最初に
 このSSに登場する方々の本来の性別・人格・性格・容姿は完璧に無視されています。
 
 その辺を御了承願います。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 フィラは今地下数百メートルにいた。
 
 シベリア秘密研究所の最深部にいた。
 
 一緒にいるのはここの所長ユピテルだった。
 
 しかし洗脳済みだが。
 
 「で、ここでいいのかしら、彼の居場所は?」
 
 「はい、しかし無用心にここを開けると彼の熱い歓迎を受けることになります」
 
 目の前にいかにも分厚そうな扉がそこの住人を逃がさないでいた。
 
 「彼の食事はどうなっているのかしら?」
 
 「部屋に睡眠ガスを充満させてから点滴などで与えます」
 
 「ふ〜ん、まあいいわ。
 
 さっさと開けてくれない?」
 
 「しかし・・・・・・」
 
 当然ユピテルは抗議をした。
 
 睡眠ガスを使わずにここを開けることは死に繋がることを知っている。
 
 「いいから、私勝つから」
 
 左目をウインクをするとユピテルは顔を真っ赤にして
 
 「はい、ご命令とあらばー!!」
 
 耳元くん(略)2号で洗脳された人たちはフィラの忠実な僕となる。
 
 そしてもう一つ・・・・・・
 
 フィラのことを女と思っていることだった
 
 ああ、無念。
 
 真実を知ればきっと死にたくなってしまいますね、きっと。
 
 
 
 
 
 アクション大魔王
 第九話 勝負 フィラVSGX−9900
 
 
 
 
 
 聖教団のアジトは日本の神戸にあるということはすでに誰もが知りうる事実だった。
 
 しかし世間は知らない。
 
 それはただ教主のBenの自宅だとは。
 
 ピンポーン
 
 そんな音がとあるアパートの一室を通り抜けた。
 
 しかしその部屋の住人はいつまで経っても来訪者の鋼の城を出迎えなかった。
 
 「・・・何してんだろうか?Benの奴」
 
 そっとドアノブに手をかけるが開いたままだった。
 
 「・・・カギをかけ忘れたか?」
 
 そのまままるで自分の部屋のように入っていく鋼の城。
 
 手には近くのコンビニで買った酒とおつまみとその後のカップラーメンだった。
 
 一緒に一杯やろうという誘いに乗った鋼の城だったが誘った本人が留守なことに腹を立てていた。
 
 「ったく、なんだよ」
 
 アパートのなかをぐるぐると見渡す。
 
 さすがに隠れている場所はなく隣の部屋に襖を開けた瞬間、
 
 しゅばっっっ
 
 緑の体に黒い翼、デビルマンがそこにいた。
 
 ちなみに覚醒(混乱、狂乱とも言う)していてその眼はまともではなかった。
 
 「うウウ、カッ手にハイッタ、敵だ」
 
 鋼の城に飛び掛るデビルマンこと大魔王Ben。
 
 しかしこんな所で終わる代魔王ではなかった。
 
 手に何かを持って振りかざし、一言。
 
 「落ち着けーーー!!」
 
 十字架をBemの額に押し付けた。
 
 するとすぐにじゅっ、という音と共に煙が上がった。
 
 その痛みに悶絶し、額に手を当て、そこら辺を転げ回る。
 
 あんた、吸血鬼かなんかか?
 
 「落ち着いたか?Ben」
 
 「う〜ん、あ、鋼ちゃん。来てたの?」
 
 「その呼び名止めなさい。
 
 なんでそんな格好して狂ってたの?」
 
 「いや〜、今度の祭はこれで行こうと思って」
 
 冬にその格好はきついだろう。
 
 そういう突っ込みは心の中に留めていた。
 
 ま、彼ならこの格好で南極の海をバタフライで泳いでも大丈夫そうだ。
 
 「ま、早速飲もうか」
 
 コンビニの袋を床に置き、中身を出していく。
 
 「あ、オレ禁酒したから一人で飲んでくれ」
 
 「・・・・・・なんで?」
 
 「いや〜この間の健康診断で肝臓がやばかったから」
 
 無言で殴りとんだBemの体は激しい音をたてて天井にぶつかった。
 
 
 
 
 
