サモンナデシコ
2
第七話 波乱の港 〜 Bounser Attack! 〜
ザァァァァァ・・・
耳に心地よい波の音が響く。
潮風の匂いを感じたあたしは、寝惚け眼をこすりつつ目を覚ます。
軽い重みを感じていた右腿には、ハサハちゃんが可愛い寝顔を披露していた。
「う、ん・・・」
ハサハちゃんを起こさないように背伸びをしながら、周囲を見回す。
目の前には青い海が広がっていて、あたしは海岸にある岩の一つを背もたれにして眠っていたみたいだ。
よく見ると、あたしの右隣には寝ているアメルとミニスの姿もあった。
ちなみに、ハサハちゃんの隣ではケイナが寝てるし。
・・・・あ、浜辺でフォルテとネスとロッカが寝転がってるや。
ああ、そうか―――昨日はイオス達の追撃から一晩中逃げ続けて、なんとかこの港街ファナンに辿り着いたんだった。
何とか安全な場所に着いたと思った瞬間、あたしも自分の意識を手放したんだっけ。
「それはそうと・・・・・・・・・・あの男は何処行った?」
「もらった〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
ドパッアァァァァァァァンンンン!!!
「ななななな?????」
突然かなり遠方で海面が爆発、聞き覚えのある大声が浜辺に響き・・・あたしの目は一瞬にして醒めた。
そしてその大声と轟音に、他の皆も驚いて目を醒ます。
「あ、お魚・・・」
ハサハちゃんが寝惚けた声で上を指差す。
あたし達の視線が上空に向く。
どう見ても、洒落にならない大きさの魚が、あたし達の居る浜辺に落下する。
ドスゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンンンン!!!!!!
「・・・・・・・・・・・・・」
全員、寝起きにこの現実では頭が働かない。
揃って呆けたような顔で、ピチピチ(いや、この大きさだとドタバタか?)と元気に跳ねている大魚を見ていた。
ミニスやハサハちゃんなら、その尾鰭の一撃で軽く吹き飛ばされそうな大魚だ。
「う〜ん、大漁大漁♪」
「また貴様の仕業か!!」
上半身裸に、お玉を持って泳いでいるアキトに全員が突っ込みを入れた。
「で、この後はどうする?」
「そうね、まずは宿でも探そうかな。
ちゃんと身体を休めたいし」
焚き木に先ほどアキトが釣り上げた(?)魚を焼きながら、あたしとネスは今後について話し合っていた。
アキトは嬉々として魚を捌いた後、今は残った身をどうするかという現実に悩んでいた。
・・・・・・・後先考えずに、あんな大きな魚を釣ったあんたが全部悪い。
「も、もう食えねぇ〜」
「調子に乗って食べるからですよ、フォルテさん」
浜辺で食べすぎで倒れているフォルテを、アメルが心配そうに看護している。
その隣では同じように唸っているロッカを、ケイナが面倒を見ていた。
どうやら、どちらが大量に食べれるか勝負をしていたみたいね。
・・・何をしてるんだか、この二人も。
「あんた達、何をこの浜辺で騒いでいるんだい?」
今後の事を悩んでいるあたし達に、一人の女性が話し掛けてきた。
「お邪魔します〜」
「ああ、そんなに堅苦しくしなくていいよ。
どうせあたいしかこの家には住んでいないから、部屋だけは余ってるんだ」
あたし達に浜辺で話し掛けてきたのは、金髪をポニーテールにしたスラリとした体型の女性で。
名前をモーリンといった。
この港街ファナンで用心棒をしている格闘家らしい。
彼女はとても姉御肌な女性らしく、浜辺であたし達が困っている事を察すると、自分の家に来ないかと誘ってくれたのだ。
・・・あたしを含め、女性陣の疲労が激しい事を考えて、あたし達はその提案を喜んで受けた。
彼女の気さくな人柄に、あたしは信用出来る人物だと判断をしたからだ。
ネスも暫くの間考え込んでいたけれど、その意見に賛成してくれた。
「へ〜、こんな大きな家に一人っきりなのか?
