(月の女神「第二話」)
西暦2199年6月某日
その日は河合家の住人の葬儀が行われていた。
喪主はミスマル・コウイチロウ
葬儀はミスマル家とネルガルが共同で出していた
そして、この葬儀で見送られるのは、カワイ・アキト、カワイ・ユリカ、ホシノ・ルリの三名
先のシャトルの墜落事故で帰らぬ人となった人たちだった
事故の性質上、遺体が見つからないままでの葬儀ではあるが・・・
カワイ夫妻などは、ほんの十日ほど前には結婚したばかりで幸せはこれからだったはずなのに
本当に、災難はどこに潜んでいるのかわからないと言えるかもしれない
そして・・・ただ一人難を逃れた少女、カワイ・ササミは
その顔に何の表情も浮かべることなく、遺影を持ってただ淡々と葬儀の列に加わっていたのであった。
それでも、ササミにとって大切だった人たちを見送るために・・・・・・
「ササミちゃんはこれからどうするの?
ササミちゃんさえ良ければ私の家に来ない?
私もユキナも歓迎するわ・・・・・・」
ミナトはそう言ってササミの事をさそった
はっきり言ってミナトは今のササミの事はほっとけなかったから・・・痛々しくて
ほんの数日前までは、明るくて表情豊かだったはずのこの子の顔からは
あの事故の日以来、表情が無くなり感情が感じられなくなっていた
まるで、初めてナデシコで会ったころのホシノ・ルリのように・・・
いや、ルリでもここまで生気のない表情をしてはいなかっただろう
「・・・心配しなくてもいいよ、ササミの事はコウイチロウおじさんが面倒見てくれると言ってくれているから・・・・・・」
「えっ?・・・で、でも・・・・・・」
「もうササミの事はほっといて、・・・・・・ササミは一人になりたい・・・・・・」
感情のこもらない声で言ったそれは、はっきりとした拒否の意思表示だった
その時のミナトを見つめるササミの金色の瞳を、ミナトは忘れる事はないかもしれない
冷たい・・・凍えるような冷たい目だった・・・・・・
かつてササミが持っていた暖かさを、輝きを、どこかに置き忘れてきたような・・・そんな目だった
同時にミナトは悟ってしまった・・・この子はもう心を閉ざしてしまっているのだと
いくら声をかけてもその声は、ササミの心には届いてはいないのではないのだろうか・・・と
その事に気づき、絶望的な気分になりながらも、ミナトはなお声をかけつづけたのだが
ササミの、拒絶の意思を覆す事は出来なかった・・・・・・
「私ではあの子の心を救えないのだろうか・・・」
それでもミナトは願わずにはいられない
いつの日か砂沙美ちゃんの心が救われる日が来る事を・・・
その件に、ミナトが関わる事は無い、だが遠い世界で砂沙美の心は意外な人物によって救われる事となる
まだ、それはずいぶんと遠い遠い先の話であるのだが・・・・・・
砂沙美の航海日誌(正史バージョン)
月の女神
〜第二話「そして涙も涸れ果てて」〜
By 三平
ミスマル邸にて
季節は巡る
夏が過ぎ、やがて秋になろうとするこの季節になっても、少女は何も変わらない
相変わらず感情を表に出すことはなく、心を閉ざしたまま・・・ただそこにいるだけ
唯一少女の側にいて、その心をわずかばかり慰めているのは、リョウオウキという名の黒いネコ(?)だけだった
それでも、少女の身体のほうは本人の意思とは関係なく成長を続けており
皮肉な事だが、性格的にかつての子供っぽさが消え、身体の成長も併せて微妙な化学変化をおこしたようで
外から見ればササミは急速に大人っぽくなっていったように見えるようだ
もっとも、ササミ本人には最早関心の無い、そんな事はもうどうでもいいことかもしれない
それはともかく・・・・・・
「やっ初めまして、君がカワイササミちゃんだね」
気が付けば、ササミの前に一人の男が立っていた
髪を金髪に染めた軟派で軽そうな男
長身で見栄えだけは良さそうだが
「オレは今日から君の護衛をすることになったタカスギ・サブロウタ、まっ、ひとつよろしく」
「・・・・・・・・・」
ササミはタカスギサブロウタと名乗るこの男を、ただつまらなそうに一瞥しただけだった
あとは別に興味がないのか、ササミはリョウオウキをつれてプイッと、どこかに行ってしまった
「やれやれ、無口だねえ・・・挨拶くらいは期待したんだけどな・・・」
とまあ、サブロウタは肩をすくめてやれやれのポーズをとったようだ
これからあの無口で根暗な少女のお守りをせにゃならんのである
仕事とは言え大変だねえ・・・サブロウタは人事のようにそう思うのであった
これが二人の初めての出会いだった
後に、ナデシコB、そしてナデシコCにて
それぞれ艦長と副長として、二人はお互いを信頼してコンビを組んでいく事になるのだが
こういう出会いは案外そっけない物なのかもしれない
ところで、なぜ急にササミに護衛がつくようになったのだろうか?
