終わり無き旅



第十話 「トビウメ、襲来」

 

 

 

 

 

バシュッ!


エステバリスのコクピットが開き、中からアキトが現れる。

その表情からは何も感じ取ることが出来ず、アキトの周りには

人を寄せ付けない『何か』が広がっていた。

「な〜にシリアスモードフルスロットルしてんのよ、アキト」


ドガッ!


しかしそんなことを気にも留めないミズキはスパナでアキトの頭を殴る。

「・・・・痛いぞ・・・・ミズキ」

「ん?そんなことよりあんたに客よ」

ミズキがスパナで後ろを指す。

ミズキからそのまま視線をずらすと、むすっとした顔のごつい親父と金縁のメガネと赤いジャケットを着た中年男、

ゴートとプロスが立っていた。

「データの方は?」

「抜かり無しってところね」

「分かった」

 

 

「いや〜、先程の戦闘ブリッジの方で見させてもらいました」

「俺の処分はどうなる?」

「ふむ、ナデシコは軍ではありません。艦長の指示もありお咎め無し、という事で・・・。

 できれば、臨時パイロットとして働いてくれると助かるのですが。ああ、兼任ですよ。

 お給料はこれくらいで・・・・・・・いかがです?」

プロスは懐から電卓を取り出すとキーを叩く。

そこに表示された金額は、並のパイロットよりはやや低め、といったところだ。

臨時であるということを考慮すれば充分な金額ではある。

「ああ。これで構わない」

「ありがとうございます。それで、あなたに少しお聞きしたいことが・・・・・」

キラリ、とメガネを光らせプロスはその鋭くなった眼光を隠す。

「・・・・・・なんだ?」

「テンカワさんは従軍経験がおありで?」

「何故?」

「いえ、出撃前の態度、戦闘、そして今の落ち着き様。

 一般人にはなかなか出来ないものだと思いますが・・・・・・」

「今更木星蜥蜴が出てきたぐらいで騒ぐ人もいないでしょう」

トラウマでもない限り。

「ほう。ではエステバリスの操縦は何処で?」

「何となく、感覚で。火星ではこれを使って機械を動かすのは当たり前でしたから」

アキトはプロスに右手の甲を向ける。

言ってて自分でも嘘がばればれだと分かる。

が、こういう状況で必要なのはしらをきりつづける度胸だ。

真実を知るものが自分しかいないのなら、あるいは自分しか知られていないのであれば

自分さえ喋らなければそれが明かされる事は無い。

「そうですか。・・・・・・まあ、ひとまず今はこれぐらいにしておきましょう」

「何度聞かれても、今言った通りにしか答えられませんよ」

「あと、部屋割りの方なんですが」

「できるなら、一人部屋の方がいい」

「パイロットは基本的に相部屋が決まりなんですけどねえ」

「パイロットは兼任なんでしょう?本職はコックですよ」

「ううむ・・・」

プロスが悩むのは、パイロットが相部屋でなければならないと言うのももちろんあるが

それよりも、何かを隠しているアキトを一人にさせるのは危険だと考えたからである。

(まあ、オモイカネもありますしナデシコに乗りつづける限りそうそう何か出来るものではないでしょう)

「分かりました。ですが仮にもパイロットですから生活班ブロックからパイロットブロックに移ってもらいます」

「それぐらいなら構わないですよ」

「そうですか。では私はこれで・・・」

 

 

「ありゃおもいっきり怪しまれてるわねぇ・・・」

プロス達が離れたのを見ると、ミズキがニヤニヤしながら近づいてきた。

「そうだな。ま、多少怪しまれたところで構わないさ」

「相変わらずアバウトね。この後にホシノルリも待ってるってのに・・・」

「どうにかするさ。さて、食堂の方に行ってくるか。」

「私もそろそろ戻らないと・・・・・じゃ、また後で」

「ああ」

 

 

 

「テンカワアキトだ。これからよろしく」

「「「「「よろしくお願いしま〜す!」」」」」

食堂のアイドル(になる予定)のホウメイガールズが元気よく挨拶する。

「よろしく頼むよ・・・テンカワ、だっけか?」

「ええ」

「あんた、料理は何ができるんだい?」

やはり料理人。料理長の立場としてもアキトの実力が気になるようだ。

ホウメイガールズも同様のようだ。

「そうですね・・・中華料理が専門ですけど、他の物も一通りは。デザートも作りますね」

「へえ・・・若いのにたいしたもんだ。じゃあ早速で済まないけど何か作ってくれるかい?実力を見たいからさ」

「分かりました。何かリクエストはありますか?」

アキトのその言葉に、ホウメイガールズが反応する。

「あっ!私ラーメンがいいです!」

「ラーメンは時間がかかるでしょ・・・チャーハンでどうですか?」

「それよりも私は卵料理が食べたいです」

「天ぷらって作れます?」

「・・・・・・私はアキトさんの作る物ならなんでもいいです」

上からウエムラ・エリ、サトウ・ミカコ、ミズハラ・ジュンコ、タナカ・ハ

ルミ、テラサキ・サユリの順だ。

「こらこらお前達・・・・そうだね、チャーハンでも作ってもらおうかな」

ホウメイがメニューを言い渡す。

やたっ!とジュンコが短い歓声を上げる。

アキトは小さく頷くと、早速調理に取りかかる。

この調理場で調理するのはかなり久しぶりのことであったが、意外にも体が覚えていて、何処に

必要なものがあるか自然と理解できた。

 

