時の流れに番外編

 

 

 

ナデシコ的三国志

 

 

三話、劉備魯粛と会見し呉との同盟を決意する

 

 

 

前回までのあらすじ

 

 

 

曹操軍の荊州侵攻に際し、江陵城へ逃げ延びて行く劉備一行。

だが曹操軍騎兵五千の追跡を受け、当陽は長坂橋で追いつかれてしまった。

この絶体絶命の状況を義弟張飛が橋の前で陣取り敵を寄せ付けず奮戦、更に橋を破壊することでかろうじて

虎口を脱出。

とはいえこの逃避行の中で付き従ってきた市民が多数捕獲、そして参謀徐庶も曹操軍に捕まってしまっていた。

 

 

 

劉備サラ一行は長坂橋から東へ向かい、漢水を目指していた。

水軍として別行動を取らせていた関羽シュンと合流するためである。

だが漢水へ向かうのはシュンと合流するためだけではなかった。

 

「サラさん、江陵行きはあきらめましょう。」

 

趙雲アキトの馬にいっしょに乗っている諸葛亮ルリが言った。

 

「えっ!?、どうして?」

 

「アリサさんの決死の活躍と橋を破壊したことでナデシコAの進撃速度は鈍るでしょう。

 また置き去りにせざるをえなかった市民も捕獲するでしょうから更に進撃速度が鈍ります。

 とはいえこのまま江陵城まで無事行けるという保証はありません。こちらに戦闘兵がほとんどいない以上、

 江陵の軍需物資は宝の持ち腐れになってしまいますし、篭城策が取れるかどうかも怪しい。

 そこで問題となってくるのは江陵を諦めてどこへ行くかということですが・・・・・・・・・・・・・。」

 

ルリは白羽扇を東へ向けた。

 

「シュンさんが指揮している船団を使い、船で東の夏口へ逃げのびるのです。」

 

おお!!、っと周りから歓声が上がった。

アキトも、そして張飛アリサも驚きの声をあげている。

 

「アララギさんにかくまってもらうってこと?」

 

アララギとは劉表フクベの長男、劉キ(キっていう漢字が見つかりません)アララギのことである。

彼はフクベの次男、つまり弟に先を越され後釜の地位を奪われていた。

(もっと言えば家臣団が次男を押したということ)。

身の危険を感じた彼は東の夏口の太守をかって出たのである(一説には諸葛亮の助言とも)。

サラは乗り気になった。

後継者問題で不仲な以上ナデシコAに降伏した弟と同じ場所にはいられないと思ったからだ。

かくまってくれるかもしれないとも思った(アララギさんフライングです(苦笑))。

 

「それしかないのね。」

 

「はい、それしかありません。」

 

「わかったわ。みんな!!、もう少しだけがんばって!!。

 なんとしても漢水まで逃げ切るのよ!!」

 

 

「御意!!」×一行全員

 

 

号令一下、漢水へと歩を進めた・・・・・・・・・・・・・・・・という状況である。

 

 

 

「それはそれとして、まだお仕置きが済んでなかったわねルリちゃん(にっこり)。」

 

「そうでしたわね(にっこり)。」

 

「えっ!?」

 

サラとアリサはにこにこしながらルリを見ていた。

だが目はとてつもなく血走っている。お約束視線で人を殺せたら状態だ。

 

「誰の許可を得てアキトにキスなんかしたのかしら?(怒)。」

 

「そ、それは・・・・・・・・・・(汗)」

 

「軍師だからってちょっとつけあがり気味ですわね(怒)。」

 

「べ、別にそんなつもりでは・・・・・・・・・・・(汗)」

 

二人に詰め寄られてルリは狼狽している。

そしてよせばいいのにお約束どおりアキトがルリをかばった。

 

「ま、まあまあ二人とも。今はそんなことしてる場合じゃないだろ。」

 

「なにそれ!、私にキスされるよりルリちゃんにキスされるほうがいいって言うの!!(怒)」

 

「だからそうじゃなくて・・・・・・・・・・・・・。」

 