実は、護衛そのものは以前からついていたのだ
あの事故以後、宇宙軍とネルガルのシークレットサービスからそれぞれ人員が派遣されて・・・である
もっとも、ササミには知らせずこっそりとであるが、そんな事くらいササミはとっくの昔に気づいていたようだ
ただ、本人はその事に無関心だったので、無視していたのだ
ネルガルや宇宙軍の思惑など、今更ササミにはどうでもよいことだったから・・・・・・
もっとも、そのネルガルや宇宙軍にとってはどうでもよいどころの話ではなく
ササミの身柄の確保と安全を守る事は、最重要課題の一つだった。
あの事故でホシノ・ルリを失ってしまった今、実績のあるマシンチャイルドで残されているのは、ササミだけなのだから
(酷な言い方すれば、こうなると最早ササミの意思なんぞ関係ないのかもしれない)
ここに来て直接サブロウタを護衛に付けるようになったのは、事態がいよいよきな臭くなってきたからだろう
事態の変化によって、ある程度裏の事情がわかってきた事と、
さらにはその裏の世界の動きそのものが活発になってきて、いつその動きがササミにのびてもおかしくない状況らしい
(マシンチャイルドであるという以外に、火星生まれのササミには狙われる理由があることもわかってきたようでもある)
いずれにせよ、サブロウタの無口で根暗な少女に対するお守りが、この日から始まったのであった。
西暦2199年も残す所あとわずか一ヶ月を切り、季節は冬と呼ぶのに相応しく、寒くなってきたようだ
この日も、カワイ・ササミは相変わらずの無表情で、感情を表に出す事は無かったのだが
実はその時、彼女は内心とても不機嫌だった
原因は護衛と称して、送迎の車の隣の座席に座っているタカスギ・サブロウタの存在のためだろう
およそ、無神経で遠慮という言葉を知らないのではないか? (ササミ主観で)と思われるこの男は
あの日から三ヶ月近く毎日毎日ササミに声をかけ続け、ちょっかいをかけ続けているのだから
それに対し、ササミは無視し続けていた・・・相手にしなかったらそのうち諦めるだろうから
だが、人が無視しているというのに、サブロウタは遠慮無しにササミの領域に踏み込んでくる
ササミは一人で静かにしたいのに、そっとしておいてほしいのに・・・・・・
だからササミは最近では意地になっているかもしれない・・・
こうなったら絶対アイツが諦めるまで無視し続けてやる・・・と
ササミはまだ気づいていない・・・逆にササミの中で、サブロウタは無視できない存在になりつつある事を
仮に、今急にサブロウタが現れなくなったら、かえってササミは戸惑うだろう・・・張り合いが無くなって
それはともかくとして、この日はネルガルがササミに用があるという事で、ネルガル系列の研究所に出かけていた
実は建造中だったナデシコBが今月ロールアウトするので、データーやら何やらのすり合わせが必要だったらしい
当のササミ本人は、今の所宇宙軍からナデシコBのメインオペレータ(将来的には艦長)にとのスカウトを受けていたが
その誘いは固辞しており、どうにか調整の手伝いだけでもとの説得で来てもらったようだ(オモイカネ関連もあるので)
(一応誘いを断っているササミ本人の意思を尊重しているが、ネルガルも宇宙軍もササミの事をまだ諦めていないようだ)
その用事も済んで、今はその帰り道だった
辺りはすっかり暗くなり、その夜道を三台の車に分乗して移動していた
ちなみに前後の車には、ネルガルのシークレットサービスがササミの護衛としてついているもののようだ
で、その三台の車が寂しい山道を通過していると・・・・・・
どおおおぉぉぉ〜〜んんん・・・・・・
いきなり前を走っていた護衛の車が爆発した
更に前を見ると、前方の道は何者かの車両で進路を防がれている
「止まるな!! そのまま突っ切れ!!」
サブロウタがとっさに指示を出す
どうやら何者かに待ち伏せされ、襲撃されたようだ
これはどこからか、今回のササミの行動の情報が漏れていたという事である・・・いったいどうして?
(わざわざ行きと道も車も変えたはずだし、時間もかなり正確に予測されているようだった)
そんな事はともかくとして、彼らの目標は間違いなく砂沙美だろう
攻撃が限定的な所を見ると、襲撃者たちの目的は殺害ではなく身柄の確保であろうか?
ならば、まだ付け入る隙はあるはずだ!!
