時の流れに番外編
ナデシコ的三国志
六話、周瑜初戦を勝利で飾り、陸口への布陣に成功する前編
前回までのあらすじ
諸葛亮と魯粛の説得により一度は曹操との決戦を決めた孫権。
だが曹操からの再度の降伏勧告の書状を受け再び迷い出してしまった。
魯粛は他の家臣は現状を維持できてもあなたは身分を保ち得ないと指摘。
なおも迷う孫権に魯粛は周瑜に相談あるべしと進言。
周瑜は孫権に地の利時の利はこちらにありなんら恐れる必要なしと決戦を主張。
孫権は重臣の前で机の端を切り落とし、開戦の覚悟を見せた。
かくて呉は劉備との連携で曹操軍四十万に挑むのであった。
江陵城の宮殿の一室、1人の少女が座っていた。
少女の名は徐庶チハヤ。劉備サラの参謀であったが当陽での逃避行の際ナデシコA(漢魏)に捕まってしまっ
ていた。
劉備側の切れ者である彼女は他の市民と違い開放はされず、ここ江陵城にとどめ置かれ監禁状態であった。
トントン!!
ドアを叩く音がした。
チハヤは静かに答えた。
「・・・・・・・・・・・・・・・どうぞ。」
中に入ってきたのは美しい金髪をした女性、名を張コウライザ。
敵方から降ってきた外様武将であるが、曹操ユリカからの覚えもめでたい勇猛にして知略を兼ね備えた武将
である。
チハヤの身柄は彼女のあずかりであった。
「少し元気になってきたかしら。」
「・・・・・・・・・・・・・・ええ。」
いたずらっぽく聞くライザに対してそっけない返事で応えるチハヤ。
ライザは更に続けた。
「ねえ、どうしてナデシコAに降ってきたの?。」
チハヤははっきり言ってうんざりしていた。
口には出さないものの、何度同じ質問すれば気が済むんだと表情でライザに訴えている。
「特別理由はない、劉備サラと共に命がけで逃げるほどの恩義もないし忠誠もない
・・・・・・・・・・・・・ だったっけ?。」
「わかってるなら聞かないで。」
「そう邪険にしないでいただける?。
こっちも仕事なんだから。」
ライザがチハヤの身柄を引き受けたのは単なる酔狂であるが、詰問と監視は上からの命令である。
趙雲アキトが彼女の身を心配した関係でユリカは彼女に敵意を抱いていた(笑)。
彼女は自分に逆らった見せしめとして殺そうとまで言いかけたほどだ(おいおい)。
見かねた荀ケジュンや陳羣ミナトらが止めたおかげでそうはならなかったが、
ユリカは彼女はサラの間者かもしれないと投降を素直には認めず、宮殿の一室で監禁に処した。
もちろん見かけは監禁ではないがライザという監視がある以上監禁である。
「酷い艦長だわ、投降してきた人間を問答無用に処刑しようとするなんて。
私の身を心配するのはアキトさんの勝手で別に心配してほしいなんて頼んでないし、そんな間柄でもない
のに。」
「それだけの理由じゃないわ。
切れ者のあなたをそうそう信用できないのは仕方ないんじゃない?。
それにあの軍師を名乗る女の子を劉備サラに紹介したのはあなたなんでしょ?。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
ライザの言にも一理ある、そう思いチハヤは何も言わなかった。
「なぜ私の身柄を預かったの?。」
「そうねぇ・・・・・・・・・・・・・・・。
あなたがどうして投降してきたか本当の所をしゃべってくれるなら教えてもいいわよ。」
チハヤは質問してはみたが本当は予想はついていた。
酔狂もあるだろう、だが彼女は身近に頭の切れる人物を欲しがっているのだ、そう思った。
彼女はユリカからの覚えもめでたい、それだけ有能でもあるし忠実に働いていもいる。
だが彼女は降伏してきた将、生え抜きではないのだ。
どうしてもそういう目で見られる、それを払拭するためにもっと大きな功が欲しい。
それを成すために股肱ともいうべききれる参謀を持つ必要がある。
「まあ話したくないならそれでもいいわ。
なら別の質問をするわ。
