。 それじゃ、星羅は混沌の海に沈みますっ。 さようなら。
感想!!
星羅さん投稿作品をどうもありがとう!!
ガウリイがクラゲではない・・・ふっ、それはBenの作品では良くある事です(笑)
話しの組み立ても上手になされてますし良い作品だすよ!!
自信を持って今後も書いて下さいね!!
・・・って、偉そうに言えるほどBenが上手い作品えお作ってる訳では無いのですが(汗)
でも、関西人はギャグは好きですよね(笑)
星羅さんも頑張ってギャグにもチャレンジしてみて下さいね!!
勿論、シリアス路線も頑張りましょう!!
では星羅さん、素敵な作品を有難うございました!!