サブロウタは隣の座席のササミをかばいながら突破の衝撃に備えた
サブロウタは気絶したササミを抱きかかえて山道を逃走していた
ちなみに抱きかかえ方は、いわゆるお姫様抱っこというやつだが別に他意はない
(ササミは気絶しているし、今は他にどうにかする余裕は無いだろうしね)
そのすぐ後を、リョウオウキが離されないようについて来ていた
心なしかリョウオウキが殺気立っているように見えるのは、先ほどの襲撃のためなのだろう・・・・・・多分(汗)
さすがにササミの送迎用に使用した車はVIP用、それも対テロ用だけあってとても頑丈であった
見事に封鎖を突破する事に成功したようだ・・・その時は
(こんな事を書いてて言うのも何だが、砂沙美ってVIPだったんだね)
だが、襲撃者達を振り切ることは出来ず、途中で車を捨てて逃走せざるをえなくなったようだ
ちなみに、ササミは突破の際の衝撃で気絶したのらしい
「どうにか追手は振り切ったかな、今の所は・・・・・・さて、これからどうしたものかな?」
ともかくサブロウタは思案する
味方とははぐれてしまったし
このお姫様の安全は確保しなきゃなんないしな・・・さて
とりあえず、下手に動き回るよりどこかで大人しく味方の増援が来るまで隠れて待っていた方が無難かな
襲撃者が何者かは今の所わからないが、こういうのは短期戦で成功させないとうまくいかない物なのだ
問題はこの季節である、味方が来る前に凍え死ぬなんて事ないようにしないとな・・・
と、その時サブロウタは聞いた
「・・・・・・お兄・・・ちゃん・・・」
それは眠っているお姫様の寝言だった・・・
サブロウタが初めて聞いたササミの肉声であり・・・その声はとても悲しそうに聞こえたのだった
寒い・・・心が寒いよう・・・・・・お兄ちゃん、アキト兄ちゃん
寂しい・・・寂しいよう、もう一度お兄ちゃんに会いたいよ・・・
置いて行かないで・・・ササミは一人は、一人ぼっちはイヤだよ・・・・・・
お兄ちゃんもユリカさんもルリちゃんもみんな酷いよ・・・・・・ササミだけ・・・ササミだけ置いていくなんて・・・
・・・・・・寂しい・・・よ・・・・・・
・・・・・・・・・何だろうこの感じ?
何かが、誰かが、ササミの事を守ってくれているような気がする
理由はわからないけど・・・暖かいや・・・・・・
優しくて暖かくて温もりを感じる
何だか安心できるみたいだよ・・・
・・・・・・!?ここはどこ? ササミはどうして・・・
ふと気が付いて辺りを見ると、周りは暗くてよくわからないが、どこかの岩陰らしい
「みゃう」
ササミの胸元ではリョウちゃんが嬉しそうに返事をしていた。どうやらササミの事を暖めてくれていたらしい
「リョウちゃん・・・ありがとう、リョウちゃんがササミの事暖めてくれていたんだね・・・」
ササミはわずかに顔をほころばせ、リョウオウキにお礼の言葉をかけた・・・が
「よっ、お目覚めですかお姫様・・・」
「えっ!?」
そう言われてササミはようやく気が付いた、自分の置かれた状況を
自分があの男、サブロウタに寄り添うようにしていて一緒にコートを毛布のように羽織っており
その温もりを感じていた事を・・・・・・
かああああああ〜〜〜っ
何が何だかわからないけど、ササミは頭に血がのぼって熱くなるのを感じた
「はっ、はなして・・・何で、どうしてアンタなんかが・・・・・・」
ササミは・・・暴れた暴れた暴れた暴れた
これまでずっと落ち込んで大人しくしていたこれまでの反動が来たかのように
「わかった、わかったから・・・少し落ち着いて・・・痛っ、いつつつっ・・・」
初めはササミを軽くいなしていたサブロウタだったが、急に肩を押さえてうずくまる・・・
それを見てササミはハッとする・・・怪我? 怪我をしているの?
どうして・・・まさかあの時の!?
あの時、ササミをかばっていた時の・・・・・・
そう思った時、ササミは暴れるのをやめた
「やあ、やっと口をきいてくれるんだね・・・ササミちゃん」
こんな状態であるのに、軽い調子で少し嬉しそうだねサブロウタ君
まあ、三ヶ月無視され続けても声かけ続けた甲斐はあったのかもね(そういうもんなのか?)
当のササミはサブロウタ相手に、これまでのように接する事が出来なくなっていた
もう、サブロウタを無視する事なんか出来やしない・・・
あんなヤツなんかあんなヤツなんかあんなヤツなんかあんなヤツなんか・・・・・・だけど
アイツはササミのせいで怪我をしていた、ササミなんかを守るために・・・どうして?
心が痛い・・・どうしてアイツが怪我した事がこんなに気になるの!?