 

 

「ほう、なかなかやるねえ・・・・」

初めての調理場なのに、まるで長年慣れ親しんだかのようにスムーズに料理を進めるアキト。

さらに、その見事な腕前はホウメイにも引けを取らない。

この調子なら、かなりの物が期待できるはずだとホウメイは感じていた。

 

 

「はい、出来ました」

アキトは料理を完成させて、ホウメイの前にチャーハンを置く。

アキト自身は結構自信がある。

後は、ホウメイがどのような判決を下すか・・・・・。


カチャ


ホウメイが箸を取り、チャーハンにすっと通す。

そのまま持ち上げ、アキトのチャーハンを口に入れる。


何回か咀嚼をすると、再びチャーハンを口に入れる。

ホウメイは何も語らない。



「・・・・・・・・・・」

アキトの背中を、つつっと汗が一筋流れる。

合格か、不合格か。

ピンと張り詰めた空気は、ホウメイガールズにも影響し、計六人がホウメイの言葉を固唾を飲んで待つ。

チャーハンを五口程食べたところで、ホウメイが口を開く。

「テンカワ」

「・・・はい」

アキトの口調も何処かぎこちない。

「出身はどこだっけか?」

心の中で一息つく。

「火星です。火星のユートピアコロニー」

何故ホウメイがこんなことを聞くのか分からなかったが、

ホウメイは軽く頷くとアキトに向き直る。



「テンカワさん・・・・」


静まり返る食堂で、エリの呟きは何人に聞こえただろう。

皆、ホウメイの次の言葉を聞き逃すまいと集中する。

 

 

 

 

「美味しいよ、このチャーハン」

「じゃあ・・・・・!」

「ああ、合格さ」

「「「「「やった――――――――!!!」」」」」

ホウメイガールズが抱き合って喜ぶ。

まるで自分のことのような嬉しがり様だ。

アキトも安堵の笑みを浮かべる。



「なんだい、自分の作ったものに自信が無かったのか?」

「そうじゃ有りませんけど・・・・やっぱりテストってのは緊張するもんですよ」

「ははは!これだけのものを作れるのにかい?」

二人の会話に、ホウメイガールズが混じってくる。

「あのあの、チャーハン食べていいですか!?」

「構わないよ、もともとそのつもりで多めに作ったんだし」

その言葉を聞くと、五人は皿と箸を持ち、アキトのチャーハンをお玉で盛る。

 

「おいし〜」

「玉子もふわっとしてて、ご飯もぱらっとしてるし」

「どうやったらこんな味になるんですか?」

「ああ・・・・至福・・・・」

「さすがアキトさん・・・・・」

五人が思い思いに感想を述べる。

アキトとホウメイはそれを笑顔を浮かべながら見ている。

「やっぱり美味しいって言われるのが一番嬉しいですね」

「そうだねえ・・・・、ま、これからがんばりな。副料理長!」

副料理長、その言葉にアキトは胸が熱くなる。

尊敬するホウメイに認めてもらえた。

だが、これで満足してはいけない。

ホウメイは自分よりももっとすごい料理人なのだから。

アキトはこれからのナデシコ食堂でのことを思い、拳を握る。

アキトの料理人としての人生は、まだまだこれからである。

 

 

 

 

 

 

「ア・キ・ト〜〜〜〜〜!!!」

ちらほらと客が入り始めたナデシコ食堂に、騒がしい客がやってきた。

機動戦艦ナデシコ艦長、ミスマルユリカである。

本当ならすっ飛んででも行きたかったのだが、遅刻したことをプロスに咎められ、プロスがアキトの所にいた時は残務処理。

戻ってきてから散々プロスに説教を食らった。

ただし、ユリカの頭の中はアキトの事だけで容量百二十パーセントを占め

プロスの説教は右から左へと流れただけだった。




ルリはといえば、ナデシコが急遽発進となったためオモイカネに異常が無いか現在猛威デバッグ中である。





「アキトさんの料理・・・・アキトさんのチキンライス・・・・アキトさんのラーメン・・・お腹減りました・・・」

・・・ラピスに似てきたか?

 

 

 

「アキトアキトアキトアキトアキトアキト!