でも女性一人で住むのは、無用心じゃないのか」
「フォルテ、馬鹿な事を考えるんじゃないわよ。
モーリンって、結構な腕前の格闘家みたいだしね」
フォルテにそう釘を刺すケイナ、そしてそれを聞いて笑い声をあげるモーリンだった。
珍しそうに道場を見回すハサハちゃんとアメルを左右に従えて、あたしはやっと一息をついた。
全員が休憩をしていると、ミニスが一言
「・・・ねぇ、アキトは?」
「・・・・・・・・そう言えば、また消えてるな」
フォルテの呆れた声に、最早何も言えないあたし達だった。
アキトが帰ってきたのは、夕御飯の支度をしようとする時だった。
正確にはアメルとケイナが台所に向かうと、既にそこにはアキトが楽しそうに鍋をかき回していたそうな。
二人もアキトの神出鬼没ぶりに慣れてしまったので、そのまま一緒に調理の手伝いをしたらしい。
何だかな・・・・・・・・
「で、何処に行ってたのよ?」
野菜がふんだんに盛り込まれたスープを飲みながら、あたしは対面に座っているアキトに尋ねる。
相変わらず性格は別問題として、料理の味は格別だった。
「いや〜、あの魚って凄く珍しい種類だったらしくてさ。
切り身を市場で売ってきたんだけど、結構な儲けになったよ」
嬉しそうに笑いながら、アキトは自分の料理を食べる。
「・・・・・・あの魚は、普通の漁船には釣り上げるのは無理な重量だからね。
一体どうやって、浜辺まで引き摺り上げたんだい?」
「え、ちょっと食料を調達しようと思って海に入ってさ。
その時、海中で見つけたから、お玉の一撃で打ち上げたんだけど」
そう言って、モーリンの目の前で片手を軽く振るアキト。
「あはははははは、お玉で打ち上げた、だって?
アンタ面白い男だねぇ!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・ま、普通は信じないよねぇ
モーリンの楽しそうな笑い声を聞きながら、黙って頷くしか出来ないあたし達だった。
何の因果か・・・あたしは蒼の派閥と対を成す、金の派閥の総帥と面会をしていた。
召喚術を極めようとするのが蒼の派閥の目的であり。
召喚術を民間の生活に役立てようとするのが、金の派閥の目的だった。
その金の派閥の総帥 ファミィ=マーン
ちょっと癖のある金髪と、柔和な笑みを浮かべている御婦人だった。
そして、何とミニス=マーン・・・つまり、ミニスの母親だったりするのよねぇ
「お、お、お、お母様・・・あの、私・・・」
「あらあら、何をそんなに慌ててるの、ミニスちゃん?」
口調は優しいけれど、目が笑ってないよこの人・・・・
何故か押し潰されそうなプレッシャーを感じながら、あたしは背中に大量の汗を掻いていた。
笑顔を向けられた当人であるミニスは、既に陸に揚げられた魚の如く、口をパクパクしている。
「ケルマちゃんと喧嘩したんですって?