もう他人がどうなろうと、ササミがどうなろうと、どうでも良かったはずなのに・・・・・・
「どうしてササミなんかのために・・・ササミはもうどうなってもいいのに
もう生きていたってしょうがないから・・・出来ることならササミはこのままみんなの所に行きたかった・・・」
ササミは言葉をしぼり出すようにそう言った
そう言いつつも、サブロウタの怪我をしたあたりに触れるササミの手はとてもやさしい・・・
「・・・怒るぞ・・・命を粗末にするような事言うなっ!! 君が女の子じゃなかったら殴ってるところだ
オレだけじゃない、君を守るために死んだやつが何人もいるんだ・・・そういう事はせめて口には出さないでくれ」
そう言うサブロウタの口調はいつもの軽い調子ではなく静かだが厳しいものだった
ササミはただ小さな声で 「・・・ごめんなさい」
と言っただけだった。今はそうとしか言えなかったから
「・・・わかってくれればいい」
どうやらこの子はその事はわかってくれたようだ・・・サブロウタはそう感じた
サブロウタは、この子が大切な人たちを失くしてしまったことは、知識として情報として知っていた
でも、この三ヶ月の無表情で感情を表に出さない姿しか知らなかった
だから今までは、その心中はうかがい知れずにいたのだが
けれども今、その無表情の仮面が剥がれて見えてきたその姿は、とても儚くて、痛々しくて今にも壊れそうに思えた
それをサブロウタは見てしまったのだ
だから不覚にも彼は思ってしまった・・・この子の事は放っておけない、と
ひょっとしたら、サブロウタはこの時から見えない何かにとらわれ始めたのかもしれない
深く心が傷ついていた少女は、もうこれ以上傷つきたくなかったのだ
だから、心を閉ざして自分の殻に閉じこもっていた・・・心が傷つかないように
もう何も失いたくはなかった・・・だからもう誰にも関わらずにいるつもりだった
何も持っていなければ何も失う事はないのだから・・・・・・だけど
そう思っていたハズなのに・・・・・・
少女の心はほんの少しづつだが変化をし始めていた
それは、さっきまで大嫌いだったハズのこの男のせいかもしれない
『サブロウタ・・・』
少女はこの時初めてこの男の名前を意識した・・・心の中でだが
「! フーーッ !!!」
何かの気配に反応するかのように突然リョウオウキが毛を逆立てた
それを見てサブロウタは拳銃を引き抜き
少女を、ササミをかばう様にして戦闘態勢を整える
どうやら相手は気配を消して接近してきていたらしい
だが、相手もこちらが気づいた事に気が付いたのだろう・・・辺りは急に殺気に包まれた
「オレの命にかえても君は守ってやる
だからいざとなったら隙を見て君だけでも逃げろ・・・」
サブロウタは小声でそう言った、ササミにそう指示を出した・・・だが
「そんなのイヤだよ・・・」
「何だって!?」
帰ってきたのは意外な言葉
「ササミに死ぬなと言っといて、自分は死んでも守るなんて・・・そんなのずるいよ
それに、ササミはサブロウタがいなくなるのはイヤだ、そんなのはもう・・・・・・」
ササミはもう自分で何を言っているのか気づいていないようだ
でも、泣きそうな顔でそう言われてサブロウタは自分が間違った事を言った事に気が付いた
「・・・悪かった訂正しよう、オレは死に急ぐつもりはない
だから君も君自身が生き残る事を優先してくれ
そうすればオレは安心して戦える・・・二人とも生きて帰れるさ・・・」
「絶対だよ・・・絶対死んじゃだめだよ・・・」
「約束するよ・・・」
この時、その様子をリョウオウキはじっと見つめ続けていた
そしてそれが、リョウオウキのこのあとの行動へつながっていったのだろうか・・・
戦闘が始まったようだ
乾いた拳銃の発射音が響き、やや遅れて応射する射撃音が聞こえる
ササミは約束した通りに安全地帯まで移動しようとしてハッと気づいた
「!!リョウちゃん、リョウちゃんはどこに行ったの?」
まさか!!?