 本当に久しぶりだね!元気にしてた!?」

カウンター越しに身を乗り出してアキトに話し掛けるユリカ。

やはりウィンドウ越しと直接会うのとでは嬉しさが違うのだろうか。

「おいおい、少しは落ち着けよ・・・」

その様子を見かねてか、ホウメイが助け舟を出す。

「テンカワ、まだ客も少ないしここはあたし一人で大丈夫だよ。艦長の相手をしてやりな。

 そのままじゃ調理場の中にまで入ってきそうな勢いだしねぇ・・・」

「すいません・・・・」

アキトはエプロンをしたまま調理場から出る。

適当なテーブルにアキトが座ると、向かい側にユリカが座る。

 

「アキトアキト、本当にアキトなんだよね?こっちにはいつ来たの?」

「一年前にな。お前は元気にしてたか?」

ところで、この会話をホウメイガールズは聞き耳を立てて聞いていた。

少しだけいた客も、アキト達の方が気になるようで誰もお喋りをしていない。

「やれやれ、人の恋路は何とやらってねぇ・・・」

「「「「「し〜〜〜〜〜!」」」」」

五人揃って人差し指を唇に当て、静かに、という意味のジェスチャーをホウメイにする。

ホウメイは苦笑しながら、それに応じた。

 

 

 

「アキトの両親は今どうしてるの?

 やっぱり日本にいるの?

 やっぱりご挨拶ぐらいしないと・・・」

「死んだよ」

「・・・・・・・・え?」

「あの日、お前を空港まで送っていった日に空港がテロリスト達の襲撃に

 あって、その巻き添えになったんだ。

 ・・・って言われてるけど、実際はどうなのか分からない。

 親父とお袋の研究を疎んでいた奴等もいたからな。

 真実次第じゃ・・・お前も殺す」

最後の部分だけ、少し凄んでみる。

殺気とまではいかないが、威圧感は伝わったはずだ。

が、それがいけなかった。

「ああ・・・アキト・・・殺すだなんてそんな・・・!

 あっ、でも・・・アキトとなら・・・な〜んちゃって!

 やだ、もうアキトったら!!!」

「おい、ユリカ・・・?」

一人あっちの世界へ跳ぶユリカ。

自分を抱きしめてくねくね顔を赤らめながら蠢くその姿はまるで・・・

「火星のナノマシン・・・・・・」

地中にいる銀色の『あれ』にそっくりだった。

 

トリップし続けるユリカから逃げるように厨房に戻る。

と、ホウメイガールズのサユリを除いた四人が駆け寄ってくる。

目に涙を浮かべながら。

「アキトさん、元気出してください!」

「そうですよ。きっとこれから良いこと有ります!」

「あのあの・・・、慰めてあげましょうか?」

「ああ!抜け駆けは無しよジュンコ!」

美女四人に言い寄られながらも、この状況をどうしようと悩むアキト。

そもそも、両親のことはそんなに悲しくない。

ネルガルを恨んでなどいないし、アキトにしてみれば三十数年前の出来事だ。

両親のことを想っていないわけではないが、失った悲しみは無いといって言い。

どうしようかと考えていると、ふと一歩引いた位置にいるサユリと目が合う。

「・・・・・・・・」

「・・・・・・・・」

何やらアイコンタクトを開始すると、数瞬後サユリがこくりと頷く。

サユリはアキトに・・・、つまり四人に近づくと声を掛ける。

「それぐらいにしたら、四人とも!こう言うことは本人の問題なのだから、周りはそっとしておくものよ」

サユリがそう言うと、エリ、ミカコ、ジュンコ、ハルミの四人はアキトから離れる。

最年長者であり、五人のまとめ役でもあるサユリの言葉はすなをに聞くらしい。

鶴の一声、という物か。

それぞれ持ち場に戻っていく。

四人が離れると、周りに聞こえないぐらいの小声でサユリに話し掛ける。

「助かった、サユリ」

「いえ・・・・アキトさんのためですから」

ちょっと照れながら、顔を俯かせている。

「急に親しくは出来ないぞ・・・・・。一応初対面ってことになってるんだからな」

「じゃあ、二人っきりの時だけ」

「・・・・分かった」

「あ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!サユリ、何してるの!」

そこに突然、エリの絶叫が入る。

「なんでも無いわよ、エリ」

「嘘だあ!顔赤かったもん!」

「何でもないってば・・・」

エリの追求を逃れ様とするサユリ。

どうにか誤魔化すと、サユリも持ち場についた。

「あ、ホウメイさん。俺ちょっと用事があるんで少し抜けていいですか?」

「ああ。構わないよ。飯時の前には帰っといで」

「ありがとうございます」

 

 

 

 

 

 

