変わりゆく時の中で
プロローグAパート
「さてと、この取っ手を持って運べば良いんだな。」
俺がブローディアで遺跡の演算ユニットを運ぼうとした時それは起きた。
「何!!」
突如俺の前にあった演算ユニットがその形を変え、ブローディアに掴み掛かった!
「くっ!!何だこれは!!」
俺は慌ててブローディアを激しく動かしたがびくともしない。
『ルリ姉!!システムが・・・私達がハッキングを受けてるよ!!』
『駄目だ!!プロテクトが全部突破される!!』
泣きそうな声でディアとブロスがルリちゃんに通信を入れている・・・
何故先に俺に何もいわないんだ・・・(いじいじ)
『ルリ!!ブローディアを中心にジャンプフィールドが発生してる!!』
ラピスの悲鳴のような声でそれ所じゃない事を思い出した。
「・・・ルリちゃん、ナデシコもジャンプフィールドを展開するんだ!!
ディストーション・フィールドの展開も頼む!!」
『アキトさん?そんな・・・まさか!!』
ルリちゃんが驚いた顔でこちらを見る・・・
「・・・遺跡自身がブローディアを取り込みつつジャンプを決行しようとしている。
遺跡を破壊するわけにはいかない以上、ナデシコをジャンプさせる機会は今しかない、さあ、早く!!」
こちらのいう事を聞いてナデシコがフィールドを展開した・・・
「間に合えよ−−−ジャンプ!!」
俺の叫びと供に俺とナデシコはジャンプをした・・・
そして−−−
ホゾンジャンプを終えた時、地球があった・・・
俺は急いでジャンプして抜け出そうとしたが、しかし・・・
『アキト!!今ならジャンプで逃げられるよ!!』
「・・・駄目だ、俺のジャンプイメージは全て遺跡にキャンセルされている、
ナデシコを連れてのジャンプは出来たのにな・・・
どうやら、俺個人を逃がすつもりはないようだ。」
俺は少々絶望しながら淡々とそう語った・・・
やっとここまで来たのにな・・・
『アキトさん!!』
ルリちゃんの叫びが聞こえた・・・
「・・・システムを掌握されたみたいだ、流石オリジナルと言ったところか・・・
くっ、何か手はないのか!!」
アサルトピット内で脱出手段を探すがシステムを掌握されている以上何も出来ない・・・
次の瞬間、ブローディアの周りにジャンプフィールドが形成される・・・
『ルリちゃん!!ナデシコをブローディアの近くに寄せて!!
ジャンプフィールドに接触していれば、私達も同じ場所にジャンプできるんでしょ?』
『はい!!』
ナデシコでの会話が聞こえる・・・
だけどそれは・・・ダメだ!!
「それは止めろ!!」
次の瞬間俺は叫んでた。
「もう間に合わない・・・
それに、何処ともしれぬ場所に皆を連れていきたくはない。
皆の帰りを待っている人が地球には居るんだぞ。」
これは嘘だな、本当は皆を連れていきたい、そう思ってる自分がどこかにいる・・・
だが・・・
『そんな・・・アキトさんを残してはいけません!!』
ルリちゃんの声だ・・・
俺がそんな事を考えてる間にもブローディアは虹色の輝きに包まれていく・・・
いつもとは違うその輝きに不安を感じる・・・
『テンカワ!!』
『アキト!!』
『アキトさん!!』
皆がブリッジに集まってるのか・・・
『一緒に・・・連れて行ってよ・・・アキト・・・』
『そうですよアキトさん、また私をおいて行くんですか・・・』
『アキト、ずっと一緒に居るって言ってくれたたじゃない!!』
ラピス、ルリちゃん、ユリカ・・・
俺の決心が一瞬揺らぐ、だけど・・・
「・・・それは無理だ。」
『アキトさん!!』
ルリちゃんの叫びを聞きながら、俺は少し微笑みながらこう言った・・・
「知っているだろ?
ウリバタケさんが何時も家族の写真を持ってるのをさ・・・
ユリカには親父さんが、ルリちゃんにも御両親がいる・・・
他の皆も地球で待っている人がいるんだ・・・」
『・・・私は、それでもアキトと一緒に行きたいよ!!
それに・・・ラピスちゃんはどうするの!!』
ユリカが俺に泣叫ぶように訴える・・・
ラピス・・・すまない・・・
ドサッ・・・
俺はブローディアのシートに背を預け、目を閉じながらこう言った・・・
「済まない、ユリカ・・・ラピスを頼む!!
お前なら、ラピスに『家族』と言うものを教えてやれるはずだ・・・それに皆もいるしな・・・
俺の記憶を知ってるだろう?
本当に楽しかったんだ・・・あの時は・・・
ルリちゃんと3人でラーメンの屋台を引いてさ、たまに皆が集まってきて、一緒に騒いで・・・」
『だったら!!
だったら、また一緒に済みましょうよ!!
今度はラピスも一緒です!!
皆さんが・・・皆が揃っているんですよ!!
あの時・・・あの時の思い出をもう一度取り戻せるんです!!』
ルリちゃんの叫び声が聞こえた・・・
だけど、だけど俺は・・・
「ジャンプが最終段階に入ったようだな・・・!!」
突然何か強い衝撃の様なものが来て俺の意識はそこで途絶えた・・・
最後に、視界の隅に何か紅いようなものが見えたような気がした・・・
そして・・・俺は光に包まれ・・・消えた・・・
そして2195年地球にて・・・
「ん?こんなところで行き倒れか・・・?しかもこんな子供が・・・?」
男は暫し考えた後
「・・・とりあえず家に運ぶか。」
と言い、その子供を家に連れて帰った・・・
続く
あとがき
投稿小説初挑戦のAKです。
ちなみにパソコンも初心者ですが・・・
ナデシコも全然みてなかったのですが、時ナデを読んでみて自分も書いてみたくなって挑戦してみました。
まだまだ初心者ですが、これから頑張りますのでよろしくお願いします。