「・・・約束を守れるのか微妙だね・・・・・・」
サブロウタは二人までは確実に倒した自信はある・・・だが
弾の残りは心許なく撃ちつくした後はどうなるか
「まあ、死ぬつもりはないけどな・・・オレは女の子との約束は守る主義だから・・・」
危機的状況だがなぜだかそんな気がしなかった
オレにはかわいい女神様のご加護がついているからかな・・・と冗談めかしてみたりして
そこに、その場の均衡を破る存在が飛び込んできた
「!!馬鹿、なんでここに来た!?」
現れたのはササミだった。サブロウタは思わず叫んでいた
そこに隙が生まれる・・・
「!!しまった!」
相手はその隙を逃さずサブロウタに狙いを定め・・・
ウミャアアアァァァッッッ・・・
だが突然その射線上にリョウオウキが現れて襲撃者に襲い掛かり
ズダァ〜ン・・・・・・
襲撃者はとっさにそれを銃撃していた
弾はリョウオウキに命中し弾けるようにその身体は崩れ落ちた
直後、その隙に攻撃の回避をしたサブロウタの反撃の応射でその襲撃者は倒された
「リョウちゃん、リョウちゃん・・・そんな・・・こんなの・・・」
ササミがリョウオウキのもとに走り寄る
「危ない、戻れ!!」
くっ、なんて事だ
サブロウタもササミをかばうために慌てて駆け寄る
それを狙って残りの襲撃者達が狙いをつけ・・・・・・
銃声が響いたかと思ったら襲撃者達は次々倒されていった
ゴートの率いるネルガルのシークレットサービスの増援が、ようやくこの場に到着したのであった
「リョウちゃん、リョウちゃん、しっかりしてよリョウちゃん・・・」
ササミは血まみれになり冷たくなっていくリョウオウキの身体を抱きしめて涙声で名前を呼び続けた
自分がその血で汚れることも構わずに・・・
「イヤだよこんなの・・・リョウちゃんまで、リョウちゃんまでササミをおいていってしまうの・・・リョウちゃん・・・」
リョウオウキは・・・おそらく最後の力を振り絞ってササミを見た
その顔はなぜだか笑っているように見え・・・そしてすまなそうにも見えた
『ごめんね砂沙美ちゃん・・・僕はもう駄目みたいだ
もう一緒にいられない・・・けど
砂沙美ちゃんには生きていてほしい、僕は砂沙美ちゃんの事が大好きだから・・・
今までありがとう、僕は楽しかった・・・・・・そして・・・ごめんね・・・』
なぜだかササミにはそう言っているように聞こえた
死を前にしてリョウオウキは思っていた・・・
怖くは無い、だけどもう砂沙美と一緒にいられない
その事に寂しさも感じるし悲しい・・・だけど
そして、リョウオウキはサブロウタの方を見て・・・もっとももうその瞳には何も見えてはいないが
『悔しいけれど、砂沙美ちゃんの事お願い・・・僕はもう砂沙美ちゃんの側にいてあげられない
僕には砂沙美ちゃんの事を支えてあげられなかったけれど・・・・・・あなたなら・・・』
サブロウタもそんな声を聞いた気がした
直後、リョウオウキの身体から命の焔が消えた・・・
「リョウちゃん・・・リョウちゃ〜ん・・・・・・」
砂沙美にとって大切な人たちを失ってなお側にい続けてくれていた最後の友だちを、この時永遠に失った・・・・・・
それは砂沙美にとっては過去から繋がる最後の糸が切れたという事だった
少女は泣いた・・・泣き続けた・・・・・・もう冷たくなった友だちの身体を抱きしめながら
そんな様子にサブロウタは何も出来なかった
ただ、少女の身体がこれ以上冷えないように、そっとコートをかけてやる事ができただけだった
少女を過去と結ぶ絆がすべて断ち切られた時
皮肉な事に、それにより少女は過去と決別し、新たな道を歩み始める事になった
その道がその少女にとってどんなものだったとしても・・・
いずれにせよ、わずかに残されていた少女の日常生活の時間は終わった
その日のミスマル邸にて・・・
その広い庭の一角で寂しいがささやかな葬儀が行われていた
参加者はササミとサブロウタの二人だけ
家主のミスマル・コウイチロウの許可をもらって掘られた穴には
リョウオウキの小さな亡骸が横たえられていて・・・ササミは最後のお別れをしていた
「ねえ、サブロウタ・・・涙って涸れるんだね・・・」
話を振られたサブロウタは驚いて思わずササミの顔を見た
ササミは感情のこもらない表情を変えることなく、ただ淡々と話を続ける・・・
「リョウちゃんまで死んじゃって・・・悲しいのに、今でも本当に悲しいハズなのに・・・なのにもう涙も出ないんだ・・・・・・」
そう言ってササミは微かに笑った・・・
もう泣く事ができないのなら、涙が出ないのならば・・・・・・
いっそ笑うしかないではないか
そして、この日からその言葉どおりササミは泣かなくなった・・・涙を見せる事はなくなった
痛々しいまでの儚い笑みを浮かべて・・・
何を思ったのか、ササミはツインテールに髪を止めていた髪留めをはずして
それをリョウオウキの側に置いた
それは、いつも身につけていた髪留めを、自分の分身と見立てての物であろうか・・・・・・
「・・・これでリョウちゃんも寂しくないよね
これでササミはいつでもリョウちゃんの側にいられるから・・・ずっと、ずっと一緒だよ」
リョウオウキとのお別れは淡々と終わった
いや、お別れなんかではないか・・・だって、これからもずっと一緒にいるのだから