「アキトさんったら酷いです!!、荊州での甘い日々(?)はただ私をもてあそぶだけが目的だったってこ

 とですか!!(怒)」

 

「ちょ、ちょっと。誤解を招くからやめてよアリサちゃん(冷や汗)。」

 

論点のずれた攻撃を受けアキトはたじたじなっている。

 

「だからさ、子供のしたことなんだからさ・・・・・・・・・・・・・・。」

 

「こ、子供・・・・・・・・・・・・・・・・(怒)。

 アキトさん私をそういう目で見てたんですね(怒)。

 これほどあなたを男性としてみている私を子供と!!(怒)。」

 

だって子供じゃん、そう言おうと思ったアキトだったが、ルリはそれを見透かしたようで更に怖い顔になっていた。

 

「と、ともかく三人とも今の状況を・・・・・・・・・・・・・・・あ、漢水だ!!」

 

タイミングよく漢水の渡し場が見えてきた。

そしてそこには小規模の船団が、そして渡し場に一人の武将が手を振っている。

アリサと並ぶ万夫不当の猛将にして、文武両道の劉備軍筆頭将軍、関羽シュンその人だった。

 

「シュンさん!!。

 よかった。これでなんとか夏口まで逃げ切れる!!。

 そしてなによりもやっと男の武将と出会えた!!。」

 

アキトは女性陣からの突き上げがこれでごまかせるのでとても喜んでいた。

男の武将・・・・・・・・・・・・・・・・麼方サイトウの立場は?(涙)。

 

 

 

 

 

 

 

ナデシコA(魏)は江陵城へ入城していた。

サラ達がすでに漢水から船で逃げたことでさすがに追いきれないと判断し、追撃をやめて江陵城へ向かった

のだ。

当然のごとく江陵は降伏した。そんな中で、ナデシコAの艦長(漢魏の丞相)曹操ユリカは機嫌が悪かった。

お目当ての趙雲アキトに逃げられた挙句、軍師を名乗る子供(諸葛亮ルリ)に挑発されて怒りが収まって

いないのだ。

ナデシコAの筆頭軍師荀ケジュンはご機嫌ななめのユリカに顔では苦い顔をしていたが、心中はかなりいい

気分だった。

アキトやアリサのおかげで兵が減ったがそれも少々の話で、これ以後の軍事行動にはなんら支障はない。

また江陵、襄陽を落としたことで現地の兵を徴収できたし、ここ江陵城の豊富な軍需物資も入った。

 

「ユリカ、いい加減機嫌直してよ。今後の方針を決めておかないと後で後悔するよ。」

 

「ジュン君に一任する・・・・・・・・・・・・。」

 

ユリカはぶっきらぼうにそう答えただけだった。

 

「そんな気安く人に委ねるものじゃないだろ。ほら、みんなを集めたから。」

 

ジュンに引っ張られてユリカは軍議の間へ向かった。

大勢の部下達が居並ぶ中、ユリカは上座へついた。

しばらくするとどこからか誰かが走りよってくる音がした。

ユリカはハテナな顔をしていたが、他の武将達は耳を塞いでいた。

走りよってきたその人物とは・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「ユリカァァァァァーーーーーーーーーー!!(はぁと)」

 

 

「お、お父様!?」

 

走りよってきた武将はユリカに抱きついた。

武将の名は夏候惇コウイチロウ。ユリカの一族であり、つーか実の父親(おいおい)。

つねにユリカの戦に副将として参加し、名声を得てきた。

ユリカのためなら死をいとわず敵陣に突入できるある意味便りになる武将である。

 

「心配したぞ。前線に出たというから。」

 

「もぅ、お父様ったら心配性なんだから。」

 

ほのぼのとした親子の会話をしているこの二人。

その周りであまりの大声に意識を手放している人々のことは眼中にないようだ(耳塞いでもかよ)。

 

「まあ無事ならそれにこしたことはない。

 さっそく軍議を・・・・・・・・・・っておまえ達いつまで寝てるつもりだ?」

 

あんた声でかすぎるよ、この場の全員がそれを言いたかったが口が開かなかった。

 

 

 

 