でも、どうしてミニスちゃんは、大切お友達のシルヴァーナを呼ばなかったのかしら?」
知ってる、絶対に理由を知ってるよ、この人〜〜〜〜
「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、お仕置きは嫌〜〜〜〜〜〜!!」
プレッシャーに負けて・・・背を向けて逃げ出そうとしたミニスに、青白い光が直撃する。
その時目の前で起こった出来事を、あたしはきっと忘れない。
―――御愁傷様、ミニス
「って、事があったのよ」
サラダを頬張りながら、あたしは今日の出来事を皆に話す。
ミニスは何とか母親に許しを得た後、今日だけは実家で過ごすそうだ。
・・・・・・・・・・明日、無事な姿を見せてくれればいいけれど。
「へ〜、こっちは特に事件はなかったけどな。
あ、そうそうユエルと再会したんだ、この街の商店街でさ。
どうにも食べ物に困ってたみたいだけど、この街の商店街の人の好意でなんとかなりそうだよ」
「・・・・・・・・海賊達を、お玉で殲滅したのは事件じゃないのかい?」
昨日とは違って、何ともいえない顔でアキトに突っ込みを入れるモーリン。
どうやら、さっそくアキトの理不尽振りを目にしたらしい。
「海賊達ねぇ・・・何人だった?」
「え、8人だけど?」
「じゃ、全然問題無いな。
アキトを相手にするんだったら、後百人は連れてこないとな」
「ひゃ、百人?」
フォルテとモーリンの会話に、その通りだと頷くあたし達。
少なくとも、足手纏いがいない状態で戦った場合の戦闘能力は、あたし達には想像も出来ないのだから。
「う〜、食べれないよ、お兄ちゃん〜」
「あ、蟹は甲羅を剥かないと駄目なんだよ、ハサハちゃん」
・・・・・・・・当の本人は、まるで関心が無いみたいだけど。
翌日、やっと疲れがとれたアメルとハサハちゃんを誘って、あたしは浜辺に向かう。
アキトみたい超大物は釣れなくても、そこそこの獲物を釣ろうとあたしは奮起していた。
その当人たるアキトは、モーリンの頼みで彼女の道場で組み手の相手をしている。
ま、家主の頼み事だし、無下には断れないわよねぇ
そして一時間後―――
「・・・・・・・・・・・凄いの釣っちゃいましたねぇ」
「・・・・・・・・・・・本当にねぇ」
「・・・・・・・・・・・お姉ちゃん、コレって何?」
ただ、残念ながら釣れたのは行き倒れのオジサンだったけど。
釣り針の先に吊るされた、シルターンの着物を着たオジサンを前にして、あたし達三人は後頭部に汗を浮かべていた。
ガツガツガツ!!
あたし達の目の前では、凄い勢いで釣れたオジサンが弁当を食べている。
アキトに頼んで作ってもらったお弁当だけど、既にあたしとアメルの分は全てたいらげられていた。
ちなみに、今はハサハちゃんのお弁当にチャレンジ中・・・
「そんなに慌てて食べると、喉に詰りますよ?」
「うぐっ!!」
アメルが注意した矢先に、見事なリアクションをするオジサン。
ボサボサの黒髪を、後頭部で一括りにして茶色い服を着ている。
腰に挿している武器は「刀」と呼ばれるモノだろう。
「・・・はい、お茶」
「か、かたじけないでござる。
おお、そう言えばまだ拙者の名を、名乗ってなかったでござるな。
拙者の名はカザミネと申す」
「はぁ、どうも・・・」
ハサハからお茶(アキトが用意したやつ)を受け取り、一息いれるカザミネさん。
どうやらやっと落ち着いたみたいだ。
名前を紹介されたついでに、あたし達もそれぞれの名前を名乗った。
さて、カザミネが落ち着いたところで・・・何故、海を漂っていたのか理由を聞くと。
何でも手持ちのお金が少なくなったので、釣り竿を買って釣りで空腹を紛らわせようとしたところ・・・
実はこの海岸は、沖に出ないと魚が釣れないらしいのだ。
それを近くの漁師に聞いた時、そのショックから海に突入・・・そして、漂流にいたる。
「・・・・・・・・・・・・・」 × 三人娘
「わはははは、人間空腹だとマトモな判断は出来なくなるでござるな〜」
・・・・なんか、また変な人物を拾っちゃったな〜
それがあたしの感想の全てだった。
ドガァァァァァァンン!!
「な、何事?」
突然爆発がおこった街を見て、あたしは驚愕する!!