「お別れはもういいんだね?」
サブロウタの問いにササミは無言でうなずく
それを合図にサブロウタはシャベルを手に取り、リョウオウキの身体の上に土をかけていく
ササミの金色の瞳はそれをただ淡々と見つめ続けていた
土の中に消えていくリョウオウキを見つめながら、
この時ササミはある決意を固めていたのだった
風が吹き抜けていく
髪留めをはずした、ササミの腰まである長い髪が、風に吹かれてさらさらと流れた
その濃い水色の髪は、まるで風に映えているようであった
「ササミは宇宙軍にお世話になる事に決めました
コウイチロウおじさんありがとう、今までササミのわがままに付き合ってくれて・・・」
後片付けなどが終わりひと段落ついた頃、ササミはミスマル・コウイチロウの前でそう言った
表情こそまだ硬いものの、その声色はコウイチロウの前では比較的柔らかい・・・
「・・・そうか、ササミちゃんがそう決めたのならそれでいい
だが、そうか・・・この家も寂しくなるなあ・・・」
コウイチロウは少し寂しそうな表情をしてしみじみとそう言った
現在の宇宙軍のトップとして、ササミちゃんが宇宙軍に来てくれる事は大歓迎である
これでナデシコBのオペレーターの問題も解決されるだろう
だが、痛々しいまでにキズついたこの少女を・・・軍人になるのを嫌がっていたこの少女を
再び軍に駆り立てることに罪悪感を感じないでもない
それに娘を、ユリカを失って以来やはり落ち込んでいたコウイチロウにとって
ササミの存在は側にいてくれるだけで心慰める物でもあったから
ある晩のこと・・・コウイチロウは庭に出て月を眺めていた・・・ただそれだけの事だった
ただそれは、月を眺めながら娘を失った痛みや悲しみにじっと耐えていてのことだったのだが
気が付けばすぐ側にササミちゃんが来ていた・・・何も言わないでやはりただ一緒に側にいて月を眺めるだけ
コウイチロウは悟った・・・この子も寂しいのだな
ササミの方もコウイチロウの心情に思い至ったのだろう
結局その時はお互いに声をかける事は無かったが、お互いのことを思いやっていたようにおもえる
一緒にいるだけでも、お互い心慰められていたのだった
コウイチロウにとって、ササミは今ではもう一人の娘のようにも感じられていた
だからという訳でも無いだろうが、ササミを強制的にでも軍にひき立てようとする動きもあったのだが、
それらはコウイチロウがすべて押さえていたのだった・・・本人の意思をもっとも尊重するべきとして
ひょっとしたら、ずっと手元に置いておきたいとも思ってたかもしれないが
だが、ああいう襲撃事件もおきたのである・・・そろそろこの辺りが潮時なのかもしれない
「コウイチロウおじさん、ササミが軍に行っても
たまにはこの家に遊びに来てもいいかな?
ここにはリョウちゃんも眠っているし・・・・・・」
「ササミちゃんに閉ざす門は家には持ち合わせておらん・・・
いつでも歓迎するよ。だがそのせいで軍務がおろそかになっても困るがね」
真面目くさった顔をしてコウイチロウはそうのたまったが、口調は柔らかかった
本当に寂しくなるなあ、そう思ってコウイチロウは改めてササミのことを見た・・・優しい眼差しで
『しかし、髪をおろしたササミちゃんもいいなあ・・・ついこの間まで子供だと思ってたのに
ユリカもそうだったが子供は成長が早いなあ、いつの間にかずいぶんと大人っぽくなって・・・・・・おじさんは嬉しいぞ』
とまあ、最後のあたりはバカ正直なこと考えてしまうコウイチロウであった・・・オヤジ入ってるよおっさん(苦笑)
だが、最後あたりはそんなだったのでコウイチロウは気が付かなかった
ササミの瞳に暗い焔が灯っているのを・・・・・・
あの時ササミは聞いていた
あの時とは、リョウちゃんの死にササミが泣きつかれて眠っていた時
気が付けば移動の車の中だった
『・・・では襲撃者はクリムゾングループの?』
『証拠は何も無い、だが状況からみて間違いはないだろう』
ふと気が付いたササミの耳に飛び込んできたのはそんな会話だった
『・・・君がそこまで気にする事ではない。
だがおそらく、ワンマンオペレーションシステムプランに対する妨害と、マシンチャイルドの確保・・・そんな所だろう』
ササミはそのまま寝たふりをしてその会話を聞いていた
そしてそれが、ササミの心にある方向性を指し示す事になるとは・・・・・・
「クリムゾン・・・クリムゾングループ・・・そんな、そんなくだらない事のために・・・・・・」
砂沙美は大切なものを失い続け、奪われ続けた
そして、今また大切な最後の友達までも奪われて・・・
アイツらの、あんなヤツラの思い通りになどなるもんか!!
絶対に・・・絶対に砂沙美はアイツらを許さない!!
だから砂沙美は戦う! 今は無理でもいつか必ず!!!
いつか必ず思い知らせてあげるから!!
それはあるいは利己的な理由からだったかもしれない
だが、理不尽な運命に対する怒り、悲しみ、憎しみ
砂沙美のなかで鬱積していたあらゆる大きな負の感情は、その行き場を見つけたのかもしれない
それから二年ほどその想いは砂沙美の中でくすぶりつづけることになるが
二年後の火星の後継者の動乱の時、砂沙美はすべての真実を知る事となる
その時砂沙美がどうするのか?