 
 ごおおおおお
  
 GX−9900を封じていた扉が重々しい音で辺りを震わせていた。
 
 開くと意外にも明るい月の光によってフィラの姿を照らしていた。
 
 中には十代にも見えるし三十代にも見える男が沈黙を保っていた。
 
 「・・・・・・あなたが異能者?」
 
 「・・・・・・」
 
 フィラの問いにも反応せず、ただただ瞳を閉じていた。
 
 しかし眠ってはいなかった。
 
 この鋼鉄の部屋いっぱいに肌に突き刺さんばかりの殺気がフィラを絶えず襲っている。
 
 「・・・私の問いにも答えないなんて失礼な人ねえ」
 
 「・・・・・・・」
 
 「つまり洗脳させてって言ってるのね」
 
 「・・・・・・・」
 
 「いいわ。力ずくで付けて上げるわ」
 
 「・・・・・・オカマが」
 
 ブチッ!!!
 
 フィラの頭から聞こえてきたキレた音で戦闘が始まった。
 
 
 
 
 
 「始まったか・・・・・・」
 
 長身で長髪の男がポツリとつぶやいた。
 
 研究所を鳴り響かせる轟音が男の耳に届いたのだった。
 
 男がいる場所はロッカーの中だった。
 
 フィラの攻撃が始まった時、デュランは一人だけ逃げようとしていた。
 
 しかし彼を責めることはできないだろう。
 
 彼女、いや彼の実力を知っていたのはこの基地では彼だけだった。
 
 そしてこの基地の重要な物は地下にある異能者だけだった。
 
 しかし彼がそう素直に人の言うことを聞くとも思えない。
 
 この戦闘は予想できるものだ。
 
 すぐにでもこの基地を離れたかったがこの基地は洗脳された者たちがうろついていた。
 
 不用意に出て行こうものなら操られた者達によって・・・・・・・何をされるんだろう?
 
 と、とにかく捕まることは他の者達のように洗脳されるだろう。
 
 「だけんど〜ここさ首になっちゃ、おら生きていけねえだ〜」
 
 微妙な発音で方言をはいた。
 
 しかし・・・・・・待てよ。
 
 ここの研究データを他の所に売れば・・・・・・なんとかなるかも。
 
 音もなくロッカーから出て、パソコンの電源を入れた。
 
 上手くいけばここにいた時の地位よりも高くなるかもしれない。
 
 ここの所長のユピテルには世話にはなったが・・・・・・
 
 危険を冒してまで助ける義務はない。
 
 そうだ。
 
 そもそも私がフィラのことを報告したのにそれを聞き届けなかったユピテルが悪い。
 
 そうだ。
 
 ここを出ればいち助手にすぎなかった私が所長になれる。
 
 そう思うだけで今の状況に置いても幸せになってきた。
 
 人が見たらつい引きそうな欲望に満ちた顔をして「エヘエヘ」と笑っているとパソコンからピー、という音が鳴った。
 
 データのコピーが終わったのだ。
 
 すぐにディスクを取り出し、必要最低限の荷物をまとめようとした。
 
 しかしそんなに都合よく終わらないのがこのSSだった。
 
 ぐに。
 
 荷物から出る不快な感触。
 
 普通の荷物からでる感触とは到底思えない。
 
 デュランは見るのを嫌がった。
 
 見ると絶対不幸な目に遭うことは明白だった。
 
 しかし怖い物見たさか、数秒後ついに見てしまった。手の先の物を。
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 男性器だった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 「いやーーーーーーーーーー!!!」
 
 男性器。
 
 普通の男なら触りたくない物、上位、っていうかナンバーワンに入るだろう。
 
 いや、十二の翼は某アニ〇イトで男の人に触られたが。
 
 本当に恐かった。
 
 ダッシュで逃げました。
 
 もちろん追っては来なかったが恐くて駅まで猛ダッシュ!!
 
 その夜十二の翼は泣き寝入りしたことの悔しさから枕を涙で濡らしました。
 
 ・・・・・・
 
 泣いた事は嘘ですが触られたことは本当です。
 
 ・・・話が逸れました。
 
 書いててあの時のことを思い出して混乱してしまいました。
 
 話を戻すとデュランはいまだ手の中にそれを収めていた。
 
 離そうにもあるまじきことに体が動かず不快な感触をいまだ感じたままであった。
 
 それでも必死に投げつけ、「はあはあ」と肩で息をした。
 
 何故こんな所に男性器があるのか?
 