いえ、命令とでもいうのかしら、降ってきた以上死ねあるいは死ねと同義以外の命令には従わなくちゃね。」
「なにかしら。」
「この戦いについてのあなたの率直な意見を聞きたいわ。
参謀として。」
チハヤは少し間を置いてから答えた。
「すでにネルガルが開戦宣言したことは知ってる、周瑜ラピスが樊口に布陣したサラさん・・・・・・・・・・・・いえ、
劉備サラと合流したことも。
・・・・・・・・・・・・・・・陸口を取れば相当有利に運べるわ。
逆にとれないと長期化するかもね。」
ライザはもしかすると自分は大きな掘り出し物を手に入れたのかもしれない、そう思った。
目の前にいる純情そうな少女は正確に状況を把握し、正確な意見を述べてくる。
「ふ〜ん、なるほど、さすがね。」
ライザは本気で誉めたのだがチハヤは特別反応しなかった。
今度はチハヤがライザに質問した。
「もう陸口へ向かってるの?。」
「ええ、長江を下ってるわ。
最も、ネルガルの方も長江をさかのぼってるでしょうけどね。」
チハヤはまた口を開いた。
「この時期の長江は急に霧が出たりするからどっちが先に着くかは正直言ってわからないわ。
それにネルガルはのぼってくるから不利に思えるけど船の扱いは彼らの方が慣れてるし。
主力は荊州兵?。」
「ご名答、残念だけど私達華北出身者の水軍は付け焼刃だからね。
一応指揮は蔡瑁ムネタケがとってるわ。」
蔡瑁ムネタケは劉表フクベの家臣であった。
当初はそれなりによく使えたが、
跡目をフクベの次男に継がせ、あっさりとユリカに降伏させた荊州ゆかりの豪族の1人である。
戦歴もそれなりにあるし、水戦にも長じているのでこのたびの指揮を任されている。
「不思議よねぇ、同じ降伏組なのに親近感を感じないのよ。」
「確かに。」
このときばかりはチハヤもライザに同調した(笑)。
「ナデシコAからは誰も目付けをつけないの?。」
「つけてあるわよ、取っておきの人。
あ、そろそろ調練に出なきゃね。それじゃあ。」
ライザは目付け武将の名を告げず部屋を後にした。
1人残されたチハヤは独り言を口にした。
「サラさん、ごめんなさい。
できるなら一緒に行きたかったけど、あなたの悠長さにはついていけない。
私にはやらなくてはならないことがあるの。
・・・・・・・・・・・・・ふふ、なんだかんだ言って私もサラさんと同じ、情にこだわりすぎてる。
でもいいの、お父さん、お母さん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
部屋の静けさの中でチハヤは自嘲の笑みを浮かべていた。
その意味がわかるのはずっと先の話・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(すっげーシリアス!!)。
話がやや前後することになるが、劉備サラは魯粛プロスの進言を受けて樊口に布陣していた。
そしてこの日、趙雲アキトと諸葛亮ルリを連れた周瑜ラピス率いる水軍と合流を果たした。
「アキト、その左腕に捕まっている女の子は誰?(怒)」
サラは怒りを露にしてアキトを睨んだ。
「えっ、あ、いや、彼女はネルガルの左都督で周瑜ラピス、この戦いの総司令官だよ(汗)。」
アキトはラピスを紹介したがサラはなおもそんなこと聞きたいんじゃないって顔で睨んでいる。
「ヨロシクね、サラ。」
簡単な自己紹介で締めくくったラピス。
「(いきなり呼び捨て?、なんなのこの子供?)。劉備サラよ。お名前はそれなりに。
ところで聞きたいことがあるんだけど、その前に・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
アキトから離れなさいよ!!(怒)。
ルリちゃん!!、
あなたも右腕から離れなさい!!(怒)。」
ちゃっかりアキトの右腕にしがみついていたルリ。
だが様子がおかしい。