隣にいたハサハちゃんとアメルも、驚いた顔をしていた。
ただ一人、カザミネさんが鋭い顔になって海に目を向ける。
「・・・どうやら、この海域を荒らしてる海賊らしいでござるな」
「えええ???」
カザミネさんの視線の先には、髑髏のマークをした旗がたなびく一隻の船があった。
その船から次々と上がる轟音、そして爆発!!
・・・あたしの召喚術では距離がありすぎて届かない!!
それに、あんな大型船を沈めるだけの威力を持つ術を・・・あたしは持っていなかった。
「おらおらおら!!
あたいの生まれた育った街を襲うとは、良い度胸じゃないのさ!!」
「あ、モーリンさん!!」
凄い勢いで走ってきたモーリンさんが、近くの漁師さんと何か話しこんでいる。
興味にかられたあたしがその側に行くと、どうやら漁師さんの船に乗って海賊船に襲撃をかける相談らしい。
後を見てみると、ネスやフォルテ達がこっちに駆けてくるのが見えた。
よし!!・・・ここは泊めてもらったお礼も兼ねて、あたしも手伝おう!!
「モーリン!! あたし達も手伝うわ!!」
あたしがそう言って協力を申し出ると、モーリンは驚いた顔をした後・・・嬉しそうに笑ってくれた。
「よし、拙者も海賊達の非道を見過ごすつもりはござらん。
ここは助太刀いたすでござる!!」
・・・・・・・・・・・・・・・まぁ、そこまで言うからにはカザミネさんも腕は立つんだろうな、きっと。
海に浮かんでて、あたしに釣り上げられたイメージが強すぎて、いまいち信用できないわ・・・この人。
「モーリン、アキトはどうしたの?」
「ああ、何かパッフェルって人が急に道場に来てさ。
殆ど問答無用で、バイトの手伝いに連れて行ったよ」
「・・・・・・あの野郎」
戦闘は苛烈を極めた。
正直言って、カザミネさんの参戦はかなり心強かった。
苦戦した一番の原因は、波に揺れる甲板にあたし達が慣れていなかった事が大きかった。
それでもフォルテ達は持ち前の運動神経で、段々海上の戦闘に慣れていき。
元々港街生まれのモーリンの攻撃をバックアップする事で、あたし達も活躍をしていた。
ほぼ敵の制圧が終りかけた、そんな時―――
「お前等!! これを見ろ!!」
「ハ、ハサハちゃん!!」
「う〜〜〜〜〜!!!
お姉ちゃん〜〜〜〜〜!!」
動きを封じられたハサハちゃんが、海賊の一人にナイフを突きつけられ暴れていた。
どうやら、波の動きに逆らってバランスを崩した所を、狙われたらしい。
残りの敵が少ないとはいえ、この状況はあまりに芳しくなかった・・・
「へ、へへへへ・・・お前等、大人しく武器を捨てな。
捨てろって言ってるんだよ!!」
「くっ!!」
フォルテの後で弓を構えていたケイナが、その海賊の言葉に悔しそうに歯軋りする。
全員が仕方なく武器を甲板に捨てた時、海賊の頭領・・・どうやら召喚師らしい太った男が嬉しそうに笑う。
「わはははははははは!!
おうおう、よくも俺様の部下を相手に好き勝手やってくれたな!!
お前等・・・楽に死ねると思うなよ?」
楽しそうに笑いながら、いやらしい顔であたし達女性陣を見回す。
場所が場所なだけに、アキトの助けを待っても意味が無い・・・
何か、何か手は無いの?
このままあんなデブ親父に手篭めにされるなんて、ごめんだわよ!!