 つーかなんで男性器だけ?
 
 気持ち悪いーーー!!
 
 一気に押し寄せてくる感情に頭の中がパニックになるデュラン。
 
 そしてそのまま卒倒した。
 
 「ふっふっふっふっ」
 
 悪党がする笑い第三位ぐらいの笑いがその部屋に響いた。
 
 忍者よろしくの格好をしていたそれはデュランの頭を踏みつけた。
 
 「私を出し抜こうなんて百万光年早い」
 
 二十世紀に置いときたかったギャグを言うとディスクを拾った。
 
 「私こそが所長に相応しい」
 
 そう言って幕府若年寄は悪党がする笑い第一位の高笑いを響かせていた。
 
 ちなみは男性器は作り物だった。
 
 人工皮膚を使い温まると膨張するという機能もついていた。
 
 6500円(税別)であった。
 
 
 
 
 
 
 フィラとGX−9900との戦いは激しいの一言だった。
 
 異能者たる彼等はその名に相応しい戦いを披露した。
 
 フィラが手始めに龍の炎、七式、虚空を皮切りに次々と火龍を出していった。
 
 しかしそれをあざ笑うかのようにGX−9900(以下GX)はただ避けていった。
 
 その顔には余裕があり、フィラの怒りに拍車をかけた。
 
 「もうーーー、当たってよーー」
 
 「可愛く言ってもお前がオカマには変わりない」
 
 「フガーーーーーー!!」
 
 怒りに体を任せて龍の炎を出しまくる。
 
 しかしやはり当たらず、体力を消耗していくばかりだった。
 
 そしてついに、フィラは足がもつれるようになった。
 
 「もう足にきたか。体力ないな」
 
 そう言うとGXはニヤリと笑い大声で
 
 「この時を待っていたのだーーー!!」
 
 するとGXの右腕が輝き、変形を始めたのであった。
 
 それは右腕しか変形してないのに膨大な量だった。
 
 大きさで言うとマグロ一匹ぐらいの大きさであった。
 
 質量保存の法則を完全に無視していた。 
 
 この光景を大槻教授が見ても「プラズマです」とは言えないだろう。
 
 神秘の勝利だった。
 
 やがて時間がほんの数秒経ち、それが銃の形を成した。
 
 「これが私の武器、サテライトキャノンだ」
 
 サテライトキャノン。
 
 月の光を吸収し、そのエネルギーを使いぶっ放すという武器だった。
 
 月が見えているときしか使えないというなんか不条理な物だった。
 
 「お前みたいにたくさん使えないがこの一発でお前は消し飛ぶだろう」
 
 言い終わった瞬間、右腕が唸り、光り出した。
 
 何かが高速で回転している音もし始めた。
 
 「うおおおおおおーーーーーー!!
 
 輝けーーー!!もっと、もっとだ!!
 
 もっと輝けーーーーーーーーーー!!
 
 君島!!こいつは、この光は、オレとお前の」
 
 「やめーーーーーーーーーい!!!」
 
 スパーーーーーーーン!!
 
 フィラのハリセンがGXの後頭部を直撃した。
 
 「あんた何考えているの!?
 
 今流行のそれをパクッたらどんな苦情が来るかわかんないの!?」
 
 しかしGXは答えない。
 
 完全に気絶していた。
 
 この勝負、フィラの逆転勝ちだった。
 
 
 
 
 
 後書き
 
 ・・・・・・・どうも十二の翼です。
 
 何も言うことはない!!
 
 さあ来い、何でも受け止めるぞ!!
 
 一ヶ月音信不通だったり、ようやく書いたSSがこんなんだったりしたことを!!
 
 多大なご迷惑をE.Tさんを始めとする多くの人にかけました。
 
 ごめんなさい。
 
 後、代理人様へ
 
 めちゃくちゃ変換が多かったことをお詫びしておきます。
 
 すいませんでした!!
 
 あ、E.Tさん後を頼みます。