そこへやってきたのは関羽シュン。
さわがしいので気になって顔を出したのだ。
「なんだなんだ?、ルリ君体調悪いのか?。」
「あ、シュン隊長。ええ、まだ船に慣れてなくて。」
ルリに代わってアキトが受け応えをした。
見るとルリは少し蒼くなっている。
前ほどでないが、また軽い船酔いを起こしていた。
「ごくろうさん、アキト。
おまえは大丈夫なのか?。」
シュンの質問にアキトは苦笑しながら答えた。
「はは、行くときは酷かったですよ。
でも慣れましたよ、一回で。」
「おまえらしいな。
とにかく横になった方がいいな。
行くぞルリ君。」
「は、はい(疲)。」
ルリは本当はアキトから離れたくなかったが(ラピスがなにするかわからないので)、このまま立っていられ
そうもないのでシュンにおぶってもらって宮殿に入っていった。
「結構軟弱なのね。」
「生活習慣が違うからね。」
ラピスの皮肉にアキトは真顔で答えた。
サラは蚊帳の外にされてムッとしている。
気づいたアキトがサラに話し掛けた。
「で、サラちゃん、聞きたいことって?。」
「ええ、ラピスちゃん。
あなたのような有能な人が指揮をするのは頼もしいんだけど、
一体どのくらいの兵を連れてきたの?。」
「3万だよ。」
「さ、3万?、冗談よね。」
「本当だよ。
これでも多いと思ったくらいなんだから。」
サラは3万という数に不満と不安が入り混じった顔をした。
もちろん兵の数が少ないからだ。
ナデシコAの兵力は荊州兵も入れて40万近い。
単純計算しても10倍以上なのだ。
しかもサラはユリカの戦上手を骨身にしみてしっている。
そういう表情をするのも無理はなかった。
「で、でもそれって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「だ〜いじょうぶ!!、サラはここで見てればいいわ。
小手調べに一戦交えるつもりだから。」
サラは釈然としなかったが、とりあえず曖昧な笑みを浮かべた。
「(3万で艦長とやりあうですって?、いくらなんでも無謀すぎる。
とりあえず後方へ布陣して巻き添えを避けるのが得策ね。)。
わかったわ。そういうからには貴方の軍が先陣をきってくれるのよね?。」
「もちろん!!、ただし・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「ただし?。」
ラピスはアキトの左腕をぎゅっと握って嬉しそうに答えた。
「アキト借りてくね!!(はぁと)」
「な!?、そんなの駄目に「そんなの駄目に決まってます!!(怒)」
どこからか盗み聞きしていた張飛アリサが突然現れて怒りの叫びを上げた。
「ア、アリサ、あなたいつの間に?。」
「そんなことどうでもいいんです!!、
それよりラピスちゃん、アキトさんをどうして連れていかなきゃならないのですか!!(怒)。」
「決まってるでしょ。護衛として一緒に戦ってもらうから(はぁと)。」
「ど、どうしてアキトがあなたの護衛をしなくちゃならないのよ!!(怒)。」
サラの質問にラピスは皮肉を浴びせた。
「何そのものいいは?、もしかして何もかも私達にやらせるわけ?。
随分虫のいい話だね。
もしかして協力する気ないの?。」
「うっ!?(汗)。」
正論のためサラもアリサも後が続かない。
だがラピスの狙いがアキトであることは明らかなので引くわけにはいかない。
「それはそうですけど・・・・・・・・・・・・・・じゃあ私が!!。」
「やだぁ、アキトがいい(はぁと)。」
ラピスはアキトに思いきり抱きついた。
「「アキト(さん)から離れなさい!!(怒)。」」
「ちょ、ちょっと3人とも落ちついて。」
「「「アキト(さん)は黙ってて(ください)!!」」」
「は、はい(またこのパターンか)。」
3人とも一歩も引こうとしない。
アキトはここで仲たがいを起こして盟約にひびが入るのを懸念して(アキトが原因だが)ラピスの護衛に回る