「ふう・・・・・・・・・・・。で、ルリちゃん、もういいよ」


ピッ


「気付いていたんですか?」

「何となくね」

「では、早速本題に入りましょう。

 ・・・・・・・アキトさん。アキトさんは何処まで歴史に介入するつもりですか?」


ズキ・・・・・・・・・・・


ココロが、痛む。身が、ヒキサカレルヨウナ思い。

(・・・・・・まだ、知られてはいないんだな)

心の内を悟られないように、無表情で答える。

「前回のような結果にはさせない。それだけは確かだ」

「アキトさんがサツキミドリ二号の人達や火星の人達を見殺しに出来るとは思えませんが」

「はは・・・・・多分ね」

「分かりました。私も力の及ぶ限り協力させてもらいます」

「ああ。よろしく頼む」

「はい。それとアキトさんに聞きたいことが・・・・・・」

「なんだい?」

 

 

 

「あの時、ユーチャリスに乗っていたのは、誰ですか」

「俺だけだが」

「嘘です」

ルリには確信がある。オペレーター、正確にはマシンチャイルドかそれに匹敵する能力の持ち主がいない艦に

あんな芸当は出来ない。

マシンチャルド三人を出し抜くなど。


確かにあの時の艦はナデシコBだった。

火星遺跡を奪還した時の功績は、軍上層部に畏怖感を抱かせてしまった。

それため、緊急時以外の使用は司令部の許可が必要になってしまったのだ。

ナデシコCに搭載されたオモイカネはたった一回の航海でナデシコBに戻されてしまった。

しかし、ナデシコCの時に得たデータは大きい。

ナデシコBは、以前よりも電子情報戦において強靭になったはずなのだ。

実験艦であるユーチャリスよりも。

ユーチャリスAIのエニアがどのようなプログラムを自己生成していたかは分からないが

ラピスが抜けてから一週間そこそこで劇的な変化があるとはどうしてもルリには思えなかった。


「あの時ユーチャリスには俺しかいなかった。それとも、ハッキングの時に誰かがいた痕跡でも見つけたのかい」

「いえ・・・・・・」

ハッキングを仕掛けたルリは、見事に相手の術中にはまってしまった。

相手の姿を確認することすら出来なかった。

電子情報戦で、自分はトップ・・・・控えめに見てもトップクラスではあった筈だ。

さらに、条件はこちらが圧倒的に有利だったというのに。

「なら、ルリちゃんの勘違いだろう」

「そんな・・・・・そんなことがあるはずありません」

ルリは視線をさまよわせながら、頼り無さ気に答える。

少なからずアキトを信頼している以上、こうもきっぱりと否定されてしまうとどうしても狼狽してしまう。

「それに、今はそんなこと関係無いだろう?」

「・・・・・・・・・・・分かりました」

誰がどう見ても納得していない顔だが、これ以上追求しても結果は見えていた。


「副提督はどうするんですか?」

「それについては・・・・・・・・・・って事でよろしく」

「分かりました」

話すことが無くなったのか、会話が止まる。



「まだ、何か話すことがあるのかい」

「いえ・・・・・・・・・はい。アキトさん。こんな戦争、早く終わらせてしまいましょうね」

気持ちの整理がついたのか、単なる誤魔化しか、アキトには区別がつかなかったが

通信が切れる時のルリの表情は僅かながらも笑顔だった。


ピッ

 

 

 

 

 

「こんな戦争、か・・・・・・・・・」







「・・・・・・・・もう、それだけでは終わらないんだよ。ルリちゃん。

 この戦争は、もう・・・・・・・・・・」



ギュ・・・・・


何かに耐えるように、自分で自分を抱きしめ、天井を仰ぐ。

悲痛の色をありありと浮かべるその瞳の先には、一体何があるのだろう?

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・枝織」

それ以上、アキトは何も喋らなかった。

何も。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、未だあっちの世界に行ってしまっているユリカは。

「・・・・・ん・う」





「か・・・ん・う」




「か・ちょう・・・」



「艦長!」



「は、はい!」

ユリカは突然あっちの世界から呼び戻される。

するとさっきまでいたアキトの姿が見えず、代わりに目の前にメグミの映るウィンドウがあった。

「艦長、プロスさんが何か重大発表があるそうです。

 至急ブリッジまで戻ってきてください」

「ぴょ?」

アキトともっとおしゃべりできないのは残念だったが、重大発表とあっては仕方が無い。

渋々席を立ち、ブリッジに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「これまでナデシコが目的地を明らかにしなかったのは、妨害者の目を欺く必要があったからです。

