時を翔け抜く双天使
プロローグ
復讐が終わり、ユリカは助かった・・・
ルリちゃんやナデシコの皆が助けてくれた・・・
ユリカに・・ユリカに会いたかった・・・
会って、もう一度抱きしめたかった・・・
だけど、もうそれは叶えられない・・
そう、俺は血で汚れすぎているから・・・
ラピスをナデシコに預け、俺は人生に幕を引こう・・・
誰もいない場所で・・・
いつからか狂ってしまった俺の人生に・・・
眩く輝く太陽。瞬く無数の星・・・
雄大な宇宙の中、赤い火星を背景にユーチャリスはナデシコCから逃げていた。
突然ユーチャリスが停止する。
「エッ、アキトイマナンテ・・・。」
「ラピス、君はナデシコCに行くんだ。」
「ドウシテ?アキトハワタシノコトキライニナッタノ?」
「嫌いになんかなるはずないだろ。ただラピスには未来がある。おれにはない、ね。だから、行くんだ!いや、行かなくちゃいけない!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ワカッタ・・・・。」
「いい子だ。もしもの時にはユリカか、ミスマルおじさんを頼るといい。じゃあ元気にするんだぞ。」
アキトは最後にラピスの頭を撫でて出ていった。
プシュッ
ブリッジの扉が閉まる。
「アキト・・・ナンデ、ナンデ・・。」
ブリッジにラピスの呟きが響いた・・・
アキトはブラックサレナで出撃し、ナデシコCの前に立った。
「ルリちゃん、ラピスのことを頼みたい。あの子は人の暖かさを知らない。教えてやって欲しい。」
「それはかまいませんが、アキトさんはどうなさるんですか?」
「俺は皆の前から消える。もう会うことはないだろう。」
「テンカワッ!何でそんなことを言うんだ!もう復讐は終わったんだろう。ナデシコの皆が地球で待っているんだ。僕達と一緒にかえろう。」
「すまない、それはできないんだジュン。俺の手は血で汚れすぎた・・・」
「アキトさんっ、それは勝手よ!!ユリカさんやルリルリを悲しませることになるわっ!!」
「それでもだ、ユキナちゃん。今の俺ではもうユリカ達を幸せにすることはできないよ・・・。フィールド展開・・・」
ブラックサレナの周りにジャンプフィールドが形成される。
「イメージング開始・・・。」
「そうはさせませんよ、アキトさん!ハーリー君アンカー射出!!」
「了解しました。アンカー射出!!」
同時刻、ユーチャリスでも、
「アキト・・ヤッパリイカセナイヨ。ダッシュ、ホバクヨウワイヤーシャシュツ。モクヒョウ、ブラックサレナ!」
「了解!!」
ドガッ!!
シュルルッ!!
アンカーがブラックサレナに突き刺さり、ワイヤーが巻き付く。
「ぐあっ!?くっ、今のでジャンプフィールドが不安定に・・ルリちゃん!ラピス!何をしているかわかっているのか!!ジャンパーじゃない人はどうなると思っているんだ!?」
「大丈夫ですよ、アキトさん。ナデシコCには私とジュンさん、ユキナさん、サブロウタさん、ハーリー君しか乗っていません。」
「全員ジャンパーか・・・しかし、どこに跳ぶかわからないんだぞっ!!くっ!キャンセルできない!?ジャンプする!?」
ビュンッ!!
こうして、その空間に静寂がもどった・・・
そして、彼らは時を逆のぼる・・・
各々が願った時間へと・・・
再び戦いが始まる・・・
歴史を変えるための戦いが・・・
後書き
はじめまして。暁の明星というものです。
初投稿。しかも連載物。
無謀なのはわかっていますが、どうしても書きたかったんです。
この話は、アキト、ジュン、オリキャラ1人の3人を主軸に動きます。
「時の流れに」の設定かなり使わせてもらいます。
支離滅裂ですが、よろしくおねがいします。
代理人の感想
「時の流れに」の再構成物と言うのは珍しくありませんが、
ジュンが主軸と言うのは実に珍しくあります(笑)。
「時の流れに」では余りと言えば余りの扱いだった彼ですが、
この世界では男になれるのでしょうか(爆笑)!?
乞うご期待。