決意を固めた。
「わかったよ、ラピス。
俺は君の護衛につくよ。」
「ちょ、ちょっとアキト?。」
困惑するサラにアキトは耳打ちをした。
「ここで喧嘩してる場合じゃないよ。
それに今ラピスにへそを曲げられたら後々困るだろ?。
なるべくなら妥協して共同歩調をとるべきだよ。」
「で、でもそれじゃあアキトに万が一のことがあったら。」
「俺1人の命で済めば安いものだよ。
それにあそこまで言うんだから陸口をとる自信があるはず。
だからサラちゃんはシュンさんとアリサちゃんと共に兵2千で後方に待機。いいね。」
サラが言う万が一とはそういう意味ではないのだが、アキトの真剣なまなざしを受けてサラは落ちた(笑)。
「わ、わかったわ(ぽ〜)。
でもアキト・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
サラは耳打ちしていたアキトの頬へ唇をよせ、
「必ず帰ってきてね(はぁと)、チュ!」
お約束のキスをかました。
「「あーーーーーーーーーーーーーー!!(怒)」」
「え、あ、うん。戻ってくるよ(顔真っ赤)。」
アキトは顔を真っ赤に染めながら力強くうなずいた。
ラピスとアリサは貫くような”怨”の視線でラブラブ(笑)なサラとアキトを睨んでいる。
かくしてアキトは視線に怯えつつも前線となるラピスの操船常緑草(ユーチャリス)に乗りこみ長江をさかのぼって
いった。
長江を東へ下ってくる船団があった。
たなびく旗には”A”の文字が刻んである。
そう、この船団こそナデシコAの大船団である。
荊州兵を主体としてあるこの船団の司令官は蔡瑁ムネタケ。
正確には荊州水軍都督、ナデシコAにおける実質的な水軍の総司令官である。
キノコのような変な髪形がのっかている頭(笑)はそれなりにきれるらしく、うまく取り入り水戦における総指揮と
この先陣をおおせつかった。
まあ水戦は荊州兵が主体となるのは当然のなりゆきなので別に取り入らなくても命じられただろうが。
「よけいなツッコミはもういいわね!!(怒)。」
作者への怒りを露にするムネタケだったが(笑)内心はそれが気にならないほど功名心でいっぱいだった。
「つ、ついにこの時が来たわ!!。
ワタシが荊州の長になる日が!!。
所詮ワタシは降伏してきた日陰者。
とてもじゃないけどナデシコAで中核を成すなんてできっこない。
でもワタシは荊州でも名のとおった名士(これは事実)。
その土地を治めるのはその土地をよく知る人間に決まってる。
そしてこの戦いで大きな戦功を立てればワタシは荊州の太守を望む資格を得られるわ!!。
いくらあの天真爛漫な馬鹿艦長でもネルガルを落とすだけの戦功をたてればワタシを捨て置くことなんて
できないわ!!。
そのためにフクベ提督の息子を降伏させたのよ!!。
多くの人間がワタシを罵ってるでしょうね。
フン!!、だからこそワタシはのし上がって見せるわ!!。
ワタシの国を売るにも等しい行動が正しかったと荊州の人間や同僚達に思い知らせるために!!。」
毒舌の独り言を吐いていると部下の兵士が報告にきた。
「ムネタケ都督、霧が大分濃くなってまいりました。
陸に停泊して霧が晴れるのをお待ちになったほうがよろしいのでは。
その途端ムネタケは烈火のごとく怒った。
「何のんきなこといってんのよ!!。
ネルガルより早く陸口を押さえろという命令が入っているのよ!!。
もしここで停泊してやつらに先を越されたらどうするってのよ!!。」
無類の戦上手のユリカは陸口へ布陣できれば陸戦という自分のテリトリーで戦ができることを早くから
わかっていたので、ムネタケに命じていたのである。
功をあせるムネタケがそう言うのは無理もなかった。
「は、はあ。
しかし我ら荊州兵はともかくとしましても、組み込まれている艦長殿直属の兵達が船酔いで参っております。
恐らく遠征の疲れも原因のひとつかと。」