 ネルガルが独自に戦艦を建造したのは、スキャパレリプロジェクトの一端を担うためです」

プロスの言葉をフクベ提督が引き継ぐ。

「ナデシコは火星に向かう!」

明かされた目的。

反応も様々だ。

「そんな!現在の地球の侵略を見過ごすと言うのですか!?」

「火星には多くの地球人が殖民していました。

 にもかかわらず、連合軍は月までの防衛ラインを引き火星は見捨てました。

 残された人々はどうなったのでしょう!?」

人助け。

プロスの言葉からはそう取れる。

だが、ルリはそんなもの端から信じていない。

ネルガル屈指の天才、イネス・フレサンジュを助けるため。

それが叶わないのなら研究データを持ちかえるため。

ネルガルの真の目的であるそれらを、ルリは知っているのだから。

「つまりは、火星の資源や優秀な人材が目的な訳ですね?」

「いやいや、ルリさん。これはお厳しい。

 確かに否定はしませんよ。ネルガルは企業ですから。

 一銭の得にもならないことをわざわざやるほど酔狂では有りません」

「な〜んだ、結局は企業の都合か」

メグミが落胆する。

「しかし、それが火星に残された人々を助けることに繋がるのもまた事実です。

 連合軍の矢面にに立って、戦争をやらかすよりはましでしょう」

火星に行くこと、それすなわち最前線なのだがプロスは巧みにそれをうやむやにしている。

「ま、人助けならいいか〜」

ミナトも賛同する。

ブリッジの意見がまとまりかけたところで、ユリカが口を開く。

「これより、ナデシコは火星に向けて」

「行かないわよ!」

 

 

 

 

 

ドカドカドカ!

扉を開けて入ってくるのは、副提督ムネタケと銃を構えたその部下。

あっという間に他のブリッジクルーを取り囲む。

ところでブリッジクルーは全員集合のはずなのに、何故ムネタケはいなかったのだろう?

「血迷ったかムネタケ!」

「その人数で何ができる」

「血迷った?その言葉、そのままそっくりお返し致しますわ提督。

 少なくともあたしなら戦艦一隻で火星に行こうなんて馬鹿な真似はしないわよ」

「おやおや。この艦の性能は副提督もご覧になったはずですが?

 グラビティーブラスト、ディストーションフィールド、相転移エンジン。

 これらは今までの戦艦には無かったものです」

「地球側、にはね。これでようやく木星蜥蜴のヤツラと同じ舞台に立っただけよ。

 せっかくのまともに木星蜥蜴と戦える艦をみすみす見逃すようなことは出来ないわね」


「(ボソッ)・・・・・・・キノコの癖に」

「ちょっとそこのオペレーター!何か言った!?」

「私、少女ですから」

「訳わかんないわよ!」

 

 

 

ズズズズズ・・・・・・・・・






ムネタケの怒声と同時に、ナデシコ前方の海から連合軍の戦艦が現れる。

「こちらは連合軍第三艦隊提督ミスマルである。ナデシコに告ぐ。直ちに投降しなさい!

 ユリカ〜〜〜〜〜、久しぶりだなぁ」

前半は凛々しかったのに、後半はただの親ばかだった。

「お父様!一体これはどう言うことですか!?」

「困りましたな〜。軍とはもうお話がついているはずですが」

交渉の臭いを嗅ぎ取ったのか、プロスがメガネを直しながらユリカの前に出る。

「連合軍が必要としているのは今確実に木星蜥蜴と戦える船だ。

 ナデシコを見逃す余裕は連合軍には無い!」

「いや、さすがミスマル提督分かりやすい!

 分かりました。交渉ですな?

 そちらに伺いましょう!」

何が嬉しいのか、プロスはテンションが上がっている。

そんなに交渉したかったのだろうか。

「いいだろう。ただし!起動キーと艦長の身柄はこちらで預かる!」

 

 

 

 

「艦長、そりゃ罠だ!抜くんじゃねえ!」

「ユリカ!ミスマル提督の言うことが正しい!」

「我々は軍人ではない。従う必要は無い!」

「提督。提督にはこれ以上恥を晒して頂きたくない。ユリカ〜、私が間違ったことを言ったことなんて無いだろう〜?」

皆はそれぞれの意見を懸命に述べるが・・・ユリカがまったく聞いていないのに気付かないのだろうか?

「う〜〜〜〜〜ん・・・・・・」


スッ


パネルに手を置くと、体を流れる微弱な信号をキャッチしてパターン認証が行れる。

そして、資格があることが判明するとパネルが開き、中から起動キーが出てくる。

ゼンマイのネジみたいな形をしたそれを、ユリカはしげしげと眺め・・・抜く。

「「「「「「「「「「ああ!!」」」」」」」」」」

悲鳴、というかやっちゃった〜的な声を上げる。

「抜いちゃいました〜!」

ユリカはいつもと同じような調子でそれを掲げる。

ジュンはそれを見ると、一緒に行くのかユリカに近づく。

プロスもいつの間にやら上にいた。

 

 

ウウウウウウウゥゥゥゥゥ・・・・・・ン

 

「ナデシコはこれで全くの無防備ね」

(アキトさんはどうするつもりなのでしょう)