「さて、荊州の本拠地たる襄陽と軍需物資をたくわえてあったここ江陵を落とし、僕らにとっての最大の障害は

 長江南岸に根をはるネルガル重工(呉)のみとなったわけだ。

 三代に渡って(正確には二代)江南に割拠してきた彼らをどうすべきかみんなの意見を聞きたい。」

 

ジュンが手際よく現状を報告し、周りに意見を求めた。

するとナイスバディのいけいけねーちゃん(死後)陳羣ミナトが手を上げた。

 

「無理に戦いを挑むことないんじゃない?。

 とりあえず降伏の使者でも送ってみたら?。」

 

さらりと正論を気負いなく述べられる、さすがは聡明と言われることはある。

だが許チョイツキがこれに反発した。

 

「彼らには長く江南を統治してきた自負があると思います。

 降伏の使者を出しても無駄じゃありませんか。」

 

「だったら問答無用に攻め落としちまえばいいじゃねーか。」

 

血の気の多い張遼リョーコが問答無用の決戦論を主張した。

 

「でも長江を挟んでの戦いだからどうしても水軍で戦うことになりますよ。

 そしたら圧倒的にネルガルが優位じゃないですか。」

 

程cメグミは決戦には反対のようだ。

 

「だったら荊州の水軍を主力にすれば。

 そうすれば主力も温存できるしぃ。」

 

李典ヒカルは荊州降伏組を主力にと主張。

 

「彼らは戦意不足よ。

 戦うなら水上戦にもつれこませない方法がいいんじゃない。」

 

楽進イズミは水上戦の回避を進言してきた。

 

「う〜ん、どの意見にも一理あるな。」

 

ジュンの言葉はもっともだったがひとつにまとめなくてはいけない。

 

「アオイ君はどうなのだね。」

 

コウイチロウがジュンに質問した。

 

「僕は決戦には賛成できません。

 三十万近い大軍はやはり威圧に使うべきです。

 それに我軍は遠征で疲れてきています。

 無理して戦うよりは降伏を促すほうが利になるかと。」

 

決戦論と降伏勧告論の二つ完全に割れている。

全員がユリカを見た。

やはり最後は君主の決断に任せるしかない、皆そう思っている。

全員の視線に気づいたのか、ユリカは顔を上げた。

 

「な、何みんなしてさ。」

 

 

「はぁ〜(脱力)」×全員

 

 

やっぱり聞いてなかったか、全員がそう思いため息をついた。

ジュンが口を開いた。

 

「だからネルガルへの対応だよ。

 決戦か、降伏勧告の使者を出すか。」

 

そう言われてユリカは考え込んだ。

 

「アキトさんに逃げられて頭にきてるのは艦長だけじゃないですよ!」

 

「手ごわい女達も周りにいるしな。」

 

メグミとリョーコがぶつぶつ言っているとユリカは再び顔を上げた。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・降伏勧告です!!。」

 

この一言でネルガルへの対応が決まった。

 

 

 

 

 

 

 

サラ一行はシュンの水軍と合流し、漢水を東へ下り夏口へと入った。

正確に言うと漢水を渡っている途中で、江夏に一万の兵でいたアララギと合流。

心よく迎え入れられ夏口へと逃れたのである。

 

「いやぁ、みなさんご無事でなによりでした。」

 

アララギが全員にねぎらいの言葉をかけた。

 

「この度はフクベさん、いえお父上を亡くされてとんだことでしたね。」

 

サラはアララギに本心を語った。

実は劉表は猜疑心の強い人物で、劉備は必ずしも信用されてはいなかったのだ。

それでもサラは7年近く世話になった人物の死を悼み、アララギに言葉を返した(年取らないのか?)。

 

「いえいえ、これも天命しかたのないことです。

 それにしても情けなき我が弟、ナデシコAにあっさりと降伏してしまうとは。

 我が父もさぞ冥府で嘆いていることでしょう。」

 

アララギはそう言ってなぜかルリの手をとった。

ルリは困惑している。

 