何か手は無いかと、あたしが視線を周囲に走らせた時・・・それは目に映った。
「・・・・アメル、あたしの目がおかしくなったのかな」
「・・・・何がですか?」
「アキトが・・・海の上を走ってるの」
「「「「はい????」」」」
あたしの言葉を聞いた全員が、その視線を海に向ける。
そこには何時か見た蒼銀の輝きを身体に宿したアキトが、凄い勢いで海面を走っていた。
あまりといえば、あまりの現実に、海賊を含めて全員の動きが止まる。
その間にも、アキトは凄まじい勢いでこの船に近づいてきていた。
そして、もうアキトの顔がはっきりと確認できる距離に来た時―――
「うぉぉぉぉぉぉぉりゃぁぁぁぁぁぁ!!!」
そのままの勢いで、船の横腹を蹴り付けるアキト。
ドバキィィィィィィィィィィ!!
「なにぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
「きゃぁぁぁぁぁ!!」
「何かに捕まれ!!
このままだと海に落とされるぞ!!」
その一撃で船の横腹に大穴が開き、激しい横揺れがあたし達を襲う!!
どういう威力の蹴りを繰り出してるのよ、あの男は!!
「ハサハちゃん!!」
「お姉ちゃん!!」
ハサハちゃんを捕まえていた海賊も、自分の身体を支える事で手一杯になったため、ハサハちゃんは自由になっていた。
ただし、その小さな身体は船の横揺れに耐えることが出来ず、今にも海に飛び出そうとしていた!!
「あ・・・」
遂にハサハちゃんの身体が海面に向かって浮いた時、あたしは形振りかまわず走りだしていた。
何が出来るか分からないけれど、このままでは確実にハサハちゃんと分かれてしまう!!
それに二人でいれば、あの男はきっと見つけてくれるだろう・・・
あたしがそう覚悟を決めた時、目の前の甲板を突き破って何かが飛び出してきた。
もうコメントをする気も起きないけど、つまり奴だ。
バキバキバキ!!
「おっと、ナイスタイミング」
「・・・お兄ちゃん!!」
ひしっと抱きつくハサハちゃんを危な気なく抱きとめ、アキトが苦笑をしながら甲板を滑り落ちてくるあたしも受け止める。
あたしとハサハちゃんの二人を抱き留めながらも、その身体は甲板から揺るぎもしなかった。
遅れてきた事を色々と責めてやろうと思っていたけど、何だか馬鹿らしくなったので諦めた。
「いや〜、かなり際どいタイミングだったみたいだね?」
「全くその通りよ」
アキトの右腕に抱き抱えられた格好に少し赤面をしながら、あたしはそう言ってやった。
あ、何かアメルが羨ましそうに見てる。
・・・馬鹿な事を考えて落ちてこないでよ、アキトは既に両腕がふさがってるんだから?
「じゃ、ちょっとキツ目にお仕置きをしようかな」
「ひ、ひぃぃぃぃぃぃぃ・・・」
アキトの目が獰猛に光り、その視線を受けた海賊達が震え上がる。
本能的に、目の前の男が只者ではないと理解しているみたい。
それにどうやら、今日のアキトは結構怒っているみたいだし。
事実、今日のアキトの「お仕置き」は、かなりキツイものだった。
「で、何を怒ってたのよ?」
今日の戦闘の疲れが溜まっているけれど、その事が聞きたくてあたしはアキトがいる台所を訪れた。
ちなみに海賊達は一括りにされて、金の派閥に突き出しておいた。
この男はどんな激しい戦闘があった日にも、必ず台所に立っている。
・・・まるで、そこが自分の居場所だといっているかのように。
アキトはあたしの質問を聞きながら、何やら仕込みをしている。
「怒っていた理由、か。
ま、色々とあってね・・・もう少しで間に合わない所だっただろ?