ブリッジの電源供給が断たれる。

他の部署でも同じ事が起こっているだろう。

ディストーションフィールドを張ることも、グラビティブラストを撃つ事も出来ない。

 

 

「じゃあルリちゃん。後よろしくね!」





「ミナトさん」

「ん?何ルリちゃん」

「艦長自分が起動キー抜いたってこと理解してるんですか?」

「あ、あははははは」

甚だ疑問である。

 

 

 

 

 

「おい、ミズキ!」

「なんですか班長?」

一方こちらは格納庫。

相転移エンジン、ならびに核パルスエンジンが停止してしまったが

だからといって、暇になるかといえばそうでもない。

エステバリスの整備は、電装系以外なら電気を使わずとも可能だ。

ミズキは予備のエステバリスをアキト用にチューンナップしていた。

予備、とは建前で、アキトが乗ることは分かっていたのでミズキが余分に発注したものだ。

所々に通常のエステバリスとは違った処理を施している。


「用というほどのもんじゃあないが・・・さっきは済まなかったな」

「連合軍の奴等を叩きのめしたことですか?」

「ああ。俺等は何も出来なかったからな・・・情けない話だ」

ウリバタケは縛られている連合軍兵士の方を見る。





実は、連合軍の兵士によって占拠されたのはブリッジただ一つだけであった。

それ以外のブロックは、全て『何らかの理由』により妨害されている。

とはいえナデシコそのものをコントロールできるのはブリッジだけなのだから

事実上ナデシコを占拠したといっても過言ではないのだが。

 

 

「別に構いませんよ。これでも格闘技を嗜み程度にやっていましたから。

 自分の能力は有効活用すべきでしょう」

「嗜み・・・・ねえ」

仮にもそれなりに訓練を受けた軍人が、更には銃まで持っていたというのにたった一人に全員叩きのめされた。

それを嗜み程度といわれたら軍人の立場がないというものだ。



「ところでこれは、例の臨時パイロット用のやつか?」

「ええ。臨時とはいえパイロットには変わりありませんから、専用機体を作ろうと思って」

「だけどよお・・・あの戦闘だけじゃデータが足りねえだろ?

 まずはどノーマルでいった方が良いんじゃねえか」

「それなんですけどね・・・・」

言いながらミズキはデータをウリバタケの端末に渡す。

それを見たウリバタケの表情は・・・・奥さんに見せてあげたい。


「なんだこりゃ・・・・」

「まあ・・・それ見て分かるでしょうけど・・・・・。

 アキトの腕はあのプロにも何ら引けをとっていませんよ」

ウリバタケが見つめる端末には二種類のデータが送られていた。

一つはアキトの身体データ。

脳波グラフや、心拍値、脈拍、IFSレベルなど事細かく載っている。

これは確かに新人ならば驚異的なデータだった。

そのどれもが乱れることなく、常に一定の値をキープしている。

特にIFSレベルは、平均を軽く上回っていた。

だがそれは新人の話であり、熟練したパイロットだったらなんでも無いデータになる。

アキトが以前エステバリスを操縦したことがあるのかウリバタケには分からなかったが、火星出身という話は聞いている。

火星ではIFSはポピュラーなものであるという話だから、IFSレベルが平均値を上回っていても

おかしくないかもしれない。

他のデータも、戦争に慣れている者ならあり得る値だ。


異常なのはもう一つのデータ、エステバリスの稼動データである。

これは、操縦者がどんな癖を持ち、どんな風に機体を扱うかを見るためのものである。

エステの部品には消耗品も少なくないため、効率よく整備を行うには消耗が早いパーツは注意しなければならない。

そのデータが、アキトは全て均一だった。

「要はどんな風にでもエステを扱えるということです」

「しかし・・・・こんな事が可能なのか?

 実験ならともかく、実戦でなんて不可能に近い。

 いや、実験だって出来るかどうか・・・・」

駆動機関、エネルギー回り、どれを取ってもアキトはその限界の一歩手前まで引き出していた。

「だが、これならなおさらチューンナップなんて必要無いんじゃないか?

 まあ、リミッターの上限値を上げるぐらいなら出来るかもしれんが」

「エステバリスの癖がどんなものか見たかったから、そう扱ったんでしょう。

 整備だけじゃどうにもならないこともありますからね。

 で、アキトの癖ですけど・・・・エステの方のデータを時間単位に直してください」

「時間?・・・・・ん、これは・・・」

ウリバタケがミズキの言うとおりにすると、稼働率のデータが時間経過で表される。

「なるほど・・・あいつは高機動タイプかあ・・・・・」

ウリバタケが見ているデータは、さっきと同じだが、消耗していく時間が箇所によって違っている。

特に、駆動系については一瞬で負荷が大量にかかっている。

「だから、関節系をいじってるんですけどね。ゼロG戦フレーム以外は有効ですから。

 っと、ああそうだ。班長。私アキトの専任メカニックって事でいいですか?」

「お前、あいつと仲良いのか?」

「ちょっとした知り合いなんです」

「そうか・・・・まあ、いいだろ。ところでな、ミズキ」

「なんですか、班長?」

「その敬語止めろ」

ピタリとミズキのエステをいじる手が止まる。

何処か楽しげな、それでいて子供が悪戯を見つけられたような表情。

「似合わないかしら?」

「不自然すぎだ」

「あらら」

 