今この時点では誰にもわからないのだった
おまけ
「我等に断りも無く行動を起こした挙句、失敗して獲物に逃げられるとは・・・無能の極み」
蜥蜴な顔したテロリストのリーダーらしき男が、別の男を糾弾しているようだ
奇妙な編み笠かぶりマント羽織った見かけは随分怪しい男である
「はっ!! な、何を言うかと思えば・・・我々は貴様らとは別組織だ、お前に責任云々指摘されるいわれは無い!!」
そうとも、私はクリムゾンの人間だ、秘密協定を結んでいるとはいえ命令系統は別なのだ
木星のこの得体の知れない蜥蜴野郎になぜ責任を追求されにゃならん?
「あの獲物は以前我が狩り損ねたモノ、今度こそ捕らえるべく準備をしていたものを・・・」
クリムゾンの工作隊が先走って失敗してくれたおかげでそれらが無駄になってしまった・・・
それどころか、獲物は宇宙軍に入り警備も護衛も大幅に強化されてしまい、おいそれと手出し出来なくなっていた
一度失敗すれば相手も警戒する、一度で確実に狩らねばならないものをこの無能者は・・・
まあいい、無能な失敗者は処理するだけだ
「ま、まて・・・私はクリムゾンの人間だ、私に手を出したら・・・」
「・・・知らんのか? 貴様の処分は我に一任されているのだ」
その言葉を聞いて男は青くなった・・・すでに自分は上に切り捨てられていると悟らされたから
「ま、まってくれ・・・私の話を・・・・・・」
蜥蜴な男は、その言葉が終わらないうちに無能者の処理をおわらせた
「まるで歯ごたえが無い・・・憂さ晴らしにもならんわ」
単なるぼろ雑巾と化した肉の塊の始末を指示しながら、男は忌々しげにつぶやく
この無能者に限らずこの所、研究者どもやクリムゾンのヤツラは不手際が目立ちすぎる
先日もネルガルのネズミどもの潜入を許し、せっかく我が捕らえた王子様と妖精に逃げられている
(あ、王子様とかお姫様とか妖精とかはニックネームという事でね、念のため、笑)
半死半生だった王子様はまあよかろう・・・あヤツはどうせもういくらも持たぬであろうし何も出来まい
だが、せっかく我が調教していた妖精・・・最近ようやく従順になってきたというのに
(何がどう従順になってきたのかは皆さんの想像に任せますが・・・・・・核爆)
その妖精をも取り逃がしてしまうとは・・・まったくいまいましい事よ
何らかの埋め合わせが必要と思っていた矢先にこのていたらくとはな・・・
それにしても、『河合砂沙美』妖精の片割れ・・・悪運は強いようだな
あのシャトルに乗り込むのを寸前に回避し、そして今回また逃げおおせた
まあ良い・・・いずれまみえる事もあるだろうよ、その時は・・・
その男、北辰はいつか来るであろうその時の情景を思い浮かべ人知れず舌なめずりをしたのであった
おまけ2
「失敗だって!?・・・せっかく新しい実験材料が手に入るかと思っていたのにねえ」
マッドな科学者、この男の名はヤマザキ・ヨシオ
それにしても、まるでほしいオモチャが手に入らなかった子供みたいな反応かもね
尤も、それはマシンチャイルドにしてA級ジャンパーなどという、おそらく世に二つと無い珍しいオモチャなのだから仕方なしか
ここの研究者達からすればよだれが出るほど魅力的な素材に逃げられたともなれば落胆もしようというものだろう
せっかくあんな事やこんな事をしようと思っていろいろあれこれ考えていたのにねえ・・・それが手に入らないとは
(あんな事やこんな事・・・ヤマザキの場合は一般人のそれとはニュアンスが違うと思います・・・多分)
ちなみに、王子様や妖精相手に散々やりたい放題やり、お姫様をとあるナビゲーションのための触媒にして
随分趣味に走った好き勝手な事やっておいてまだ足りないらしい(犠牲者は三桁だぞ最終的には・・・)
「ああ、ぼくがこんなに恋焦がれているのに、君は何てつれないんだ・・・」
砂沙美が聞いたらなんと言うやら・・・
ちなみに、ヤマザキは後に砂沙美がもっともぶっちぎりで毛嫌いする男となるのであるが・・・知ったこっちゃないか
(ちなみに北辰は二番目に毛嫌いされる事になったりする・・・これまたしょうがないかな)
西暦2199年12月
試験戦艦ナデシコB就役する、所属は連合宇宙軍第四艦隊
この時点では艦長は不在であるが、変則的な人事が行われる
副長兼艦長代理、タカスギ・サブロウタ大尉
メインオペレーター、カワイ・ササミ大尉
これは、それまで軍との関わりを拒んでいたササミをすぐ艦長に
という訳にはいかなかったための変則的な配置であったようだ
(劇場版のルリの場合、それまで接触とか協力とかやっていたみたいですけどね)
西暦2200年2月
試験航海がおわり、ナデシコBが正式に所属部隊に配置される
と同時に、カワイ・ササミは少佐に昇進、正式に艦長に抜擢される
連合宇宙軍最年少記録は更新されたようだ
副長はタカスギ・サブロウタがそのまま留任、副長補佐としてマキビ・ハリ少尉(この年十歳)が配属される
これにより、ササミ、サブロウタ、ハーリーのトリオによるナデシコBの活動が本格化し
いくつかの事件を解決してその功をあげることになるのである
同年、クリムゾングループが発起人となってのボソンジャンプを利用しての移動手段
『ヒサゴプラン』がこのころから機能し始める・・・ボソンジャンプ宇宙移動新時代の幕開けだった
だが、実はその裏で行われていた事とは・・・・・・
そして西暦2201年
同年7月よりヒサゴプランのためのターミナルコロニーが連続して襲撃を受け破壊される事件が発生
同8月その調査のために宇宙軍はナデシコBをターミナルコロニーアマテラスに派遣する
はたして、ササミたちはそこで何を見て何を知る事になるのだろうか?