ああいう状況に出くわすたびに、何故もっと上手く動けなかったのかと自分に怒りを感じるんだ。
これが俺の驕りだって事は分かってる。
だからこそ、皆の実力を伸ばせるように手伝ってもいる。
・・・それでも、やっぱり自分に問い掛けちゃうんだよな〜」
「ふ〜ん、ただのお気楽じゃなかったんだ」
珍しく肩を落としてるアキトの後姿を見て、あたしは小さく笑っていた。
何時もは完璧な強さを見せつける奴だけど、こんな姿を見せる事もあるんだ。
「ま、これからも宜しくね♪
じゃ、お休み!!」
軽くアキトの肩を叩いて、自分に割り当てられた部屋に戻る。
そんなあたしの背中に、アキトの声が当たった。
「ああ、お休み。
ゆっくり休むといいよ」
―――今日は良い夢が見れそうだ。
後書き
・・・・・・・・眠い、です。
というか、何気にハサハがウロチョロと(苦笑)
そう言えば、ミニスとロッカは何処にいった?
まあ、ミニスは実家でお仕置き中として、ロッカは・・・・・・・・・ま、いっか(爆)
さて、この調子でも次の話も頑張りましょう〜
代理感想
托塔天王さんから投稿作品を頂きました!(笑)
と懐かしい出だしではじめさせて頂きます今回代理感想を仰せつかった龍志と申します。
まぁとりあえず一言感想をつけるとすると……
ナイスだよっ!オクレにいさンッ!
……スミマセン。取り乱しました。つまりはナイスハサハと言いたいわけです。
GOODJOB!と親指立てて叫びたいんです(グッと)
では今回の名シーンを解説を交えてみていきましょう。
<<ハサハちゃんが可愛い寝顔を披露していた。
当然ですっていうか、もはや世界の意思です
<<ハサハちゃんが寝惚けた声で上を指差す。
勿論今まで寝てたわけですから裾が多少はだけて雪のような白さの足がちらりと……
……チャームの会得の瞬間ですね。大変感動的な瞬間です
<<珍しそうに道場を見回すハサハちゃんとアメルを左右に従えて、あたしはやっと一息をついた。
はい解説しましょう。ここの場面ではハサハは珍しい物をみているわけですね。
つまり好奇心満々です。
つまりは耳を立てて尻尾をブンブン振り回していると考えてOKです
<<「う〜、食べれないよ、お兄ちゃん〜」
「あ、蟹は甲羅を剥かないと駄目なんだよ、ハサハちゃん」
・・・・・・・・当の本人は、まるで関心が無いみたいだけど。
再度解説です。ハサハたんは基本的に自分の事は自分でするタイプです。
ならばこの時も自分で四苦八苦した後なはずです。つまり
甲羅をむかずに蟹を咥えたまま耳を伏せている状態です。想像してください。
……さて、存分に想像を味わったら次に行きましょう。
<<隣にいたハサハちゃんとアメルも、驚いた顔をしていた。
要するに耳と尻尾と全身の毛を逆立てて驚いてます……可愛いですねー
<<「う〜〜〜〜〜!!!お姉ちゃん〜〜〜〜〜!!」
動きを封じられたハサハちゃんが、海賊の一人にナイフを突きつけられ暴れていた。
この海賊は万死に値しますね。まぁそれはおいといたとしてもとりあえず想像
は
飼い主に入りたくも無い風呂に入れられそうになって
もがいてる犬のイメ−ジで………猫でも可(笑)
<<「あ・・・」
遂にハサハちゃんの身体が海面に向かって浮いた時、あたしは形振りかまわず走りだしていた。
ちなみに解説しますとこのシ―ンここは飼い主の都合で散歩に連れて行ってもらえなくなってしまった犬の顔をしています。
………スコーシやバイネタですが(汗)次へと続きます。
<<「・・・お兄ちゃん!!」
ひしっと抱きつくハサハちゃんを危な気なく抱きとめ、アキトが苦笑をしながら甲板を滑り落ちてくるあたしも受け止める。
だと思ったら散歩に連れて行ってもらえる事が分って
大喜びしてる犬のイメージです。
いや〜。散々すき放題語らせていただきましたが再確認しました。
ハサハって最高です(限りなく本気)
いや〜…ハサハって本当に良いキャラですね。
それではまた♪