 

 

 

 

 

 

更に同時刻、食堂では。

「それにしても凄かったねサユリ!」

「そうそう。連合軍の兵隊さんをドカッ、バキッ!って」

エリ、ミカコが身振り手振りを交えてその時の状況を再現する。

サユリは興奮した二人に、いつの間にそんなに強くなったのかと問い詰められているところだった。

「私、火星出身なの。あの頃の火星って結構物騒だったから、親が子に護身術を習わせるのも結構多かったのよ」

「へ〜、そうなんだ」

意外なサユリの過去に、ジュンコとハルミも興味を示す。

四人とも、サユリは地球出身だと思っていたからだ。

「あのあの、火星ってどんなところ?」

これから自分達が向かう場所だけに、興味があるようだ。

「どんなところって言ってもねぇ・・・・。

 ご飯は美味しくなかったな・・・・」

「え、どうして?」

「火星は元々作物を育てるのに向いてなかったのさ」

「「「ホウメイさん」」」

突然話に入ってくるホウメイ。

エンジンが止まり、調理が出来ないために仕込みだけで終わってしまい、ホウメイも暇だったようだ。

声を上げなかったサユリがホウメイに尋ねる。

彼女も、ホウメイが火星のことを知っているのは意外だった。

「行ったことあるんですか、火星」

「料理の研究のために少しの間だけね」

「へえ・・・・凄いですね」

火星に行くのも安くはない。

この時代の三十代の平均収入一年分ぐらいだ。

もっとも、以前に比べれば遥かに安くなっているが。

「で、作物が・・・何なんですかぁ?」

「火星の大気はテラフォーミングによって地球のものに近づけたんだが、

 大地にもそれと同じ事をやったのさ。

 火星の土をちょっと穿りかえせばナノマシンがうようよいるんだよ」

「それでどうにか植物が育つようにはなったんだけど・・・味が酷いのよ。

 火星じゃあ、生で野菜を食べるなんて考えられなかったくらい」

「そうなんだ・・・・」

火星に施されたテラフォーミング技術は、研究者達がその技術の限りを尽くして生み出したものであり、

推進した政治家達も根拠無き自信を持っていた。

それだけに、作物が不味くて食えたものではないなんて言えない。

地球や月には大成功と伝えられ、大気のデータを引き合いに出していた。

植民当時は、虹色に輝く空とかいうキャッチフレーズがあったらしい。


「当然、作った料理も大した物が無かったし・・・・。

 ま、火星の味って言っちゃえばそれまでなんだけどね。

 でも、ある時一人のコックが私にラーメンを食べさせてくれたの。

 もうとにかく美味しかった。

 これが本当に火星の食材で作ったものなのかってぐらい。

 そこで初めて、料理する人によってはこんなにも変わる物なんだなって気づいて・・・・それからかな、

 コックになろうって決めたのは」

「「「「へえ〜」」」」

楽しそうに昔話をするサユリ。

その微笑みは、整備班の連中なら一発で虜にするぐらいのものだったが、幸い(?)整備班は食堂にはいなかった。

「あのあの、もしかしてそのコックさんてぇ・・・アキトさん?」

ジュンコが人に質問するときの癖、『あのあの』を付けてサユリに尋ねる。

しかし、サユリは首を横に振る。

「知らない人。せいぜい女の人ってことぐらい」

 

 

 

 

再び格納庫。

「くしゅっ」

ミズキは突然寒気がしたかと思うと、くしゃみをした。

「風邪か?」

「今年でもう二十だけど・・・・。

 流行性感冒にはかかったこと無いんだけどね・・・・?」

基礎体温OK。

脈拍OK。

筋肉OK。

五感OK。

(何処もおかしいところなんて無いはずなんだけど・・・)

「まあ、大事にするこったな。

 おい!お前等、ヘリの準備は出来てるのか!?」

ユリカ、プロス、ジュンは、すでにヘリに乗り込んでいた。

意気込みは三人ともあるようだが、内心はぜんぜんばらばらだった。


(交渉交渉交渉ですよ〜)


(これで晴れてナデシコは軍属になる。

 そうすればユリカもあのパイロットのことなんて忘れるはずだ!)