だがムネタケには馬の耳に念仏だった。
「そんな連中ほっとけばいいのよ!!。
陸口さえとればいくらでもいいわけがきくわ!!。」
本編同様(笑)の鷹揚な態度で兵士をどなりつけるムネタケ。
だがムネタケの言にも一理はあった。
確かに陸口をとられると一筋縄ではいかなくなり長期戦を余儀なくされるかもしれない。
多少の無理はしても陸口へ向かうべきかもしれないと兵士はこれ以上の反論はしなかった。
「ですぎた真似をして申し訳ありませんでした。」
兵士は一礼すると持ち場へ戻っていった。
「全く!!、余計な口を叩くんじゃないわよ!!。
ワタシ達が下っているとはいえネルガルの操船能力は知ってるわ。
ここで停泊なんかしてたらネルガルに先を越されかねないのよ!!。
だからこそ少しでも早く陸口へ向かって最悪敵に陸口を押さえられるのだけは防がなくちゃならないって
のに!!・・・・・・・・・・・・・・・でもむしろ良い状況かもしれないわね。
ただ単に陸口を取るよりも多少の犠牲も覚悟で敵を殲滅して陸口を取ればワタシの株も上がるわ!!。」
ほくそえむムネタケだったが目の前にある霧を軽んじたことを大きく後悔することになる。
そして彼は忘れていた。
水軍におけるネルガルの強さに何度となく煮え湯を飲まされていることを。
士気が低下している兵で勝てるはずはなかったのだ。
樊口の宮殿で体調をくずしたため休んでいたルリは、ラピスがアキトを連れていったことを聞いて怒り狂って
いた。
「なぜアキトさんをむざむざラピスに与えたのですか!!(怒)。」
船酔いなどなかったがごとくわめきちらしている。
「お、怒らないでよ。
あそこでラピスちゃんにへそを曲げられるわけにいかないでしょ。
そりゃあ私だって悔しいけどアキトの意思でもあるし・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
サラが無念そうにいいわけをするとルリは更に怒りを燃やした。
「あ、アキトさんの意思・・・・・・・・・・・・・・・あんな胸無しわがまま娘がそんなにいいっていうのですか!!。
戻ってきたらお仕置きです!!(怒)。」
「ル、ルリ君。
アキトはただネルガルとの友好を保たせるためにだなぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「シュンさんは黙っててください!!(怒)。」
「は、はい(軍師殿ってけっこう熱くなるんだな)。」
「ラ〜ピ〜ス〜、覚えてなさい!!。
あなたに私のアキトさんは絶対渡しません!!。」
「ちょっとルリちゃんどさくさに何言ってるのよ!!。
アキトは主君たる私のものよ!!。」
「だから物あつかいしないでって言ってるじゃないですか!!。
アキトさんは私の大事な殿方です!!。」
ぎゃ〜ぎゃ〜ぎゃ〜ぎゃ〜・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「はぁ〜、こんなんで本当に艦長達に勝てるのか?(脱)。」
ルリ、サラ、アリサの恋のさやあてを聞きながらシュンはだるそうにぼやいた。
そしてラピスはムネタケより先に陸口を確保できるのであろうか。
六話後編へ続く
ドクターイネスの三国志講座
皆さんこんにちは、ナデシコ医療班及び科学班担当のイネスフレサンジュです。今回の三国志講座は武将
列伝第4回よ。
魏の武将を紹介するわ。興味のある人は読んでみてね。
三国志武将列伝其の四
10、張遼文遠役・スバルリョーコ
関羽との友情で有名な義の将、というのはやはり演義の話。実際は人付き合いの悪い軍事一辺倒の武将だった
ようよ。丁原、董卓、呂布と渡り歩き最後に曹操の配下に収まったのだけど、そこでその実力を発揮。
たった800の兵で孫権の10万に奇襲、孫権の心胆を脅かし、更に囲まれた部下を助けるため一騎で突入して