「ルリさん、この度は大変だったでしょう。

 ここでゆっくりとおくつろぎください!!。

 それにしてもお美しい。

 さすがは荊州で電子の妖精(臥龍と考えてください)と呼ばれしお方!!」

 

「は、はあ(冷や汗)。」

 

ルリはなぜか嫌なものを感じて強引に手をふりほどいた。

無視されたサラはむっとしながらアララギに話かけた。

 

「所で私に客が来てるって聞いたんですけど(怒)。」

 

「はい。揚州の強国、ネルガルの重臣で魯粛プロス殿です。」

 

アララギはやってきた使者の名を口にした。

だがサラもアリサもルリも怪訝な表情をしていた。

 

「プロス?、そんな人ネルガルの重臣にいたのですか?」

 

ルリは疑問に思いアララギに質問した。

魯粛は孫策の代のころからの臣ではあるが若輩の徒と侮られており、

この時期は決して重臣と呼ばれるような立場ではなかった。

特に内政の最高顧問である張昭は傲慢で物事に精通していないと任用を反対したが、

孫権は彼を気に入りますます重用していた。

 

「はい、我が父の弔問の使者としてここ夏口に来られたのです。」

 

それを聞いてアキトがピンときた。

 

「弔問ってのは口実だね。」

 

「当然ですね。サラさん、重臣として名は聞かずとも一国の使者である以上、

 会って向こうの反応を確かめるべきです。

 また荊州の大部分を支配下にした艦長の次の狙いは当然ネルガルです。

 援助を請うに値するか判断しましょう。」

 

ルリに促されサラは強くうなずき決断した。

 

「アララギさん、プロスさんの所へ案内してください。」

 

 

 

 

 

 

 

サラはルリを伴い、案内された部屋に入った。

するとひげを生やしたメガネの男が腰を下ろしていた。

その男、魯粛プロスは立ちあがり軍礼をしてサラに話し掛けた。

 

「これはこれは劉備サラさん、お初にお目にかかります。

 私揚州の孫権ナガレが家臣にて魯粛プロスと申します。

 いやいや、お話は聞いておりましたがこれはお美しい。」

 

「ま、それほどでも(まんざらでもない)。」

 

サラはおだてられてちょっといい気分になった。

だが横で冷たい反応を見せるルリを見て我に返り、

わざとらしくせきをすると本題に入った。

 

「で、プロスさん。早速本題に入ろうかと思います。

 ご用の趣は?」

 

すると営業スマイルだったプロスの顔は気骨ある武将の顔に変化した。

 

「ずばり申し上げればナデシコA撃退のため我が会長と盟を結んでいただきたいのです。」

 

プロスの真剣な態度を見てサラは安堵した。

この人は本気で盟約を結ぶことを望んでいると。

一方横にいたルリはそこまで楽観はしていなかった。

 

「失礼ですがプロスさん、ネルガルの重役・・・・・・・・・・じゃなくて重臣にあなたの名前は聞き及んでません。

 そんな重大事を聞いたことのない人物の口から出るということは、すなわちアカツキさんが直接口にしたことを

 そのまま口にしていると解釈してよろしいのですね。」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 

実は劉備との盟は魯粛の独断との説が強く、孫権もこの時期はまだ開戦か降伏かで揺れていたのだ。

 

「失礼ですがお嬢さんのお名前は?」

 

「劉備サラが配下にて諸葛亮ルリと言います。」

 

「諸葛?、もしや諸葛瑾オモイカネさん(?)のご一族では?」

 

プロスに言われてルリははっとした。

 

「もしや兄上とお知り合いなのですか?。」

 

「はい、彼とは友人で彼もネルガルに仕えているのです。

 そうですか、オモイカネさんの妹であられるならなんの不都合はありませんねぇ。

 サラさん、そしてルリさん、どうか私の言を信じていただけませんか。

 いや、予想はつくでしょうが社内(?)では降伏論が多数を占めているのも事実。

 しかしそれで困るのは我々というよりもむしろあなた方のはず。

 まさかここの一万弱で艦長の大軍と戦えるとは思ってませんよねぇ。」

 