(アキトアキトアキトアキト・・・・・)


「それじゃ、トビウメに行きますよ!」

「「はいっ!」」

三人とも自分の都合以外は全く頭に入っていない。

それでも表面上は意気投合しているように見えるのだから不思議だ。


バラララララララララララララララララ!!!!!!


プロペラが回転し、機体が揚力によりふわりと浮かぶ。

この時代のヘリは半自動で飛ぶので、ナデシコのように射出口が狭くても容易に飛行が可能だ。

「ちなみに、現在なら五年間の保障がついてこの価格!

 一家に一台。貴方もどうですか?」

「プロスさん。誰に話してるんです?」

何やら明後日の方向を向いて深夜帯のTVショッピングのノリで誰かに話しかけているプロスだったが、

ユリカもジュンもそれ以上気にかけなかった。

 

 

 

「ハイ、アキト。エステの具合はどう?」

「さすがにユーコミスよりは使い勝手が良いな」

「まあ、ユーコミスの後継機といっても差し支えないからね。

 それと、一応リミッターの上限は上げといたわ」

リミッターを設けるのは過負荷を避けるためだが、リミッターを低くすれば

するほどリミッター上限値を長時間持続させることが出来る。



「まあ、どうせアキトのことだから後で勝手にリミッター外すんでしょ」

「ウリバタケさんに怒られそうだけどな」

「そう思うんだったらやらなきゃいいのに・・・」

「しばらくは平気だよ」



そのまま取留めの無い会話を続けていると、ルリから通信が入ってきた。

オモイカネを介さない直接通信。内部電源がすぐ切れてしまうので長時間使えないのが欠点だ。

「アキトさん。チューリップが活動を開始しました。

 クロッカスとパンジーも、ブリッジから見る限りでは予定通りです。

 それから・・・・・キノコさん達が何処かに行ってしまったんですが」

「分かった。副提督のことは放って置いていい」

 

 

 

 

アサルトピットを閉め、カメラモードに切り替える。

「とりあえず、脱出はしたころだな」

事前に、実はナデシコの前に姿を現す前、海中にいた時点で時限式のウィルスをルリに送りつけられていた。

強制的に追い出したのでチューリップに飲み込まれたのは戦艦のみだ。

「そういや、ムネタケ達はどうするかな・・・・」

「相変わらず詰めが甘いんだから、アキトは」

「ミズキ」

「まったくよ」

「ムネタケ副提督・・・・今何処にいるんですか?」

先程のルリの言葉を裏付けするように、後ろに映る背景はブリッジではなかった。

「脱出艇よ。ま、一隻ぐらいちょろまかしても構わないでしょ」

「はは・・・・後でプロスさんが苦労しそうだな」



「とにかく・・・テンカワ。一応あんたに言われたことはやったわよ。火星での借りは返したからね。

 あんな悪役なんてもう懲り懲りよ」

「その割にはずいぶんのっていた様に見えたけどな?」

「ふ・・・ふんっ!昔のあたしなら、ああしただろうからね。

 それより、時間は大丈夫なの」

「ん、そろそろ行くか」



両方のウィンドウが閉じると、アキトはエステバリスで射出口から発進する。

 

 

 

 

 

 

「あの、ムネタケ副提督」

「何よ?」

脱出艇の中、そこには捕らえられた筈の連合軍兵士がいた。

「この艦は、ナデシコは、本当に火星までいけると思いますか?」

「さあ。ただ、テンカワが乗るからには勝算はあるでしょうね」

「たった一隻で、あの、火星にですか?

 失礼ですが、自分には無謀としか思えません」

「テンカワの考えてることなんて私には分からないわ。

 あいつはいつでも肝心なことは周りに隠しておくんだもの」

「・・・・・・・・・・・」

「さ、こんな無駄口叩いてないでさっさと脱出するわよ。

 最後に一発派手にかますわよ!」

「「「「「「「「はっ!」」」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

後書き

藍染児:ご無沙汰です。藍染児です。
ミズキ:遅かった割に大したこと無い出来ね。
藍:一回出来あがったものを読み直したらなんか気に入らなくて二回大幅修正した。
  その所為で時間が・・・・・・・。
ミ:ああはいはい。読んでる人には二回だろうが百回だろうが変わらないのよ。
  内容が面白ければそれでいいの。
藍:くそっ・・・・・言い返せないよう。
ミ:そう言えば、また名前だけのキャラが出てきたわね。構成力無いくせに後でちゃんと出せるの?
藍:う・・・いや、出せるぞきっと!みんな知ってるあの真紅の―――――
ミ:三倍の機動力?
藍:ちっがーーーーーーーーーーーーう!!!!

 

 

 

代理人の感想

 

おー、伏線張りまくりですな(笑)。

サユリを絡ませてくるとは正直意外でした。

御本人は謙遜していらっしゃいますが、広げた大風呂敷を何処まで上手く畳めるか、

楽しみにさせていただくとしましょうか。