悠々と帰還したという正に闘神。
曹操の息子、曹ヒは彼をいたく気に入り病に倒れた時は皇帝である自分と同じ料理を出し、医者も最高の人物
を出し、母親の邸宅まで建てさせたと言われるわ。
後に呉では張遼がくれば子供がなきやむという逸話(遼遼来々)ができたそうよ。
11、楽進文謙役・マキイズミ
曹操の記録係から中核に入るまでの活躍を見せた剛勇の将。張遼、ウ禁と共に三将、徐晃、張コウを加えて
五将と呼ばれたわ。
この時代の食生活を物語るように小柄だったそうだけど勇敢で引くことを知らないと言われたらしいの。
曹操からの信頼は絶大で落とせない城はないとまで言われたわ。魏の将軍として生涯を戦戦に明け暮れた
けど常に先陣を切り曹操軍の切り込み隊長だったわ。
演義では甘寧の矢を顔面に受けてそのままどうなったかわからないなんてひどい扱いだけど、実際は千二
百戸ほどの禄をはみ普通に病死したの。
12、李典曼成役・アマノヒカル
演義では中途半端な役で終わっているけど実際は儒学を好み、学問に通じた名将だったの。
実際張遼とはあまり中がよくなかったらしいけど公事を優先して国難によく当たったとされるわ。
劉備迎撃と華北制圧に功績が高かったわ。
謙虚で軍中でも一目おかれたようだけど36歳の働き盛りでこの世を去ったわ。
13、陳羣長文役・ハルカミナト
世界史でよくでる九品官人法(九品中正法とも)を草案した魏の政治家。自重できる人柄で献策を密かに
上奏したため彼の功績を周りの人間が知るのはずっと後になってからということがしばしばあったそうよ。
一時期予州時代の劉備に仕えてたらしいけど優柔不断なため見限ったそうよ。
とは言っても彼自身たいした献策はしておらず、唯一陶謙の要請(正確には部下たちからの)を聞いて徐州
の主になるなとあるだけ。
余談だけど九品官人法は官吏当用制度なんだけど当初は能力のある人間なら誰でもだったらしいの。
だけどだんだん家柄が採用基準に変わっていったらしいわ。司馬懿が魏で重きの成したのも彼の家柄が名
門であったためなの。
14、許チョ仲康役・イツキ=カザマ
曹操の親衛隊長。完全な戦士だったらしく一軍の将としての話は聞かないわね。演技のような粗暴な面はなく、
質朴で慎み深く、法を遵守。
私的な交際さえろくにしなかったとあるわ。曹操が許チョに全幅の信頼を置いたのは官渡での曹操暗殺を未然に
防いだことから始まるわ。
官渡の戦いの際、曹操軍は中盤から後半にかけてかなりの窮地に立たされていたの。それでもう後がないと
思った幾人かの武将達が袁紹への寝返りの手土産にでもするつもりだったのかしら、曹操の暗殺を企てた
わ。許チョは非番だったのだけど胸騒ぎがして宿営にいた彼らを討ち殺したの。
曹操が死んだ時、許チョは血を吐くほど嘆き悲しんだそうよ。イツキさんも艦長が死んだら血を吐くかしら(笑)。
どうだったかしら。魏は演義では悪者だけど実際は誰も彼も文武に優れた名将ぞろいだったのよ。
でなかれば中原は制せなかったでしょうしね。
じゃあまた。いつになったら出番があるのかしら(涙)。
管理人の感想
3104さんからの連載第六話の投稿です!!
いやはや、思いっきり甘えてますねラピス(苦笑)
でも、それ以前にアカツキはとうとう消えたな(爆)
名前も出てきやしないや(笑)
・・・そう言えば、まだナオとミリアが出てこないな〜
あのキノコですら台詞があったと言うのに(汗)
う〜ん、この調子ではイネスさんは最後まで出番無しかも?(爆)
では3104さん、投稿有り難う御座いました!!
次の投稿を楽しみに待ってますね!!
感想のメールを出す時には、この 3104さん の名前をクリックして下さいね!!
後、もしメールが事情により出せ無い方は、掲示板にでも感想をお願いします!!
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