つづく
あとがき
さて、やたら手こずりましたがようやく『月の女神』第二話を送り出すことができました
この手間であれば航海日誌のほうなら、少なくとも二話ぶんくらいの話が書けたのではないかなあ(苦笑)
それはそれとして、また代理人さんに大蒲鉾菌に汚染されているだのなんだの言われそうですね(汗)
その辺は開き直るしかないかなあ
なんか、三郎太(サブ)×砂沙美になりそうな展開になっちゃったなあ・・・初めはそんな予定無かったのに
これ書いている途中に風流さんのSS見ていてサブ×アキラのカップリング見て「そうだよなあ」と思う自分もいたし
多分この話書いていなかったら「何でやねん!!」と、SS読んで突っ込み入れたい気分になっていたかもしれませんけどね(苦笑)
何でも書いてみるものです(SSでも何でも書いてみてわかる事もありますね)スミマセン横道それちゃいましたね
まあ、書いていて改めて気づいたのですが、このSSの砂沙美はお兄ちゃん子なんですよね
必然的に年上の頼りになる男性を求めるのではないかと
その論法でいけば、お子様なハーリーでは駄目という事になるなあ・・・
将来はともかく、劇場版当時のハーリーではキズついた砂沙美の事を支えるのは無理ですね(キッパリ)
とはいえ、まだ砂沙美とサブは恋人同士というわけでもないしどうなるか流動的ではありますけどね
いろいろ劇場版のルリとは違うことやってみましたがどうだったでしょうか?
(かえってこの後が大変かなあ、どう劇場版と差別化するか・・・この先の話の筋は同じだから変化が難しいかな?)
砂沙美の外見と身長
砂沙美がナデシコに乗り込んだ時(航海日誌の一話ごろ)はプリティサミーのそれを基準としています
すなわち、十一歳で(サミーでは十歳だったが)身長125cmとします。ちなみにルリは122cmと設定されています。
では、十六歳ではどうでしょうか?
砂沙美の成長した姿は天地無用およびプリティサミーに登場の津名魅の姿だと想定しています
それで、プリティサミーの設定だと津名魅の身長は167cmでついでにスリーサイズはB83、W59、H84、となっており
女性としては結構身長もあるし、スタイルも良いようです。(ちなみに日本人成人女性の平均身長は158cmです)
ナデシコキャラでわかりやすい比較は、ユリカの身長166cm、スリーサイズB85、W58、H86、だと思います。参考までに
もっとも、これはすっかり大人に成長しきってのもので、劇場版シナリオの砂沙美は十六歳(実質十五歳と半年)だから
これよりやや身長は低くスリーサイズももう少し少なめになると思いますけどもね
(身長は150後半〜160cmの前半と言った所だと思います)
それでも劇場版のルリより身長は高いですし(ルリは148cm)スリーサイズでもルリどころかメグミより上でしょう
この第二話のころの砂沙美の身長(十四歳)はどうかなあ・・・はっきり決められないので大雑把に決めるかなあ
初めが(六月)140前半で後半が(十二月)140の後半くらいかなあ・・・まあそんなところでしょう
髪留めをはずして髪をおろした砂沙美の外見は津名魅そっくりです。そう設定してます(まだ幼さが残ってますけどね)
髪型はそれ以降はロングのストレートとなります
(津名魅は二箇所で縛ってますけどそこまで一緒でなくてもいいでしょう・・・個人的にストレートが好きということもありますけどね)
そんなわけで今回はこの辺で、次が何時になるかわかりませんが、一ヵ月後には続きが書きたいと思います。
代理人の感想
・・・・・・言って欲しい?
まぁ、リョウオウキまでその手にかけるとは私も思いませんでしたけど(爆)。
でも、劇場版と展開が違うのはいいですね。
読んでてわくわくします。
ある意味今の砂沙美は「黒い妖精」ですから。
王子と妖精と会った時、そして会うまでにどうなる事やら?
2002年2月17日、二人目の大蒲鉾菌感染者を認定。
『投稿作家のカルテ』より抜粋