サラとルリは目の前の男を侮り難しと感じた。

自分達は降伏論が多数を占めると揺れている国の不安定な情勢ぶりを語っておきながら、

瞬時に自分達には同盟しか道がないというような言い回し。

 

「わかりました。サラさん、呉へは私が行きましょう。呉との同盟は必ずなし得なければなりません。」

 

「ルリちゃんが?。でも・・・・・・・・・・・。」

 

ルリの身を案じサラは少し決意が鈍った。

 

「心配は無用ですよ、向こうには兄もいますし、

 それに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 

ルリは少しはにかんだがその先を口にしなかった。

サラがその真意を読めなかったことを後悔するのはちょっと後のこと。

 

「わかったわ。くれぐれも気をつけて。」

 

「はい。」

 

「いやぁ、よかったよかった。」

 

こうしてルリはプロスと共に水路でアカツキが駐屯している柴桑へ向かった。

これが歴史に名高い赤壁の戦いへのプレリュード、そして諸葛亮が三国志の世界に名を刻む第一歩である。

果たしてルリはアカツキを説得し、ネルガルの重臣を黙られてナデシコAとの開戦を実現できるのか。

時に208年、季節はすでに秋から冬へ入ろうとしていた。

 

 

 

 

「ルリちゃん、色よい返事を期待してるわ。

 その間に私はアキトとラブラブしているから(はぁと)」

 

サラは逃避行で痛んだ金髪を手入れしながらつぶやいた。

そこへ誰かが走ってくる音が。

 

「姉さん!!」

 

「何かしらアリサ?。」

 

サラは彼女が両こぶしを震わせているのでどうしたのかと思った。

 

「あ、あ、あ、あ、・・・・・・・・・・・

 

 アキトさんをルリちゃんに拉致されました!!(怒)

 

 

「うそ!?、・・・・・・・・・・・・あの笑みはそういう意味だったのね!!(怒)。」

 

二度にわたる抜け駆けの恨み必ず晴らすわ!!、そうサラは心に誓うのだった。

(打倒ナデシコAじゃないのか?)。

 

 

四話へ続く

 

 

ドクターイネスの三国志講座

 

 

みなさんこんにちは、ナデシコ医療班並びに科学班担当のイネス・フレサンジュです。

ここでは三国志のことを少しだけ紹介するコーナーよ。

今回は話が割と短かったので、前回の予定通りここまでの話の舞台となった長坂の戦いについてだらだらと

語るわ。

え、なんであんたがこのコーナー担当してるかだって?、決まってるでしょ・・・・・・・・・・、

 

 

まだ出番がないからよ!!(怒)

 

 

長坂の戦いその真実

 

200年の官渡の戦いに勝利した曹操はあしかけ7年を費やして華北を制圧。

その余勢をかり、208年7月に南の荊州進攻を開始したわ。時に曹操53歳。

曹操来襲の報を受け、劉表死後その後を受け継いだ次男劉ソウ(漢字みつかりません)はあっさりと降伏を

選択。

それを前線にいながら知らせれなかった劉備は、襄陽で劉ソウに別れを告げると(劉ソウはびびってでてこれな

かったの)豊富な軍需物資のある江陵へ落ち延びたわ、劉備に付き従う民10余万を連れて。

そしてそれを騎兵5千で曹操は追撃をした・・・・・・・というわけ。

この舞台で有名なシーンといえば、関羽が水軍で別行動をとる、諸葛亮が夏口の劉キ(劉表の長男)に援軍を

要請しに行く、張飛が長坂橋にたちふさがり夏候覇を川へ落とし、伏兵のはったりをかまして橋を切り落とす、

趙雲が阿斗を抱いて、曹操軍の中を一騎がけする等など。

どれも躍動感があっていいんだけど、このうちまるっきり嘘なのが諸葛亮の動き、正史では諸葛亮は劉備達と

一緒に逃げ回っているだけで特別なことはしていないの。

ただ劉キが途中で援軍としてかけつけたところを見るとやはりなんらかの親交があったと見ていいのかも

しれないわ。

記述はあるけど非常にそっけないのが張飛の仁王立ちと趙雲の一騎がけ。

確かに張飛は長坂橋の上に立ちはだかって我こそは張益徳だ!!、やってこい、死をかけてうんたらかんた

らと叫んだため、曹操軍は思い切って近づかなかったとあるけどただそれだけなの。

具体的には橋を切り落としたというだけ以外は記述がないの。また曹操軍も近づかなかったのか近づけなか

ったのかもわからないわ。ただ義兄弟の関羽に官渡の戦いの先陣を曹操は任せているから、それだけ関羽

が有名だと仮定できればこのときも同じく張飛も有名で、その武勇に気圧されて近づけなかったとも言えるかも

しれないわね。

趙雲も確かに阿斗とその生母を助けたと記述があるけどそれ以外特別な記述はないわ。

唯一演義と正史が合致してるのは関羽の別行動のみ。ただ、だからといってそれで演義が嘘とは言わないわ。

もしかしたらそんなようなことがあったかもしれないしね。

更に記述が違うのが徐庶。演義ではこの戦いの前に曹操に降っているのだけれど、実際はこの逃避行の最中

なの。母を虜にされて、あるいは劉備の優柔不断さに嫌気が指してなどなど、諸説あって定まらないわ。

つまり一時期諸葛亮と徐庶はいっしょに劉備に仕官していたのね。

ちなみにナデ三で徐庶役はチハヤ嬢よ。記述の少ない徐庶はそれなりに活躍させると作者は言ってるわ。

ちょうど本編で活躍中だしね、チハヤ嬢は(笑)。

そして魯粛と劉備の会見場所。ナデ三では夏口での会見にしてるわ。おやと思うかもしれないわね、魯粛と劉備

は当陽で会ったんじゃないのかって。そう、それは正しいわ。そして作者も正しいのよ。

実は正史ではこの会見場所はなぜか2通りあるの。

呉書(呉の歴史書)では当陽、蜀書(蜀の歴史書)では夏口となってるわ。

なぜ食い違いがあるのか、いろいろと憶測はあるわ。

蜀は劉備が国をとるのが遅かったので歴史を記述するような役職がなく、正史の作者が苦し紛れに書いたと

する説、そうすると呉書が正しいように見えるわ。

正史は魏を正統王朝としているため敵的な国である蜀に対してあまりよくは書けなかったので、支障がない程度

に書きかえられた、でもこれは直接魏との利害が衝突してないわね。

呉は劉備に荊州を貸していたという認識があり(実は根拠がない)、劉備は常に呉に借りがあるので、当陽で

逃げ回っているというより火急の状況で劉備に援助をしたのだと思わせたかった。

こう考えれば蜀書が正しく思えるわ。

ちなみに作者は当陽で出会ったというのは都合がよすぎる。夏口に逃げ延びた後、それを聞いた魯粛が弔問を

理由に会いに来たとと言う方がしっくりくると言ってるわ。他の皆さんはどうかしら?。

ただこの会見場所をどちらかにするかで劉備達の思惑はまるで違ったものになるの。

もし当陽説が正しいなら劉備は魯粛の同盟要請のために江陵行きを断念したことになるわ。

もし夏口が正しいなら彼らはひとまず逃げ切るために夏口へ逃げたことになりその後の進路は定まっていない

ということになるの。

 

どうだったかしら。長坂というひとつの戦いをとってもこれだけ魅力あふれる憶測ができるわ。

では次回でお会いしましょう。

きっと次回も出番ここだけなんでしょうね(涙)。

 

 

 

 

 

 

 

管理人の感想

 

 

3104さんからの連載第三話の投稿です!!

でましたよ、関羽!!

・・・そうか、シュンできましたか!!

でも、台詞は何も無しなんやね(苦笑)

これはナオに期待大だな〜

意外なキャスティングを狙ってるそうですからね。

でも、ミリアとワンセットなんだろうな(爆笑)

 

あ、最後に一言・・・

 

シュンが使う必殺技って、何だろう?(笑)

 

これも期待大ですね〜(ニヤリ)

 

それでは、3104さん投稿有難うございました!!

 

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